2021/12/30

211230シーズン回顧(2) 2021選手別平均採点

2021シーズン回顧(2) 2021選手別平均採点

2021シーズンの川崎フロンターレ。
 J1リーグを連覇して5年連続のタイトルを獲得。
 J1リーグのMVPと得点王、さらにはベストイレブン7名を輩出した。
1回目(前編)の各種ランキングに続いて、2回目(後編)は選手別の平均採点を見る。

53試合のプレー時間の合計は、5,273分。
 この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。

exdrives における採点から、出場時間に照らし各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.151点だった。
(2020年6.073点、2019年5.943点、2018年5.883点、2017年6.036点、2016年6.028点、2015年6.014点、2014年5.870点)。


2月20日、FUJI XEROX SUPER CUP優勝

GK、DF、MF、FWの4ポジション別に、出場時間順に並べた。
 ポジションは登録上のものでなく、実態に合わせている。
 2021シーズンは4-3-3だったので、サイドバックはDFに含めている。
  旗手玲央はLSBやFWでも出場したが、MFに含めている。
  遠野大弥については迷ったが、MFとした。
なお、移籍情報は随時更新していきます。

■goal keeper
チョン・ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
 加入6年目。リスタートのキック能力が向上し、劣勢時のペース配分に気を配った。
 シーズン前半は攻撃される機会が少なく、ゴール前で見守るだけの試合が多かった。
 8月以降、被決定機が多くなると活躍が際立った。J1リーグ連覇に大きく貢献した。
 天皇杯2回戦長野戦(天皇杯 R64)3回戦千葉戦(天皇杯 R32)で、PK戦で勝利に導く。
丹野研太(27) 6試合583分出場 平均採点6.01 ベンチ47試合
 第2GKとして、全ての試合で控え続け、4月のソンリョン負傷時には4試合に登場。
 出場6試合で十分なパフォーマンスを見せてくれる。貴重な存在だった。
安藤駿介(21) 0試合0分出場 平均採点0 ベンチ7試合
 第3GKの立場が続いた。2017年から5年間、出場なし。
 丹野が出場した6試合と、ベンチ枠が10人のACL蔚山現代戦(ACL R16)でベンチに入り。
イ・キョンテ(40) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2021シーズン 岡山(J2)から2022年1月1日までの期限付き移籍)
 2020シーズンに続き、岡山からのレンタルとなった。
 出場もベンチ入りもなかった。ACLは外国人枠のため登録外。
 (2022シーズン 期限付き移籍満了、金海市庁FC(KOR)へ完全移籍)


11月7日の鳥栖戦(J1 #35)
 ガード・オブ・オナー(guard of honour)。駅前不動産スタジアム。

■defender
山根視来(13) 48試合4599分出場 平均採点6.03 ベンチ1試合
 ベストイレブン(2年連続2回目)。3月、日本代表に初選出され、出場を重ねる。
 不動のRSBとして右サイドに君臨した。多くのアシストを重ねる。
 連戦でパフォーマンスを落としても、わずかな休養だけで復活。
 代表で不在となるとき以外は、RSBの控えは必要なかった。
ジェジエウ(4) 43試合3650分出場 平均採点6.25 ベンチ3試合
 ベストイレブン(2年連続2回目)。離脱少なく最終ラインを支える。
 高さとスピードで守るだけでなく、攻撃でも縦パスやドリブルを仕掛けた。
 11月7日の鳥栖戦(J1 #35)で左膝前十字靭帯と内側側副靭帯を損傷。
 ブラジルに帰国して手術するため、来シーズンまで長期離脱が予想される。
谷口彰悟(5) 41試合3462分出場 平均採点6.17 ベンチ2試合
 ベストイレブン(2年連続3回目)。日本代表にコンスタントに選出される。
 左右どちらのCBでも安定していた。アンカーとしても出場機会を得た。
 8月18日の清水戦(天皇杯 R16)で負傷するが、離脱の影響は大きかった。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)での復帰前に、チームはルヴァンカップとACLに敗退。
登里享平(2) 38試合3387分出場 平均採点5.93 ベンチ2試合
 左鎖骨骨折から4月3日の大分戦(J1 #7)で復帰すると、LSBで先発を続ける。
 三笘薫、長谷川、マルシーニョ、宮城天と多くの左FWと組み、それぞれの特徴を活かす。
 味方のパスコースを確保する動きと、幅広いパターンのパスでチーム全体を動かした。
車屋紳太郎(7) 43試合2634分出場 平均採点6.34 ベンチ5試合
 LCBがメインとなったが、登里に代わりLSBで試合を締める役割もこなした。
 縦に持ち運ぶプレーも多く、鋭いパスで攻撃のスイッチを入れる。
 9月1日の浦和戦(YLC QF #1)で足を負傷し、1ヶ月間チームを離脱した。
山村和也(28) 31試合1757分出場 平均採点5.90 ベンチ2試合
 3月18日に左大腿二頭筋肉離れで離脱し、6月9日の長野戦(天皇杯 R64)で復帰。
 谷口、車屋が欠場していた9月を始め、安定したプレーを見せてくれる。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)で、投入直後に同点ゴールを決めた。
イサカ・ゼイン(15) 5試合344分出場 平均採点5.37 ベンチ5試合
 6月2日の横浜FC戦(J1 #21)で、大卒加入2年目で初出場を果たす。
 山根に代わるRSBを任されるが、守備のタスクを上手くこなせなかった。
 (2022シーズン 横浜FC(J2)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
神谷凱士(26) 3試合134分出場 平均採点5.65 ベンチ1試合
 ゼインと同じく、6月2日の横浜FC戦(J1 #21)で、大卒加入2年目で初出場。
 ACLでも2試合に出場し、LSBとLCBでプレー。
 (2022シーズン 藤枝(J3)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
田邉秀斗(30) 3試合111分出場 平均採点5.50 ベンチ1試合
 (2021シーズン 静岡学園高校から加入)
 7月11日の北京戦(ACL GL #6)でデビューを飾り、LSBで果敢に攻めた。
 浦和とのルヴァンカップ準々決勝2試合も、ミスはあったが臆さずに強気にプレー。

■midfielder
脇坂泰斗(8) 49試合3430分出場 平均採点6.06 ベンチ2試合
 ベストイレブン(初受賞)。3月、日本代表に初選出される。
 比較的早い交代が多かったが、田中碧移籍後はプレータイムを伸ばし、主力に定着。
 8番を2年間続けたが、磨かれた戦術眼に相応しい新たな番号を背負いたい。
旗手怜央(47) 38試合3361分出場 平均採点6.06 ベンチ0試合
 ベストイレブン(初受賞)。東京オリンピック日本代表。11月、フル代表に初選出。
 序盤はLSBでプレーし、登里復帰後はインサイドハーフに戻った。
 試合中に左FWにも入ることがあり、多くのポジションでプレーする。
 感情の高ぶりが激しく、試合後に号泣するシーンが多かった。
 (2022年1月 セルティック(SCO)へ完全移籍)
橘田健人(22) 43試合2955分出場 平均採点6.35 ベンチ4試合
 (2021シーズン 桐蔭横浜大学から加入)
 最初の公式戦G大阪戦(FXSC)から出番を得て、少しずつ経験を重ねた。
 7月2日のユナイテッド・シティ戦(ACL GL #3)でハットトリック。
 秋を迎えるとシミッチからポジションを奪い、アンカーで豊富な運動量を見せた。
ジョアン・シミッチ(6) 35試合2765分出場 平均採点6.14 ベンチ0試合
 (2021シーズン 名古屋(J1)から完全移籍で加入)
 アンカーでレギュラーを確保する。左足のロングキックやスルーパスで攻撃を差配する。
 身長を活かした強い守備が効いたが、両脇のスペースを使われる。右足も不得手だった。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)の先発を最後に、メンバー外が続いた。
田中碧(25) 21試合1876分出場 平均採点6.28 ベンチ0試合
 右インサイドハーフを主戦場として、ゴールをより意識して攻撃的にプレー。
 激しい運動量で守備のタスクもこなし、前半の快進撃の主役となった。
 5月30日の鹿島戦(J1 #17)を最後に、U-18から昇格後4年半で海外に旅立った。
 東京オリンピック日本代表(デュッセルドルフ移籍後)。
 (2022年6月 デュッセルドルフ(GER)へ2022年6月30日までの期限付き移籍)
遠野大弥(19) 38試合1492分出場 平均採点5.94 ベンチ9試合
 (2021シーズン 福岡(J2)への期限付き移籍から復帰)
 インサイドハーフやサイドFWでプレー。力強いシュートと決定力を見せる。
 J1リーグで6ゴール、ACLで1ゴール。セットプレーも担当した。
 シーズンを通じて、ボールを受ける動きや守備が整備されてきた。
塚川孝輝(3) 21試合582分出場 平均採点5.57 ベンチ4試合
 (2021シーズン 松本(J2)から完全移籍で加入)
 シミッチの交代要員として、アンカーでの出場を重ね、インサイドハーフでもプレー。
 身長を活かしたハイボール対応と、鋭いリアクションで中盤に活気をもたらした。
 2月20日のG大阪戦(FXSC)7月5日のユナイテッド・シティFC戦(ACL GL #4)と2回、脳震盪によって離脱。後者は9月14日の蔚山現代戦(ACL R16)まで復帰に2か月以上を要した。
大島僚太(10) 15試合574分出場 平均採点5.98 ベンチ1試合
 チーム始動直後に負傷して、6月26日の大邱FC戦(ACL GL #1)で復帰する。
 三笘薫と田中碧の移籍後のチームを支えるはずが、7月21日の千葉戦(天皇杯 R32)で再負傷。
 10月24日の清水戦(J1 #33)で復帰したが、年間の稼働期間はあまりにも短かった。
 とはいえ、出場すればチーム全体を変える力を見せた。
小塚和季(17) 12試合462分出場 平均採点5.72 ベンチ10試合
 (2021シーズン 大分(J1)から完全移籍で加入)
 少ないプレー時間だったが、天才的な輝きの片鱗を見せてくれた。
 動き直しと守備の強度が課題。大分戦(天皇杯 SF)のアシストは素晴らしかった。


9月29日の神戸戦(J1 #28)
 勝負の5連戦の4試合目でした。

■forward
家長昭博(41) 51試合3976分出場 平均採点6.11 ベンチ2試合
 ベストイレブン(2年連続3回目)。家長がいるところから、攻撃が始まった。
 開幕戦横浜FM(J1 #1)での2ゴールで、チームに良いスタートを切らせた。
 プレータイムもかなり長く、鬼木監督にとって欠かせない存在となっていた。
 35歳となって戻りは遅くなりがちで、RSB山根に負担を掛けていた。
レアンドロ・ダミアン(9) 48試合3450分出場 平均採点6.51 ベンチ5試合
 J1リーグMVP、得点王、ベストイレブン(いずれも初受賞)。
 加入3年目にしてブラジル代表の本領を発揮する。
 ゴラッソあり、決定力あり、多様なゴールパターンを見せ、アシストも多い。
 チェイスにも磨きがかかり、ケガも少なく、非の打ち所なく完璧だった。
小林悠(11) 42試合1837分出場 平均採点6.22 ベンチ1試合
 ダミアンの好調を受け、プレー時間は減らしたものの、J1リーグで10ゴール。
 右ウィングでは、かつての日本代表時代と同じく、窮屈さを感じさせた。
 福岡戦(J1 #26)に負けた次の札幌戦(J1 #27)で「フロンターレは死んでいない」と語る。
 G大阪戦(FXSC)鹿島戦(J1 #17)では、ロスタイム終了間際に決勝ゴールを決める。
三笘薫(18) 24試合1658分出場 平均採点6.34 ベンチ3試合
 東京オリンピック日本代表。戦術三笘として圧倒的にドリブルで切り裂いた。
 厳しいマークで封じられても、一瞬のきらめきでゴールやアシストの結果を出した。
 7月8日の大邱戦(ACL GL #5)でのプレーを最後に、川崎での1年半の活躍を終えた。
 (2021年8月 ブライトン(ENG)へ完全移籍、サンジロワーズ(BEL)へ期限付き移籍)
長谷川竜也(16) 30試合1443分出場 平均採点5.84 ベンチ6試合
 左FWで交代出場を重ね、クロスボールを入れていく。
 9月14日の蔚山現代戦(ACL R16)での交代出場以降、ベンチ外が続いてしまう。
 蔚山現代戦のPK失敗が、川崎でのラストプレーとなった。
 (2022シーズン 横浜FC(J2)へ完全移籍)
知念慶(20) 31試合1088分出場 平均採点6.11 ベンチ7試合
 (2021シーズン 大分(J1)への期限付き移籍から復帰)
 3番手のCFとして控え、プレー時間は短いながらも確かな痕跡を残す。
 ACLでは途中出場した北京戦(ACL GL #2)の2得点など、合計4ゴールを決めた。
 徳島戦(J1 #29)で2ゴール、湘南戦(J1 #30)で足を攣りながらもロスタイムに決勝ゴール。
マルシーニョ(23) 13試合869分出場 平均採点6.14 ベンチ1試合
 (2021年8月 重慶両江(CHN)から完全移籍で加入)
 8月13日に加入発表、入国後の隔離期間を経て8月30日に全体練習に合流する。
 9月18日の徳島戦(J1 #29)でデビューすると、左FWとして活躍する。
 決定力は今ひとつだが、スピードとドリブルで決定機を生み出した。
宮城天(24) 20試合834分出場 平均採点6.12 ベンチ4試合
 (2021シーズン 富山(J3)への期限付き移籍から復帰)
 6月9日の長野戦(天皇杯 R64)で、川崎でのデビュー。
 吸い付くようなトラップを武器に、三笘移籍後の左FWでプレー。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)の後半ロスタイム、決勝ミドルを叩き込む。


5月22日の横浜FC戦(J1 #15)
小林悠(11)のJ1リーグ300試合出場セレモニー。
 前節札幌戦(J1 #14)で達成。

(特別指定) ※出場なし
松井蓮之(31) 
 2月に加入内定、特別指定。法政大学4年生。姉は俳優の松井愛莉。
 (2022シーズン 新規加入)
早坂勇希(32)
 4月に加入内定、特別指定。桐蔭横浜大学4年生、川崎U-18出身。
 (2022シーズン 新規加入)

佐々木旭(流通経済大学4年生)は3月に加入内定。特別指定はなし。
永長鷹虎(興国高校3年生)は6月に加入内定。特別指定はなし。

(2種登録) ※出場なし
五十嵐太陽(33) 
 U-18の3年生。8月27日、U-18からの昇格と2種登録が発表された。
 (2022シーズン U-18から昇格)
高井幸大(34) 
 U-18の2年生。8月27日、2種登録が発表された。
 (2022シーズン プロ契約、2種登録)

■rental
マギーニョ
 (2021シーズン 横浜FC(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 契約満了)
原田虹輝
 (2021シーズン 鳥取(J3)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 長野(J3)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
宮代大聖
 (2021シーズン 徳島(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 鳥栖(J1)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)

■coach
鬼木達 平均採点6.15
 最も高い評価は7.5点で、湘南戦(J1 #30)だった。
 最も低い評価は4.5点で、鳥栖戦(J1 #35)だった。
 (2020年6.03、2019年5.81、2018年5.72、2017年6.12)

■referee
平均採点5.98
 (2020年5.90、2019年5.70、2018年5.71、2017年5.72、2016年5.69、2015年5.61)

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2021/12/27

211227シーズン回顧(1) 2021ランキング

2021シーズン回顧(1) 2021ランキング

2021シーズンの川崎フロンターレを振り返る第1回目(前編)。
 J1リーグで優勝を飾り、6個目のタイトルを獲得した。
 2020シーズンに続き、新型コロナウイルスの大きな影響があった。
  観客数の制限が続き、7月には選手1名とスタッフ2名が感染した。

公式戦は53試合だった。
 J1リーグ38、ACL7、YBCルヴァンカップ2、天皇杯5、FXSC1。

2020年は41試合だったので、12試合の増。
 ACLとFXSCに出場し、J1リーグも4試合増えている。
 2019年は50試合、2018年は47試合、2017年は53試合だった。


浦和戦(J1 #34)でJ1リーグ優勝を決める。
4度目のシャーレを等々力で掲げた。

■J1リーグ 優勝★
 勝ち点92 38試合28勝8分2敗 得失点差+53
  2度目の2連覇で、通算4度目のJ1リーグ優勝となった。
  圧倒的だった2020シーズンとは異なり、夏場に2位横浜Fマリノスに詰められる。
   田中碧と三笘薫が移籍し、負傷者が増えた影響が大きかった。
   8月下旬からコンディションが落ち、ルヴァンカップとACLを失う。
   しかし、9月18日の徳島戦(J1 #29)からの5連戦を全勝して、優勝した。

  J1リーグ最少敗戦記録を2敗(以前は3敗:2020川崎)に更新。
   (なお、20チーム制だったため、試合数は増えている。)
  昨年から続くJ1リーグ無敗記録を、30試合(以前は21試合:2012-13大宮)に更新。
  J1リーグ開幕からの無敗記録を、25試合(以前は19試合:2015浦和)に更新した。

■アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL) ベスト16
 グループステージIグループ 1位 6試合6勝 得失点差+24
 決勝トーナメント 1試合1分(PK戦1敗) 得失点差0
  GLを首位通過したが、蔚山現代戦(ACL R16)はPK戦で敗退した。

■YBCルヴァン・カップ(YLC) ベスト8
 2試合2分 得失点差0
  ベスト8から出場したルヴァンカップは、浦和に競り負ける。
  2試合ともにドローだったが、アウェイゴール差で敗退した。

■天皇杯 ベスト4
 5試合2勝3分(PK戦2勝1敗) 得失点差+3
  2回戦の長野戦(天皇杯 R64)3回戦の千葉戦(天皇杯 R32)と連続してPK勝利。
  準決勝大分戦(天皇杯 SF)はPK戦で敗退し、ベスト4となった。

■FUJI XEROX SUPER CUP 優勝★
 1試合1勝 得失点差+1
  G大阪に競り勝ち、3度目の出場で2度目の優勝を飾る。

5つの大会の合計では、53試合37勝14分(PK戦2勝2敗)2敗。
 負けたのは、8月25日の福岡戦(J1 #26)と、11月7日の鳥栖戦(J1 #35)だけ。
  福岡戦は、2020年11月21日の大分戦(2020 J1 #28)以来、9ヶ月ぶりの敗戦だった。
  この間、J1リーグ30試合無敗、公式戦42試合無敗を記録している。
 ACLと天皇杯はPK戦で、ルヴァンカップはアウェイゴール差で敗退した。

53試合のプレー時間の合計は、5,273分。
 この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。
 exdrives における採点から、出場時間に応じて各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.151点。
 exdrives をスタートした2014年以降、2020年を超えて最高の平均採点となった。

 過去のチーム全体の平均採点は次のとおり。
  2020年 6.073点 J1リーグ・天皇杯優勝
  2019年 5.943点 YBCルヴァンカップ優勝
  2018年 5.883点 J1リーグ優勝
  2017年 6.036点 J1リーグ優勝
  2016年 6.028点
  2015年 6.014点
  2014年 5.870点

■high player (season)
 1,000分以上出場した19選手で、シーズン平均採点が高かったのは次の選手。
  カッコ内は2020年、2019年の順位。
   在籍していない年は (-)、1,000分未満の出場の年は (x) とした。

 1,000分以上出場したのは、2020年は16選手(41試合)、2019年は22選手(50試合)。
  2021年は53試合で19選手で、2019年の22選手と比べ、選手起用は集中していた。

1位(5位, 4位) ダミアン(9) 48試合3450分出場 平均採点6.51 ベンチ5試合
2位(3位, 17位) ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
3位(-, -) 橘田健人(22) 43試合2955分出場 平均採点6.35 ベンチ4試合
4位(14位, 22位) 車屋紳太郎(7) 43試合2634分出場 平均採点6.342 ベンチ5試合
5位(1位, -) 三笘薫(18) 24試合1658分出場 平均採点6.336 ベンチ3試合


レアンドロ・ダミアン(9)。
 10月24日の清水戦(J1 #33)

 レアンドロ・ダミアンを最も高く評価した。
  インテルナシオナル(BRA)から加入3年目。J1リーグMVP、ベストイレブン、得点王。
  圧倒的な決定力だけでなく、精力的なプレッシングでチームを牽引した。
  ダミアンの平均採点6.51は、exdrives における史上最高点。
 2位ソンリョンの6.39、3位橘田の6.35も、例年であればMVPに値する。

 逆に平均採点が低かったのは、19位長谷川竜也、18位山村和也、17位登里享平。
 2020年に上位だった三笘薫は5位(1位)、守田英正はサンタクララ(POR)へ移籍(2位)、ソンリョンは2位(3位)。

 過去の exdrives におけるMVPは、次のとおり。
  2020年 三笘薫(18) 平均採点6.40
  2019年 ジェジエウ(4) 平均採点6.24。
  2018年 家長昭博(41) 平均採点6.25。
  2017年 ソンリョン(1) 平均採点6.32。
  2016年 小林悠(11) 平均採点6.30。
  2015年 大島僚太(16) 平均採点6.25 
  2014年 中村憲剛(14) 平均採点6.25。

■play time (season)
 53試合5,273分のうち、出場時間が長かったのは次の選手。
 カッコ内は2020年、2019年の順位。

1位(1位, 2位) ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
2位(2位, -) 山根視来(13) 48試合4599分出場 平均採点6.03 ベンチ1試合
3位(8位, 4位) 家長昭博(41) 51試合3976分出場 平均採点6.11 ベンチ2試合
4位(3位, 17位) ジェジエウ(4) 43試合3650分出場 平均採点6.25 ベンチ3試合
5位(4位, 1位) 谷口彰悟(5) 41試合3462分出場 平均採点6.17 ベンチ2試合


チョン・ソンリョン(1)。
 3月10日の徳島戦(J1 #3)

 ソンリョンが2年連続で出場時間1位。47試合でフル出場。
  第2第3腰椎横突起骨折で4月の4試合を欠場。このほか2試合欠場しただけだった。

 出場試合数で見ると、家長昭博が51試合、脇坂泰斗が49試合で多かった。
 ベンチ入り(出場なし)も含むメンバー入りは、全53試合だったのが3選手。
  ダミアン、丹野研太、家長昭博の3人で、ダミアンは3年連続でトップ。
 ベンチ入り(出場なし)は、丹野研太が47試合で、2年連続で最も多かった。

■high game
 各試合ごとに出場選手の採点を、出場時間に応じて平均した。
 平均採点が高かったのは、次の試合。

1位 210429名古屋0-4川崎(J1 #22) 平均採点6.66
 首位攻防2連戦の初戦に圧勝。堅守名古屋を完全に攻略して、4得点を決める。
2位 210708大邱1-3川崎(ACL GL #5) 平均採点6.52
 GL首位通過を決める。大邱をパス交換で深く押し込み、ダミアンがハットトリック。
3位 210516川崎2-0札幌(J1 #14) 平均採点6.51
 札幌のハードプレスに苦しみつつ、シミッチのミドルパスなど技術で打ち勝った。

 当時2位の名古屋を圧倒した首位攻防第1戦がベストゲーム。
 2位と3位は、圧勝ではなかったが、高い技術で相手を上回り勝利したもの。

■low game
 逆に平均採点が低かったのは、次の試合。

53位 211107鳥栖3-1川崎(J1 #35) 平均採点5.22
 優勝が決まった直後だったとはいえ、鳥栖に内容で上回られて3失点で惨敗。
52位 210825福岡1-0川崎(J1 #26) 平均採点5.56
 決定機を多く作ったが決め切れず、耐え凌いだ福岡のゴラッソで敗戦した。
51位 210821広島1-1川崎(J1 #25) 平均採点5.59
 風雨が強く、コンディションも悪かった。ダミアンのゴールで同点に追い付く。 

 今シーズンの2敗が、そのまま最下位から2つを占めた。
 8月下旬の広島戦(J1 #25)福岡戦(J1 #26)は、負傷離脱者が増え、疲労が色濃い時期だった。

■high player (each game)
 各試合の採点で、最も高かったのは8.5点。1回あった。

8.5 ダミアン(9) 210708大邱1-3川崎(ACL GL #5)
 34分、64分、87分にゴール。味方が作り出したチャンスを仕留めた。

 次に高かったのは8.0点。5回あった。

8.0 ダミアン(9) 210303川崎3-2C大阪(J1 #11)
 2ゴール1アシストの活躍。2度リードされる苦しい展開で、逆転勝利に導いた。
8.0 ダミアン(9) 210429名古屋0-4川崎(J1 #22)
 先制アシストに続き、ヘッドで2ゴール。完膚なきまでの圧勝を演出する。
8.0 ソンリョン(1) 210626川崎3-2大邱(ACL GL #1)
 1点をリードされた29分、PKをストップする。65分にも決定機を止める。
8.0 大島僚太(10) 210702川崎8-0ユナイテッド・シティ(ACL GL #3)
 前半だけの出場だったが、別格のプレーを見せる。1ゴール1アシスト。 
8.0 ソンリョン(1) 210929川崎3-1神戸(J1 #28)
 1失点後、神戸の決定的なシュートを止めまくる。逆転勝利につなげた。

 今シーズンのハットトリックは2回だった。
 大邱戦(ACL GL #5)のダミアン(採点8.5)と、ユナイテッド・シティ戦(ACL GL #3)の橘田健人(採点7.5)。

■low player (each game)
 各試合の採点で、最も低かったのは4.0点。1回だった。

4.0 旗手玲央(47) 211107鳥栖3-1川崎(J1 #35) 
 前半、LSBでプレーするが、攻守ともにバランスが悪く、中途半端だった。  

 今シーズンの退場はなかった。

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2021/12/21

211221移籍情報2021-2022(随時更新)

移籍情報2021-2022(随時更新)

2021-2022にかけて、選手やスタッフの移籍や契約更新の情報をまとめます。
 公式発表あるいはメディア報道をまとめたものです。

シーズン終了時に記事を書いて、随時新たな情報を加えていきます。

■■■ in (公式発表)■■■
■完全移籍加入
瀬古樹 横浜FC(J1→J2)から完全移籍加入
 2021年12月6日  スポニチ 完全移籍でほぼ合意。移籍金準備。
 2021年12月6日  ニッカン 獲得へ1歩リード。
 2021年12月23日 公式発表 完全移籍で加入。

高桑大二朗(GKコーチ) U-20日本代表GKコーチから就任
 2022年1月5日  公式発表 GKコーチに就任。

チャナティップ 札幌(J1)から完全移籍加入
 2022年1月7日  スポニチ 移籍金を含めて条件面で大筋合意。完全移籍で加入。
 2022年1月7日  デイリー クラブ間交渉で合意に向かっている。移籍金を払う完全移籍。
 2022年1月7日  三上大勝・札幌GM オンライン取材
 「クラブ間で合意し、選手と契約内容を詰めている。国内移籍で過去最高額の移籍金。
  12月23日に1回目の打診。28日に2回目のオファーがあり、30日に合意した。」
 2022年1月8日  スポニチ 移籍金は約5億円。
 2022年1月11日 公式発表 完全移籍で加入。

■新卒加入
松井蓮之(31) 法政大学から加入
 2021年2月25日  公式発表 加入内定、特別指定。

佐々木旭 流通経済大学から加入
 2021年3月31日  公式発表 加入内定。

早坂勇希(32) 桐蔭横浜大学から加入
 2021年4月30日  公式発表 加入内定、特別指定。

永長鷹虎 興国高校から加入
 2021年6月16日  公式発表 加入内定。

五十嵐太陽(33) U-18から昇格
 2021年8月27日  公式発表 昇格決定、2種登録。

■■■ in (報道ベース)■■■
■完全移籍オファー【破談】
宇佐美貴史 G大阪(J1)
 2021年12月13日 報知新聞 完全移籍へ正式オファー。
 2021年12月21日 デイリー 残留を決断。
 2021年12月21日 報知新聞 残留を決断。

■■■ out (公式発表) ■■■
■完全移籍・契約満了
三笘薫(18) ブライトン(ENG)へ完全移籍
 2021年8月10日 公式発表 完全移籍。

菊池新吉(GKコーチ) 広島(J1)へ完全移籍
 2021年12月5日  公式発表 双方合意の上、退任。
 2021年12月20日 公式発表 広島(J1)のGKコーチに就任。

長谷川竜也(16) 横浜FC(J1→J2)へ完全移籍
 2021年12月21日 スポニチ 完全移籍する。来季の契約を残す。
 2021年12月25日 公式発表 完全移籍。


2017年12月10日。
 J1リーグ優勝記念パレード。

旗手玲央(47) セルティック(SCO)へ完全移籍
 2021年9月14日  東京スポ  セルティック(SCO)が来年1月の獲得を狙っている。
 2021年11月27日 TheScotsman セルティック(SCO)が獲得に迫っている。
 2021年12月5日  報知新聞 セルティック(SCO)が移籍金2億円で獲得する。
 2021年12月5日  デイリー セルティック(SCO)がオファー、移籍金は設定金額に届かず。
 2021年12月13日 報知新聞 セルティック(SCO)へ移籍。クラブ間で大筋合意。
 2021年12月31日 スポニチ 移籍が決定的。年明けに日本を立つ。
 2021年12月31日 公式発表 完全移籍。


2019年12月7日。
 アウェイ札幌戦(J1 #34)の85分、川崎でのデビューを飾る。当時、順天堂大学4年生の特別指定。

■引退

■川崎からの期限付き移籍
田中碧(25) デュッセルドルフ(GER)へ期限付き移籍
 2021年6月28日 公式発表 期限付き移籍 2021年7月1日~2022年6月30日。

イサカ・ゼイン(15) 横浜FC(J1→J2)へ期限付き移籍
 2021年12月22日 スポニチ 1年間の期限付き移籍。
 2021年12月22日 ニッカン 期限付き移籍。
 2021年12月25日 公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

神谷凱士(26) 藤枝(J3)へ期限付き移籍
 2022年1月12日 公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

■川崎からの期限付き移籍満了・さらに期限付き移籍
宮代大聖 徳島(J1→J2)への期限付き移籍満了、鳥栖(J1)へ期限付き移籍
 2021年12月31日 公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

原田虹輝 鳥取(J3)への期限付き移籍満了、長野(J3)へ期限付き移籍
 2021年12月23日 公式発表 期限付き移籍から復帰。
 2022年1月7日  公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

■川崎からの期限付き移籍満了・契約満了
マギーニョ 横浜FC(J1→J2)への期限付き移籍満了、契約満了
 2021年12月21日 公式発表 期限付き移籍満了、契約満了。

■川崎への期限付き移籍満了
イ・キョンテ(40) 岡山(J2)からの期限付き移籍満了、金海市庁FC(KOR)へ完全移籍
 2021年12年25日 公式発表 岡山(J2)からの期限付き移籍満了。金海市庁FC(KOR)へ完全移籍。

■■■ out (報道ベース) ■■■
■川崎からの期限付き移籍【破談】
シミッチ(6)
 2021年12月5日  報知新聞 FC東京(J1)がリストアップ。
 2021年12月5日  中日スポ FC東京(J1)が獲得決定的。
 2021年12月7日  報知新聞 FC東京(J1)が1年間の期限付き移籍で獲得。
 2022年1月8日  中日スポ 交渉は難航。一転して破談の可能性も。
 2022年1月12日 公式発表 川崎と契約更新。

■■■ renew (公式発表) ■■■
■契約更新
レアンドロ・ダミアン(9)
 2021年11月4日  スポニチ 来季も残留する。
 2021年11月25日 公式発表 来季の契約について合意。

鬼木達(監督)
 2021年12月17日 公式発表 来季の契約について合意。

チョン・ソンリョン(1)
 2021年12月29日 公式発表 来季の契約について合意。

ジェジエウ(4)
マルシーニョ(23)
 2021年12月31日 公式発表 来季の契約について合意。

シミッチ(6) (再掲)
 2022年1月12日 公式発表 来季の契約について合意。

登里享平(2) 
塚川孝輝(3) 
谷口彰悟(5) 
車屋紳太郎(7) 
脇坂泰斗(8) 
大島僚太(10) 
小林悠(11) 
山根視来(13) 
小塚和季(17) 
遠野大弥(19) 
知念慶(20) 
安藤駿介(21) 
橘田健人(22) 
宮城天(24) 
丹野研太(27) 
山村和也(28) 
田邉秀斗(30) 
家長昭博(41) 

 2022年1月12日 公式発表 18選手と来季の契約について合意。

寺田周平(コーチ)
戸田光洋(コーチ)
二階堂悠(コーチ)
吉田勇樹(コーチ)
篠田洋介(フィジカルコーチ)

 2022年1月12日 公式発表 5コーチと来季の契約について合意。

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2021/12/13

211212川崎1(4PK5)1大分(天皇杯 SF)

川崎1(4PK5)1大分(等々力, 14:00KO, 17,595人)

2021シーズンも、残すのは天皇杯のみとなった。
 J1リーグ最終節横浜Fマリノス戦(J1 #38)から、中7日の日程。
 準決勝は収容率100%の等々力で、大分トリニータと対戦する。
 全席使用する等々力は、コロナ禍前の2020年2月22日の鳥栖戦(2020 J1 #1)以来。


先発は、マリノス戦から2人が変わる。
 山村がRCBで、大島がIHで新たに先発し、旗手が左FWに回る。
 マルシーニョがベンチへ、マリノス戦で負傷した車屋はベンチ外となった。

ベンチには小塚と塚川が入り、宮城天が外れた。
 塚川は9月22日の鹿島戦(J1 #32)、小塚は10月2日のFC東京戦(J1 #31)以来のベンチ入り。
 負傷者が少ない時期にはベンチ外が続いていて、久しぶりのメンバー入りを果たした。


大分は、J1リーグ9勝8分21敗の19位。
 J2リーグへの降格と、片野坂知宏監督の退任が決まっている。
 増山朝陽(39)、呉屋大翔(33)、野嶽惇也(28)、梅崎司(27)は天皇杯登録外。
  いずれも夏に大分に加入し、前チームで天皇杯に出場しているため。
 刀根亮輔(41)は、天皇杯における累積警告のため、出場停止。

今シーズンの対戦は、川崎の2勝だった。
 210403川崎2-0大分(J1 #7)
 210809大分0-2川崎(J1 #23)

■1st half
大分はそれほどプレスを掛けず、撤退してゴール前を固めてきた。
 コンパクトでもなく、中盤やサイドにスペースが空いていて、川崎が攻めていく。
 特に大島がクリエイティブなプレーを披露して、観客を驚かせた。

ダミアンにボールが集まり、ダミアンが次々にシュートを狙う。
そして大分のGK高木駿(1)が、大活躍を見せた。
 25分の脇坂、27分の大島、45分の山村、45分の旗手のシュートを防いだ。

大分はほとんど攻撃できなかった。
 下田北斗(11)がタクトを振るうが、スルーパスはつながらない。

■2nd half
後半も川崎が圧倒的に押し込んでいく。
 CKやFKも数多く獲得して、脇坂が蹴り続ける。
 48分に山根、53分に脇坂、72分と79分にマルシーニョがシュート。
 75分にはダミアンがオーバヘッド。
 それでもGK高木駿が守るゴールを割ることはできなかった。

大分のチャンスはほとんどなく、耐え続ける。
 77分、GKソンリョンの処理ミスを奪い、下田北斗がシュートした。

■extra time
延長も同じような流れが続いた。
 選手交代を交えながら、川崎が攻め続ける。
100分、脇坂が強烈なミドルを放つが、GK高木駿がセーブ。
105分、家長のラストパスから小林悠が決定的なシュートを放つ。

スコアレスドローも色濃くなった113分。
 小塚の右クロスを小林悠が合わせ、川崎がようやくリードを奪った。
残りは7分とロスタイムだけ。
 あとは逃げ切るだけだった。
 しかし、遠野が負傷して数的不利となり、大分の逆襲を許してしまう。

120+1分、下田北斗が中盤からアーリークロス。
 前線に上がっていたCBエンリケ・トレヴィザン(14)が頭で合わせて、同点とされた。

■penalty shootout
川崎は、4人目の塚川が左ポストに当ててリードを許す。
大分の5人目、小林裕紀(6)は決めれば勝てる状況だったが、GKソンリョンが止める。
しかし、7人目の山根をGK高木駿が止めて、大分が決勝に進んだ。

大分 ○下田 北斗(11) ×長沢駿(20)  ○松本怜(7)   ○トレヴィザン(14)
   ×小林裕紀(6) ○三竿雄斗(3) ○町田也真人(8)
川崎 ○知念慶(20)   ×山村和也(28) ○小塚和季(17) ×塚川孝輝(3) 
   ○小林悠(11)  ○谷口彰悟(5) ×山根視来(13) 

■summary
大分は、狙いどおりのサッカーを120分間、続けた。
 113分に先制ゴールは許したものの、下田北斗の正確なキックで同点に追い付く。
 PK戦に持ち込んで勝利するというシナリオを完遂した。

多くのシュートを浴びながら、GK高木駿(1)が好セーブを続ける。
 PK戦では山村と山根の2本のPKを止め、勝利に導いた。

J2降格が決まっても、天皇杯に優勝すれば、ACLに出場できる。
 夢のある決勝進出であり、ぜひ、タイトルを獲得してほしい。


決勝進出が決まった直後の大分の選手たち。

泣き続ける旗手玲央(47)に寄り添う脇坂泰斗(8)。

川崎はGK高木駿の牙城を崩せなかった。
 中盤で圧倒的に支配することで、サイドを含めて攻撃を続ける。
 1トップのダミアンは厳しくマークされつつも、多くのシュートを放った。

延長での選手交代が奏功し、小塚のクロスを小林悠が決めてリード。
 120+1分の下田北斗のアーリークロスは、可能性が高いものではなかった。
 しかし、トレヴィザンが対峙する山村を制し、同点ゴールを決められた。


天皇杯は準決勝で大分に負け、2021シーズンが終わった。
 ACLの海外連戦や帰国後の隔離、等々力を使えない期間も長かった。
 8月に調子を落としながら、盛り返してJ1リーグのタイトルを獲得。
 ACLと天皇杯はPK戦で、YBCルヴァンカップはアウェイゴール数差で敗退した。
 いずれも紙一重だったが、今年のタイトルは1つにとどまった。

予定よりも1週間早いシーズンオフとなった。
 選手たちは身体をしっかり休めて、2022シーズンに向けて英気を養ってほしい。

■goal
113小林悠(11) 
120+1エンリケ・トレヴィザン(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 96分、渡邉新太(16)のシュートを弾く。PK戦では小林裕紀を止めた。
山根視来(13) 6.5 GKやCBのパスの受け皿となる。48分、105+3分、110分にシュート。
山村和也(28) 6.0 正確なパスで組み立てる。45分、ループシュート。失点は防げなかった。
谷口彰悟(5) 6.5 90+4分、脇坂のFKをヘッド。力強いクリアを続け、臆せず前につないだ。
登里享平(2) 6.0 守備の間を狙ってスルーパスを通す。44分、左クロスをダミアンに届ける。
橘田健人(22) 6.0 中盤でボールを奪う。ゴールに直接つながるプレーをもっと磨きたい。
脇坂泰斗(8) 6.5 25分、縦に進んでミドル。100分にもミドル。セットプレーを多く蹴る。
大島僚太(10) 6.5 27分、ボレーシュート。40分、ユニフォームを引っ張られ、報復する。
家長昭博(41) 6.0 左サイドに出張ることが多かった。51分と100分に脇坂のCKをヘッド。
ダミアン(9) 6.0 17分、18分、28分、44分と積極的にシュート。75分、オーバーヘッド。
旗手玲央(47) 6.0 45分、64分にシュート。左FWではサイドに張り、ドリブルを仕掛けた。

■sub
65(10)マルシーニョ(23) 6.0 79分、決定機。111分、115分にカットインからシュート。
82(47)知念慶(20) 5.5 1トップ、そして2トップの一角でプレー。120+5分にシュート。
82(9)小林悠(11) 6.5 113分、ワンタッチで先制ゴール。105分に決定的なシュート。
109(22)小塚和季(17) 6.0 113分、山根のパスでPA内に走り込み、右クロスで1アシスト。
109(8)塚川孝輝(3) 6.0 空中戦を制して、セカンドボールを回収。ダイナミックにプレー。
109(41)遠野大弥(19) 5.5 右サイドから中を狙う。117分、足を負傷し、ピッチ外に去る。

■bench
丹野研太(27) 

■coach
鬼木達 6.0 109分の3枚替えで先制点を奪う。ただ、PKが得意な選手が減ってしまった。

■referee
松尾一 6.5 判断基準が分かりやすく、抑制的なジャッジ。素晴らしかった。

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2021/12/04

211204横浜FM1-1川崎(J1 #38)

横浜FM1-1川崎(日産スタジアム, 14:00KO, 30,657人/36,164人)

2021シーズンのJ1リーグ最終節。
 G大阪戦(J1 #37)から中6日で、横浜Fマリノスとのアウェイゲーム。
 マリノスとは開幕戦(J1 #1)で戦ってから、9か月ぶりの対戦となる。

J1リーグの1位2位対決だが、すでに順位は確定している。
消化試合とはいえ、いくつかの記録がかかっている。
・22得点で並ぶレアンドロ・ダミアン(9)と前田大然(38)の得点王争い。
・総得点1位争い(川崎80点、マリノス81点)。
・最少敗戦記録(現在2敗。これまでの記録は2020年の川崎3敗)。

日産スタジアムは、50%収容でも30,000席超の巨大スタジアム。
 チケットは完売していて、コロナ禍にあって圧倒的な観客数となった。

今シーズン限りでの勇退を表明している家本政明が主審を務める。
 Jリーグ516試合目の主審となるこの試合がラストマッチとなった。


先発は、G大阪戦とまったく同じ11人。
 ベンチの7人も変わらない。
 C大阪戦(J1 #36)から3試合連続で同じ18人が並ぶ。


横浜Fマリノスは、J1リーグ2位。
 24勝7分6敗の勝ち点78で、例年なら優勝できるほどの好成績。
6月、アンジェ・ポステコグルー監督が退任。
 7月にケヴィン・マスカットが新監督に就任している。
CB畠中槙之輔は、左ハムストリング付着部損傷で手術して、長期離脱中。

開幕戦では、川崎が家長の2ゴールで勝っている。
 210226川崎2-0横浜FM(J1 #1)

■1st half
マリノスは3トップで、右FWのエウベル(7)がライン際で待ち受ける。
 川崎の選手間の距離を拡げ、縦にパスを入れて1列ずつ前進する。
 1人が長くボールを持つことなく、川崎のプレスが来る前にパスをつなぐ。
15分に前田大然(38)、17分、26分、29分にレオ・セアラ(9)がシュート。
26分、GK高丘陽平(1)のクリアボールから抜け出した前田がループを放った。

川崎は右サイドの大きなスペースを使っていく。
 家長にロングボールが入ると、チャンスとなった。
4分、24分にダミアンがシュート。
12分、山村のダイビングヘッドはGK高丘が弾いた。

■2nd half
後半開始から10分ほど、マリノスが攻勢を仕掛ける。
 川崎はボールを持てず、守備を強いられる。
ようやく54分、ダミアンの戻しから旗手がミドルシュート。

67分、インターセプトした山村が、右サイドの家長に展開する。
 家長が丁寧にクロスを上げると、ダミアンが高い打点でヘッド。
 GK手前に叩き付けたボールは浮き上がり、ゴール左隅に決まった。

1点を先制した直後の74分。
大島のハンドで与えたFKから、エウベルが左クロス。
 レオ・セアラのシュートは山村がブロックしたが、こぼれ球を前田大然が同点ゴール。

同点となっても、両チームは攻め続ける。
 78分、エウベルの右クロスは、ゴール前の前田にわずかに合わなかった。
 79分、ダミアンのラストパスから家長がシュート。
 89分、松原健(27)がミドルシュート。

 ロスタイムには川崎の攻勢が続いた。
 90+1分、遠野の右CKを谷口がヘッド。
 90+2分、知念の左クロスをダミアンがヘッド。
 90+5分、谷口のスルーパスで知念が抜け出してシュート。

■summary
どちらのチームも最後までゴールを目指した。
 1位2位対決にふさわしい、素晴らしい内容となった。
 観戦しているのが楽しく、幸せを感じるほど。

マリノスはプレスに臆することなく、GK高丘からパスをつなぐ。
 サイドに川崎の守備を引っ張り、中央のスペースを突いた。
 シンプルに次々にパスをつないで、少しずつ前進する。
 着実にPAに近づいて、ゴールを目指した。

後半になると中盤のスペースを埋められなくなる。
 コンパクトな陣形をもう少し長く保ちたかった。
 それでも川崎のゴールを1つにとどめ、ドローに持ち込んだ。


家本政明主審の引退セレモニー。
両チームのユニフォームが贈呈されます。

川崎は、マリノスの正確な攻撃に苦しんだ。
 車屋の負傷で、山村を急遽投入したが、最終ラインは破綻しなかった。
 SB山根と登里は数的不利を作られることも多かったが、粘り強く対応した。
 マリノスの攻撃が続いても最後の決定機は多く与えず、良く守った。

ダミアンは1ゴールを決めて、得点王となった。
 前田大然も仲良く1ゴール。23ゴールで得点王を分け合った。


今シーズンのJ1リーグが終了した。
 2017年、2018年、2020年に続く4度目の戴冠。そして2度目の連覇。
 38試合28勝8分2敗の勝ち点92。2位マリノスに勝ち点13差で優勝。
 昨年樹立したシーズン最少敗戦(3敗)を、4試合多いシーズンにあって2敗と更新。
 総得点81はマリノスに1つ及ばず2位だったが、総失点28、得失点差+53は1位。

次は中7日で天皇杯大分戦(天皇杯 SF)。
 車屋の負傷が心配だが、しっかり勝ち上がりたい。

■goal
74前田大然(38)
67ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 7.5 15分、81分と味方に当たり逆に飛ぶシュートを防ぐ。86分にもセーブ。
山根視来(13) 6.0 3分、前田を抜いて前に進む。66分、右クロス。前田のプレスに苦しんだ。
谷口彰悟(5) 6.5 厳しい局面に追い込まれても最後まで足を出す。90+1分、右CKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 5.5 6分、クロスを止めて右足を負傷。少しプレーを続けたが、11分に交代。
登里享平(2) 6.0 エウベルにライン際に引き出される。24分、ダミアンへ完璧なスルーパス。
橘田健人(22) 6.5 広大なスペースを走って埋め続ける。ルーズボールへの反応も早かった。
脇坂泰斗(8) 6.0 8分、ドリブルで突き進む。43分に右クロス。58分、中央からシュート。
旗手玲央(47) 5.5 パスが味方に合わなかった。12分、左クロス。41分、54分にボレー。
家長昭博(41) 6.5 1アシスト。プレスの穴を空けた。79分、決定機の左足シュートは外す。
ダミアン(9) 7.0 高い打点のヘッドで先制ゴール。24分、90+3分にも決定的なシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 RSB小池龍太(25)に孤立させられる。43分、ドリブルで仕掛ける。

■sub
11(7)山村和也(28) 6.5 緊急出場。12分、ヘッド。67分、ボール奪取から先制点を生んだ。
HT(23)大島僚太(10) 6.0 54分、ダミアンへラストパス。囲まれても悠然とパスを出した。
80(8)知念慶(20) 6.0 左FW。85分、90分にプレスからボールカット。90+5分、シュート。
87(47)小林悠(11) 5.0 プレー機会は少なかった。90+2分、前田のプレスを受けロスト。
87(22)遠野大弥(19) 5.5 インサイドハーフで出場。90+1分、右CKを谷口に届ける。

■bench
丹野研太(27) 宮城天(24) 

■coach
鬼木達 6.0 マリノスの攻勢を受け止めつつ、選手交代を活かして反撃に転じた。

■referee
家本政明 6.5 接触プレーを流し、過度なファウルは取らず、いつものように素晴らしかった。

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2021/11/28

211127川崎4-1G大阪(J1 #37)

川崎4-1G大阪(等々力, 14:00KO, 14,867人/15,500人)

1-4で快勝したC大阪戦(J1 #36)から中6日。
 残り2試合となったJ1リーグで、ホーム最終戦を迎える。

「ワクチン・検査パッケージ」が適用され、メインスタンドは100%収容。
 浦和戦(J1 #34)よりも3,500席増え、今シーズン最大の15,500席で運用される。
 ただ、チケットは完売することなく、当日券が30枚ほど残っていた。


先発は、C大阪戦から変わらない11人。
 ベンチ入りの7人も同じとなっている。


ガンバ大阪は、J1リーグで12勝7分17敗の13位。
 累積警告のため、倉田秋(10)が出場停止。

3月、新型コロナウイルスのクラスターが発生し、下位低迷。
 5月13日、宮本恒靖監督との契約を解除し、松波正信が監督となった。
 7月から8月にかけ、多くの延期試合を戦う厳しい日程をこなし、J1残留を確定させた。
 11月3日には、横浜Fマリノスに勝利し、結果的に川崎の優勝が決まった。

今シーズンは2回対戦していて、川崎の2勝。
 210220川崎3-2G大阪(FXSC)★
 210508G大阪0-2川崎(J1 #13)

■1st half
川崎があっさりと2点を先制する。
 7分、山根の右クロスをダミアンがヒールで先制ゴールを決める。
 9分、マルシーニョの折り返しを、旗手がヘッドで押し込んで追加点。
 どちらもボールと人が動いて崩したもので、川崎らしいゴールだった。

ガンバはFWパトリック(18)にロングボールを徹底して入れる。
 パトリックの周りに選手を集めて、セカンドボールを拾っていく。
17分、パトリックのヒールパスから、宇佐美貴史(39)が縦に突破して、そのままゴール。
 車屋は追い付けず、カバーに出た谷口もきれいに抜かれた。

少しずつ、ガンバが主導権を握っていく。
 川崎は押し下げられて、選手間の距離が離れてしまう。
 30分にRSB柳澤亘(26)がミドル、45分にパトリックの落としを井手口陽介(15)がシュート。

■2nd half
後半も、風上に立ったガンバが攻め込む。
パトリックのポストプレーを止められず、チャンスを作られる。
 56分、福田湧矢(14)の左クロスを宇佐美が頭で合わせ、バーに当てる。
 62分、パトリックが、車屋と谷口に挟まれながらもシュート。

川崎は押し込まれて厳しい状況が続いたが、85分。
 小林悠が右サイドで溜めて、オーバーラップを促して山根に優しく渡す。
 山根が入れた高速クロスを、ダミアンがニアで押し込んで、試合は決まった。
さらに90+4分、遠野の右CKを車屋がヘッドで4点目を入れる。

■summary
ガンバは宇佐美とパトリックの2トップの個人技頼り。
 風が強い等々力で、コンパクトに集まってルーズボールを拾った。
 チャンスも少なくなく、終盤まで1点差だったので、勝ち点を得る可能性はあった。
 ただ、パトリックの奮闘はあったものの、不確実なプレーが多かった。

17分の宇佐美のゴールは、単独で川崎の守備陣を切り裂いたもの。
 消える時間帯もあったが、39分には橘田をドリブルで抜き去った。
 56分のバーに当てたヘッドを含め、素晴らしかった。


川崎は立ち上がりに攻め立てて、あっさりと2ゴール。
 その後はロングホールで押し下げられて、間延びしてしまう。
 ガンバにペースを握られたが、粘り強く守り、最後まで崩れなかった。

83分、山村をアンカーに投入して、ガンバのロングボール攻撃を封じた。
 橘田の交代には不安も感じたが、山村の高さは絶対的で、中盤を制した。
 鬼木監督の慧眼には感服するばかり。

次は中6日、J1リーグ最終戦となる横浜Fマリノス戦(J1 #38)。
 2位が確定しているマリノスと、開幕戦以来の1位2位対決。
 内容の濃い、楽しい試合となることを期待したい。

■goal
7,85ダミアン(9) 9旗手玲央(47) 90+4車屋紳太郎(7) 
17宇佐美貴史(39)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 ロングクロスを確実にキャッチ。63分、パトリックのシュートを防ぐ。
山根視来(13) 7.5 7分、85分に完璧なクロスで2アシスト。65分、ボールを奪って前に進む。
谷口彰悟(5) 6.0 苦しみながらも高さでパトリックに対抗する。ビルドアップを底で支えた。
車屋紳太郎(7) 6.0 シンプルに前に入れる。90+4分、渾身のヘッドで今シーズン初ゴール。
登里享平(2) 6.0 中外のスペースを使い分けて上がる。ダミアンを狙ってクロスを入れた。
橘田健人(22) 6.0 26分、ミドルシュート。40分、右サイドで囲まれながらドリブルで進む。
脇坂泰斗(8) 6.0 37分、46分にマルシーニョへ絶妙なスルーパス。53分、70分にシュート。
旗手玲央(47) 6.5 9分、泥臭く頭で押し込んでゴール。73分、引っ張られながらドリブル。
家長昭博(41) 6.0 9分、2点目の起点となる右クロス。18分、43分、53分、70分にクロス。
ダミアン(9) 7.5 7分、鮮烈なヒールゴール。85分、ワンタッチゴール。ヒールパスを連発。
マルシーニョ(23) 6.5 9分にアシスト。37分、ミドル。47分、独走するがGKに止められる。

■sub
62(23)大島僚太(10) 5.5 小林悠の動きに正確なパスを届ける。88分、ラストパスを狙う。
78(41)小林悠(11) 6.0 84分、87分にシュート。85分、山根のアシストを生む優しいパス。
78(8)遠野大弥(19) 6.0 90+2分、ダミアンへスルーパス。90+4分、右CKで1アシスト。
78(47)宮城天(24) 5.5 左FWで出場。ボールに多く触ることができなかった。
83(22)山村和也(28) 6.0 アンカーに入り、制空権を握る。ロングボールをことごとく回収。

■bench
丹野研太(27) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 7.0 リードしながらも押される展開となったが、選手交代で突き放した。

■referee
岡部拓人 6.0 フラットなジャッジ。違和感なく試合を進めた。

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2021/11/21

211120C大阪1-4川崎(J1 #36)

C大阪1-4川崎(ヨドコウ桜スタジアム, 14:00KO, 9,800人/10,000人)

今季2敗目を喫した鳥栖戦(J1 #35)から中12日。
 代表ウィークを挟んで、少しだけ日程が空いた。

日本代表には、山根、谷口、旗手の3選手が招集された。
 ヴェトナム、オマーンとのアウェイ2連戦を経て、日本に戻っている。
 山根は2試合ともフル出場し、谷口と旗手の出番はなかった。

長居球技場は、ネーミングライツで「ヨドコウ桜スタジアム」と呼ばれる。
 もともと「キンチョウスタジアム」だったが、2021年4月から新たな名前となっている。
 セレッソ大阪戦は、隣のヤンマースタジアム(長居陸上競技場)での試合が続いていた。
 川崎にとって、2014年7月15日のC大阪戦(2014 J1 #12)以来の長居球技場となる。

観客上限10,000席として発売されたチケットは完売となった。
 その後、見切れ席をわけあり指定席として、追加発売している。


先発は、ターンオーバーした鳥栖戦から4人が変わる。
 新たに谷口、登里、家長、ダミアンが先発し、代表組の3人も先発する。
 山村、大島、遠野、小林悠がベンチに回った。

ベンチには、新たに知念が入り、ジェジエウが外れた。
 ジェジエウは、鳥栖戦で左膝を負傷し、手術のため帰国している。


セレッソ大阪は、J1リーグは12勝9分14敗の11位、YBCルヴァンカップは準優勝。
 天皇杯もベスト4に勝ち上がっていて、川崎と決勝で対戦する可能性がある。

8月26日、レヴィー・クルピ監督との契約を解除し、小菊昭雄新監督が就任。
 前日には、FW大久保嘉人(20)が今シーズン限りでの引退を発表した。

等々力での対戦は、川崎が勝っている。
 210303川崎3-2C大阪(J1 #11) 

■1st half
川崎は休まずパスをつなぎ、セレッソに陣形を整える時間を与えない。
5分、山根からのパスを、中央の脇坂がダイレクトで縦に入れる。
 CB西尾隆矢(33)が触ったが、ダミアンがファーに流し込んで先制する。

セレッソは川崎のプレスに苦しむが、サイドからチャンスを作る。
 16分、坂元達裕(17)が右クロス。
 17分、清武弘嗣(10)が右から入れてFW加藤陸次樹(29)がシュート。

川崎はペースを落としつつ、好機にはギアチェンジして崩していく。
 反対側のサイドにパスを通すと、セレッソのスライドが間に合わない。
13分と30分、同じようにマルシーニョのラストパスから家長が決定機を迎える。
 2回ともに完全にフリーだったが、GKキム・ジンヒョン(21)がシュートを止めた。

40分、橘田がボールを触られながらも、2度3度と制して前へ進む。
 家長からダミアンに渡ると、豪快にニアサイドを打ち抜いて2点目を決めた。

■2nd half
47分、セレッソのCKからのカウンターで、マルシーニョが独走。
 ドリブルが速く、DFを置き去りにしたが、最後はGKキム・ジンヒョンに止められた。
マルシーニョは、なかなか決められないと思った直後の49分。
 ダミアンの落としがCB瀬古歩夢(15)に当たり、そのマルシーニョが川崎初ゴールを決めた。

3点差となり、セレッソにボールを預け、受け身になっていく。
 セレッソにチャンスは作られたが、GKソンリョンが立ちはだかった。
 73分にRSB松田陸(2)のロングシュート、79分にFW松田力(22)のヘッドを弾き出す。
しかし、80分、CKの流れから失点してしまう。
 LSB丸橋祐介(14)のクロスを奥埜博亮(25)のヘッドでゴールを許した。

2点差となり、残り時間も少ない中の85分。
 遠野の折り返しを宮城天がボレーで決めて、逃げ切った。

■summary
セレッソは川崎の攻勢を止められなかった。
 清武の守備貢献がやや少なく、家長を中心とした川崎の右サイドからの攻撃を許した。
 加藤と山田寛人(34)の2FWは、広い範囲を駆け回ってプレスに出る。
 しかし、川崎の2CBを効果的に追い詰めるまでは至らず、体力を使った。

ハーフタイムに大久保を入れると、ボールを預けることができた。
 ただ、献身的に走っていた加藤が外れると、スペースを埋め切れない。
 前後の距離が大きくなり、川崎の縦パスからのカウンターを浴びた。


大久保嘉人(20)の胴上げ。
アウェイゴール前で、ソンリョン、家長、小林、登里、谷口、車屋、大島、脇坂、金通訳、中山通訳が参加しました。

川崎はダミアンの決定力を活かして快勝した。
 1点は失ったが、すでに3点差となっていて、大きな影響はなかった。
 さらに、途中出場の遠野と宮城天のコンビネーションで、4点目を奪う。
 ジェジエウの長期不在は不安材料となるが、車屋が遜色なくプレーした。

次は中6日でのガンバ大阪戦(J1 #37)。
 J1リーグでは、等々力での最終戦となる。
 しっかりと押し切りながら、勝利したい。

■goal
80奥埜博亮(25)
5,40ダミアン(9) 49マルシーニョ(23) 85宮城天(24) 

■judge
ソンリョン(1) 7.0 46分の原川、73分の松田陸、79分の松田力のシュートを完璧に止めた。
山根視来(13) 6.0 3分に右クロス。少し控え目だった。90+5分、遠野にスルーパスを通す。
谷口彰悟(5) 6.0 しっかり守り、前に届ける。12分、ボールロスト。90+6分、CKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 6.0 派手ではないが、要所で効いた。プレスから逃れる手段が少なかった。
登里享平(2) 6.5 49分、旗手に縦パス。57分に惜しいシュート。LSBから試合を組み立てる。
橘田健人(22) 7.5 40分、2点目の起点となる。セカンドボールを拾い、ボールを素早く奪う。
脇坂泰斗(8) 6.5 15分、ゴール前でトラップが流れる。広く動いて滑らかにパスをつないだ。
旗手玲央(47) 6.0 トリッキーなプレー。66分、FKで直接狙う。67分の決定機はGKに当てる。
家長昭博(41) 6.5 13分と30分に決定機を迎えたが決められず。右サイドを完全に支配した。
ダミアン(9) 7.5 恐ろしい決定力で2ゴール。マルシーニョのゴールを生むラストパスを出す。
マルシーニョ(23) 6.5 スピードでカウンターを先導する。49分、川崎での初ゴールを決めた。

■sub
73(2)大島僚太(10) 5.5 高い技術を見せる。78分、左クロス。89分、宮城天へラストパス。
73(23)宮城天(24) 6.0 85分、ボレーで叩きつけてゴール。89分の決定機はトラップできず。
80(8)遠野大弥(19) 6.0 85分、縦に抜け出してアシスト。90+5分、2本の強烈なシュート。
83(47)山村和也(28) 5.5 RCBとして登場。ゴール前をきちっと固め、試合を締めくくった。
83(41)小林悠(11) 5.5 89分、ボールを奪って前へ。右ウィングなのでゴールまで遠かった。

■bench
丹野研太(27) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 セレッソを圧倒する。適切に選手を入れ替えながら、大勝に導いた。

■referee
西村雄一 6.5 分かりやすく、ストレスの少ないジャッジ。素晴らしかった。 

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2021/11/08

211107鳥栖3-1川崎(J1 #35)

鳥栖3-1川崎(駅前不動産スタジアム, 14:00KO, 9,148人/10,000人)

J1リーグ優勝が決まった浦和戦(J1 #34)から中3日。
 浦和戦はドローで、J1リーグの連勝は7で止まった。
 とはいえ、ここまで34試合26勝7分1敗の勝ち点85。
 34試合制で勝ち点83だった2020シーズンを上回る成績をあげている。


ガード・オブ・オナー(guard of honour)。
サガン鳥栖の選手やスタンドからの拍手で迎えられました。

2020年の清水戦(2020 J1 #31)が初めてだったとのことですが、Jリーグに根付くといいですね。

先発は、浦和戦から5人を変える。
 新たに山村、車屋、大島、遠野、小林悠が先発する。
ベンチにはジェジエウ、谷口、登里、家長、ダミアンが回る。
 新たに宮城天が入り、知念が外れた。


コイントスを終えて、川崎ベンチに駆け寄るエドゥアルド(3)。

鳥栖は、J1リーグで14勝11分9敗の7位。
 すでに残留は決まっていて、ACL圏の3位には届かない。
 ただ、4位の可能性は残っている。4位になり、川崎が(もしくは6位浦和が3位に上がって)天皇杯に優勝すれば、ACL第4代表となることができる。

等々力での対戦は、遠野のゴールで勝っている。
 210407川崎1-0鳥栖(J1 #8)

■1st half
鳥栖は、鋭いプレスで川崎に自由を与えない。
 ボールを奪うと、シンプルに川崎の裏を狙ってきた。
3分、飯野七聖(24)の右クロスを、岩崎悠人(29)が合わせて早くも先制。
20分、再び飯野の右クロスを、酒井宣福(15)が高い打点のヘッドで2点目。
さらに31分、山村のハンドでPKを与えると、小屋松知哉(22)がきれいに決めた。

川崎もボールを運びながら、反撃を試みる。
 12分、マルシーニョの左クロスをファーサイドの遠野がヘッド。
 26分、脇坂のラストパスを小林悠が合わせたが、右ポストを叩いた。

鳥栖が次々とゴールを決める反面、川崎は決められなかった。

■2nd half
鳥栖は守りを優先させつつ、リスク少なくカウンターで攻める。
 山村の背後を狙いながら、車屋にはFW酒井の高さをぶつけた。

川崎はハーフタイムから登里を投入し、橘田を1列落として3バックに移行。
 登里のビルドアップを活かしながら、左サイドから攻めていく。
61分、大島に代えてジェジエウを投入し、橘田をアンカーに戻す。
 ジェジエウ、山村、車屋を並べて、山根と登里を高く上げる。
しかし、直後に酒井と競ったジェジエウが倒れ込む。
 左膝の痛みからの悲痛な叫びがスタンドまで響き、担架で運ばれた。
(2021年11月18日(木) 左膝前十字靭帯と内側側副靭帯の損傷と公式発表)

川崎は4バックに戻してからも攻め続け、ロスタイムに1点を返した。
 しかし、残り時間は少なく、追い付くことはできなかった。

■summary
鳥栖は精力的にプレスを仕掛け、川崎の2CBのビルドアップを無効化する。
 素早く川崎の選手を囲み、ボールを奪ってからは速攻を仕掛けた。

1、2点目はどちらも右ウィングの飯野七聖の速いクロスから。
 川崎の左サイドの守備を突き、中央の味方にピンポイントで合わせた。
3点目も酒井の強いシュートでPKを獲得。
 前半だけで3点のリードを奪い、快勝した。

エドゥアルド(3)は完璧に小林悠とダミアンを封じた。
 強い当たりと大きなクリアで、リードを保った。


優勝を決めた川崎は、ターンオーバーを行う。
 しかし、4人の最終ラインのうち3人を代えた影響は大きかった。
 特に旗手がLSBでは良い判断ができなかった。

それでも前半からゴールに迫ることはできていた。
 早い時間にゴールができていれば、もう少し競った展開にできたかもしれない。
今季J1リーグでの最多失点で、2敗目を喫した。
 消化試合ではあるが、3失点の惨敗は残念だった。

次は、代表ウィークを挟み、中12日でセレッソ大阪戦(J1 #36)。
 きっちりと立て直して、油断なく戦いたい。

■goal
3岩崎悠人(29) 20酒井宣福(15) 32PK小屋松知哉(22) 
90+1ダミアン(9) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 3失点とも止めるチャンスはなかった。パスの出しどころに困っていた。
山根視来(13) 5.0 右クロスを入れたが、中には合わず。61分、無理にドリブルしてロスト。
山村和也(28) 5.0 RCBで出場。背後のスペースでスピード勝負を仕掛けられ、苦戦した。
車屋紳太郎(7) 5.5 後半は持ち上がる。51分、右足シュート。80分、数的不利で守り切る。
旗手玲央(47) 4.0 LSBでは攻守どちらもバランスが悪かった。90+6分、左ポストに当てる。
橘田健人(22) 5.0 19分、スルーパス。ボールにはよく触っていたが、崩していけなかった。
脇坂泰斗(8) 5.5 流麗なドリブルで前に進んだ。27分にシュート。前半だけで交代となった。
大島僚太(10) 5.0 狭いスペースからでも美しいパスを出した。守備の強度をもっと上げたい。
遠野大弥(19) 5.5 12分、フリーでヘッド。45+2分、カットインからシュート。まずまず。
小林悠(11) 5.0 14分、左ボレー。26分、右ポストを叩く鋭いボレー。90+6分、FKを獲得。
マルシーニョ(23) 6.0 ロストもあったが、ドリブルで切り裂く。45+3分、決定機を迎えた。

■sub
HT(8)登里享平(2) 6.0 あらためて絶大な存在感を攻守に示す。73分、PA内でシュートする。
55(19)家長昭博(41) 5.5 低いポジションから配球していった。88分、90+1分にシュート。
55(23)ダミアン(9) 6.0 こぼれ球を押し込んで1ゴール。75分、90分、90+6分にシュート。
63(10)ジェジエウ(4) 5.5 登場直後、左膝を負傷するアクシデント。重傷でないことを願う。
71(4)宮城天(24) 5.5 多彩なプレーでチャンスに絡んでいた。85分、90+9分にシュート。

■bench
丹野研太(27) 谷口彰悟(5) 

■coach
鬼木達 4.5 前半、修正が効かずに失点を重ねてしまう。消化試合の難しさが出てしまった。

■referee
今村義朗 5.0 不安定なジャッジ。山村の手は身体に沿っていて、PK判定は微妙だった。

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2021/11/04

211103_4回目のシャーレを掲げた日(フォトレポ)

4回目のシャーレを掲げた日(フォトレポ)

2021年11月3日、川崎のJ1リーグ優勝が決まった。
 2017年、2018年、2020年に続き、4回目のシャーレを掲げた。

メインスタンドのアウェイ寄りから撮った写真を中心にレポートします。
なお、いつもの観戦記はこちらです。
 211103川崎1-1浦和(J1 #34)

■キックオフ前

坂本九生誕80周年記念事業「坂本九ランド」
 坂本九ファミリートークショー
 柏木由紀子、大島花子、舞坂ゆき子の各氏

Qちゃん「上を向いて走ろう」始球式
 高橋尚子氏が陸上トラックを走って登場。

川崎の先発11人。

ソンリョン(1) 山根視来(13) ジェジエウ(4)
谷口彰悟(5) 登里享平(2) 橘田健人(22)
脇坂泰斗(8) 旗手玲央(47) 家長昭博(41)
ダミアン(9) マルシーニョ(23)

浦和の先発11人。

■優勝決定直後

試合は、1-1のドローに終わった。

日産スタジアムで2位横浜Fマリノスが敗れたため、J1リーグ優勝が決まった。

円陣を組んで、ぐるぐるっと回る。

ユニフォームに顔を埋める旗手玲央(47)。
 旗手を抱きしめる脇坂泰斗(8)。

2021明治安田生命J.LEAGUE CHAMPIONS。

表彰台が組み立てられます。

脇坂泰斗(8)、小林悠(11)、登里享平(2)、
旗手玲央(47)、山根視来(13)。

2017、2018、2020、2021の4つの星。

選手たちが表彰台に向かいます。


■優勝セレモニー

今日のメンバー18人が表彰台に並びます。

明治安田生命・根岸秋男取締役会長からトロフィーを受け取る登里享平(2)。

根岸氏は去年のセレモニーのときは社長でしたが、7月2日に会長に就任しています。

村井満Jリーグチェアマンからシャーレを受け取る谷口彰悟(5)。

谷口彰悟(5)がシャーレを掲げていく。

谷口彰悟(5)がシャーレを掲げ、全員で万歳。

スモークと紙吹雪発射。

濃く舞う紙吹雪。

喜ぶ選手たち。

必勝ダルマに目を描く鬼木達監督。

選手全員とスタッフが揃います。
さらに金のふろん太と銀のカブレラ。


■ピッチを一周。

左下の小さな5つの星と、新しい星。

Gゾーン前。

丹野研太(27)、登里享平(2)、谷口彰悟(5)。

脇坂泰斗(8)と旗手玲央(47)。

夏に海外移籍した田中碧(25)と三笘薫(18)のユニフォームを着ています。今年のユニフォームに胸番号はないので、背番号が見えるよう前後反対に着ています。

山根視来(13)、脇坂泰斗(8)、旗手玲央(47)。

ジェジエウ(4)、ダミアン(9)、マルシーニョ(23)
シミッチ(6)、キョンテ(40)、ソンリョン(1)

外国籍6選手が揃って記念撮影。

金ジャケットを着る鬼木達監督。

以上、J1リーグ優勝セレモニーのフォトレポ「4回目のシャーレを掲げた日」でした。

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