2年ぶりに出場するACL(Asia Champions League)。
グループリーグは4チームの2回戦総当たりで、6試合を戦う。
例年のホーム&アウェイではなく、ウズベキスタンのタシケントで集中開催される。
大きなロコモティフ・スタジアムだが、残念ながら無観客開催。
6月26日から7月11日まで、中2日で6試合を消化する厳しい日程。
川崎のグループIには、大邱FC(KOR)、北京FC(CHN)、ユナイテッド・シティFC(PHI)が入る。
東アジアには5つのグループがあり、上位8チームがトーナメントに進む。
ACLのグループリーグでは、VARは導入されていない。
ベンチ入りは10人まで可能で、選手交代は5人まで。
今シーズンから8年間、DAZNがACLの独占放映権を獲得した。
日本テレビ系列のCS放送に変わって、Jリーグと同じくインターネット配信される。
天皇杯長野戦(天皇杯 R32)からは中16日。
代表に選出されていた山根、谷口、旗手、三笘が戻り、フルメンバーで遠征に臨む。
ただし、田中碧(25)は移籍を前提とした調整のため、チームに帯同していない。
先発は、長野戦から4人が変わる。
代表組の山根、谷口、旗手、三笘が先発に復帰する。
外れた車屋、長谷川はベンチ、ゼイン、小塚はベンチ外となった。
代表ウィーク前の鹿島戦(J1 #17)と比べると、田中碧が外れ、脇坂が入っている。
ベンチ入りは10人だが、オーソドックスな顔触れとなった。
大島僚太が、元日のガンバ大阪戦(2020 天皇杯 Final)以来のメンバー入りを果たした。
大邱FCは、韓国の第4代表としてACLに出場。
川崎とは初めての対戦となる。
日本人の西翼(44)が、ボランチで先発する。
■1st half
大邱は自陣に深く引いて守り、カウンターを仕掛ける。
プレスも弱めで川崎にボールを持たせ、ゴール前で攻撃を止めた。
川崎は2CBがハーフラインよりも前に出て、押し込む。
中盤でも大邱が寄せてこないため、するするとゴールに近づいていく。
5分と6分に家長、5分に三笘がシュートするが、先に失点してしまう。
8分、大邱が左サイドのスペースを使ってカウンター。
FWセシーニャ(11)が左クロスを入れると、シミッチのクリアが小さくなる。
ボールは弱く転がり、ファン・スンミン(20)がミドルシュートを決めた。
29分にも、カウンターからセシーニャが右クロス。
ジェジエウがFWエジガル(9)を手で押して、PKを与えてしまう。
しかし、エジガルのPKをGKソンリョンが弾き出し、追加点を許さない。
31分、三笘がドリブルして中央からシュート。
40分、ジェジエウが縦パスをふわっとダミアンに入れる。
ダミアンがDFを背負いながらボールを浮かせ、オーバーヘッドで同点とする。
何度も同じプレーを見ていても、衝撃的で鮮烈なゴールだった。
■2nd half
47分、イ・グノ(22)の右クロスをセシーニャがヘッドでゴール。
CKの流れから、左右に動かされて、GKソンリョンのニアサイドを破られた。
再びリードを許した川崎は、すぐに逆襲に転じる。
51分、旗手が入れた縦パスを受けて、三笘が縦にドリブルしてクロスを入れる。
DFに当たったボールをダミアンが蹴り込んで、再度同点に追い付いた。
さらに55分、脇坂の左CKが中央から右に流れる。
シミッチが後ろに倒れながらゴールに蹴り込んで、逆転に成功。
63分、脇坂に代えて大島を入れ、2ボランチに移行する。
65分にはイ・グノを抑えるため、LSBに車屋を投入する。
前に出てくる大邱に対抗して、バイタルやサイドを埋めていく。
エジガルがハイボールに強く、川崎のファウルが多くなった。
与えたFKをゴール前に入れられては、辛抱強く跳ね返す。
65分のセシーニャ、73分のエジガルとシュートされるが、逃げ切った。
■summary
大邱はプレスを仕掛けず、引いて守った。
最終ラインに5バックを揃えて、密集することでゴールを塞いだ。
川崎に自由を与えながら、カウンターを狙った。
FWエジガルは、ジェジエウを背負いながらハイボールを受けた。
味方が押し上げる時間を作り、守備の時間を減らしていた。
カウンターも切れ味が鋭かった。
川崎の背後の大きなスペースを使って、少ない人数でチャンスを作る。
結果は残念だったが、2ゴールを決めたことは素晴らしかった。
川崎は苦しみながら、勝利することができた。
リスク管理が上手くいかず、2失点を喫してしまう。
厳しい展開となったが、ダミアンの2ゴールとシミッチの決勝ゴールで逆転。
シミッチの隣に大島、次いで山村を置いて2ボランチを組み、逃げ切った。
ジェジエウ、旗手、登里の3人がイエローカードをもらった。
さらに主力組のプレー時間が長くなったことは、今後の不安材料。
それでもGL初戦の勝ち点3は、大きな戦果となった。
次は中2日、北京FC戦(ACL GL #2)。
北京FCは、並行開催される国内リーグに主力を残している。
U21チーム主体のメンバーとなっているため、しっかりと勝利したい。
■goal
40,51ダミアン(9) 55シミッチ(6)
8ファン・スンミン(20) 47セシーニャ(11)
■judge
ソンリョン(1) 8.0 29分、エジガルのPKをストップ。65分、セシーニャの決定機を止めた。
山根視来(13) 5.5 攻め上がった背後のスペースを使われる。90+2分、ゴール前に走り込む。
ジェジエウ(4) 4.5 28分にPK、36分と46分にFKを与えるなど、不安定だった。1アシスト。
谷口彰悟(5) 6.0 登里とジェジエウをカバーしながら耐えていった。32分、左CKをヘッド。
登里享平(2) 5.0 左から攻めるスペースが足りなかった。後半、イ・グノの攻勢に苦しむ。
シミッチ(6) 5.5 55分、川崎での初ゴールが決勝点。8分、28分と致命的なミスを繰り返す。
脇坂泰斗(8) 6.0 CKから再三チャンスを作り、55分に決勝ゴールを生む。58分、シュート。
旗手玲央(47) 6.0 ボールを持って運ぶ。45+1分、イエロー。88分、GK1対1のシュート。
家長昭博(41) 5.5 5分、6分にシュート。58分には右クロス。フル出場も目立たなかった。
ダミアン(9) 7.5 40分、51分と2度の同点ゴールでチームを救う。ポストプレーも強かった。
三笘薫(18) 6.0 5分、31分にシュート。51分、左サイドをドリブルで崩し、ゴールを呼ぶ。
■sub
63(8)大島僚太(10) 5.5 復帰戦。ボランチに入り、72分、82分とダミアンへパスを入れる。
65(2)車屋紳太郎(7) 6.0 LSBでイ・グノを抑える。69分、2人に囲まれつつドリブルする。
87(18)山村和也(28) 6.0 右ボランチで出場。シミッチと並び、ハイボールを跳ね返す。
■bench
丹野研太(27) 塚川孝輝(3) 橘田健人(22) 長谷川竜也(16) 遠野大弥(19) 小林悠(11) 知念慶(20)
■coach
鬼木達 6.0 主力組を起用し、リードされても慌てず勝ち切った。交代枠を2つ残した。
■referee
アハメド・アルカフ(OMA) 6.5 コンタクトに厳しく吹いて、両チームを落ち着かせた。PK判定も難しかったが、的確だった。
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