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2025/09/16

250913横浜FM0-3川崎(J1 #29)

横浜FM0-3川崎(日産スタジアム, 19:00KO, 41,221人)

2戦合計でYLC準決勝に勝ち上がったホーム浦和戦(YLC QF #2)から中5日。
 代表ウィークが終わって、J1リーグが再開される。

U-22代表の活動を終え、土屋櫂大が復帰する。

大関と神田は、U-20ワールドカップ代表に選出された。
 この試合を終えると、最長で10月19日(日)の決勝戦まで派遣される。
 グループリーグで敗退した場合は、10月3日(金)までとなる。


先発は、浦和とのYLC準々決勝第2戦から1人だけ変更。
 新たに橘田健人が入り、河原創がベンチに回る。
 余裕ある日程となり、先発を固定できるようになった。

ベンチには、U-22代表帰りの土屋が入り、野田が外れる。


横浜Fマリノスは、J1リーグで6勝7分15敗の17位。
 代表ウィークにYLC準々決勝で柏と対戦して、中5日。
 延長戦となった川崎と異なり、90分で第2戦を終えている。

4月にスティーブ・ホランド監督、6月にパトリック・キスノーボ監督を解任。
 今季3人目の大島秀夫監督が就任し、ようやく17位と降格圏から浮上した。

2020-24年に川崎に所属した遠野大弥は、6月に右アキレス腱を断裂し、長期離脱中。
 2019-23年に所属の山村和也は、9月2日にウロンゴン・ウルブスFC(AUS)に移籍した。

等々力では、ドローだった。
 250409川崎3-3横浜FM(J1 #5)

■1st half
4分、いきなり川崎が先制する。
 LCB角田涼太朗(22)が高く上がったLSB鈴木冬一(25)へパスを出す。
 VW際がこのパスをインターセプトして、ダイレクトで縦パスを入れる。
 必死に戻った渡辺皓太(6)の逆を取って、伊藤達哉が左足でゴール。

マリノスは、GK朴一圭(19)からショートパスをつなぐ。
 ボランチ喜田拓也(8)が展開を担うが、前線の動き出しは少なく、停滞した。

リードを奪った川崎がさらに攻め立てる。
17分、山本のスルーパスで抜け出した脇坂がラストパス。
 マルシーニョがフリーでシュートするが、GK朴一圭が残した足でカットする。
19分、伊藤達哉のラストパスからエリソンが右足シュート。
42分に山本がループシュート、44分に伊藤達哉がドリブルシュート。
 速攻から多くのチャンスを作るが、追加点は奪えなかった。

■2nd half
後半も川崎ペースは変わらない。
 50分、山本のラストパスから脇坂がシュートする。
マリノスは51分、角田のロングボールから植中朝日(14)がシュート。
 ようやく川崎の守備を崩す場面を作ることができた。

56分、川崎の勝利が決定的となった。
 ジョルディ・クルークス(37)が右CKを蹴り、ゴール前から最後尾の喜田にバックパス。
 喜田が少し時間を掛けたところを、素早く山本が寄せてカットする。
 独走からのエリソンのシュートは、GK朴一圭が見事なセーブ。
 しかし、弾いたボールに走り込んだ山本を、鈴木冬一が背後から倒してPK判定。
 さらにVARの結果、鈴木冬一にはレッドカードが提示された。
 エリソンがこのPKを決めて2点差となった。

■summary
マリノスの4分の失点は、角田涼太朗のパスミスから。
 パスミスのあと、戻る角田はスピードを緩めてしまう。
 結果的に間に合わなかったが、ミスを挽回する姿勢は見せてほしい。

川崎に速攻を仕掛けられると、陣形を整えられず決定機を作られる。
 GK朴一圭の奮闘がなければ、もっと大差になったかもしれない。

61分には数的不利かつ2点ビハインドとなった。
 その後、GK朴一圭と2CBは前にパスを出さず、3人でボールを回し続ける。
 バランスを崩すと追加失点のリスクは大きく、攻め急ぐことを避けた。
 ゴール裏からは、消極的な自チームにブーイングが向けられた。


川崎は4分、好調の伊藤達哉が先制ゴール。
 GK山口のプレー機会が少なく感じるほど、マリノスの反撃を封じた。
 優勢を維持したまま、数的有利かつ追加点が入り、余裕ある展開となった。
 5人を途中交代したが、マリノス側に脳震盪交代があって、あと1人交代できた。
 神橋あるいは土屋を起用しても良かったかもしれない。

次は中6日でFC東京戦(J1 #30)。
 無失点を続けながら、勝利したい。

■goal
4伊藤達哉(17) 62PKエリソン(9) 90+8宮城天(24) 

■judge
山口瑠伊(98) 5.5 いつもより仕事は多くなかった。67分、宮市亮(23)のシュートをキャッチ。
VW際(31) 6.5 インターセプトからダイレクトで1アシスト。13分にボレー。右サイドを封鎖。
ウレモヴィッチ(22) 6.5 安定感のある守備を続ける。51分、裏へのロングボールをクリア失敗。
佐々木旭(5) 6.5 42分、ラストパスをカット。26分と90+7分、機を見てドリブルで上がった。
三浦颯太(13) 6.0 33分、喜田のスルーパスをカット。左クロスの精度はあまり高くなかった。
橘田健人(8) 6.5 54分、脇坂のFKをフリックしてシュート。機動力を活かしつつ中盤を締めた。
山本悠樹(6) 7.0 17分、脇坂へのスルーパス。42分、ループ。56分、PK奪取し、退場を呼ぶ。 
伊藤達哉(17) 7.0 4分、先制ゴール。44分、シュート。19分、40分、43分にエリソンへパス。
脇坂泰斗(14) 6.5 10分、クイックFKに油断なく対応。50分、DFを剥がしてフリーでシュート。
マルシーニョ(23) 6.0 攻撃力を発揮。12分、16分にシュート。17分の決定機はGKが止める。
エリソン(9) 6.5 ゴール前の2CB間でパスを呼び込む。19分、56分にシュート。PKで1ゴール。

■sub
72(23)宮城天(24) 6.0 90+8分、ゴール前を完全に割り裂いて1ゴール。90+10分、シュート。
72(9)ロマニッチ(91) 5.5 81分、ロングボールを受ける。90+5分、ボール奪取からドリブル。
80(14)大関友翔(16) 5.5 82分、シュート。90+8分、宮城天の外周を走って、コースを生んだ。
80(6)河原創(19) 6.0 橘田と2ボランチを組む。マリノスの反撃を許さず、しっかりとクローズ。
90+4(17)田邉秀斗(15) 6.0 右ウィング。90+7分、ボールカット。90+10分、フリーでヘッド。 

■bench
ソンリョン(1) 神橋良汰(27) 土屋櫂大(39) 小林悠(11) 

■coach
長谷部茂利 6.0 マリノスの攻撃を封じながら、速攻からゴールを重ねて着実に勝利した。

■referee
大橋侑祐 6.5 両チームにとって違和感の少ないジャッジ。PKは妥当。鈴木冬一のイエローをVARでレッドに変更。

250,600views
AT+3+10

2025/04/11

250409川崎3-3横浜FM(J1 #5)

川崎3-3横浜FM(U等々力, 19:00KO, 21,478人)

ドローで終わったアウェイ町田戦(J1 #9)から中2日。
 ACLEラウンド16のため延期されていたJ1リーグ第5節が、水曜日に開催される。
 次の土曜日には清水戦(J1 #10)があって、中2日の連戦となる日程。
 できれば、夏の2週間の中断期間に開催してほしかったところ。


先発は、町田戦から9人と大きく変える。
 連続しての先発するのは、河原創とマルシーニョの2人。
 新たにGKソンリョン、VW際、高井、アイダル、田邉、大関、伊藤、瀬川、小林悠の9人が先発。

大関友翔は、川崎での初先発となる。
 小林悠は、昨年の中村憲剛引退試合での左肩鎖関節脱臼から復帰する。

先発を外れた9人のうち、ベンチに回ったのは佐々木旭、脇坂のみ。
 町田戦で負傷したジェジエウと橘田を含め、残り7人はベンチ外となった。

ベンチには、新たにGK安藤、土屋櫂大、ヴェロン、神田が入る。
 土屋は、U-18昇格後初めてのメンバー入り。

キックオフ前の選手紹介では、宮城天が先発すると発表されていた。
 何らかのアクシデントがあって、急遽、ベンチメンバーからマルシーニョが先発。
 スタジアムには変更のアナウンスはなく、走るマルシーニョに気付いて驚いた。
 併せてベンチには、ヴェロンが補充されている。


横浜Fマリノスは、今季からスティーブ・ホランド新監督が就任。
 J1リーグは1勝4分3敗で、暫定19位。
 8試合で4得点6失点と、ゴール数が少なくなっている。
 ACLEはラウンド16で上海海港に勝ち、川崎とともにベスト8進出。

土曜日の東京V戦(J1 #9)から中3日。
 その前は中2日だったので、中3日→中2日の川崎とほぼ同じ日程。

今シーズン、川崎から移籍した遠野大弥(9)は先発する。

2024年の対戦は、マリノスの1勝1分だった。
 240403横浜FM0-0川崎(J1 #6)
 240817川崎1-3横浜FM(J1 #27)

■1st half
川崎は立ち上がり、マルシーニョを軸に攻めていく。
 6分、マルシーニョが左からシュート。
そして7分、伊藤が横パスを拾って左のマルシーニョへサイドチェンジ。
 マルシーニョのラストパスはDFに当たり、PA中央から大関が先制ゴール。

その後は、マリノスが圧倒的にボールを持った。
 川崎はミドルブロックを敷いたが、縦パスを次々に入れられる。
 マリノスの2CBが高い位置まで持ち上がっても、プレスに出ていかない。
 スペースに走り出されると付いていかず、簡単にサイドを突破された。

多くのクロスやセットプレーを間一髪で凌いでいたが、41分。
 右サイドからヤン・マテウス(11)がドリブルで中央に切り込む。
 寄せることができないまま、ゴール右隅にミドルが決まった。

■2nd half
後半から河原とマルシーニョに代えて、山本と脇坂を投入する。
 脇坂がプレスの指揮を執り、ようやく積極的にマリノスを追い掛ける。
 ビルドアップでも山本と脇坂の2人が加わって、スムーズに前進する。

67分、右スローインから、脇坂がアイダルに戻す。
 アイダルは前のスペースに運ぶと、地を這うようなミドルを決めた。

再びリードしてからは、マリノスが攻めてくる。
 RSB宮市亮(23)とヤン・マテウスを中心に、右サイドから崩してくる。
 76分、メイア・ルアで突破した宮市の右クロスを、遠野がヘッド。

88分、足を攣ったアイダルに代えて、土屋をRCBに投入する。
 高井がLCBに回り、U-18出身者で2CBを組むが、失点を重ねてしまう。
89分、宮市の右クロスを植中朝日(14)がオーバーヘッド。
 このシュートをゴール前で天野純(20)が押し込んで、同点とする。
さらに90+2分。
 山根陸(28)の左クロスを、植中がトラップしてGKソンリョンと重なる。
 こぼれたボールをヤン・マテウスが蹴り込んで、マリノスが逆転した。

川崎はリードされるが、90+10分。
 脇坂の右CKを、高井がヘッドできれいな同点ゴールを決めた。

■summary
マリノスは、2度のリードを許したが、2度追い付いてさらに逆転した。
 劇的な展開となったが、逃げ切ることはできず、ドローに終わった。

宮市亮とヤン・マテウスが、右サイドを面白いように突破した。
 多くのクロスボールを入れ、89分には2度目の同点ゴールを生んだ。

連戦の中、選手の入れ替えは少なかった。
 前節東京V戦の先発と9人が同じで、今日の途中交代は3人にとどまった。
 川崎と同じくACLEを控える過密日程の中、疲労の蓄積が心配される。


川崎は大きくターンオーバーしながら、ドローの結果を得た。
 2-1で逃げ切りたかったが、空中戦で活躍していたアイダルの交代が響いた。
 ただ、マリノスに逆転を許しながらも、追い付いたことは素晴らしかった。

62分、小林悠に代えて神田奏真を投入。
 山田新がベンチに控えながら、あえて神田を選択する。
そして88分の土屋櫂大の投入は、本当に驚いた。
 CBにとって、極めて難しい状況でのプロ初出場。
 結果的に1点リードを守れず、短時間で2失点する厳しいデビュー戦となった。

河原創とマルシーニョは前半だけ、山本と脇坂は後半だけと、プレー時間を分散した。
 宮城天の負傷がなければ、おそらくマルシーニョはもっと短時間だったはず。
 目先の勝ち点を狙うだけではなく、少しでも主力を休ませた判断は素晴らしい。

次は、中2日でアウェイ清水戦(J1 #10)。
 コンディションを大事にしながら、戦ってほしい。

■goal
7大関友翔(16) 67アイダル(44) 90+10高井幸大(2) 
41,90+2ヤン・マテウス(11) 89天野純(20)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 1失点目は触りたい。クロスやシュートの処理は安定。飛び出しは控え目。
VW際(31) 6.0 33分、瀬川へラストパス。53分、ミドル。右サイドの守備をしっかり固めた。
高井幸大(2) 7.0 1ゴール。53分、70分にカウンターを止める。55分、伊藤のクロスをヘッド。
アイダル(44) 7.0 加入後初ゴール。クロスやCKをヘッドでクリアし続ける。足を攣って交代。
田邉秀斗(15) 5.5 宮市とヤン・マテウスを相手に厳しい守備を強いられた。81分、ヘッド。
河原創(19) 6.0 6分のスルーパスは長くなる。劣勢の展開で、よく走ってスペースを埋めた。
大関友翔(16) 6.0 先制ゴール。広い視野から繰り出すパスの精度を上げたい。76分、イエロー。
伊藤達哉(17) 6.0 俊敏性を活かしクロスを上げる。7分、横パスをカット。90+11分、ミドル。
瀬川祐輔(18) 6.0 33分と62分にシュート。80分にヘッド。創造性に溢れるがロストも目立つ。
マルシーニョ(23) 6.0 序盤にチャンスを作り、7分のパスで先制ゴールを生む。31分、ドリブル。
小林悠(11) 5.0 プレスを仕掛けなかった。ロングボールは競り合えず、オフサイドも多かった。

■sub
HT(23)脇坂泰斗(14) 5.5 1アシスト。プレスを牽引。90+2分、動きを止めてロストして失点。
HT(19)山本悠樹(6) 6.0 53分、左ポケットからクロス。82分、ドリブルで2人を抜いてパス。
62(11)神田奏真(38) 5.5 プレスを仕掛ける。90+9分、脇坂の右クロスにニアへ飛び込んだ。
82(15)佐々木旭(5) 5.5 LCBに入る。89分、2対1の数的不利から宮市に右クロスを上げられる。
88(44)土屋櫂大(39) 4.5 デビュー戦。投入直後の89分、植中に離されてオーバーヘッドを許す。

■bench
安藤駿介(21) 山内日向汰(26) ヴェロン(28) 山田新(20) 

■coach
長谷部茂利 7.0 大幅にターンオーバーしながら勝利目前まで到達。神田と土屋を大胆に起用。

■referee
御厨貴文 6.0 VARの助力が必要な難しい場面が多かったが、荒れることなくコントロールした。

240,800views
AT+6+12

2024/08/19

240817川崎1-3横浜FM(J1 #27)

川崎1-3横浜FM(U等々力, 19:00KO, 22,850人)

勝敗を5分に戻したFC東京戦(J1 #26)から中5日。
 前日に台風7号がやってきた等々力は、かなりの暑さとなった。

8月14日、大南琢磨(3)と瀬古樹(16)が、海外移籍のためチームを離脱すると発表された。
 大南は、神戸戦(J1 #25)にフル出場したが、FC東京戦は欠場。
 瀬古樹は、FC東京戦に途中出場し、その後、移籍が本格化したものと思われる。

また、GK山口瑠偉(98)を町田(J1)からレンタルで獲得した。
 上福元直人が湘南(J1)に移籍したことを受けて、GKを補充する。


先発は、FC東京戦から1人だけ変更。
 プロ初出場となるGK早坂勇希が先発し、GKソンリョンはベンチ外となった。

ベンチには、町田から加入して3日目のGK山口、山本、エリソンが入る。
 代わりに山内、海外移籍手続き中の瀬古樹が外れた。


横浜Fマリノスは、J1リーグ10勝5分11敗で9位。
 負け越しているが、勝利数が多く、勝敗イーブンの川崎より順位は1つ上。
 川崎がベスト16で敗退した2023-24のACLでは、準優勝した。
 7月15日、ハリー・キューウェル監督を解任。
 その後はジョン・ハッチンソン・ヘッドコーチが暫定的に指揮を執っている。

ボランチ喜田拓也(8)が、累積警告で出場停止となる。

かつて川崎に所属した選手たちでは、GKポープ・ウィリアム(1)とLCBエドゥアルド(5)が先発。
 山村和也(47)は、ベンチ外となった。
 實藤友紀は、7月1日に仙台(J2)へ期限付き移籍している。

アウェイでの対戦は、ドローだった。
 240403横浜FM0-0川崎(J1 #6)

■1st half
マリノスは、RCB畠中槙之輔(4)を起点に右から攻めていく。
 RSB松原健(27)とRFWヤン・マテウス(11)が、互い違いのポジションに立つ。
 システム的にギャップを作り、トップ下の西村拓真(9)が絡みながら川崎ゴールに迫る。

17分、右からヤン・マテウスが仕掛けて、山根陸(28)がミドル。
18分、エウベル(7)の左クロスをヤン・マテウスがシュート。

飲水タイムを経て、川崎が暑さの中で優位に立っていく。
 マリノスの足が止まり、パスミスや出足の遅れが目立つようになる。

マルシーニョがRSB松原の背後を何度も狙った。
 家長がフリーとなり、16分、27分、32分、39分と決定的なシュートを放つ。
 しかし、GKポープ・ウィリアム(1)の好セーブもあり、ゴールは奪えなかった。

■2nd half
後半、マリノスが巻き返し、一進一退の展開となった。
 49分、家長の右クロスを山田新がヘッドするが、バーに当たる。
 跳ね返りをVW際がさらにヘッドで押し込むが、GKポープに弾かれた。

55分、マリノスが左サイドから仕掛ける。
 LSB永戸勝也(2)の左クロスを、中央でアンデルソン・ロペス(10)が受ける。
 ラストパスをPA内で受けた西村を、橘田が背後からチャージしてPKを与える。

58分、アンデルソン・ロペスがこのPKを決め、その2分後。
 西村が左足で豪快なミドルシュートを沈めて、瞬く間にリードは2点となる。
 79分には3失点目を喫し、川崎の反撃は1ゴールにとどまった。

■summary
マリノスは、西村拓真の素晴らしい活躍で勝利した。
 55分にPKを奪取すると、60分にゴラッソを決める。
 攻撃だけでなく、守備でも並外れた運動量で大きく貢献した。
 精力的に上下動を繰り返し、ブラジル人3トップと守備陣の距離を埋めた。

攻撃面では、両SBが高い位置に出ていくことが強みとなった。
 しかし、中盤でロストすると、2CBとGKしか残っていない状況となる。
 多くの決定機を与えたが、GKポープが止めてリードを許さなかった。


川崎は、先にゴールを決めることができなかった。
 前半25分すぎから圧倒的に攻め立てていたので、残念な結果となった。
 とはいえ、多くの決定機を作れていて、同じようなプレーを継続したい。

60分に2点リードを許したが、78分まで大島と家長をプレーさせた。
 勝ち点の可能性が少ない状況となったので、この2人は早く交代させたかった。
 長い目で2人のコンディションを整えることで、チーム力を保てると考える。

GK早坂勇希は、大卒3年目で、プロ初出場を果たした。
 同じ桐蔭横浜大学出身でも、FPの橘田、山田新、山内は1年目にデビュー。
 GKという途中出場が少ない難しいポジションで、ついにチャンスを掴んだ。
 飛び出しの判断は的確で、ビルドアップも落ち着いてできていた。
 PKでは、アンデルソン・ロペスより先に動くことなく反応し、ボールに触った。
 ロングキックのミスはあったが、悪くないデビュー戦となった。

次は中6日でアウェイ浦和戦(J1 #28)。
 高井幸大が累積警告で出場停止となるので、車屋のCB起用が見込まれる。
 継続してしっかり戦って、勝利したい。

■goal
89エリソン(9) 
58PKアンデルソン・ロペス(10) 60西村拓真(9) 79畠中槙之輔(4)

■judge
早坂勇希(22) 6.0 初出場。PKに触るも弾き出せず。87分、エウベル(7)の決定機を外させる。
VW際(31) 6.0 45分、カットインしてミドル。49分、山田新のヘッドの戻りをさらにヘッド。
高井幸大(2) 6.0 最後の砦としてラストパスを止める。63分、ロペスに抜け出されてイエロー。
佐々木旭(5) 7.0 ゴール前の1対1で強さを発揮し、果敢に持ち上がる。LSBに回って1アシスト。
三浦颯太(13) 6.0 11分、シュート。12分、西村のヘッドをカット。1失点後の60分にパスミス。
橘田健人(8) 5.0 中盤を引き締めてボールを奪った。55分、西村を背後から倒してPKを与える。
大島僚太(10) 6.0 自在なパスで守備を翻弄する。11分、20分にラストパス。パスミスもあった。
脇坂泰斗(14) 6.0 9分、ターンしてドリブルで前進。セットプレーの精度をより高めてほしい。
家長昭博(41) 6.5 16分、27分、32分、39分と決定的なシュート。49分、山田新へ右クロス。
山田新(20) 6.5 厳しくマークされながらシュートに持ち込む。49分、ヘッドでバーに当てる。
マルシーニョ(23) 6.0 1分、ヘッド。左サイドから仕掛けて、20分、22分、54分にシュート。

■sub
71(13)車屋紳太郎(7) 5.0 79分、畠中と競り合えずにゴールを許す。高い位置で配球を担った。
71(31)山本悠樹(77) 5.5 右ボランチでボールに多く触る。79分、クリアミスで失点を招いた。
71(23)遠野大弥(17) 5.5 左サイドで佐々木旭と連携してボールを受けて、クロスを入れた。
78(41)エリソン(9) 6.0 技術的な1ゴール。82分、高井の落としをシュートするが当たらず。
78(10)小林悠(11) 6.0 85分、佐々木旭の左クロスをボレー。90+6分、左クロスに飛び込む。

■bench
山口瑠偉(98) 瀬川祐輔(30) 

■coach
鬼木達 5.5 FWを大量に投入し、パワープレーで1点は決めた。大島と家長は引っ張りすぎ。

■referee
福島孝一郎 6.0 適切なジャッジを続ける。PK判定は少し厳しいが、妥当な範囲内。

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AT+2+11

2024/04/07

240403横浜FM0-0川崎(J1 #6)

横浜FM0-0川崎(日産スタジアム, 19:00KO, 26,031人)

FC東京戦(J1 #5)に勝利して、3連敗を止めて中3日。
 新年度に入って、横浜Fマリノス戦は水曜日のナイトゲーム。
 日産スタジアムには小雨が降り続いたが、観客は2万人を大きく超えた。


先発は、FC東京戦と変わらない11人。
ベンチには、出場停止が空けたマルシーニョが復帰する。
 代わりに外れたのは、FC東京戦でアシストした山内。


横浜Fマリノスは、J1リーグ2勝2敗の11位(1試合未消化)。
 ACLではベスト4まで勝ち進み、準決勝を控えている。

ハリー・キューウェルが新監督に就任した。
かつて川崎に所属した選手達では、GKポープ・ウィリアム(1)が先発する。
 エドゥアルド(5)、實藤友紀(19)、今季移籍した山村和也(47)はベンチ外。

2023年の対戦は、1勝1敗だった。
 230217川崎1-2横浜FM(J1 #1)
 230715横浜FM0-1川崎(J1 #21)

■1st half
川崎の中盤は、トップ下+2ボランチの正三角形。
 対するマリノスは、2インサイドハーフ+アンカーの逆三角形。
 向かい合うと人数ががっちり噛み合うスタイルとなった。

GKポープ・ウィリアムは、大きく蹴ることがなかった。
 川崎にプレスを掛けられても、自信を持ってショートパスをつないだ。
FWエウベル(7)が下がって受け、ここを起点として突破を図る。
 周囲を巡る渡辺皓太(6)を使いつつ、エウベル自らドリブルで仕掛けた。
 11分、エウベルの右クロスをFWアンデルソン・ロペス(10)がシュート。

川崎はつなぎを意識しつつも、ロングボールも使う。
 ただ、受け手となるエリソンは、CB上島拓巳(15)に抑えられる。

時間が進むにつれ、マリノスが決定機を量産する。
 30分、エウベルの決定的なシュートは、三浦がブロック。
 35分、松原健(27)の右CKを宮市亮(23)がヘッド。
 38分、松原のラストパスからの宮市のシュートは、バーに2度当たって入らない。
 43分、松原の右CKを畠中槙之輔(4)がヘッドするが、GKソンリョンが弾く。

■2nd half
後半になると、川崎が巻き返していく。
 55分、遠野が左クロスを入れて、エリソンがジャンプボレー。
 マリノスはエウベルの突破が少なくなり、低い位置でのロストが増える。

62分、マルシーニョと山田新を投入する。
 マルシーニョの走力は脅威となって、67分にはフリーでシュート。

しかし、71分、そのマルシーニョが松原を足裏で踏んで一発退場。
 10人となり耐える展開となるが、マリノスにPA内でのシュートを許さない。
 83分には大南を入れて3バックとして、ゴール前でクロスを跳ね返した。

■summary
マリノスは、エウベルの突破力を軸に攻撃する。
 24分の上島のヘッド、38分の宮市のシュートがバーを叩く。
 多くの決定機を作ったが、惜しくもゴールは生まれなかった。

後半になると勢いは続かず、チャンスは少なくなった。
 数的有利となり、ボールを持つ時間が長くなっても、前半ほど川崎を崩せなかった。

日産スタジアムのピッチは、良い状態でなかった。
 土が露出しているところもあって、ボールが転がらない。
 それでもマリノスは、浮き球も使ってショートパスを繰り返した。

GKポープ・ウィリアムは、2017-18年に川崎に所属していた。
 川崎では出場機会は得られなかったが、マリノスでポジションを掴んだ。
 17分と45+1分にエリソンのシュートをセーブするなど、無失点に貢献した。


川崎はやや劣勢だったが 前半を無失点で切り抜ける。
 マルシーニョの退場は、川崎がペースを握り始めたあたり。
 11人のまま戦えていれば、もっと緊迫した内容になったと思われる。

GKソンリョン、CBジェジエウと高井を中心として守り切った。
 2ボランチの中盤が安定した効果もあって、無失点で終えることができた。
 数的不利の状況でのドローは、悪くない結果といえる。

次は中3日で、町田戦(J1 #7)。
 3連戦の最終戦となるので、選手を入れ替えながら戦いたい。

■goal


■judge
ソンリョン(1) 7.0 24分のアンデルソン・ロペスのミドル、43分の畠中のヘッドをセーブした。
瀬川祐輔(30) 6.0 縦パスを狙ってインターセプトする。45+1分に右クロス。後半途中からLSB。
ジェジエウ(4) 6.5 27分、自陣でロスト。77分、右CKをヘッド。ルーズボールを大きくクリア。
高井幸大(2) 7.0 29分、90+11分にアンデルソン・ロペスを止める。15分、三浦のFKをヘッド。
三浦颯太(13) 6.0 9分、ドリブルで2人抜き。30分、シュートブロック。45+6分に負傷交代。
橘田健人(8) 6.5 24分、上島のヘッドをブロック。中盤で効いていた。79分、ロングシュート。
瀬古樹(16) 6.0 45+2分にボレー、55分にミドルループ。ロングボールは長く伸びすぎだった。
脇坂泰斗(14) 5.5 3分、45+1分にミドルシュート。6分、FKを直接狙った。77分、右クロス。
家長昭博(41) 6.0 20分、脇坂の落としをボレー。ボールの預け先となり、時間を生み出した。
エリソン(9) 6.0 17分と55分にシュート、45+1分にヘッド。2CB上島と畠中を崩せなかった。
遠野大弥(17) 5.5 17分、GKからのミドルパスを受けて前に進む。45+4分と55分に左クロス。

■sub
45+6(13)佐々木旭(5) 6.0 LSBで緊急出場。途中からRSBに回る。90+7分、決定的なボレー。
62(17)マルシーニョ(23) 4.5 67分、左サイドからシュート。出場から11分で退場してしまう。
62(9)山田新(20) 5.5 69分、切り返してシュート。90+8分、佐々木旭の右クロスを受ける。
83(16)大南拓磨(3) 6.0 3バックの右に入った。高さを活かした守備で、逃げ切りに貢献した。

■bench
上福元直人(99) 山本悠樹(77) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 5.5 3バックで逃げ切る。いつもながら先発を固定しすぎ。多くの選手を起用したい。

■referee
木村博之 5.0 川崎にイエロー4枚レッド1枚を提示。マリノスには同程度でもイエローを出さなかった。

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2023/07/16

230715横浜FM0-1川崎(J1 #21)

横浜FM0-1川崎(日産スタジアム, 19:00KO, 42,772人)

ミッドウィークの水戸戦(天皇杯 R32)から中2日。 
 J1リーグとしては、横浜FC戦(J1 #20)以来、1週間ぶりの開催。

陽が落ちた日産スタジアムには、蒸し暑さが残る。
 わずかに風はあるが、選手にとって厳しい気候となった。


横浜FC戦(J1 #20)からは先発1人変更。
 新たにGK上福元が入り、ソンリョンがベンチ外となる。

天皇杯水戸戦から続けて先発するのは、GK上福元、瀬古樹、宮代の3人。

横浜FC戦と比べてベンチにGK安藤、佐々木が入り、大島が外れた。
 ベンチに守備的な選手が多く、リードされた場合の選択肢は少ない。


横浜Fマリノスは、J1リーグ13勝4分3敗で暫定1位。
 水曜日に天皇杯があり、川崎と同じ中2日の日程。

等々力での開幕戦は、マリノスが勝った。
 230217川崎1-2横浜FM(J1 #1)

■1st half
マリノスは、ワンタッチを交えて上下にパスをつなぐ。
 流れるように前に運び、サイドからゴールに迫った。
 エウベル(7)のドリブルや、前線を狙ったロングパスも有効だった。
 3分、エウベルがミドルシュート。
 10分、エウベルの左クロスをヤン・マテウス(20)がシュート。
 19分、ヤン・マテウスの右クロスをエウベルがシュート。
 24分、ヤン・マテウスが登里と宮代の2人を抜いてシュート。

川崎は、家長が右サイドでボールを待ち受ける。
 LSB永戸勝也(2)が高く上がるため、家長はフリーとなっていた。
 山根と脇坂が絡みつつ、ゆっくり崩していく。
 8分、山根がミドル。
 18分、山根のパスを受けた山田新がターンしてシュート。

35分をすぎると、家長までボールを出せなくなる。
 川崎はクリアするだけとなり、マリノスが長く攻め続けた。

■2nd half
マリノスは、前半と同じような攻撃を試みる。
 しかし、みるみる運動量が落ちて、特に前線が動かなくなる。
 2ボランチ渡辺皓太(6)と藤田譲瑠チマ(16)は、パスを出せずに困ってしまう。
 早めの選手交代でテコ入れを図ったが、奏功しなかった。

川崎がマリノスを圧倒していく。
 57分、家長が永戸を抜いてラストパスを出し、瀬古がシュート。
 72分、瀬川の縦パスで、最終ラインの裏に遠野が抜け出す。
  遠野はGK一森純(1)を抜いたところで倒されて、PKを獲得する。
 しかし、73分の家長のPKは、GK一森が触ってバーに跳ね返った。

PK失敗のあとも、決定的なシュートを次々に放った。
 77分に遠野、86分に山根と佐々木、89分に橘田がシュート。
 いずれもGK一森が素晴らしいセーブを連発して、ゴールを割らせない。

ロスタイムに入って90+4分。
 遠野が右からカットインして、ポストに入った瀬川に縦パスを入れる。
 瀬川がスルーパスを大南に通すと、最後は車屋が身体ごとゴールに押し込んだ。

■summary
マリノスは前半、さすがの攻撃力を見せた。
 早いパスでオートマチックにギャップを生み出していく。
 川崎は分かっていながらも、なかなか止められない。
 ただ、決定機は作ったが、ゴールは奪えなかった。

後半になると、はっきり失速した。
 運動量が必要なサッカーなので、仕方ないところ。
 これから夏に向けて、強度を保っていくことが課題といえる。

GK一森純は、家長のPKを含め、多くのシュートを止めた。
 最後に失点したものの、称賛すべきプレーだった。


川崎は、ロスタイムのゴールで勝つことができた。
 去年のマリノス戦(2022 J1 #24)のジェジエウの決勝ゴールが思い起こされる。
 劇的な勝利となったが、後半はマリノスを上回り、良い内容だった。

前半の終盤は、マリノスに畳み掛けられて、失点してもおかしくなかった。
 クリアしかできなくなったが、ここを凌いだことが勝因といえる。

83分、大南と佐々木を入れて、3バックに移行した。
 これまでの3バックは逃げ切るための戦術だったが、今日は違った。
 右の山根、左の佐々木を高く上げて、ゴールを目指した。

次は中6日で神戸戦(J1 #16)。
 6月3日の開催予定だったが、台風2号による新幹線運休で順延されたもの。
 上位チームとの対戦が続くが、しっかり戦いたい。

■goal
90+4車屋紳太郎(7) 

■judge
上福元直人(99) 6.0 3分と19分のエウベルのシュートを止める。安定したキャッチを見せた。
山根視来(13) 6.5 8分、39分、54分、86分にシュート。エウベルや宮市亮(23)を抑え切った。
高井幸大(29) 6.0 コースなく、組み立てに苦しむ。ハイボールを競り、タックルを仕掛けた。
車屋紳太郎(7) 7.5 アンデルソン・ロペスと戦い続ける。90+4分、決勝ゴールを叩き込んだ。
登里享平(2) 6.0 9分、50分に左クロス。70分にエウベルに抜かれ、71分にロストして交代。
シミッチ(6) 6.5 42分、スルーパスをカット。78分、ボレー。狭いエリアでもパスを続けた。
脇坂泰斗(14) 6.0 9分、38分に右クロス。トラップでプレスを剥がし、CKでチャンスを作る。
瀬古樹(16) 6.0 20分、57分にミドル。中盤を支えていたが、連戦もあって早めに交代した。
家長昭博(41) 7.0 右サイドでボールを待つ。57分、永戸を完全に抜いた。73分、PKを失敗。
山田新(20) 6.0 18分、山根の縦パスを受けてシュート。速いクロスに点で合わせていった。
宮代大聖(33) 5.5 左でポイントとなった。52分、車屋のロングボールから1人抜いて運んだ。

■sub
60(16)橘田健人(8) 6.0 ドリブルで前を目指した。カバーも早かった。89分、強烈なボレー。
60(20)遠野大弥(17) 6.5 72分、GKを抜いてPKを奪取する。77分、カットインからシュート。
67(33)瀬川祐輔(30) 7.0 1トップ。72分、90+4分にスルーパス。90+6分、超ロングシュート。
83(2)佐々木旭(5) 6.0 左ウィングに入り、高い位置に立つ。85分、左クロス。86分、ボレー。
83(14)大南拓磨(3) 6.5 85分、右クロス。90+4分、GKのニアを抜くクロスで決勝アシスト。

■bench
安藤駿介(21) 山村和也(31) 

■coach
鬼木達 7.0 連戦の中、薄い選手層にあっても、3バックへのシフトチェンジで勝利に導いた。

■referee
カミス・モハメド・アルマッリ(QAT) 6.0 立ち位置がボールに近すぎたが、抑え気味で良いジャッジだった。

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AT+5+6

2023/02/18

230217川崎1-2横浜FM(J1 #1)

川崎1-2横浜FM(等々力, 19:00KO, 22,563人)

ワールドカップを挟んだ2か月超の長いオフ。
 2023年1月9日(月)に始動し、2次に渡る沖縄キャンプをこなした。

J1リーグ開幕戦は、3年連続のホーム金J開催。
 残りの7試合は翌日の土曜日、昼間に開催される。
 2022年の1位2位対決で、1試合だけ先行するため注目が集まる。
 1週間前には、チケット完売がアナウンスされた。

2月の平日ナイターなので、観客にとって過酷な日程。
 ただ、この日は凍えるほどの寒さとはならなかった。
 スタジアムは100%収容、全席声出しが可能となった。


天童よしみ氏。
映画「湯道」出演女優。

新戦力で先発するのは、鳥栖からレンタルバックの宮代大聖。
 谷口が移籍して抜けたLCBには、車屋が入る。

ベンチには、GK上福元、大南、瀬川、山田新と新加入組が目立つ。
 大島、シミッチとともに、瀬古樹が入っている。

京都から加入したGK上福元直人の背番号は、99番。
 今シーズンから51番から99番までの背番号が解禁されている。


横浜FMは、2022シーズンのJ1リーグ優勝チーム。
 FUJIFILM SUPER CUP(FFSC)で天皇杯優勝の甲府と対戦して、中5日。

2022シーズンの対戦は、1勝1敗だった。
 220223横浜FM4-2川崎(J1 #9)
 220807川崎2-1横浜FM(J1 #24)

■1st half
マリノスは高い位置から精力的にプレスをかける。
 前線の4人で、CBジェジエウと車屋をGKソンリョンの横まで深く押し込む。
 3分、ソンリョンから遠野へのミドルパスが、ロストしそうになる。
続く4分、ソンリョンは同じようなミドルパスを出す。
 コースが甘く、エウベル(7)に触られて、西村拓真(30)が先制ゴール。
 両CBはビルドアップのためサイドに動いていて、戻れなかった。

川崎はビルドアップに苦しみながら、中盤に運んでチャンスを作る。
 山根がボランチに動いてパスをつなぐなど、新しい工夫を重ねる。
 そして、マルシーニョの縦抜けは相変わらず脅威となった。
 マリノスのハイラインの背後を狙って、RSB松原健(27)を抜き去っていく。

17分、マルシーニョのシュートは、GKオビ・パウエル・オビンナ(50)が止める。
19分、佐々木旭の美しいスルーパスから遠野が決定機を迎えたが、GKオビがセーブ。
良い攻撃が続いて、29分、宮代のミドルがゴール左上角を叩いた。

マリノスは耐える時間が続いたが、38分、追加点を決める。
 永戸勝也(2)の左CKをアンデルソン・ロペス(11)がGK前に落とす。
 脇坂よりも早く反応したエウベルがゴールに捻じ込んだ。
45分にもエウベルが決定機を迎えたが、ここはソンリョンが止めた。

■2nd half
HTに家長を下げて、右FWに瀬川を投入する。
 瀬川は右サイドライン際に立ち、マリノスの守備を広げた。
 佐々木からのロングボールなどでパスを受け、53分には左足シュート。

マリノスはハイプレスを引っ込めて、ブロックを組む。
 川崎のビルドアップはスムースとなり、中央から崩していく。
 マルシーニョは対策されつつも突破を続けて、46分、75分とシュート。

60分、車屋の負傷交代により、大南が左CBに入る。
 スクランブルだったが、違和感なくプレー。
 マリノスのプレスを受けても、落ち着いてボールを動かした。

84分、リスタートからマルコス・ジュニオール(10)が独走。
 後追いしたジェジエウがタックルで止め、DOGSOで退場となった。

数的不利となってからは、山根、大南、佐々木の3バックで対応する。
 90+1分、佐々木のクロスから橘田がゴールしたが、同点にはできなかった。

■summary
マリノスは勝負強さを発揮して、勝利した。
 4分の西村の先制ゴールは、前線からのハードプレスの賜物といえる。
 川崎のビルドアップを阻害して、GKソンリョンの単純ミスを誘発した。

その後、川崎の決定機が続き、押される時間が長くなった。
 CKから2点目を決めるが、後半もボールを保持される。
 ゴール前まで何度も侵入を許したが、ラインを下げず、粘り強く守った。
 今シーズンもJ1リーグ優勝を十分に狙える実力がある。


山田新(20)が71分にデビュー。
特別指定で出場してはいますが、正式加入後の初出場。

川崎はGKのミスとCKからの失点で敗北した。
 4分にリードを許したこともあり、ボールを握って攻める展開となる。
 いろいろなパターンの攻撃で崩し、決定機をいくつも作った。
2022シーズンは耐えながら勝つことが多かったが、逆パターンとなった。
 90+1分のゴールなど、魅惑的なサッカーの土壌はできている。

新加入選手は、宮代を含めて4選手が登場した。
宮代大聖は、徳島(2020)、鳥栖(2021)へのレンタルを経て復帰。
 川崎でプレーするのは、2020年11月3日の札幌戦(2002 J1 #26)以来。
 目に見えて体幹が強くなり、1トップでマリノスの2CBに挟まれてプレー。

瀬川祐輔は、右ウィングで後半45分間のプレー。
 味方とのショートパスは、呼吸が合わないこともあった。
 今後、熟成が進めば、家長と異なる特長を発揮してくれるかもしれない。

大南拓磨は、60分から左CBに入った。
 マリノスの前プレを受けても、慌てずにパスをつないだ。
 ジェジエウが退場、車屋が負傷した中、次節は先発出場が見込まれる。

山田新は、桐蔭横浜大学から加入後、初の公式戦でデビューした。
 直近10年間の大卒新人で、同じく公式戦初戦に出場したのは次の選手たち。
 車屋紳太郎(2015年)、守田英正(2018年)、旗手玲央と三笘薫(2020年)、橘田健人(2021年)。
 いずれも主力選手に成長していて、山田新にも期待がかかる。

次は中7日でアウェイ鹿島戦(J1 #2)。
 良い内容を続けながら、しっかり勝っていきたい。

■goal
90+1橘田健人(8) 
4西村拓真(30) 38エウベル(7)

■judge
ソンリョン(1) 4.5 4分、痛恨のプレゼントパスから失点。45分、エウベルの決定機をセーブ。
山根視来(13) 6.0 ボランチの位置に入り、組み立てに参加。54分、右クロスを遠野に合わせる。
ジェジエウ(4) 5.5 スピードで広い範囲をカバー。84分、マルコスをDOGSOで倒して退場する。
車屋紳太郎(7) 5.5 34分、エウベルのクロスをクリア。58分、左太もも裏を負傷して、交代。
佐々木旭(5) 6.5 90+1分、1アシスト。スルーパス、クロス、ロングパスと進化した姿を見せた。
橘田健人(8) 6.5 落ち着いて1ゴール。リードされ、攻撃に比重を置くチームを背後で支えた。
脇坂泰斗(14) 5.5 逆を突くターンで前に運んだ。24分、70分にシュート。5本の左CKは不発。
遠野大弥(17) 6.5 19分、54分と2度の決定機。7分、50分にもシュート。運動量も申し分ない。
家長昭博(41) 5.0 靭帯損傷から復帰したが、コンディションは回復途上。19分、シュート。
宮代大聖(33) 6.0 29分、鮮烈なミドルをゴール左上に当てる。ポストプレーも十分にこなした。
マルシーニョ(23) 6.5 縦のランニングで多くのチャンスを作る。17分、46分、75分にシュート。

■sub
HT(41)瀬川祐輔(30) 5.5 53分、左足シュート。右ワイドで待つ。周囲との連携はまだまだ。
60(7)大南拓磨(3) 6.0 車屋負傷で左CBで緊急出場。プレスを受けながらも落ち着いてプレー。
71(17)大島僚太(10) 5.5 IH。ボールタッチは少なめ。74分に左クロス。90+6分、FKを蹴る。
71(33)山田新(20) 5.0 CF。76分、90+5分のドリブルは囲まれてロスト。90+5分、FKを獲得。
79(14)シミッチ(6) 5.0 アンカーでロングパスを狙う。ファウルが多く、90+5分にイエロー。

■bench
上福元直人(99) 瀬古樹(16) 

■coach
鬼木達 6.0 負けてしまったが、魅惑的なサッカーを展開。交代策も積極的。

■referee
山本雄大 6.5 バランスの良いジャッジ。強い接触プレーには、厳しくファウルを取る。

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AT+2+7

2022/08/08

220807川崎2-1横浜FM(J1 #24)

川崎2-1横浜FM(等々力, 19:00KO, 20,704人)

YBCルヴァンカップC大阪戦(YLC QF #1)から中3日。
 J1リーグ首位の横浜Fマリノスとのホームゲーム。
 川崎とは勝ち点11差(ただし川崎が2試合消化が少ない)となっている。

この間、新型コロナウィルス感染症の陽性判定はなかった。
 8月5日には、大関友翔(33)と松長根悠仁(34)が2種登録された。
 ただし、大関はU-17日本代表に参加中で、不在となっている。

セレッソ戦で先発した特別指定の山田新(32)は、桐蔭横浜大学に戻っている。
 前日の6日、中2日で関東大学リーグ戦に途中出場した。


先発は、セレッソ戦から5人が変わる。
 新たに山根、ジェジエウ、チャナ、家長、ダミアンが先発する。
 瀬古樹、山村、遠野、宮城天がベンチ、山田新はベンチ外となった。

ベンチには、小林悠、佐々木旭が新たに入っている。
 ようやく選手が揃い、GKは丹野だけで、ベンチから安藤と早坂が外れた。


横浜Fマリノスは、J1リーグで14勝6分3敗で首位。
 日程は川崎と同じく、YLCを戦っていて中3日。

日産スタジアムでは、マリノスが逆転で勝利した。
 220223横浜FM4-2川崎(J1 #9)

■1st half
マリノスは積極的にプレスを仕掛け、最終ラインを高く保つ。
 川崎は勢いに押されつつ、ダミアンへのロングボールが逃げ場となる。
 ダミアンは、CBエドゥアルド(5)を背負いながら、ボールを収めてくれた。
14分、マルシーニョの折返しを脇坂がミドル。
 マリノスに一方的に攻められることはなく、対抗することができた。

先制ゴールは24分。
 谷口がFWアンデルソン・ロペス(11)に追われながら、右サイドの山根にロングフィード。
 ダイレクトで山根が折り返すと、ダミアンがGK高丘陽平(1)に競り勝って、ゴールに押し込んだ。

川崎は左サイドのエウベル(7)と右の仲川輝人(23)に気を配る。
 マリノスは遅攻になると、川崎の守備を崩せなかった。

45+3分、山根が先制ゴールと同じような右クロスを入れる。
 しかし、ここからひっくり返されて、マリノスがカウンターを発動。
 エウベルから仲川へスルーパスが通り、同点ゴールを決められた。

■2nd half
後半もマリノスは変わらずプレスを掛けてくる。
 運動量で劣る川崎はパスコースを作れず、バックパスに追い込まれる。
 余裕がない中でロングボールを蹴らされ、ダミアンに届けられない。

最も危険だったシーンは65分。
 GKソンリョンと2CBのパス交換では打開できず、ジェジエウの縦パスがカットされる。
 マリノスに拾われて、喜田拓也(8)のシュートが右ポストを叩いた。
 続いてレオ・セアラ(9)の右クロスから仲川がシュート。

78分、木村博之主審が足を痛め、佐藤誠和4審と交代する。
82分には喜田拓也が足を攣らせて、ピッチを退いた。
 蒸し暑く過酷な状況で、どちらのチームにも疲労が目立った。

ロスタイムの目安は8分間と示される。
 90+5分、レオ・セアラのシュートは、GKソンリョンがセーブ。
 90+7分、ジェジエウが頭で競り勝つと、PA内で山根がシュート。
目まぐるしく攻守が入れ替わって、90+9分。
 谷口から右サイドの小林悠にロングフィードが入り、小林悠が家長へボールを縦に渡す。
 家長が右クロスを上げると、最前線のジェジエウがファーで渾身のヘッド。
 左ポストに当たり、決勝ゴールが決まった。

■summary
マリノスはさすがの攻撃力を見せた。
 サイドに散らしながら、エウベルと仲川が仕掛けていく。
 ただ、中央から攻める手段が少なく、川崎を崩す回数は少なかった。

後半は川崎を自陣に張り付かせ、押し込んだ。
 J1リーグ優勝を考えればドローでも十分だったが、最後まで勝利を目指した。
 結果として失点を喫したが、賞賛に値する素晴らしい姿勢だった。


ジェジエウ(4)を抱きかかえる家長昭博(41)。
両脇で支える瀬古樹(16)と橘田健人(8)。

エムブレムを握りしめるジェジエウ(4)。

川崎は厳しい状況にあって、マリノスに勝つことができた。
 マリノスのプレスで追い込まれ、ロングボールが多くなる。
 体力的にパスをつなげない中、現実的な戦術だった。

71分からは、瀬古樹とシミッチの2ボランチに移行。
 シミッチの守備範囲を狭めることで、中盤が安定した。

次は中2日、YBCルヴァンカップのホームC大阪戦(YLC QF #2)。
 第1戦は、選手が足りない状況でドローで折り返した。
 ベストを尽くして、準決勝に勝ち上がってほしい。

■goal
24ダミアン(9) 99+9ジェジエウ(4) 
45+3仲川輝人(23)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 90+5分、レオ・セアラのシュートを止める。クロス対応もミスがなかった。
山根視来(13) 6.5 復帰戦。1アシスト。多くのクロスを入れる。90+7分、ゴール前で決定機。
ジェジエウ(4) 7.0 豪快なクリアを繰り返す。90+9分、前線に上がったまま、決勝ゴール。
谷口彰悟(5) 7.5 2点ともロングパスで起点となる。クロスに対応。15分、脇坂のFKをヘッド。
橘田健人(8) 6.0 仲川とマッチアップ。インターセプトを狙う。終盤は水沼宏太(18)を抑える。
シミッチ(6) 6.5 アンカーで奮闘も、適性は2ボランチか。13分、23分に持ち過ぎて狙われた。
脇坂泰斗(14) 6.0 14分、ミドル。セットプレーを担当するが、チャンスに結び付かなかった。
チャナ(18) 6.0 5分、右サイドに流れてクロス。10分、18分にロスト。もう少しキープしたい。
家長昭博(41) 6.5 9分、60分にシュート。90+9分、精度の高いクロスボールで決勝アシスト。
ダミアン(9) 6.5 24分、先制ゴール。ロングボールを良く収める。45分、タックルでイエロー。
マルシーニョ(23) 6.0 背後を狙って走った。68分、CKの流れからシュートもDFがブロック。

■sub
62(18)遠野大弥(19) 6.0 74分、胸トラップからボレー。自陣に素早く戻って守備に参加した。
71(14)瀬古樹(16) 6.0 2ボランチの一角に入る。守備でバランスを取り、セットプレーを蹴る。
71(23)小林悠(11) 6.0 72分、ターンで抜け出しFK獲得。86分、右クロス。90+1分、ミドル。
90(9)山村和也(31) 6.0 2トップで出場。ジェジエウの足が攣り、入れ替わりにRCBに移動。

■bench
丹野研太(27) 佐々木旭(15) 宮城天(24) 

■coach
鬼木達 7.0 厳しい状況にあって、首位マリノスに勝利した。交代枠を1つ残した。

■referee
木村博之 6.0 ストレスを感じさせない安定したジャッジ。足を痛めて交代する。
78佐藤誠和 5.5 急遽4審から主審に入ったが、落ち着いていた。

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2022/02/23

220223横浜FM4-2川崎(J1 #9)

横浜FM4-2川崎(日産スタジアム, 14:00KO, 20,433人/20,000人)

押されつつも勝利したFC東京戦(J1 #1)から中4日。
 ACLの影響で、4月22日or23日に開催予定の第9節が前倒し開催される。

同じACL組の横浜Fマリノスとの対戦。
 日産スタジアムでは、2月12日の浦和戦(FFSC)でもプレーしたばかり。
神奈川県は、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が続いている。
 そのため、上限20,000席による運用となった。
 すでに販売済のチケットは有効とされ、観客数は20,433人だった。


先発は、FC東京戦から3人が変わる。
 新たに山村、橘田、宮城天が先発する。
 大島がベンチへ、車屋とマルシーニョはベンチ外となった。
ベンチには、新たに佐々木旭が入った。
 流通経済大学から加入した佐々木は、初めてのメンバー入り。


横浜Fマリノスは、2021年のJ1リーグ2位。
 夏場、相手を粉砕するような攻撃力で、川崎に迫っていた。
昨年7月に就任したケヴィン・マスカット監督が、2年目の指揮を執る。
 FW前田大然がセルティック(SCO)、DFチアゴ・マルチンスがニューヨーク・シティFC(USA)へ移籍した。
 鳥栖(J1)から加入したDFエドゥアルド(5)が、LCBで先発出場する。

C大阪と引き分けた開幕戦から、中3日。
昨シーズンの対戦は、川崎の1勝1分だった。
 210226川崎2-0横浜FM(J1 #1)
 211204横浜FM1-1川崎(J1 #38)

■1st half
マリノスはサイドからの大きなクロス主体。
 1トップが178cmのレオ・セアラ(9)だったので、山村と谷口がクリアする。
 速攻を仕掛けられず、川崎を崩すことができなかった。

川崎はマリノスのハイラインの背後を狙う。
 右サイドは山村のビルドアップが冴えて、山根が仕掛けていった。
 左サイドは登里が、チャナと宮城天を操った。
 どちらのサイドも、橘田が加勢することで数的有利を作った。

19分、チャナが縦に走り込んでから左クロスを入れる。
 脇坂が右に流し、家長の決定的なシュートはGK高丘陽平(1)が止めた。
29分、抜け出した家長のクロスを、ダミアンが流し込むがオフサイド。
そして32分。
 登里のスルーパスで縦に抜け出した橘田が、完璧な左クロス。
 ゴール前のダミアンがスルーして、家長が確実にゴールを決めた。

■2nd half
後半も川崎は落ち着いて攻め込んでいく。
 49分、宮城天がボールを持ち替えてからシュート。

しかし、ゲームは突然、様相を反転させた。
 57分、チャナが頭を打って治療を受けたため、ピッチ外に出る。
 数的優位をマリノスが活かし、シンプルな攻撃で打開した。
 左サイドから、マルコス・ジュニオール(10)が長いボールを入れる。
 ファーサイドのエウベル(7)が登里に競り勝ち、ヘッドで同点ゴール。

同点ゴールの直後の58分。
 レオ・セアラが右サイドに展開して、エウベルが右クロス。
 ゴール前にきれいに通されて、仲川輝人(23)が押し込んで逆転した。

川崎はマリノスの素早い攻撃を止められない。
 64分、エウベルのミドルが橘田に当たり、3点目を決められた。

73分、山根の右クロスから知念のヘッドで1点を返す。
しかし、78分、仲川の巻くようなミドルが、バーを叩きながら決まった。

■summary
マリノスは圧倒的な攻撃力で4得点。
 前半は苦戦していたが、後半、速攻を仕掛けてゴールを割った。
遅攻のパターンは少なく、ハイラインの裏側の弱さが垣間見えた。
 ただ、得点力を保つことができれば、今年も良い成績を挙げられると思われる。

ロスタイム、喜田拓也(8)は倒れた味方を助け起こした。
 2点リードしていたとはいえ、時間を使いたい場面だったはず。
 賞賛に値する、クリーンで素晴らしい行動だった。


エドゥアルド(5)とレアンドロ・ダミアン(9)。

川崎は橘田が中盤をがっちりとコントロール。
 スペースを素早く埋めて、ルーズボールを奪い取った。
 たった1人で、調子が上がらなかった川崎を蘇らせた。

4失点は不運なところもあったが、マリノスの速い攻撃によるもの。
 ボールを複数人で囲みにいくと、背後に広大なスペースを残してしまった。
 早くゴールを目指す攻撃を受けて、陣形を構築できずにゴールを許す。
 前半のように落ち着いた守備ができなかったことが、敗因となった。

結果は残念だが、妥当な敗戦。
 とはいえ、FFSC浦和戦やFC東京戦より内容は良くなっている。
次は中2日で鹿島戦(J1 #2)。
 厳しい連戦なので、ターンオーバーを行いつつ、状態を上げていきたい。

■goal
57,64エウベル(7) 58,78仲川輝人(23)
32家長昭博(41) 73知念慶(20) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 4失点したが、76分の松原健(27)、85分の水沼宏太(18)のシュートを防ぐ。
山根視来(13) 5.5 家長と組んで右サイドを攻略。20分、インターセプト。73分、アシスト。
山村和也(31) 5.0 鋭いビルドアップ。ハイボールを跳ね返す。背走しながらの守備は安定せず。
谷口彰悟(5) 5.0 後半、崩されるチームを救えなかった。個人としては精一杯守っていた。
登里享平(2) 3.5 20分、イエロー。57分、ジャンプが遅れて失点。2、3点目も抜け出しを許す。
橘田健人(8) 6.5 スペースを素早く埋めて、パスコースを作った。32分、抜け出してアシスト。
脇坂泰斗(14) 5.0 25分、ボレー。リズミカルにパスを中継する。57分、マルコスに寄せ切れず。
チャナ(18) 5.0 3分、早くもイエロー。19分、左から抜け出してクロス。徐々にフィットする。
家長昭博(41) 6.0 右サイドを支配。32分、先制ゴール。19分の決定機はGK高丘に防がれた。
ダミアン(9) 6.0 プレスを仕掛ける。45+2分、75分にシュート。88分のゴールは取り消された。
宮城天(24) 5.5 24分、左サイドから仕掛けてクロス。49分、思い切り良くシュートを狙った。

■sub
62(14)遠野大弥(19) 6.0 走り込んでチャンスを作る。好調を維持。88分、幻のCKアシスト。
62(18)大島僚太(10) 5.0 90+1分、2本のミドルはブロックされる。パスは丁寧さに欠けた。
62(24)知念慶(20) 6.0 73分、ゴール前で競り勝ってゴール。81分、持ち込んでシュート。
79(2)佐々木旭(15) 5.5 LSBでデビュー。緊張を感じさせないプレー。86分、左から仕掛けた。
81(41)小林悠(11) 5.5 右FWで出場。低く構えて守りつつ、チャンスを狙う。87分、右クロス。

■bench
丹野研太(27) 塚川孝輝(3)

■coach
鬼木達 5.0 マリノスの攻勢を止められなかった。佐々木の起用を含め、今後の布石は打った。

■referee
荒木友輔 5.0 5枚のイエローカードを安易に出した。ジャッジが不安定だった。

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2021/12/04

211204横浜FM1-1川崎(J1 #38)

横浜FM1-1川崎(日産スタジアム, 14:00KO, 30,657人/36,164人)

2021シーズンのJ1リーグ最終節。
 G大阪戦(J1 #37)から中6日で、横浜Fマリノスとのアウェイゲーム。
 マリノスとは開幕戦(J1 #1)で戦ってから、9か月ぶりの対戦となる。

J1リーグの1位2位対決だが、すでに順位は確定している。
消化試合とはいえ、いくつかの記録がかかっている。
・22得点で並ぶレアンドロ・ダミアン(9)と前田大然(38)の得点王争い。
・総得点1位争い(川崎80点、マリノス81点)。
・最少敗戦記録(現在2敗。これまでの記録は2020年の川崎3敗)。

日産スタジアムは、50%収容でも30,000席超の巨大スタジアム。
 チケットは完売していて、コロナ禍にあって圧倒的な観客数となった。

今シーズン限りでの勇退を表明している家本政明が主審を務める。
 Jリーグ516試合目の主審となるこの試合がラストマッチとなった。


先発は、G大阪戦とまったく同じ11人。
 ベンチの7人も変わらない。
 C大阪戦(J1 #36)から3試合連続で同じ18人が並ぶ。


横浜Fマリノスは、J1リーグ2位。
 24勝7分6敗の勝ち点78で、例年なら優勝できるほどの好成績。
6月、アンジェ・ポステコグルー監督が退任。
 7月にケヴィン・マスカットが新監督に就任している。
CB畠中槙之輔は、左ハムストリング付着部損傷で手術して、長期離脱中。

開幕戦では、川崎が家長の2ゴールで勝っている。
 210226川崎2-0横浜FM(J1 #1)

■1st half
マリノスは3トップで、右FWのエウベル(7)がライン際で待ち受ける。
 川崎の選手間の距離を拡げ、縦にパスを入れて1列ずつ前進する。
 1人が長くボールを持つことなく、川崎のプレスが来る前にパスをつなぐ。
15分に前田大然(38)、17分、26分、29分にレオ・セアラ(9)がシュート。
26分、GK高丘陽平(1)のクリアボールから抜け出した前田がループを放った。

川崎は右サイドの大きなスペースを使っていく。
 家長にロングボールが入ると、チャンスとなった。
4分、24分にダミアンがシュート。
12分、山村のダイビングヘッドはGK高丘が弾いた。

■2nd half
後半開始から10分ほど、マリノスが攻勢を仕掛ける。
 川崎はボールを持てず、守備を強いられる。
ようやく54分、ダミアンの戻しから旗手がミドルシュート。

67分、インターセプトした山村が、右サイドの家長に展開する。
 家長が丁寧にクロスを上げると、ダミアンが高い打点でヘッド。
 GK手前に叩き付けたボールは浮き上がり、ゴール左隅に決まった。

1点を先制した直後の74分。
大島のハンドで与えたFKから、エウベルが左クロス。
 レオ・セアラのシュートは山村がブロックしたが、こぼれ球を前田大然が同点ゴール。

同点となっても、両チームは攻め続ける。
 78分、エウベルの右クロスは、ゴール前の前田にわずかに合わなかった。
 79分、ダミアンのラストパスから家長がシュート。
 89分、松原健(27)がミドルシュート。

 ロスタイムには川崎の攻勢が続いた。
 90+1分、遠野の右CKを谷口がヘッド。
 90+2分、知念の左クロスをダミアンがヘッド。
 90+5分、谷口のスルーパスで知念が抜け出してシュート。

■summary
どちらのチームも最後までゴールを目指した。
 1位2位対決にふさわしい、素晴らしい内容となった。
 観戦しているのが楽しく、幸せを感じるほど。

マリノスはプレスに臆することなく、GK高丘からパスをつなぐ。
 サイドに川崎の守備を引っ張り、中央のスペースを突いた。
 シンプルに次々にパスをつないで、少しずつ前進する。
 着実にPAに近づいて、ゴールを目指した。

後半になると中盤のスペースを埋められなくなる。
 コンパクトな陣形をもう少し長く保ちたかった。
 それでも川崎のゴールを1つにとどめ、ドローに持ち込んだ。


家本政明主審の引退セレモニー。
両チームのユニフォームが贈呈されます。

川崎は、マリノスの正確な攻撃に苦しんだ。
 車屋の負傷で、山村を急遽投入したが、最終ラインは破綻しなかった。
 SB山根と登里は数的不利を作られることも多かったが、粘り強く対応した。
 マリノスの攻撃が続いても最後の決定機は多く与えず、良く守った。

ダミアンは1ゴールを決めて、得点王となった。
 前田大然も仲良く1ゴール。23ゴールで得点王を分け合った。


今シーズンのJ1リーグが終了した。
 2017年、2018年、2020年に続く4度目の戴冠。そして2度目の連覇。
 38試合28勝8分2敗の勝ち点92。2位マリノスに勝ち点13差で優勝。
 昨年樹立したシーズン最少敗戦(3敗)を、4試合多いシーズンにあって2敗と更新。
 総得点81はマリノスに1つ及ばず2位だったが、総失点28、得失点差+53は1位。

次は中7日で天皇杯大分戦(天皇杯 SF)。
 車屋の負傷が心配だが、しっかり勝ち上がりたい。

■goal
74前田大然(38)
67ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 7.5 15分、81分と味方に当たり逆に飛ぶシュートを防ぐ。86分にもセーブ。
山根視来(13) 6.0 3分、前田を抜いて前に進む。66分、右クロス。前田のプレスに苦しんだ。
谷口彰悟(5) 6.5 厳しい局面に追い込まれても最後まで足を出す。90+1分、右CKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 5.5 6分、クロスを止めて右足を負傷。少しプレーを続けたが、11分に交代。
登里享平(2) 6.0 エウベルにライン際に引き出される。24分、ダミアンへ完璧なスルーパス。
橘田健人(22) 6.5 広大なスペースを走って埋め続ける。ルーズボールへの反応も早かった。
脇坂泰斗(8) 6.0 8分、ドリブルで突き進む。43分に右クロス。58分、中央からシュート。
旗手玲央(47) 5.5 パスが味方に合わなかった。12分、左クロス。41分、54分にボレー。
家長昭博(41) 6.5 1アシスト。プレスの穴を空けた。79分、決定機の左足シュートは外す。
ダミアン(9) 7.0 高い打点のヘッドで先制ゴール。24分、90+3分にも決定的なシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 RSB小池龍太(25)に孤立させられる。43分、ドリブルで仕掛ける。

■sub
11(7)山村和也(28) 6.5 緊急出場。12分、ヘッド。67分、ボール奪取から先制点を生んだ。
HT(23)大島僚太(10) 6.0 54分、ダミアンへラストパス。囲まれても悠然とパスを出した。
80(8)知念慶(20) 6.0 左FW。85分、90分にプレスからボールカット。90+5分、シュート。
87(47)小林悠(11) 5.0 プレー機会は少なかった。90+2分、前田のプレスを受けロスト。
87(22)遠野大弥(19) 5.5 インサイドハーフで出場。90+1分、右CKを谷口に届ける。

■bench
丹野研太(27) 宮城天(24) 

■coach
鬼木達 6.0 マリノスの攻勢を受け止めつつ、選手交代を活かして反撃に転じた。

■referee
家本政明 6.5 接触プレーを流し、過度なファウルは取らず、いつものように素晴らしかった。

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2021/02/27

210226川崎2-0横浜FM(J1 #1)

川崎2-0横浜FM(等々力, 18:00KO, 4,868人/5,000人)

J1リーグ開幕戦は、等々力での横浜Fマリノス戦。
G大阪戦とのFUJI XEROX SUPER CUP(FXSC)から中5日。
第1節では唯一の金曜日開催で、J1リーグの2021年最初の試合となる。

今シーズンも、選手交代は1試合5人までに拡大される。
 ただし、交代回数は3回まで(別にハーフタイムも可)となる。

あらためてVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)もJ1リーグ全試合に導入される。
 昨シーズンも導入されたが、第1節のみの運用で中断された。


神奈川県をはじめとして、10都府県に緊急事態宣言が発出されている。
 20時までで終わるように、1時間前倒しの18時キックオフとなった。
 観客数は5,000人に制限されて、アウェイ席も設置されない。


後半の飲水タイム。

先発は、FXSCのG大阪戦と同じ11人。
 ベンチには新たに知念が入り、FXSCで脳震盪で交代した塚川が外れた。


後半開始前の円陣。

 横浜Fマリノスは、2019年のJ1リーグ王者。
 アンジェ・ポステコグルー監督は就任4年目を迎えた。
 2020シーズンは、J1リーグ9位。
 川崎との対戦は、川崎の2勝だった。
  200905横浜FM1-3川崎(J1 #14)
  201118川崎3-1横浜FM(J1 #30)

■1st half
マリノスは新システムの3バックで臨む。
 3バックの前に2ボランチを並べたが、上手くボールを運べない。
 川崎の3トップと2インサイドハーフにパスコースを封じられて、苦しんでいた。

川崎はいつもよりパスミスが目立ったものの、決定機を作る。
 手数を掛けずにシンプルに、ゴールに早く向かっていった。
12分、ダミアンのパスで抜け出した三笘がシュート。
21分、脇坂がPA内へ縦パスを入れて、山根がヒールでボールを戻す。
 家長が豪快なボレーで蹴り込んで、先制に成功する。

30分を過ぎるあたりから、川崎が圧倒していく。
32分家長、33分旗手、36分と38分田中碧、37分三笘、42分ダミアンと多くのシュートを放つ。
そして43分、田中碧の直線的な右クロスを、家長が2点目のゴールをヘッドで決めた。

マリノスGKオビ・パウエル・オビンナ(31)の好セーブもあり、2得点にとどまった。

■2nd half
後半スタートからマリノスは、前田大然(38)と水沼宏太(18)を投入。
 4バックに変更して、この2人の運動量を武器に、川崎を追い掛ける。
 前田のスピードを活かして、左の仲川輝人(23)、右の水沼がサイドでパスを受けた。

プレスバックも素早く、川崎に余裕を与えなかった。
 ラインを高く上げてボールを奪うと、縦パスを入れて攻める。
 55分に水沼、59分に畠中槙之輔(4)、62分に和田拓也(33)がシュート。
 63分には前田が田中碧からボールを奪って、オナイウ阿道(45)が左ポストに当てた。

川崎は64分、J1デビューとなる橘田を入れて中盤を引き締め、徐々に押し戻す。
 コンパクトなマリノスの背後に空いたスペースに、三笘や家長を走らせた。
 膠着した状態が続き、時間が過ぎていった。

■summary
どちらのチームも積極的に主導権を握ろうとした。
 強いプレス、コンパクトな陣形、ゴールを目指す攻撃的な姿勢。
 2点差となって、川崎が強度を落としたものの、面白い試合だった。
 ポステコグルーのマリノスとの対戦は、いつもながら楽しめる。


マリノスは前半、川崎の勢いを止めることができなかった。
 低い位置でボールを失い、決定機を多く作られて2失点を喫した。
 最終ラインは高く保っていたが、パスを止められず守り切れなかった。

後半、前田と水沼を投入し、4バックにすることで盛り返した。
 両サイドのスペースに仲川と水沼が走り込み、組み立てていく。
 ただ、川崎を押し込むことはできていたが、決定的なシュートは少なかった。


試合終了直後。

川崎は前半、良いプレーから2ゴールを生んだ。
 しかし後半になると、マリノスの反撃を受ける展開になった。
 FXSCのG大阪戦では、後半の巻き返しを許して2失点している。
 今日は無失点で切り抜けたが、もう少し早く押し戻して余裕を持ちたいところ。

次は中4日でホームC大阪戦(J1 #11)。
 ACLグループリーグの日程調整のため、前倒しで開催される。
 3月は3週連続で水曜日に開催される過密日程となる。
 しっかりと結果を出していきたい。

■goal
21,43家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 45+2分、オナイウのヘッドを止める。ハイボールも安定して処理。
山根視来(13) 6.5 21分、華麗なヒールパスでアシスト。粘り強く仲川に対応していた。
ジェジエウ(4) 6.5 広い範囲をスピードでカバー。87分、足を伸ばしてピンチを防いだ。
谷口彰悟(5) 6.0 旗手をフォローしながら、守勢にあっても慌てずに落ち着いて守った。
旗手玲央(47) 6.0 LSB。縦への突破とロングパスを担う。33分にPA内からのシュート。
シミッチ(6) 6.0 コンタクトを受けつつも身体を張って配球。余裕のないパスも多かった。
田中碧(25) 6.0 欠かせない存在になりつつある。18分、63分と持ちすぎてボールを失う。
脇坂泰斗(8) 6.0 良く走っていた。7分、16分にシュート。21分、山根に浮き球を供給。
家長昭博(41) 7.0 2ゴールで勝利に大きく貢献する。32分、80分にも決定的なシュート。
ダミアン(9) 6.5 相手GKやCBに厳しくプレスを仕掛け続けた。42分、64分にシュート。
三笘薫(18) 6.5 12分、37分、52分にシュート。縦方向へのドリブルでゴールを目指した。

■sub
64(6)橘田健人(22) 5.5 J1デビュー戦。中盤を引き締める。パスはあまりつながらず。
76(9)小林悠(11) 5.5 84分、三笘のパスを受けてシュート。攻撃の機会が少なかった。
76(8)車屋紳太郎(7) 6.0 LSB。水沼を抑える。セーフティなプレーを選び、安定していた。
88(41)知念慶(20) 5.5 復帰初戦。右FWに入る。90+3分、GKのロングボールを競った。
88(18)長谷川竜也(16) 5.5 左FW。逃げ切りたい時間帯で、ボールホルダーに強く寄せた。

■bench
丹野研太(27) 遠野大弥(19)

■coach
鬼木達 6.0 後半、押される展開だったが、選手交代によって耐え切った。

■referee
西村雄一 6.0 基準が明確なジャッジ。リスタートの位置はこだわりすぎ。

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2020/11/19

201118川崎3-1横浜FM(J1 #30)

川崎3-1横浜FM(等々力, 19:00KO, 11,099人/12,000人)

ドローに終わったアウェイ鹿島戦(J1 #27)から中3日。
横浜FマリノスがACLに出場する影響で、第30節は前倒しで開催される。


先発は、鹿島戦から3人を変更する。
 守田、齋藤学、長谷川が入り、中村、三笘がベンチ、家長はベンチ外となった。
ベンチには、小林悠が戻ってきた。
 10月14日の広島戦(J1 #22)で全治6~8週間のケガを負ったが、5週間で復帰する。


横浜Fマリノスは、J1リーグで14勝5分13敗の暫定7位。
 この試合が終わると、カタールで集中開催されるACLに参加する。

アウェイでの対戦は、川崎が勝っている。
 200905横浜FM1-3川崎(J1 #14)

■1st half
マリノスは運動量が多く、川崎のパスコースを消してくる。
 最終ラインを高く設定して、スペースを与えず、狭いエリアでプレーさせる。
 谷口やジェジエウは次のパスを出せず、GKに戻したりロングボールを蹴っていた。

マルコス・ジュニオール(9)が攻撃を組み立てる。
 左右に動いて守田から離れたところで、縦パスを受けて前を向いた。
左サイドのエリキ(17)と右サイドの水沼宏太(18)を縦に走らせる。
 10分から15分あたりまで、多くのチャンスを作った。

川崎はマリノスの厳しいマークを抜け出して、サイドから仕掛ける。
 右の齋藤学、左の長谷川は、35分ごろから左右を入れ替える。

40分、田中碧のパントボールをCB畠中槙之輔(44)が目測を見誤る。
 抜け出した齋藤学のループシュートを、GK高丘陽平(32)はPA外で手で止めて、レッドカード。
 マリノスは10人で戦うこととなり、数的不利に陥る。

43分、脇坂のFKはGKオビ・パウエル・オビンナ(31)がセーブする。

■2nd half
川崎は1人多い優位性を活かして攻めていく。
 さすがにマリノスはパスコースを消し切れず、CBからスムースに組み立てる。
53分、齋藤学が1人抜いてから右クロスを三笘に届ける。
 三笘が中にパスを入れ、跳ね返ってきたボールをダイレクトで先制ゴール。

しかし、リードされてもマリノスは諦めなかった。
59分、ティーラトン(5)の右CKを、畠中のヘッドで同点に追いつく。
 GKソンリョンは飛び出したがボールに触れず、失点してしまう。

その後もマリノスは2トップのエリキとジュニオール・サントス(37)が仕掛ける。
 少ない人数であっても、個の力で川崎の守備を突破した。
75分、ジュニオール・サントスが登里を振り切って、クロスを入れる。
 中央で待ち受けるエリキのシュートは、わずかに左に外れた。

川崎はゴール前に攻め込む場面が増えていく。
 サイドにボールを動かしながら、最後は三笘を使っていく。
 90分、旗手の右クロスをジェジエウが競りながらも押し込んで、再びリードする。

そのあとは、怒濤の展開が待っていた。
 90+1分、仲川輝人(23)の決定機は、ジェジエウがブロック。
 90+2分、三笘が獲得したPKは、小林悠が蹴ってGKオビに防がれる。
 最後は90+4分、押し込まれたあと、三笘が自陣PA付近でボールを拾う。
  左サイドライン際をドリブルで持ち上がり、ラストパスを受けた小林悠が決めた。

■summary
マリノスは素晴らしかった。
 11人でも優位に立ち、10人となってからも怯まず攻撃を続けた。
 時間を使ってドローを狙うようなことはまったくなかった。
 GKから素早いリスタートでボールをつなぎ、ゴールを目指した。
 アンジェ・ポステコグルー監督らしい、美しいサッカーを見せてくれた。

GK高丘陽平のレッドカードは、畠中のミスがあってのもの。
 ただ、前半40分だったので、退場するには早い時間帯だった。
 
そして、GKオビ・パウエル・オビンナは好セーブを連発した。
 ファーストプレーで脇坂のFKを止めると、90+2分には小林悠のPKまで止めた。
 3失点はしたものの、オビの活躍がなければもっと大差となったと思われる。


中村憲剛(14)を抱き寄せるアンジェ・ポステコグルー監督。

川崎は1ボランチに守田が復帰したことで、鹿島戦よりチームは機能した。
 前半のみで交代した長谷川と田中碧も、十分なプレーを見せてくれた。
 後半に投入された三笘がドリブルで切り裂き、小林悠がゴールを決める。
 今シーズンの勝ちパターンで、マリノスに勝利することができた。

J1リーグ優勝に必要な勝ち点は、残り2となった。
次は、中2日でアウェイの大分戦(J1 #28)。
 19時KOから14時KOとなる日程は、FC東京戦(J1 #25)から札幌戦(J1 #26)までと同じ。
 札幌戦は先発を4人しか入れ替えず、完敗となった。
 大分戦ではしっかりとターンオーバーして、優勝を勝ち取りたい。

■goal
53三笘薫(18) 90ジェジエウ(4) 90+5小林悠(11) 
58畠中槙之輔(44)

■judge
ソンリョン(1) 4.5 58分、CKに飛び出すも触れず失点。80分、エリキを押し倒してイエロー。
山根視来(13) 5.5 エリキと対峙し、背後のスペースを狙われる。45+4分、脇坂へクロス。
ジェジエウ(4) 7.5 カウンターを防ぐ。90分、決勝ゴール。90+1分、シュートブロック。
谷口彰悟(5) 6.5 数的有利になるまでは、パスコースを探していた。69分、CKをヘッド。
登里享平(2) 5.5 長谷川や三笘を上手く使った。75分、Jサントスに抜かれ、決定機を与えた。
守田英正(6) 6.5 Mジュニオールと攻守ともに厳しく競り合った。20分、ロングシュート。
脇坂泰斗(8) 6.0 CK14本を担当。43分のFKはGKオビに防がれる。パスの中継点となった。
田中碧(25) 5.5 守田の脇に落ちてボランチの役割もこなす。37分、45+2分とCKを蹴った。
齋藤学(19) 6.0 40分、ループシュートを放ち、GK高丘が退場。54分のシュートは外した。
ダミアン(9) 5.5 ポストプレーやプレスで貢献した。スピードに欠け、シュートがなかった。
長谷川竜也(16) 6.0 左サイドでボールを受けて仕掛ける。25分、チャンスもシュートできず。

■sub
HT(25)大島僚太(10) 6.0 74分のミドルは、GKオビが好セーブ。47分、62分とクロス。
HT(16)三笘薫(18) 8.0 ドリブルで左サイドを制圧。先制ゴール、PK奪取、1アシスト。
65(9)小林悠(11) 6.0 90+2分、PKを失敗。それでも90+5分、落ち着いてゴールを決めた。
65(19)旗手玲央(30) 5.5 76分、右からシュート。90分、右クロスをジェジエウに届ける。
82(8)中村憲剛(14) 5.5 90分、右CKを担当。ハーフスペースに立ち、ボールを引き出した。

■bench
丹野研太(27) 車屋紳太郎(7) 

■coach
鬼木達 6.5 GK高丘の退場にも助けられたが、後半、選手交代を仕掛けて勝ち切った。

■referee
木村博之 6.0 イエロー6枚は多かったが、適切なジャッジ。GK高丘のレッドは妥当。

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2020/09/05

200905横浜FM1-3川崎(J1 #14)

横浜FM1-3川崎(日産スタジアム, 18:00KO, 4,971人/5,000人)

清水戦(J1 #13)神戸戦(YLC QF)と連勝。
中2日でアウェイでの横浜Fマリノス戦を迎える。


先発は、神戸戦から4人を変更する。
 新たに先発するのは車屋、脇坂、ダミアン、三笘。
 そして登里、旗手、小林悠、齋藤学がベンチスタートとなった。
ベンチには、中村が1週間ぶりに戻り、宮代が外れている。

アンカーの守田は、3試合連続の先発。
 田中碧も好調を維持しているが、守田がポジションを確保している。


横浜Fマリノスは、昨年のJ1リーグ・チャンピオン。
 アンジェ・ポステコグルー監督が率いて3年目。
 今シーズンのJ1では、6勝3分5敗の暫定6位。
 ACLに出場し、YLCでは準決勝に進んでいる。
日程的には、札幌戦(YLC QF)から中2日で川崎と同じ。
 先発は5人、札幌戦から変更している。
ベンチには、川崎に2011年から5シーズン所属した實藤友紀(19)が入っている。

昨シーズンの対戦は、マリノスの1勝1分だった。
 190310横浜FM2-2川崎(J1 #3)
 191130川崎1-4横浜FM(J1 #33)

■1st half
マリノスはダイレクトで縦パスを入れて、川崎を押し込む。
2分、FW松田詠太郎(43)の右クロスからマルコス・ジュニオール(9)がゴール。
早くも先制したマリノスが、その後もボールを持つ時間が続く。

川崎はマリノスのプレスに苦しんだ。
厳しいパスを選択させられて、ボールを奪われた。

しかし、21分の給水タイムあたりから、マリノスの運動量が落ちてくる。
24分、25分と左サイドの三笘を最終ラインの背後に走らせて、チャンスを作っていく。
そして33分、脇坂のロングボールから三笘が抜け出す。
 追いすがるDFチアゴ・マルチンス(13)の股を抜いて、同点ゴールを決めた。

マリノスは縦パスを狙われて、有効な攻撃ができない。
マルコス・ジュニオールが守田に厳しくマークされ、パスを出せなかった。

■2nd half
川崎はハーフタイムから、小林悠と旗手を投入する。
 2人を中心に、マリノスの最終ラインにプレスを仕掛け、高い位置でボールを奪う。

46分、旗手がボールを奪ってからシュート。
48分、谷口のスルーパスで大島が左サイドで抜け出してクロス。
 中央でフリーの家長が右足で合わせて、逆転に成功する。
続いて50分。今度は右サイドの旗手がクロスを入れる。
 左サイドの三笘が蹴り込んで、あっという間に2点差とした。

その後、54分あたりから豪雨に見舞われる。
 両チームともパスやトラップが流れがちとなり、クオリティが下がった。
 川崎はリスクを抑えたプレーを選択して、時間を使っていく。

マリノスは57分に3人、68分に1人を交代させる。
 サイドでは押し込むことはできたが、中央のブロックは崩せなかった。

川崎は前に出るマリノスの背後を狙っていった。
 71分、三笘が左サイドで切り返してからシュート。
 87分、齋藤学のシュートから、こぼれ球を小林悠がシュート。
追加点は取れなかったが、大きなピンチなく試合を終えた。

■summary
マリノスはスタートから縦パスを駆使して、川崎を崩した。
守備では厳しいフォアチェックで、ボールを回収していく。
しかし、20分あたりで運動量が落ち、その後は押し込まれた。

最終ラインは高い位置を保ち続けるが、RSB小池龍太(25)の背後を狙われる。
川崎は右サイドで組み立てて、マリノスの守備を引き寄せてから左にロングボールを入れた。
小池は三笘を止められず、何度もドリブルで攻め込まれる。

3失点してからは、攻撃的な選手を次々と投入。
しかし、最後まで運動量は戻らず、反撃できなかった。


川崎は2分に失点し、その後も劣勢の時間帯が続いた。
 昨年11月の大敗のように、ボールを運べず、美しく崩されていた。
どうしようもない状況を、三笘が左サイドから打開した。
 三笘にロングボールを入れるだけで、1人で左サイドを切り崩していく。
 33分に同点ゴール、そして50分には3点目のゴールを決めてくれた。

インテンシティがすごく高いゲームを、良い内容で制した。
 後半、豪雨がなければ、もっと密度の濃い展開を楽しめたと思われる。

次は中3日でホーム神戸戦(J1 #15)。
 神戸との水曜日3連戦の最終戦となる。
 良い内容を続けて、勝ち点を積み上げたい。

■goal
2マルコス・ジュニオール(9)
33,50三笘薫(18) 48家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 45分、壁に当たった天野純(39)のFKをしっかりキャッチ。安定していた。
山根視来(13) 6.0 16分、25分と右クロス。31分にロングシュート。後半は守備に徹した。 
ジェジエウ(4) 6.0 ドリブルで持ち上がる。45+2分、エリキ(17)のシュートをブロック。
谷口彰悟(5) 6.5 鉄壁の守備から攻撃の起点に。59分、レイトタックルで左ヒザを痛める。
車屋紳太郎(7) 6.0 FW松田詠太郎(43)を防ぎ切る。55分からCBへ。84分、齋藤学にパス。
守田英正(6) 7.0 マルコス・ジュニオールを封じた。疲労を感じさせないパフォーマンス。
脇坂泰斗(8) 6.0 9分、シュート。33分、三笘をアシスト。44分、PA近くでFKを与える。
大島僚太(10) 6.5 広い視野からパスを繰り出す。サイドからもクロスを入れて、1アシスト。
家長昭博(41) 6.0 32分、41分にシュート。48分、大島のクロスを蹴り込んで逆転ゴール。
ダミアン(9) 6.0 高さを活かして16分、30分にヘッド。前半で交代したが、悪くなかった。
三笘薫(18) 8.0 大きなスペースを使って、たった1人で劣勢を挽回する。圧巻の2ゴール。

■sub
HT(8)旗手玲央(30) 6.5 強い体幹で当たり負けしなかった。46分にシュート。1アシスト。
HT(9)小林悠(11) 6.0 プレスを牽引して次々とボールを奪った。83分、87分とシュート。
55(4)登里享平(2) 6.0 LSBで試合を落ち着かせる役割を果たす。三笘と齋藤学を走らせる。
73(18)齋藤学(19) 6.0 左FW。ライン際にボールを呼び込んで攻め込む。87分にシュート。
89(10)田中碧(25) 5.5 終盤、左インターハーフで出場。足を伸ばしてボールカットを狙う。

■bench
丹野研太(27) 中村憲剛(14) 

■coach
鬼木達 7.0 三笘の先発起用と、ハーフタイムからの小林悠と旗手の投入で逆転勝利に導く。

■referee
家本政明 6.0 ファウルの判断は少しブレてしまったが、試合をしっかりとコントロール。

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2019/11/30

191130川崎1-4横浜FM(J1 #33)

川崎1-4横浜FM(等々力, 14:00KO, 23,893人)

代表ウィークとACL決勝ウィークを挟み、3週間ぶりのJ1リーグ。
鹿島戦(J1 #31)から中20日で迎える首位横浜Fマリノス戦。

J1リーグは残り2節で、4位に立っている。
優勝の可能性はなくなったが、2位までの可能性は残る。
来シーズンのACL出場権のためにも、1つでも上の順位を狙いたい。


先発は、鹿島戦から1人変更。
GKにソンリョンが入り、新井はベンチ外となった。
ベンチにはGK安藤、ジェジエウが入り、奈良が外れた。


横浜FマリノスはJ1リーグ首位。
2位FC東京の結果によっては、この試合で優勝が決まる。
日産スタジアムでの対戦(J1 #3)はドローだった。

■1st half
マリノスは前線からの強いプレスを繰り返す。
川崎にボールを持たせず、サイドを使って攻めてきた。
そして8分、守田を抜き去ったマテウス(28)の左クロスを、仲川輝人(23)が合わせて先制。
その後も14分のエリキ(17)、28分の喜田拓也(8)とシュートチャンスを作る。

難しい状況だった川崎は、徐々にマリノスのプレスを抜けていく。
29分に大島のミドル、32分に守田の右クロスを小林がヘッド。
38分、田中碧のループパスを受けて脇坂がシュートと、ゴールに近づいた。

マリノスは押されつつも、川崎の背後のスペースを狙っていく。
43分に仲川、44分に松原と決定機を作ったが、GKソンリョンが止めた。

■2nd half
同点を狙って前に出る川崎は、バランスを崩してしまう。
悪いタイミングでボールを失うと、マリノスがすかさず速攻を仕掛けてきた。

49分、松原健(27)のスルーパスからエリキがゴール。
早い時間で2点差となって、川崎は長谷川、ダミアンを投入していく。
しかし、情勢を変えることができず、カウンターを浴び続ける。
69分、仲川の右クロスをエリキがきれいにヘッドで3点目。

試合は決まったが、その後はオープンな展開となり、1点ずつ取り合った。

■summary
マリノスは最後まで飽くことなく攻め続けた。
2人3人と連動して動きながら、パスコースを作り続ける。
1対1で恐れることなく仕掛け、4点を奪って圧勝した。

最終節で対戦を残す2位FC東京とは勝ち点3差。
得失点差も7差で、J1リーグの優勝をほぼ手中にした。
2年目のポステコグルー監督の美しいサッカーが成熟していている。
J1リーグ優勝に値するプレーを見せてくれた。


 いわてグルージャ盛岡(J3)も参加。

川崎はマリノスに圧倒されて惨敗を喫した。
プレスに苦しみ、ほとんどパスをつなげないまま8分に失点。
同点を狙って押し込んでも、後半、カウンターで失点を重ねた。
マリノスが仕掛ける時間帯を、きちっと凌ぐことができなかった。

川崎よりもマリノスの方が走っていたのも残念だった。
マリノスにも守備に不安はあったが、妥当な結果といえる。


次は中6日で札幌戦(J1 #34)。
今シーズン最後の試合を4位で迎える。
2位の可能性はなくなり、3位鹿島と勝ち点3差、5位C大阪と勝ち点1差。
ACL出場権を獲得するために、きちっと勝利して結果を待ちたい。

■goal
74ダミアン(9) 
8仲川輝人(23) 49,69エリキ(17) 89遠藤渓太(11)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 43分、44分に決定機をセーブする。リスタートの遅さが目に付いた。
守田英正(6) 4.5 8分にマテウスに振り切られてアシストされる。クロスやパスは良かった。
山村和也(34) 5.0 49分、2点目のスルーパスに触れず。エリキとの1対1は防げていた。
谷口彰悟(5) 4.0 5分、持ち上がってロスト。89分、エリキに奪われて4点目を与える。
車屋紳太郎(7) 5.5 25分には抜かれたが、仲川を抑えていた。51分、90分と左クロス。
田中碧(25) 4.5 フリーの状況からのパスにミスが目立った。カウンターを許してしまう。
大島僚太(10) 5.0 プレスが厳しく、効果的なパスを出せなかった。29分にミドル。
家長昭博(41) 5.5 後半、スペースが生まれて躍動。83分、カットインからシュート。
脇坂泰斗(28) 5.0 38分、田中碧のスルーパスからシュート。ボールに絡めなかった。
阿部浩之(8) 5.0 守備に追われてポジションが下がってしまう。34分、ロングシュート。
小林悠(11) 4.5 32分、守田の右クロスをヘッド。交代時に急がず、歩いていた。

■sub
54(28)長谷川竜也(16) 5.5 左サイドから仕掛ける。74分、左クロスでアシスト。
61(8)ダミアン(9) 6.0 高いヘッドで1ゴール。84分、きれいな動き出しでチャンスを作る。
79(11)知念慶(20) 5.5 86分、FKから強いシュート。90分、車屋のクロスをヘッド。

■bench
安藤駿介(24) 登里享平(2) ジェジエウ(4) 下田北斗(22)

■coach
鬼木達 5.5 劣勢の立ち上がりに手を打てなかった。2点差からの交代策は悪くはなかった。

■referee
西村雄一 6.0 落ち着いたジャッジで試合をコントロールした。負傷で前半のみで交代。
HT清水勇人 5.5 軽い接触は流した。84分、ダミアンを倒した畠中槙之輔(44)はノーカードだったが、DOGSO※でレッドが妥当か。

※DOGSO(Denying Obviously Goal Scoring Opportunity)

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2019/03/10

190310横浜FM2-2川崎(J1 #3)

横浜FM2-2川崎(日産スタジアム, 14:00KO, 36,216人)

上海上港戦(ACL GL #1)に競り負けてから中3日。
1週間ぶりのJ1リーグは、ここまで2戦2分と勝てていない。



上海上港戦から先発を4人変更する。
田中碧、登里、知念、ダミアンが新たに先発する。
中村、長谷川、小林はベンチに回り、大島はベンチ外となった。
来週も2試合組まれていることもあり、選手を入れ替えてきた。

上海上港戦で負傷交代した馬渡は、そのまま先発する。
なお、大島は当初先発が発表されていたが、田中碧に変更された。

ベンチには、鈴木、齋藤が入った。
代わりにマイケル、山村、阿部がベンチ外となる。
大島がアップ中のケガで急遽ベンチ外となったため、ベンチ入りは6人だけ。


J1リーグ100試合出場のセレモニー。
喜田拓也(8)と2人のお兄さん。
今日の試合が101試合目。
横浜Fマリノスは、J1リーグ開幕から2連勝と好調。
川崎から期限付移籍している三好康児(41)は、契約上出場できない。
昨シーズンの対戦は、1勝1分だった。
 180408横浜FM1-1川崎(J1 #6)
 180805川崎2-0横浜FM(J1 #20)

■1st half
マリノスはラインを高く設定して、コンパクトな陣形を敷く。
川崎はマリノスの守備ラインの背後に走り出し、スルーパスを狙っていった。

4分、田中碧のスルーパスから抜け出したダミアンがループ。
飛び出してきたGK飯倉大樹(21)をかわして、先制することができた。
21分にもダミアンのスルーパスで家長がGK1対1となったが、GK飯倉に当てた。

マリノスは両サイドを深くえぐってはクロスを入れる。
24分、仲川輝人(23)の右クロスをマルコス・ジュニオール(9)がゴール。
同点となって、1対1で川崎の選手をはがしながら、チャンスを作る。
お互いに攻め合ったことで、楽しい前半となった。

■2nd half

マリノスはプレスを苦にせず、ボールをなかなか失わない。
ゴール近くには近づけなかったが、サイドからチャンスを作った。

川崎の前線と中盤が間延びしてくる。
マリノスに走らされ、1歩目の動き出しが遅くなる。
連戦の疲れもあって、家長、守田が思うように走れず、バイタルも空けていた。

攻撃になっても、いつものようにはパスをつなげない。
マリノスのプレスが厳しく、追い込まれてはロングボールを蹴っていく。
ダミアンと知念がなんとかキープしても、すぐに囲まれてしまった。

68分に長谷川を投入して、左サイドから攻めていく。
長谷川は84分、86分とチャンスを作り、88分に左からのクロス。
ファーサイドの小林が折り返して、ダミアンが詰めて頭でゴール。

終了間際に勝ち越す理想的な展開となったが、その後は防戦一方。
馬渡のサイドから再三攻められてしまう。
90+5分、天野純(10)の左CKを、扇原貴宏(6)がきれいにゴールを決めた。

■summary
マリノスはパスゲームを仕掛けてきた。
ボールを持つ時間が長く、最後までプレスが緩まなかった。
試合の主導権を握り続け、観戦すべき価値のある内容だった。
サイド攻撃だけでなく、ゴール前を攻略する崩しができれば、もっと魅力的になる。

川崎は小林、中村、大島を欠いてのスタート。
劣勢になる時間もあったが、十分な内容を見せることができた。
ただ、守田や最終ラインの4人を含め、全体の疲労感は強かった。



88分に2ゴール目を決めたダミアン(9)。
知念と小林に祝福される。
ダミアンは2ゴールを決め、質の高いプレーを見せた。
中央で待つだけでなく、サイドからの崩しにも参加する。
さらに知念も田中碧も、良いプレーを見せてくれた。


結果を出せない状況が続いている。
そして、中2日でシドニーFC戦(ACL GL #2)を迎える。
シドニーFC戦の次も、中3日でガンバ大阪戦(J1 #4)が控える。

疲れた主力を休ませ、フレッシュな選手を起用しなければならない。
大島のように、ケガするまで使い続けるのは避けるべき。
これからもターンオーバーを続け、結果を出していきたい。

しかし、上海上港に負けたため、ACLに余裕はない。
是非とも、シドニーFCから勝ち点3を奪わなければならない。

■goal
24マルコス・ジュニオール(9) 90+5扇原貴宏(6)
4,88ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 2失点ともに止めることは難しかった。37分、80分にシュートを防ぐ。
馬渡和彰(17) 5.5 ケガ明けだがよく動いた。数的不利に陥ると、難しい守備を強いられた。
奈良竜樹(3) 6.0 広いエリアをカバー。パスコースが少なくなると、ミスが出ていた。
谷口彰悟(5) 6.0 FWエジガル・ジュニオ(30)を抑え込んだ。51分、CKからヘッド。
車屋紳太郎(7) 5.5 ボールを高い位置で受けるが仕掛けが少ない。積極的に勝負したい。
守田英正(6) 5.5 タッチ数が多くなって逃げ道を封じられる。ボールロストが目立った。
田中碧(25) 6.5 積極的なダイレクトプレーでチームを牽引。縦パスを狙って1アシスト。
家長昭博(41) 5.5 動きが鈍く、スプリントが少ない。周囲を動かすこともできなかった。
登里享平(2) 5.5 攻守にボランチを助けながら、自由に動いてバランスを取り続けた。
知念慶(20) 6.0 30分のシュートはわずかに右に外れる。ポストプレーで時間を生んだ。
ダミアン(9) 7.0 落ち着いたシュートで先制し、2点目はピンポイントの飛び込みで決めた。

■sub
66(41)小林悠(11) 5.5 右サイドに入る。守備では深く戻って馬渡をサポート。1アシスト。
68(2)長谷川竜也(16) 6.0 左サイドを使い、84分、86分、88分にチャンスを作った。
80(6)中村憲剛(14) 5.0 パスコースが少なく、思うようにプレーできなかった。

■bench
新井章太(21) 鈴木雄斗(27) 齋藤学(19) 

■coach
鬼木達 5.5 結果は出せなかったが、疲労感が濃く残る中、悪くない内容だった。

■referee
飯田淳平 6.0 的確なジャッジ。ただ、イエロー5枚(横浜FM4、川崎1)は出しすぎか。

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2018/08/06

180805川崎2-0横浜FM(J1 #20)

川崎2-0横浜FM(等々力, 19:00OK, 23,033人)

J1リーグ4連勝の後、浦和戦(J1 #19)に負けて中3日。
日曜日の19時キックオフで、風は少しあるものの、暑く厳しい気候。














先発は浦和戦から2人が変わる。
奈良と長谷川がベンチ外となり、登里と阿部が先発する。
CBは谷口と車屋が組み、登里が左SBに入る。
1トップには阿部、2列目には右から小林、中村、家長が並ぶ。
ベンチには、新たに舞行龍が入る。














横浜Fマリノスは、J1リーグで5勝5分8敗の13位。
日産での対戦(J1 #6)は、1-1のドローだった。

■1st half
マリノスはプレッシングで、大島と守田に自由を与えない。
サイドを攻めてクロスを入れてきたが、ゴール前の選手には合わなかった。
多く獲得したCKから、12分には中澤佑二(22)がヘッドを放つ。

24分の飲水タイムで、川崎は前線の組み合わせを変える。
小林を1トップ、右に家長、中央に中村、左に阿部に配置。
それまではマリノスのプレスに苦しんでいたが、スムーズな攻撃が始まった。

28分、右サイドから家長が2人を抜き去ってシュート。

さらに34分。守田が縦パスを入れて家長を走らせる。
家長はマリノスの最終ラインを置き去りにして、完璧なクロスから小林がゴール。

先制後も40分に小林のヘッド、38分、44分に阿部のシュートなど、ゴールに迫った。

■2nd half













後半開始から、再びマリノスはプレスを掛けてきた。
ボールホルダーに素早く寄せられ、ロングボールを蹴らされる。
セカンドボールも拾えなくなって、マリノスの時間が続く。

59分にはオリヴィエ・ブマル(20)と山中亮輔(24)を左サイドに投入。
フレッシュな2人に対面するエウシーニョは、上がれなくなった。

しかし、これだけ暑い中では、強いプレスは長く続けられない。
川崎はしっかりビルドアップして、71分に中村が縦にラストパスを入れる。
小林が1トラップでCBを抜き、GKとの1対1を冷静に制してゴール。

このあと、マリノスは2点を追って攻めてきた。
川崎は武岡と鈴木を右サイドに投入して、耐えていく。
ゴール前で危ない場面も作られたが、ゴールを割らせなかった。

■summary
浦和戦で決定機を外しまくった小林が、2ゴールを決めた。
マリノスの強いプレスに苦しみ、中盤でのパスワークは良くなかった。
体力を温存してチャンスを待ち、プレスが緩むとゴールを奪った。
2点リードしてからは、無理して攻めずにマリノスにボールを持たせた。

マリノスは、右CBドゥシャン(2)がボールの出し手となる。
最終ラインをしっかり押し上げて、ボールを大事につなぐ。
クロスの精度は低かったが、サイドを使った攻撃も面白かった。

次は清水戦(J1 #21)。
1週間後だが、その後はミッドウィークの試合が2週続く。
守田が3枚目のイエローカードを受けたこともあり、多くの選手を起用したい。
中村や家長なども適宜休ませながら、結果を残していきたい。

■goal
34,71小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 クロスやスルーパスにしっかり対応。浴びたシュートは少なかった。
エウシーニョ(18) 6.0 攻め上がりを自制しつつ、遠藤渓太(11)やブマルの攻撃を抑える。
谷口彰悟(5) 6.5 ラインを押し上げて守り切った。31分、遠藤のカウンターを止める。
車屋紳太郎(7) 6.5 左CBから正確なパスを出した。サイドから2回、攻め上がった。
登里享平(2) 6.5 左サイドのスペースでパスを呼び込む。守備でも隙がなかった。
大島僚太(10) 6.0 プレスを受けてボールタッチは少なかった。56分、ロングシュート。
守田英正(25) 6.5 34分にスルーパスで先制点を演出。低い位置でのロストもあった。
家長昭博(41) 6.5 28分に2人を抜き去り、34分にアシスト。終盤も強いプレスを掛ける。
中村憲剛(14) 6.5 前からボールを追い、44分にGKのパスをカット。2点目をアシスト。
阿部浩之(8) 6.0 左に回ってチャンスが多くなった。攻撃を遅らせる守備も光った。
小林悠(11) 7.0 2ゴールは簡単だったが、きちんと決めた。14分にも決定機があった。

■sub
72(18)武岡優斗(17) 5.5 しっかり右サイドを守る。90+3分にブマルに独走を許す。
77(14)鈴木雄斗(27) 5.5 80分、1人でロングカウンター。シュートはできなかった。
85(8)齋藤学(37) 5.5 攻撃する機会は少なかった。87分、インターセプトして上がる。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 森谷賢太郎(19) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 登里の先発起用、24分の前線のポジションチェンジで快勝に導いた。

■referee
上田益也 6.0 ストレスを感じさせなかった。ただ、流すべきところでプレーを止めがち。

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2018/04/08

180408横浜FM1-1川崎(J1 #6)

横浜FM1-1川崎(日産スタジアム, 16:00KO, 37,332人)

上海上港戦(ACL GL #5)から中3日。
ターンオーバーした上海上港戦から、先発7人が変わる。

連続して先発するのはソンリョン、奈良、車屋、知念の4人。
主力組が出場した広島戦(J1 #5)に戻す形となる。
ただ、広島戦と比べても、奈良、大島、知念が先発し、登里、森谷、大久保が外れている。

代表でケガをした大島が先発に復帰し、広島戦で負傷交代した登里がベンチ入り。
小林は体調不良でベンチ外となり、齋藤学が加入後初となるベンチ入りを果たした。

横浜Fマリノスは、J1リーグで2勝1分2敗で10位。
齋藤が川崎へ、マルティノスが浦和へ移籍した。
新戦力の大津祐樹(9)、オリヴィエ・ブマル(20)、ユン・イルロク(25)が先発する。

■1st half
今シーズンのマリノスは、細かくパスをつなぐ。
GK飯倉大樹(21)も含めて、最終ラインを思い切り高く保つ。

川崎は自由なプレーを披露。
大島が復帰戦とは思えないほど素晴らしい出来で、中盤を支配する。
サイドへのロングボール、中央でのショートパスを織り交ぜていく。
前線で知念がポイントを作り、両サイドからもPAに向かって進む。

多くの決定機を作り続けたが、ゴールが決まらない。
知念は11分、13分、15分、35分とチャンスに絡むが、シュートが入らない。
41分には阿部がループシュートをポストに当てるなど、圧倒的に攻め立てた。

■2nd half
後半は一転してマリノスが優勢となる。
運動量で上回り、左右に広く揺さぶりながらゴールを狙う。
川崎の2ボランチを天野純(14)と大津がチェックする。
前へのパスコースを消しつつ、サイドにも展開させなかった。

劣勢の中、58分。
大島が右サイドでフリーになった阿部に流し、ダイレクトで早いクロスを入れる。
家長のボレー・シュートは、飯倉に触られながらもゴールに入った。

先制した川崎が勢いに乗るかに見えた61分。
ユン・イルロクの右CKを中澤佑二(22)が谷口を振り切ってヘッド。
エウシーニョに当たってコースが変わり、同点とされた。

その後は中盤がスカスカになり、大味な展開に。
ボールが目まぐるしく上下に動き、ゴール前でのプレーが増える。
齋藤の個人技でラインを押し戻しつつ、ドローに終わった。

■summary
マリノスの新監督に、オーストラリア前代表監督のポステコグルーが就任。
モンバルエツ前監督のゴール前を固めてのカウンター戦術を改めた。
最終ラインを高く保って、ボールを大事につないでいく。
選手間の距離をほどよく維持しながら、パスコースを作っていった。
面白いサッカーで、今後はクオリティを上げていきたい。

川崎は前半の決定機を決められなかった。
特に知念がシュートを外し続けたことがドローの遠因。
ただ、迫力ある攻撃を何度も繰り返し、良い内容だった。
後半は足が止まり、カウンターを仕掛け合ったが、劣勢となった。
攻撃からの戻りが遅いエウシーニョのサイドを突かれたが、逆転は許さなかった。


中澤佑二(22)のインタビュー。

齋藤学は、2017年9月23日の甲府戦(J1 #27)で右膝前十字靱帯を損傷。
負傷中に横浜Fマリノスから川崎に移籍し、全治8ヶ月のところ、6ヶ月半での復帰となった。
左サイドで2人に囲まれてもシュートまで持っていく動きは素晴らしい。
押し込まれる展開で、齋藤単独で時間を作れたことは貴重だった。
靭帯損傷が再発しないように、引き続き慎重に起用したい。

次はセレッソ大阪戦。
中2日が続く厳しい日程なので、上海上港戦のメンバーを主体としたい。
勝つ可能性は目先では低くなるが、無理をするべき時期ではない。

■goal
61中澤佑二(22)
58家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 65分、ウーゴ・ヴィエイラ(7)の決定的なシュートを防ぐ。
エウシーニョ(18) 5.5 攻め残って戻りが遅れがち。周囲の守備の負担が大きかった。
奈良竜樹(3) 5.5 サイドに吊り出されることが多かったが、対人に強かった。 
谷口彰悟(5) 5.5 パスも落ち着いた守備も良かった。中澤のマークを外し失点を招く。
車屋紳太郎(7) 6.0 左サイドを切り裂いて、クロスで決定機を演出。負傷交代。
大島僚太(10) 6.5 復帰戦。独特の間合いでキープしながらパスを狙う。素晴らしかった。
ネット(21) 6.0 大きなサイドチェンジや縦への強いパスで仕掛けた。ミス少な目。
家長昭博(41) 6.0 1ゴール。18分、29分、90+2分とシュートチャンスを迎える。
中村憲剛(14) 5.5 7分、フリーで決定的なシュート。セットプレーは合わなかった。
阿部浩之(8) 6.0 1アシスト。41分、ループをポストに当てる。緩急を生んだ。
知念慶(20) 6.0 前半の決定機は最低でも1つは決めたかった。後半は消える。

■sub
66(20)大久保嘉人(4) 6.0 90分、90+6分と良いシュートを放つが、GK飯倉に防がれた。
71(7)登里享平(2) 5.5 齋藤をサポートしながら、マリノスのカウンターに対処した。
77(8)齋藤学(37) 6.0 個人の力でゴールに迫った。90+3分、ループシュート。

■bench
新井章太(30) 守田英正(25) 森谷賢太郎(19) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 6.0 厳しい日程ながら、的確な選手起用で良い内容に導く。

■referee
木村博之 6.0 厳しすぎず緩すぎない判定で、好ゲームを演出した。