2019/05/27

190526大分0-1川崎(J1 #13)

大分0-1川崎(昭和電工ドーム大分, 16:00KO, 14,012人)

アウェイのシドニーFC戦(ACL GL #6)から中4日。
シドニーから帰国して、さらに大分に移動することとなった。

先発は、シドニーFC戦から5人が変わる。
ジェジエウ、登里、大島、家長、長谷川が新たに先発する。
欠場が続いていた家長は、4月23日の蔚山現代戦(ACL GL #4)以来の復帰。

車屋、田中碧、齋藤学はベンチ、舞行龍、山村はベンチ外となった。
ベンチには小林悠も復帰。5月12日の清水戦(J1 #11)で負傷交代した。


大分は2013シーズン以来、6年ぶりのJ1リーグ。
2016シーズンにはJ3を経験し、今季からJ1に再昇格。
川崎との対戦も、2013シーズン以来となる。

J1リーグは7勝3分2敗の3位と好調を維持している。

2012ー16シーズン、川崎に在籍したGK高木駿(1)が先発。
なお、川崎から期限付移籍中のGKポープ・ウィリアム(31)は、契約上出場できない。

■1st half
大分はGK高木が高いポジションまで出て、パスの起点になる。
ダミアンや脇坂がプレスに来ても、蹴らずにつないだ。
両サイドを広く使うことで、パスコースを絞らせない。
そして、ハーフライン付近まで進むことができると、ロングボールを選択。
両サイドからのクロスや、スルーパスで1トップの藤本憲明(10)を走らせた。

川崎は落ち着いてボールを回す。
ジェジエウとマギーニョのパスミスもあったが、徐々に余裕が出る。
大島と守田が少しボールを動かすことで、大分のプレスを弱めていく。
優しいパスをフリーの選手に届け、守備の穴を探した。

先制点は28分。
守田の縦パスを受けた脇坂が、前に進んで左サイドの長谷川に展開。
長谷川はふわっとしたクロスを入れ、マギーニョがゴール。
ダミアンがCBを引きつけ、ファーに走り込んだマギーニョがフリーになった。

■2nd half
川崎がパスを繰り返し、大分の守備を動かしていく。
51分、ダミアンを使って、脇坂がシュートするがGK高木の正面だった。

大分はマギーニョの対面となる左サイドを狙う。
家長が戻るのか、マギーニョが出るのか曖昧な位置でギャップを作る。

60分あたりから、大分はプレスを強めていく。
暑い中、この時間帯に走るのはきついはず。
それでも前線から連動して、川崎を追い込んだ。

ただ、攻撃はサイドからの長いクロスが中心となった。
PA近くでこぼれ球を狙ったが、大きくクリアされてしまった。

■summary
大分はGK高木から最終ラインにつなぐ。
ハーフラインあたりまで持ち上がると、ロングボールを入れた。
ポゼッションとカウンターを混ぜ合わせるような戦術だった。

川崎のプレスにひるむことなく、後方でパスをつないだ。
惜しむらくは、クロスを入れても中央で受ける選手が少なかったこと。
守備ではブロックを作る時間と、前からボールを奪いに出る時間を使い分けた。
良い結果は得られなかったが、良い内容だった。


川崎は暑さを踏まえて試合を展開した。
プレスを受けて自由は少なかったが、大島と守田が余裕を作った。
久しぶりに出場した家長も、ボールの上に足を乗せて時間を止めた。
マギーニョのゴールを守りつつ、追加点を狙う。
60分以降は押し込まれるが、リスクをコントロールして試合を終えた。

上位の大分に勝利することができた。
J1リーグで2位に浮上し、首位FC東京とは勝ち点4差。

次は中5日で浦和戦(J1 #14)。
ACLでの敗退が決まり、6月は日程に余裕がある。
夏に向けてコンディションを整えながら、勝ち点を重ねたい。

■goal
28マギーニョ(26)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 クロスは多かったが、近くには飛んでこなかった。キックが効果的。
マギーニョ(26) 6.0 逆サイドから上がって決勝ゴール。立ち位置が中途半端で狙われる。
ジェジエウ(4) 6.5 不利な局面でもタイミングを選んでクリアした。パスミスが多かった。
谷口彰悟(5) 7.0 ミスなく完璧。押される時間帯も、味方を鼓舞してラインを押し上げる。
登里享平(2) 6.0 低い位置でパスの受け手になる。56分、脇坂のクロスをボレーシュート。
守田英正(6) 6.5 動き続けて広い範囲をカバー。守備では素早く戻り、縦へのパスを狙う。
大島僚太(10) 6.5 小さなトラップで相手を剥がした。余裕を作り出すパスを繰り返した。
家長昭博(41) 6.0 自分が止まることで、相手を動かした。終盤までスプリントを続ける。
脇坂泰斗(28) 6.5 縦に動きながらボールを受けて素早く出す。51分、決定機を決められず。
長谷川竜也(16) 6.0 1アシスト。ドリブルで仕掛ける。守備では役割分担で混乱していた。
ダミアン(9) 6.0 多彩なポストプレーを見せた。61分のシュートはDFにブロックされる。

■sub
66(9)知念慶(20) 6.0 前線でキープして時間を作った。82分、守田のクロスをヘッド。
68(26)車屋紳太郎(7) 6.0 右SBでボールに寄せる。左利きなので、半身の姿勢で守った。
79(28)小林悠(11) 5.5 トップ下に入る。周囲と連動したプレスを効果的に仕掛けた。
 
■bench
新井章太(21) 鈴木雄斗(27) 田中碧(25) 齋藤学(19)

■coach
鬼木達 6.5 上位対決に勝利。3人の交代を的確に使い、逃げ切ることに成功した。

■referee
笠原寛貴 6.5 抑制された素晴らしいジャッジ。試合の流れを妨げなかった。

91,500views

■おまけ

GK高木駿(1)と鬼木達監督。試合後の談笑。

川崎ゴール裏で挨拶するGK高木駿(1)。

2019/05/21

190521シドニー0-4川崎(ACL GL #6)

シドニー0-4川崎(ジュビリースタジアム, 20:00KO(19:00JST), 3,813人)

ACLグループリーグの最終節は、アウェイでのシドニーFC戦。
名古屋戦(J1 #12)は金曜日開催だったため、中3日となる。
シドニーとの時差は1時間だが、南半球への遠距離フライトがあった。

GLは第5節を終え、1勝2分2敗で3位となっている。
シドニーFCに勝利し、2位上海上港がドロー以下であれば逆転できる。
逆に川崎がドロー以下か、上海上港が勝利すれば、GLの敗退が決まる。


先発は、名古屋戦から8人を変更。
新たにマギーニョ、舞行龍、車屋、守田、脇坂、山村、齋藤学、ダミアンが先発。
ソンリョン、谷口、田中碧のみが続けて先発する。

登里、大島、阿部、長谷川、知念はベンチスタート。
馬渡、中村と、ACL登録外のジェジエウがベンチ外となった。
ベンチには、鈴木雄斗が新たに入っている。


シドニーFCはグループリーグ4位で敗退が決まっている。
等々力での対戦は、川崎の勝利だった。
 190313川崎1-0シドニーFC(ACL GL #2)

19日、Aリーグのファイナルステージに勝利し、優勝を飾った。
パースでのアウェイゲームから、中1日の日程となる。

■1st half
圧倒的に川崎が押し込む展開となった。
パスを出しては動いてフリーになって、ゴールに近づいていく。
シドニーFCはスペースを埋められず、ボールにも寄せ切れない。

9分、中央から脇坂がロングシュートを決めて先制。
シュートは厳しいものではなかったが、GKトーマス・ヒュワードベル(30)の反応が遅れた。

次は20分。脇坂のパスを受けたマギーニョが右クロス。
田中碧がスルーして、走り込んだ脇坂がダイレクトで蹴り込んだ。

さらに28分。車屋の左クロスを、山村が合わせることができない。
しかし、こぼれ球を田中碧がシュートすると、DFに当たってそのまま決まった。

多くの決定機を作り続け、3点差とした。

■2nd half
後半はやや攻め疲れてしまい、決定機は少なくなる。
逆にシドニーFCにも、攻め手が生まれた。
52分、ワンツーで抜け出したレザ・グーチャンネジャド(16)のループはバー。
その跳ね返りをルーク・イバノビッチ(31)がシュートしたが、外してしまった。

それでも59分。
何度もCBを追っていたダミアンが、ついにボールを奪う。
そのまま持ち込み、GKと1対1の状況から鋭いシュートで追加点を決めた。

69分、71分、77分と、脇坂のCKを山村がヘッドで合わせ続ける。
GKの好守もあって入らなかったが、いずれも惜しかった。

■summary
シドニーFCは中1日の試合ということもあり、主力のほとんどを休ませた。
ベンチ入りも5人だけで、ホームなのに2枠を余らせた。
内容的にも攻守の核となる選手が不在で、なすすべなく敗れた。

川崎は油断することなく、シドニーFCを攻め続けた。
ボールを失わずショートパスをつなぎ、相手を自陣に押し込む。
ロングシュートも積極的に狙って、ゴールラッシュを生んだ。
カウンターを受けても、谷口と舞行龍が素早く対処。
危なげなく勝利することができた。

前半からゴールを重ね、登里と大島を休ませることができた。
ダミアンや齋藤学も、早めに交代させている。
83分に谷口を下げると、守田を左CB、脇坂をボランチでプレーさせた。
必要な休養を与えつつ、選手の組み合わせを試すことができた。


残念ながら、上海上港が蔚山現代に勝利したため、3位のまま。
2018シーズンに続き、ACLはGLでの敗退が決まった。

グループリーグは6試合で2勝2分2敗、勝ち点8。
蔚山現代と上海上港に、いずれもアウェイで負け、ホームでドロー。
シドニーFCには2勝できたが、結果は出せなかった。

次は中4日のアウェイ大分戦(J1 #13)。
残った目標をしっかり見据えて、勝ち点を積み上げたい。

■goal
9,20脇坂泰斗(28) 28田中碧(25) 59ダミアン(9) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 守備機会は少なかった。64分、グーチャンネジャドのシュートを止める。
マギーニョ(26) 5.5 右サイドから攻め込んで1アシスト。パスミスやクリアミスもあった。
舞行龍(29) 5.5 52分、シドニーの決定機でボールを追わず。73分、カウンターを止める。
谷口彰悟(5) 6.5 長短のパスで組み立てる。55分、FKをボレーシュート。守備もミスなし。
車屋紳太郎(7) 5.5 5分、47分と左クロス。押し込む展開で走るスペースが少なかった。
守田英正(6) 6.0 そつなくボールを動かし、ロングボールを供給。83分、左CBに動く。
田中碧(25) 6.0 運動量は徐々に下げたが、中盤で効いた。1ゴール。15分、中央でロスト。
脇坂泰斗(28) 7.5 圧巻の2ゴール。33分、74分にも惜しいシュート。パスも良かった。
山村和也(34) 6.5 3分、25分、29分にシュート、後半CKを3本ヘッドしたが、入らず。
齋藤学(19) 6.0 19分、PA内へドリブル。縦に突破を狙いすぎず、攻撃を落ち着かせる。
ダミアン(9) 6.5 名古屋戦で右太ももを痛めたが、いつもどおりのプレー。1ゴール。

■sub
62(19)阿部浩之(8) 5.5 左に入り、68分、69分とシュート。83分から右に回った。
70(9)知念慶(20) 5.5 77分にシュート。90分、阿部のスルーで抜け出すが、GKに阻まれる。
83(5)長谷川竜也(16) 5.5 左ウィングに入る。シドニーがボールを持つ時間が長かった。

■bench
新井章太(21) 登里享平(2) 大島僚太(10) 鈴木雄斗(27)

■coach
鬼木達 6.5 ターンオーバーを行いつつ、圧勝に導いた。選手交代も適切だった。

■referee
モハナド・サレー 6.5 素晴らしいジャッジ。接触プレーが少ない展開を判定で支えた。

90,900views

2019/05/18

190517川崎1-1名古屋(J1 #12)

川崎1-1名古屋(等々力, 19:00KO, 24,821人)

J1リーグ5連勝を飾った清水戦(J1 #11)から中4日。
次週火曜日にシドニーFC戦(ACL GL #6)を控えての金曜日の開催。

FROIDAY NIGHT J.LEAGUE Powered by DAZNとして開催された。
・金J限定ベースボール・ユニフォーム 先着10,000名配布。
・ロッテ「クランキー爽」、アイス「爽」 先着10,000名配布。
・SHISHAMOハーフタイムショー。
以上のようにたくさんのイベントが組み込まれる。
3月の鹿島戦(J1 #2)に続き、2度目のFROIDAY NIGHTとなった。

先発は、清水戦から5人を変更する。
田中碧、長谷川、知念に加え、負傷離脱していた阿部と中村が復帰する。
前線の4人は全員入れ替わり、大きなターンオーバーとなった。

清水戦で先発した守田、脇坂、齋藤学、ダミアンはベンチ、小林はベンチ外となった。

名古屋は、J1リーグで7勝2分2敗の2位と好調。
4位の川崎とは勝ち点1差となっている。

昨シーズンの対戦は川崎の2勝だった。
 180318名古屋0-1川崎(J1 #4)
 180922川崎3-1名古屋(J1 #27)

■1st half
名古屋は強いプレスを掛けることで、川崎の自由を奪う。
ボールを回収し、ワンタッチ主体でゆったりとパスをつなぐ。
ミスのない正確なパスで余裕を生み、長くボールを保った。
最終ラインを思い切り高く保ち、コンパクトな陣形を敷いてくる。

川崎はプレスを避けるため、縦に早く攻撃していく。
知念と長谷川が最終ラインの背後に走り込み、スルーパスを入れた。

15分あたりから、名古屋のプレスが弱まる。
川崎が押し込んでいって、逆に名古屋はカウンターを狙った。

45分、自陣からの長いFKを、ゴール前のFWジョー(7)が競り勝って落とす。
戻ったボールをMFマテウス(11)が1トラップで浮かせ、そのままボレー。
美しい軌道を描くゴラッソで、名古屋が先制した。

■half time

SHISHAMOハーフタイムショー。
■2nd half
川崎は1点を追って、55分にダミアン、60分に齋藤学を投入。
中村をボランチに落とし、攻撃型の布陣とした。

川崎が押していくが、名古屋はカウンターで対抗する。
65分、DF丸山祐市(17)のロングパスで、FWガブリエル・シャビエル(10)が決定機を迎える。
しかし、ソンリョンが落ち着いてシュートコースに立ちはだかり、ブロックした。

今度は69分、ロングボールから長谷川が右のダミアンへ流す。
厳しい角度だったが、ダミアンのシュートはニアサイドに決まった。
GKランゲラック(1)は、強いボールをキャッチしようとして後逸した。
最初から弾く選択をすべきで、判断ミスによる失点といえる。

その後も川崎が攻めていき、80分、脇坂の右CKを知念がヘッド。
しかし、81分。ダミアンが接触プレーで右太ももを負傷してしまう。
ダミアンは最後までピッチに立ち続けたが、走ることができなかった。

3人の交代枠を使い切っていたため、残りの時間は防戦一方となる。
名古屋は84分、2本続けてジョーがヘッド。
90+3分、90+4分には前田直輝(25)がドリブルで仕掛けてシュート。
なんとか失点しないまま耐え、試合を終えた。

■summary
素晴らしい内容で、観ていて楽しかった。
ひとつひとつのプレーの質が高く、時間がどんどん過ぎていく。
お互いに長所を出し合ってゴールを目指し、果敢に攻めていった。
どちらかといえば名古屋が優勢だったものの、ドローは妥当な結果。

守備的な戦術もサッカーの一部だが、攻撃的なチーム同士の対戦ははるかに面白い。
個人的には、2年前のG大阪戦(2017 J1 #16)に匹敵する最高の試合となった。


名古屋はミスが少なく、長くボールを保持した。
厳しいパスを選択することがなく、フリーになった選手に正確にボールをつなぐ。
自陣深くまで押し込まれても、クリアボールを前線のジョーが回収して時間を作る。
囲まれてもボールを失わないシャビエルとともに、個の技術を活かした。


 右太ももを痛め、走れなくなったダミアン。
 最後までピッチに立った。

川崎はダミアンの決定力とGKランゲラックのミスでドローに持ち込んだ。
勝つ可能性もあったが、負ける可能性も少なくなかった。
残り10分ほどでダミアンが足を痛め、数的不利となった。
それでも失点せずに逃げ切り、勝ち点1を得ることができた。

次は中3日でアウェイのシドニーFC戦。
ACLのグループリーグは最終節となる。
2位上海上港がドロー以下となり、川崎が勝利すれば逆転できる。
GL突破は他力ではあるが、目の前の試合にベストを尽くしたい。

■goal
69ダミアン(9) 
45マテウス(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 65分、シャビエルとの1対1を落ち着いてセーブ。キャッチも良かった。
馬渡和彰(17) 5.0 33分、中央から左足シュート。マテウスのゴールには寄せが甘かった。
ジェジエウ(4) 6.5 ジョーとマッチアップ。インターセプトを狙って積極的に前に出た。
谷口彰悟(5) 6.0 攻撃の起点となってパスを展開する。56分、FKからボレーシュート。
登里享平(2) 5.5 中に入り込んでスルーパスを出した。48分、シャビエルに振り切られる。
田中碧(25) 5.5 ボランチでボールを追い回す。7分、横パスをミスし、カウンターを浴びる。
大島僚太(10) 6.0 チームを下支えしながら、鋭い切り返しやドリブルで局面を打開した。
阿部浩之(8) 6.0 復帰戦。ミスもあったが、ダイレクトパスでリズムを作る。献身的に守備。
中村憲剛(14) 6.0 復帰戦。逆サイドを使ったロングパスを出す。スルーパスも狙った。
長谷川竜也(16) 5.5 1アシスト。15分、スルーパスに抜け出す。後半は仕掛けが減った。
知念慶(20) 5.5 80分、CKをヘッド。最終ラインと駆け引きしたが、ボールが来なかった。

■sub
55(25)ダミアン(9) 7.0 69分、起死回生となる同点ゴール。負傷後もピッチに立ち続けた。
60(8)齋藤学(19) 5.5 右ウィングで出場。ドリブルで仕掛けたが、決定的な仕事はなかった。
80(14)脇坂泰斗(28) 6.0 セットプレーのキッカーを担当。90+2分、右サイドからクロス。

■bench
新井章太(21) 車屋紳太郎(7) 守田英正(6) 山村和也(34)

■coach
鬼木達 6.0 ターンオーバーしながらも、良い内容で最低限の結果を出す。交代も当たる。

■referee
西村雄一 6.0 軽い接触は流し気味にしつつ、取るべきファウルはしっかり取った。

90,400views

2019/05/13

190512清水0-4川崎(J1 #11)

清水0-4川崎(IAIスタジアム日本平, 14:00KO, 14,125人)

ドローに終わった上海上港戦(ACL GL #5)から中4日。
4連勝中のJ1リーグで、清水とのアウェイ戦を迎える。


先発は、上海上港戦から2人を変更する。
脇坂と、ACL登録外のジェジエウが新たに先発する。
ダミアンと小林の2トップをそのまま継続。
長谷川はベンチ、舞行龍はベンチ外となった。

ベンチには、新たに車屋、知念が入る。
車屋は、4月10日の蔚山現代戦(ACL GL #3)以来のメンバー入り。


清水は、YLCのG大阪戦から中3日。
ここまでのJ1リーグは、2勝2分6敗で16位。

2012-15年に川崎に在籍したGK西部洋平(1)が先発。
西部はこの試合でJ1リーグ300試合出場の節目となった。
2014-18年に在籍したエウシーニョ(18)も先発する。
2006-10年在籍の鄭大世(9)、2009-12年在籍の楠神順平(14)もベンチ入り。

昨シーズンの対戦は、川崎のダブルだった。
 180520川崎3-0清水(J1 #15)
 180811清水1-2川崎(J1 #21)

■1st half
清水はボールホルダーに早く寄せてきた。
川崎のボランチをターゲットにして、ショートカウンターを狙った。

23分、脇坂の左CKをジェジエウがヘッドで落とす。
素早く反応した小林が、落ちてきたボールをゴールに蹴り込んだ。
セットプレーから、あっさりと先制することができた。

清水は横に広くボールを動かして、川崎を揺さぶった。
38分、FWドウグラス(49)が谷口を抜き去り、FW北川航也(23)にラストパス。
41分、ジェジエウの判断ミスから北川が決定機を迎えたが、ソンリョンが防ぐ。

先制後、清水の攻勢が続いていた45+1分。
ジェジエウの大きなクリアボールを、ダミアンがたった1人で拾ってゴールに向かう。
ゴールラインぎりぎりからのダミアンのクロスを、脇坂が頭で合わせ2点目が入った。

■2nd half
後半は清水のプレスが弱まり、川崎がゆっくりプレーする。
57分、小林が負傷のため交代となり、長谷川を投入。
フレッシュな長谷川がドリブルを仕掛け、時間を使っていった。

74分、清水は鄭大世を入れ、攻撃的な3トップとする。
両チームともボールを失うことが増え、大味な展開となった。

80分、山村、長谷川、守田の3人が、左サイドでショートパスを交換する。
清水の守備をサイドに寄せておいて、クリアボールを大島がバイタルで拾う。
大島はフリーの状態から、美しい無回転のロングシュートを決めた。

最後は90+1分。
長谷川がゴールライン際をドリブル突破してラストパス。
ゴール前のダミアンは、後ろ向きでボールを浮かせると、そのままバイシクル。
CB立田悠悟(2)を背負ったまま、素晴らしいゴラッソを決めた。

■summary
清水は前半、しっかりプレスを掛けてきた。
23分の先制点は厳しかったが、その後の時間帯で決定機を作った。
ドウグラスと北川が広いスペースを狙い、縦に早く攻めてきた。

ただ、後半になるとボールを奪えなくなってしまう。
74分、前線を厚くしてゴールを狙ったが、有効な攻撃ができなかった。
逆に手薄になった守備を川崎に翻弄され、さらに2失点を喫した。

前半の2失点が響いたが、スコアほど悪い内容ではなかった。

(試合終了後、ヤン・ヨンソン監督の退任が発表された。)


川崎は強いプレスを受ける中、パスが不安定だった。
低い位置で奪われてしまい、ショートカウンターを浴びた。
前半は最終ラインが数的不利で対応することも多かったが、耐えきった。

攻撃陣はダミアンが別格のパフォーマンスを披露した。
豊富なアイディアから、多様なパターンのシュートを放った。
試合を重ねて、周囲との噛み合わせも徐々に合ってきた。

次は中4日で名古屋戦(J1 #12)を迎える。
J1リーグ2位の上位チーム(勝ち点2差)との対戦となる。
良い内容で良い結果を出していきたい。

■goal
23小林悠(11) 45+1脇坂泰斗(28) 80大島僚太(10) 90+1ダミアン(9) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 41分、北川との1対1を完璧に止める。キャッチもキックも良かった。
馬渡和彰(17) 6.0 5分、1人抜いてシュート。右サイドから多くのクロスを供給した。
ジェジエウ(4) 6.0 高さとスピードを活かした守備。41分、判断ミスで決定機を与える。
谷口彰悟(5) 6.5 最終ラインを押し上げ、守備を統率。39分、ドウグラスに振り切られる。
登里享平(2) 6.0 CBからのパスの受け手となる。エウシーニョと1対1の攻防を繰り広げる。
守田英正(6) 5.5 序盤、プレスに苦しみ、ボールロストを繰り返す。徐々に落ち着いた。
大島僚太(10) 6.5 珍しくパスミスもあった。80分、無回転のロングシュートを決める。
脇坂泰斗(28) 6.5 ソフトなトラップ。CKから先制点を演出し、さらにはプロ初ゴール。
齋藤学(19) 6.5 良いタイミングでドリブルを繰り出した。40分、ループシュート。
小林悠(11) 6.0 23分、素早い反応から先制ゴール。プレー機会は少なかった。負傷交代。
ダミアン(9) 7.5 45+1分、劣勢の中、1人で運んでアシスト。90+1分、超絶バイシクル。

■sub
58(11)長谷川竜也(16) 6.0 左サイドから積極的にドリブルを仕掛ける。1アシスト。
64(28)山村和也(34) 5.5 トップ下でパスを中継する。88分、ダミアンにラストパス。
86(2)車屋紳太郎(7) 5.5 左SBに入り、最終ラインを固める。90+1分に攻め上がった。

■bench
新井章太(21) 鈴木雄斗(27) 田中碧(25) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 前半は押されつつも、圧勝に導いた。選手交代も効果的だった。

■referee
佐藤隆治 6.5 抑制されていて的確なジャッジだった。ポジションも良かった。

89,800views

■おまけ

 GK西部洋平(1)。
 J1リーグ通算300試合出場。
 2012-15年に川崎に在籍。
 300試合のうち、川崎での出場は82試合。

2019/05/08

190507川崎2-2上海上港(ACL GL #5)

川崎2-2上海上港(等々力, 19:00KO, 11,708人)

神戸戦(J1 #9)仙台戦(J1 #10)に連勝して中3日。
ACLグループリーグ第5節は、上海上港とのホームゲーム。
ここまでの4試合は、1勝1分2敗の3位と厳しい状況に立っている。
10連休のゴールデンウィーク明けの火曜日の開催となった。


先発は、仙台戦から3人が変わる。
新たに舞行龍、大島、ダミアンが先発する。
代わりに脇坂と田中碧がベンチ、ACL登録外のジェジエウがベンチ外となった。

ベンチには、新たにマギーニョ、知念が入った。


上海上港はグループリーグで2位。
勝ち点5となっていて、3位の川崎とは1差。
アウェイ(ACL GL #1)は、88分の守田のハンドによるPKで、上海上港が勝利した。

■1st half
上海上港は前線から早いプレスを掛けてきた。
5バックを高く保つことで、コンパクトな陣形を敷いた。
そして、エウケソン(9)、フッキ(10)、オスカル(8)のブラジル人3人で攻める。

7分、オスカルが齋藤学からボールを奪ってカウンター。
フッキが登里を振り切り、1人で持ち込みゴールを決めた。

川崎は13分、中央で齋藤学とダミアンがパス交換。
ダミアンが目の前に立つDF2人を見事に抜いて、同点ゴールを決めた。

川崎は左サイドからの攻撃が多かった。
谷口からのパスを登里が何度も受けて、長谷川と組んで縦の突破を狙った。

■2nd half
後半も上海上港のプレスは弱まらなかった。
しっかり川崎のボールホルダーに寄せて、パスコースを切った。

66分、CKの流れから、守田が右から長いボールを入れる。
後方から走り込んだ谷口が完璧に合わせて、逆転ゴールを決めた。

ボールを持ち、時間を使い始めた71分。
大島のパスミスから、左サイドのオスカルに展開される。
釣り出された舞行龍が不在のPA中央に、オスカルのクロスが入る。
フッキが登里を振り切り、豪快にピッチに叩きつけるヘッドで同点とされた。

ドローで十分な上海上港は、無理をしない。
勝ち越しを狙う川崎は焦りが強く、攻撃は空回りしてしまった。

■summary
上海上港は5バックを高く押し上げ、バイタルを空けなかった。
最後までプレスを怠らず、川崎のボランチを封じた。

攻撃はブラジル人3人に委ね、早く縦に入れてくる。
2得点はどちらもオスカルからのパスによるもの。
チャンスは少なかったが、フッキの力強さと決定力でドローに持ち込んだ。


川崎は左サイドから登里、長谷川がドリブルで仕掛けた。
齋藤学も引き続き好調で、いろいろなパターンから崩していった。
ただ、大島と守田がプレスに苦しみ、中央からは攻めにくかった。

71分に2点目を奪われたが、78分までベンチは動かなかった。
勝利を目指し、もっと早いタイミングで積極的な采配が見たい。
また、2トップのダミアンと小林を最後まで残したが、知念を投入してほしかった。


 MOMは2ゴールのフッキ(10)。

ACLグループリーグは5試合で1勝2分2敗。
勝ち点5で3位となっている。

良い結果とはいえないが、GL突破の可能性が残る。
最終節で、2位上海上港がドロー以下となり、川崎が勝利すれば逆転できる。
厳しい状況だが、シドニーFC戦(ACL GL #6)に勝利して、結果を待ちたい。

J1リーグは中4日でアウェイ清水戦(J1 #11)を迎える。
ケガ人の復帰を待ちつつ、良い内容で勝ち点を重ねたい。

■goal
13ダミアン(9) 66谷口彰悟(5) 
6,71フッキ(10)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 キャッチもキックも安定していた。2失点ともに防ぐのは困難だった。
馬渡和彰(17) 5.5 カウンターを警戒し、攻め上がりを抑えた。70分、小林へスルーパス。
舞行龍(29) 5.0 ハイボールを良く処理した。しかし、トラップもパスも不安定だった。
谷口彰悟(5) 5.5 1ゴール。パスで登里を走らせる。2失点目はオフサイドを取れなかった。
登里享平(2) 4.5 攻撃は効いていたが、2失点ともに大きな責任。連戦の疲労が色濃かった。
守田英正(6) 5.0 プレーの判断が遅く、ミスもあってプレスに苦しんだ。1アシスト。
大島僚太(10) 5.5 低い位置でボールを受け、効果的に展開。ただ、パスミスも多かった。
齋藤学(19) 5.5 活き活きとプレーして1アシスト。7分、オスカルに奪われて失点に関与。
長谷川竜也(16) 6.0 61分、GKとの1対1を決め切れず。左サイドから何度も仕掛けた。
小林悠(11) 5.5 サイドに流れて組み立てに参加。70分、馬渡のスルーパスからシュート。
ダミアン(9) 6.5 13分のゴールは素晴らしい決定力だった。ハイボールも味方につなぐ。

■sub
78(17)鈴木雄斗(27) 5.0 右SBに入る。守備に追われた。90+2分、クロスを入れる。
78(16)脇坂泰斗(28) 5.5 86分、87分とドリブルでゴールに向かうが、5バックは崩せず。
84(6)山村和也(34) 5.5 トップ下に入る。85分、登里と組んで左サイドから仕掛けた。

■bench
新井章太(21) マギーニョ(26) 田中碧(25) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 5.0 良い内容だったが、フッキに2ゴールを奪われる。交代が遅かった。

■referee
ラフシャン・イルマトフ 5.0 明確にジャッジを下した。ただ、接触プレーに厳しすぎ。微妙な判断も多かった。

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2019/05/03

190503川崎3-1仙台(J1 #10)

川崎3-1仙台(等々力, 15:00KO, 25,789人)

神戸戦(J1 #9)から中4日で迎えるホーム仙台戦。
平成が終わり、令和が始まって最初の公式戦となる。

ゴールデンウィークの前半は天候に恵まれなかったが、見事に晴れた。
暑いくらいのコンディションとなった。


先発は、神戸戦から3人を変更する。
ジェジエウ、守田、脇坂が新たに先発する。
負傷明けの守田は、4月5日のC大阪戦(J1 #6)以来の復帰。
ジェジエウは移籍後初出場、脇坂はJ1リーグ初先発となった。

舞行龍と大島がベンチスタート、知念はベンチ外となる。
ベンチは下田が外れて、2試合連続で宮代が入った。

守田は復帰したが、家長、中村、阿部、車屋と主力の離脱が続く。

奈良は、4月26日の練習で左膝内側側副靱帯と内側半月板を損傷。
5月2日に手術を行い、全治4か月となった。


仙台はここまでJ1リーグ16位。
昨シーズンの対戦は、川崎の1勝1分だった。
 180414仙台0-0川崎(J1 #8)
 180825川崎1-0仙台(J1 #24)

■1st half
仙台はプレスを仕掛けてこなかった。
川崎が自在にパスをつなぎ、仙台を押し込んでいく。

13分、中盤で登里と守田がボールを奪うと、素早く縦に展開する。
田中碧を経由して、脇坂が小林に縦パスを入れる。
小林がGKシュミット・ダニエル(1)のファーを狙い、先制した。

仙台は、吉尾海夏(15)が登里の裏のスペースを使い、27分、30分とクロス。
そして、FWジャーメイン良(19)とハモン・ロペス(9)にロングボールを入れる。
しかし、ジェジエウの高さと谷口のカバーで抑えられ、攻め手が少なかった。

37分、脇坂が右サイドでゴールライン際まで持ち込んで、低いクロス。
ゴール前でフリーの長谷川が蹴り込んで、2点目を挙げた。
ただ、長谷川は明らかなオフサイド。誤審だった。

■2nd half
後半も仙台の中盤でのプレスが効かず、川崎が自由にプレー。
52分、長谷川が右サイドから仕掛け、永戸勝也(2)が倒してPKを獲得。
GKシュミット・ダニエルにコースを読まれたが、小林がゴール右隅に決めた。

3点差となり、仙台は57分に2人、64分に1人を交代して巻き返す。
68分、関口訓充(7)が右サイドから早く攻める。
登里が大きくプレスに出てしまい、空いたスペースをうまく使った。
PA内で長沢駿(38)が落としたところを、大岩一貴(27)がゴール。

仙台はロングボールを前線に入れたが、ジェジエウに跳ね返される。
早い展開に持ち込もうとするが、川崎がゆっくりとボールをキープした。

■summary
川崎は負傷者が相次ぐ中、完勝を納めた。
新たに脇坂、ジェジエウを起用したが、2人ともに勝利に貢献した。

大島がベンチスタートとなったが、田中碧と守田が組み立てた。
2人はボールを失わず、プレスを剥がしつつ前にパスを入れる。
脇坂がトップ下でさばき、サイドから齋藤学と長谷川が仕掛けていった。
近い距離で2人3人がボールを動かして、仙台のラインを押し下げた。

交代で入った大島、山村、ダミアンもそれぞれの力を発揮した。
選手層の厚さを十分に感じさせる内容で、勝利した。


仙台は、良いところが少なかった。
2トップにジャーメイン(→57分に長沢)、ハモン・ロペスと大柄なFWを起用する。
しかし、谷口とジェジエウに抑え込まれた。
1トップにして、俊敏なアタッカーと組ませても良かったかもしれない。

守備ではプレスを掛けず、川崎に余裕を与えた。
ボールを持たれて下がってしまい、次々にスペースを産み出された。
3点を失ってから選手交代で攻勢に出たが、遅かった。
最初から強くプレスを掛けるか、自陣を5バックで固めて耐えたかったところ。

 
Gゾーンに奈良竜樹の背番号3が並ぶ。

次は中3日で上海上港戦(ACL GL #5)を迎える。
ACLは現在、グループリーグ3位。GL突破を賭けた試合となる。
ぜひ勝利して、決勝トーナメントに進出したい。

■goal
13,53PK小林悠(11) 37長谷川竜也(16) 
68大岩一貴(27)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 40分にジャーメイン、40分と76分にハモン・ロペスのシュートをセーブ。
馬渡和彰(17) 6.0 細かいパス交換に参加して、押し込んだ。12分、33分とクロスを入れる。
ジェジエウ(4) 6.5 右CBで加入後初出場。高さを活かして守る。足元も徐々に慣れた。
谷口彰悟(5) 6.5 攻撃の起点になるパスを繰り出した。61分、齋藤へスルーパス。
登里享平(2) 6.0 ライン際に加えて内側も入り込む。失点シーンは背後を空ける判断ミス。
守田英正(6) 6.0 細かいタッチで密集地帯を抜け出した。ケガ明けで運動量は控え目だった。
田中碧(25) 6.0 中央で待ち受けて、周囲を動かした。30分、75分に危険なボールロスト。
齋藤学(19) 6.5 19分、ダイレクトボレー。ドリブルで仕掛け続け、脅威となっていた。
脇坂泰斗(28) 6.5 トラップから素早くパスして、攻撃を組み立てた。2アシスト。
長谷川竜也(16) 7.0 1ゴール。45+2分、CKからシュート。52分、PKを奪取する。
小林悠(11) 6.5 素晴らしい先制点とPKを決める。守備ではプレスのスイッチを入れた。

■sub
72(6)大島僚太(10) 6.0 74分、ボールカットしてドリブル。試合を落ち着かせた。
77(28)山村和也(34) 6.0 投入後にスパイクを交換する。90+3分、右ポストに当てた。
88(11)ダミアン(9) 6.0 1トップ。90+2分、齋藤のクロスから決定機を迎える。

■bench
新井章太(21) 舞行龍(29) 鈴木雄斗(27) 宮代大聖(30)

■coach
鬼木達 6.5 脇坂、ジェジエウを起用し、大島を休ませながらも、完勝に導いた。

■referee
上田益也 6.0 落ち着いたジャッジ。PKは妥当。長谷川のゴールは副審による誤審。

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■おまけ

 3番ユニフォームを着た小林悠。

 2018年シーズンの6番ユニフォーム。
 田坂祐介は、4月14日の千葉vs岡山戦で右膝を負傷し、全治約7か月。