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2024/02/18

240217神戸0-1川崎(FFSC)★

神戸0-1川崎(国立競技場, 13:30KO, 52,142人)

アウェイ山東泰山戦(ACL R16 #1)から帰国して中3日。
 国内公式戦初戦は、国立競技場でのFUJIFILM SUPER CUP。

FFSCは、2年ぶり5度目の出場。
 天皇杯王者の立場として出場するのは初めて。
 過去4回の通算成績は、2勝2敗となっている。
 いずれもJ1リーグ王者として出場権を得ていた。
(2021年は天皇杯王者でもあったが、J1リーグ王者として出場。)


先発は、山東泰山戦から11人全員が変わる。
 山東戦で途中出場した瀬古樹、丸山、山田新、田邉、ファン・ウェルメスケルケン際の5人が先発。
 新戦力では、ゼ・ヒカルド、山内日向汰、パトリッキ・ヴェロンの3人がデビューする。

ベンチには、新加入の三浦颯太が新たに入る。
 山東戦で先発した瀬川、橘田、山本、マルシーニョの4人がベンチ入り。
 GKソンリョン、佐々木旭、ジェジエウ、大南、脇坂、家長、エリソンの7人はベンチ外となる。


神戸は、2023年のJ1リーグ王者として出場。
 シーズン初戦であり、次のJ1リーグ開幕戦まで中6日。
 2023-24のACLに出場していないため、川崎より日程に余裕がある。

川崎から移籍した宮代大聖(9)はベンチスタート。
 2013-19年に所属した新井章太(21)もベンチに入る。

2023年の対戦は、神戸の1勝1分だった。
 230722神戸2-2川崎(J1 #16)
 230812川崎0-1神戸(J1 #23)

■1st half
川崎は、高井と丸山の2CBから組み立てる。
 ただ、神戸がパスコースを切っていて、アンカーのゼ・ヒカルドや両SBには渡せない。
 そこで、山田新やゴミスにロングボールを入れて前進した。

予想していたよりもスムーズにゴールに迫っていく。
 11分、瀬古樹の右クロスをVW際がループヘッド。
 16分、山田新がPA右からゴリゴリと入っていってシュート。
 17分、山田新がPAで競って、ゴミスがダイレクトボレー。
 23分、ヴェロンが右ポケットからマイナスのクロスを入れ、ゴミスがシュート。

神戸も同じように、2CBからロングボールを3トップの対角に入れた。
 右ウィングの佐々木大樹(22)、左のジェアン・パトリッキ(26)に競らせていく。
 中央の大迫勇也(10)と中盤がセカンドボールを拾って、ボールを回した。

22分、パトリッキの左クロスを大迫が合わせたが、GK上福元がセーブ。
 VW際の背後をパトリッキが突いて、決定機を作った。
 ただ、ボールは握ってもゴール近くまで迫ることは少なかった。

■2nd half
48分、川崎に先制点が生まれる。
 瀬古樹が絶妙な右FKを蹴ると、GK前川黛也(1)の判断が遅れ、パンチが小さくなる。
 クリアする山口蛍(96)にVW際が詰めて、跳ね返ったボールがゴールに入った。

リードを許した神戸は、中盤を使って組み立てる。
 73分、広瀬陸斗(23)の右クロスを大迫がヘッド。
 76分には宮代大聖(9)がミドルを狙った。

川崎は65分、マルシーニョを投入する。
 ゴミスが右サイドに流れ、山田新と2人でロングボールを受ける。
 スペースをもらったマルシーニョは、63分と77分にドリブルを仕掛ける。

神戸の攻め手は少ないまま、川崎が逃げ切った。

■summary
神戸の前半のロングボール戦術は効いていた。
 後半はショートパスが増えたこともあって、川崎の守備を崩せなかった。
 パスをもらうために大迫が下りてしまうと、チャンスを作れない。
 ゴール前の仕事に集中させたかったが、大迫の代役は見当たらなかった。
 前半のように放り込むプレーを続けた方が、良かったと思われる。

宮代大聖は、井出遥也(18)の負傷により、18分から途中出場。
 必死さを感じさせるプレーが少なく、今日はあまり貢献できなかった。
 移籍が成功だったと思わせるような活躍を期待したい。


川崎フロンターレの表彰。

山田新(20)のソロ・セレブレーション。

ヴィッセル神戸の表彰。

新井章太(21)と宮代大聖(9)。
川崎ゴール裏まで来てくれました。

★cup winner
2019、21年に続いてスーパーカップで3度目の優勝。
 厳しい日程のため、大きくターンオーバーした。
 正直にいえば、もっと劣勢に陥るのではないかとも考えていた。
 しかし、内容は攻守ともに悪くなく、結果も出すことができた。

ACLの先発組11人だけでなく、多くの選手の水準が高いことを示したといえる。
 今後、鬼木監督がどのようにチームを融合させていくのか、期待が持てる。

次は中2日、ホーム山東泰山戦(ACL R16 #2)。
 第1戦で1点をリードしているが、予断は許さない。
 どのような内容であっても、勝ち上がりたい。

■goal
48VW際(31)

■judge
上福元直人(99) 6.5 22分、大迫の決定機をビッグセーブ。飛び出し、パンチ、キャッチも安定。
VW際(31)  7.0 初ゴール。11分、69分にもシュート。ジェアン・パトリッキを継続的に封じた。
高井幸大(2) 6.5 大迫と対峙し、臆さず前に出て守った。14分、インターセプトからドリブル。
丸山祐市(35) 7.0 最後までラインを引き上げる。ハイボールを処理し、ビルドアップでも貢献。
田邉秀斗(15) 5.5 5分、ロストを挽回するためイエローをもらう。24分、カウンターをクリア。
ヒカルド(6) 6.0 無駄に動き回らず、ボールをさばいた。視野が広く、落ち着いてプレーした。
瀬古樹(16) 6.5 39分、シュート。48分、FKで先制ゴールを生む。69分、直接バーに当てるFK。
山内日向汰(26) 6.0 デビュー戦。2分、23分にヴェロンにパス。44分、ゴール前に侵入する。
山田新(20) 6.5 16分、シュート。44分、大迫からボール奪取。ロングボールの受け手となる。
ゴミス(18) 6.5 17分、23分、65分にシュート。守備も怠らず、90+3分、自陣でボールカット。
ヴェロン(28) 6.0 12分、CKの戻りをボレー。山内とのペアで細かいタッチから崩していった。

■sub
HT(15)三浦颯太(13) 5.5 LSB。53分、ドリブルで抜け出す。85分、山田新のパスからCK獲得。
65(28)マルシーニョ(23) 6.0 77分、酒井高徳(24)を抜くが、GK前川が1対1のシュートセーブ。
80(31)瀬川祐輔(30) 5.5 RSB。84分、右サイドでFKを獲得。86分、CKのこぼれ球をシュート。
80(26)橘田健人(8) 6.0 左インサイドハーフに入り、中盤のスペースを埋めるべく走り回る。
85(16)山本悠樹(77) 5.5 右インサイドハーフで出場。85分に右からFK、86分に左CKを蹴る。

■bench
安藤駿介(21) 松井蓮之(25)

■coach
鬼木達 7.0 大きなターンオーバーで勝利を得た。途中交代も的確だった。

■referee
池内明彦 5.5 両チームに微妙なジャッジが続く。致命的なミスはなく、イエロー4枚も彼にしては少な目。

213,900views
AT+2+3

2023/12/10

231209川崎0(8PK7)0柏(天皇杯 Final)★

川崎0(8PK7)0柏(国立競技場, 14:05KO, 62,837人)

第103回天皇杯決勝は、J1リーグ最終節鳥栖戦(J1 #34)から中5日。
 ACLは残っているが、国内大会としては今シーズン最後となる。
 国立競技場のチケットは完売で、良く晴れている。

他チームの移籍情報が流れる中、J1リーグが終わった翌週の開催。
 元日開催だと12月第1週から間隔が空くので、ちょうど良いスケジュール。

川崎にとって、3度目の天皇杯決勝。
 170101鹿島2-1川崎(天皇杯 Final)
 210101川崎1-0G大阪(天皇杯 Final)★

今年の天皇杯は、6試合目となる。
 230607川崎3-1栃木C(天皇杯 R64)
 230712川崎2-1水戸(天皇杯 R32)
 230802川崎1-0高知(天皇杯 R16)
 230830新潟2(3PK4)2川崎(天皇杯 QF)
 231008川崎4-2福岡(天皇杯 SF)


先発は、鳥栖戦から4人が変わる。
 新たに大南、瀬古樹、家長、ダミアンが先発する。
 ジェジエウ、遠野、小林悠、瀬川はベンチに回った。

ベンチにはシミッチが入り、高井と山田新が外れた。
 マルシーニョが引き続きベンチ外となっている。


柏レイソルは、J1リーグ6勝15分13敗、勝ち点33の17位。
 最終節名古屋戦(J1 #34)でJ1リーグ残留を決め、川崎と同じ中5日。

天皇杯は、1人の選手は1つのチームでしかプレーできない。
 犬飼智也(13)は浦和(J1)、山田雄士(36)は栃木(J2)でプレーしている。
 また、LSBジエゴ(5)は名古屋戦で退場したため、出場停止となった。
 この3選手は名古屋戦で先発しているが、今日は出場できない。

今季の対戦は、川崎の1勝1分。
 230528川崎2-0柏(J1 #15)
 231029柏1-1川崎(J1 #31)

■1st half
柏は川崎のビルドアップを完全に封じる。
 2FW細谷真大(19)と山田康太(11)が橘田へのコースを消しつつCBに向かう。
 SBには小屋松知哉(14)とマテウス・サヴィオ(10)が素早く寄せた。

川崎は1人飛ばすようなパスができず、中盤につなげない。
 最終ラインで追い込まれてはロングボールを蹴った。
 ダミアンを目掛けるが、パスの精度は低くキープできない。
 セカンドボールへの寄せも柏の方が早く、劣勢となった。

柏が前半を通じて押し込み続ける。
 サヴィオのドリブルで左から崩し、何度も抜け出す細谷にラストパスを狙う。
 CKも7本とたくさん蹴って、LSB片山瑛一(16)もロングスローを入れた。

■2nd half
柏のプレスは、少し落ちついてくる。
 サヴィオや小屋松のプレスが遅くなり、SBに少し余裕が生まれる。
 ただ、アンカー橘田は細谷と山田の裏に隠されたままで、パスを受けられない。

2CB山村と大南、GKソンリョンはつなげる場面でも遠くに蹴る。
 コンパクトな陣形を保ったままの柏が、簡単にボールを回収した。

69分、細谷が決定的なチャンスを迎える。
 サヴィオのクリアボールで抜け出すと、大南が背後から手で引っ張る。
 細谷は体勢を崩しながらも、踏ん張って前進を続ける。
 最後のトラップが流れてしまい、GKソンリョンが先にキャッチした。

87分、シミッチを投入して2ボランチとする。
 橘田と並びながら、シミッチがCBからボールを受けて組み立てる。

90+9分、サヴィオの右CKが左サイドに流れる。
 角度のないところから、片山がシュートした。

■extra time
延長に入ると、シミッチの配球が効いてくる。
93分、インターセプトした登里がすかさず左クロス。
 小林悠が頭で触ったが、ゴール右に外れた。

95分、シミッチがPA手前でサヴィオを倒してFKを与える。
 サヴィオが蹴ったFKは、手前の壁に当たった。

100分、片山が川崎のCBの背後を狙ってボールを入れる。
 細谷が抜け出したが、GKソンリョンが1対1からXブロックで止めた。
 こぼれ球を拾った細谷がクロスを入れるが、再度ソンリョンがブロック。
 最後は仙頭啓矢(41)がロングシュートを放った。

108分、山根の右クロスをゴミスがバイシクルシュート。
118分にも山根が右クロスをゴミスがヘッド。
 完璧なタイミングだったが、GK松本健太(46)がギリギリで止めた。
 さらに家長が詰めたが、これもGK松本が防いだ。

■penalty shootout
PK戦は川崎の先攻で、川崎4人、柏3人が連続で決める。
 柏4人目の仙頭啓矢(41)が外し、川崎5人目のゴミスをGK松本がセーブした。
 GK松本は川崎6人目の登里も止めてみせるが、柏6人目の片山瑛一(16)が外してしまう。
 PKを決めれば勝利できる場面で、川崎はゴミス、柏は片山が失敗した。

10人目は、ついにGKが登場する。
 ソンリョンがキッカーとして決めたあと、GK松本のキックをセーブした。
(古賀太陽(4)が負傷していたため、古賀とジェジエウが外れ、10人でのPK戦となった。)

川崎 ○家長昭博(41) ○瀬川祐輔(30) ○山村和也(31) ○橘田健人(8) ×ゴミス(18)
  ×登里享平(2) ○遠野大弥(17) ○山根視来(13) ○シミッチ(6) ○ソンリョン(1)
柏 ○マテウス・サヴィオ(10) ○細谷真大(19) ○戸嶋祥郎(28) ×仙頭啓矢(41) ○武藤雄樹(9)
  ×片山瑛一(16) ○山本桜大(45) ○川口尚紀(24) ○立田悠悟(50) ×松本健太(46)

■summary
柏は、特に前半はペースを握って優勢だった。
 細谷と山田のプレスは、後半になっても緩みが少なかった。
 最後までコンパクトさを失わず、川崎にシュートを打たせなかった。

これだけの強度のプレーを、天皇杯決勝の大舞台で披露した。
 リーグ戦でこれを続けるのは困難だと思われるが、しっかり照準を合わせた。

69分、細谷が頑張らずに倒れていれば、大南は退場となったと思われる。
 それでも細谷はファウルをもらうよりも、ゴールを目指した。
 結果を左右するほど重要なシーンだったが、素晴らしかった。

GK松本健太は、10人目のPKキッカーとなって失敗した。
 118分にゴミスの決定機を止めて、PKも2本止めた。
 結果は残酷だが、賞賛すべきパフォーマンスだった。


川崎は、良いところが少なかった。
 決定機は118分のゴミスくらいで、シュート自体も少なかった。
 パスワークもつながらず、ロングボールを蹴っては柏に渡してしまう。

それでも、失点することなく120分を終えた。
 粘り強く守り続け、新潟戦に続いてPK戦をGKソンリョンの活躍で勝ち抜いた。

■cup winner★★★★★★★
2020(2021)年に続く、2度目の天皇杯優勝。
 前回は縮小開催で準決勝から出場したが、今回は通常通り2回戦から。
 新潟戦と決勝戦の2度のPK戦を含んで、6試合に勝利した。
 来年からは、7つ目の星がユニフォームに登場する。

次は中2日、アウェイ蔚山現代戦(ACL GL #6)。
 ACLのグループステージ突破はすでに決まっている2023シーズン最終戦。
 しっかりターンオーバーして、若手に出場機会を与えたい。

■goal


■judge
ソンリョン(1) 8.5 100分、細谷との1対1を2度止める。自らPKを決め、10本目のPKをセーブ。
山根視来(13) 6.5 狭められたエリアをドリブルで打開する。108分、118分にゴミスへ右クロス。
大南拓磨(3) 5.5 厳しい状況では前線に大きく蹴った。69分、細谷を背後から手で止めにいった。
山村和也(31) 6.0 細谷へのロングボールに対応。100分、ボールに触れず、細谷の独走を許す。
登里享平(2) 5.5 山田や山本のアタックへの対応が続いた。86分、PA内に入った山本を止めた。
橘田健人(8) 6.0 細谷と山田の背後に隠されて、パスコースを作れず。53分、自陣からドリブル。
脇坂泰斗(14) 5.5 技術を活かせなかった。47分、FKを直接狙った。55分、イエローを受ける。
瀬古樹(16) 5.5 大南の右側に下がって組立てを試みたが、難しかった。40分、ロングシュート。
家長昭博(41) 5.5 12分、118分にシュート。90+5分、サヴィオと右サイドでの1対1でFK獲得。
ダミアン(9) 5.5 ポストプレーで孤軍奮闘した。40分、右サイドから左の瀬古樹へロングパス。
宮代大聖(33) 5.5 12分、13分、58分と左サイドから仕掛けた。29分、サヴィオからカット。

■sub
64(16)遠野大弥(17) 6.0 79分、瀬川の浮き球パスをボレー。FKやCKのキッカーを担当する。
64(33)瀬川祐輔(30) 5.5 90+6分、遠野の右クロスをヘッド。相手を抜いて左クロスを入れる。
77(9)小林悠(11) 5.5 93分、登里の左クロスに飛び込んでヘッド。負傷してゴミスと途中交代。
87(14)シミッチ(6) 6.0 CBからのパスを受けるため動き続ける。96分、111分にFKを与えた。
87(3)ジェジエウ(4) 6.0 柏の攻撃を止めるべく、機動的に飛び出した。PA内で強くクリアする。
106(11)ゴミス(18) 6.0 山根の右クロスから108分にオーバーヘッド、118分に決定的ヘッド。

■bench
上福元直人(99)

■coach
鬼木達 5.5 柏の攻勢を止められなかったが、無失点で耐え抜いて戴冠に導いた。

■referee
木村博之 6.5 軽めの接触プレーはノーファウル。ジャッジは一貫していた。

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AT+2+9+0+1


■おまけのフォトレポ

チョン・ソンリョン(1)と松本健太(46)が抱擁して、PK戦が始まる。

10人目のキッカーはGKとなった。
まずはソンリョンが蹴る。

続いて松本健太が蹴る。

ソンリョンが松本健太のキックを止めて、川崎の優勝が決まった。

PKを蹴ったあと、その場で座り込む松本健太を囲む柏レイソルの選手たち。

仰向けになって顔を覆う登里享平(2)。6人目のキッカーで失敗してからの優勝で、万感の思いがあったものと思われます。

松本健太を称える瀬川祐輔(30)。

シミッチ(6)とマテウス・サヴィオ(10)。

オーロラヴィジョン。

金のカブレラと龍のコスプレをした青いふろん太(7番目のタイトルにちなんだ神龍とのこと。)。

バックスタンドから観た優勝セレモニー。

バックスタンドに挨拶する松本健太。

紙吹雪が舞ったあと。

家長昭博(41)。移籍前の2回戦栃木シティ戦で先発したチャナティップ(18)のユニを着用。

山根視来(13)。同じく移籍前の栃木シティ戦で先発した小塚和季(49)のユニを着用。

特別指定の山内日向汰(32)。桐蔭横浜大学4年生。

佐々木旭(5)。高知戦で決勝ゴール。

レアンドロ・ダミアン(9)とジェジエウ(4)。
ゴール裏でのダミアンの挨拶は、契約満了の発表前でしたが、在籍5年間の感謝に溢れるものでした。

2021/11/03

211103川崎1-1浦和(J1 #34)★

川崎1-1浦和(等々力, 13:05KO, 11,603人/12,000人)

天皇杯鹿島戦(天皇杯 QF)から中6日。
文化の日に開催されるJ1リーグ第34節で、等々力に浦和を迎える。

J1リーグは残り5試合で、2位横浜Fマリノスと勝ち点12差。
今日、川崎の優勝が決まるのは、次の3つのパターン。
 1 川崎○ 横浜FM●
 2 川崎○ 横浜FM△
 3 川崎△ 横浜FM●
マリノスは、同時刻キックオフでG大阪と対戦する。


先発は、鹿島戦と変わらない11人。
 清水戦(J1 #33)から3試合連続で同じとなった。
ベンチメンバーも鹿島戦と同じ7人。


浦和はJ1リーグで17勝7分9敗の5位。
 ACL圏内を狙う位置に立っている。
 天皇杯では川崎と同じくベスト4に残っている。

今シーズン、川崎とは3回対戦していて、川崎の1勝2分。
YBCルヴァンカップでの対戦は2戦2分で、アウェイゴール数で浦和が勝ち上がった。
 210321浦和0-5川崎(J1 #6)
 210901浦和1-1川崎(YLC QF #1)
 210905川崎3-3浦和(YLC QF #2)

■1st half
浦和は4-2-3-1の布陣で、1トップにはFW江坂任(33)が入る。
 コンパクトに構えつつ、高い位置で奪って早く攻めてきた。
 ただ、細かいミスもところどころにあって、ボールを渡してしまう。

川崎はじっくりと押し込んでいく。
 右サイドの家長、山根、脇坂のトライアングルで、崩していく。
 左サイドからはマルシーニョを単独で走らせる。
 22分に脇坂、28分に登里、29分にダミアンがシュートした。
先制点は33分。脇坂の右CKの跳ね返りを山根が拾う。
 クロスをダミアンが競って、落ちたボールをジェジエウが蹴り込んだ。

浦和は26分、酒井宏樹(2)が右サイドを突破してクロス。
 ゴール前で江坂と関根貴大(41)が続けてシュートするが、山根と谷口に阻まれた。
 41分には平野佑一(40)がロングシュートした。

■2nd half
川崎はペースを落とし、ボールが行き交う展開となる。
 浦和が仕掛けるプレスに苦しみつつ、少しずつ時間を進めていく。
 いつものような選手交代を交えながら、逃げ切りを図る。

78分、FW興梠慎三(30)が投入されると、ラインを押し下げられてしまう。
 ボールを運べなくなり、自陣に押し込まれての守備が続く。
 85分、大久保智明(21)と宇賀神友弥(3)が続けてミドルシュート。

そして89分、山根が自陣コーナーフラッグ付近からスローイン。
 山村のクリアボールを浦和に奪われて、伊藤敦樹(17)がシュート。
 GKソンリョンが弾いたが、酒井宏樹(2)に押し込まれて同点とされた。

川崎は勝利を目指して攻め込んでいく。
 90+4分、旗手のパスから小林悠が決定機を迎える。
 90+5分、大島がミドルを放つが、GK西川周作(1)が弾き出した。

■summary
浦和は前半、若干押されていたが互角に戦っていた。
 後半も1点差を保ちながら、同点を目指した。
 自陣に引くことで体力を温存しながら、プレスを仕掛けて勝負に出る。
 90分間の流れを上手くコントロールしながら、最後にドローに持ち込んだ。

川崎に攻められても、LCBアレクサンダー・ショルツ(28)が大きな壁となった。
 クロスやラストパスを阻み続け、ゴール前で決定機を許さなかった。

リカルド・ロドリゲス監督が目指すサッカーが構築されつつある。
 このまま進化を続ければ、攻守のバランスが取れた良いチームになると思われる。


川崎は後半、逃げ切ることができなかった。
 リードしてからは攻撃が少なくなり、2点目を奪えない。
 同点とされてロスタイムに反撃に転じたが、ドローに終わった。

拮抗した見応えある内容の試合となった。
 両チームとも素晴らしく、ドローという結果は妥当といえる。

そして、2位横浜Fマリノスが敗れ、J1リーグ優勝が決まった。


■champions★★★★★★
2017年、2018年、2020年に続く4度目のJ1リーグタイトルを獲得。
 中村憲剛が引退し、守田英正が移籍して始まった38試合制の2021シーズン。
 夏に田中碧(25)と三笘薫(18)が海外に旅立ち、8月下旬から調子を落とした。
 負傷者が続出し、2位横浜Fマリノスが迫り来る中、終盤に7連勝して再び加速。
 昨シーズンと同じく、4試合を残して優勝にたどり着いた。


次は中3日でアウェイ鳥栖戦(J1 #35)。
 優勝が決まったので、フレッシュな選手を試してほしいところ。
 ただ、鬼木監督は、優勝決定後も選手を入れ替えない傾向にある。
 天皇杯を見据えながら、しっかり勝っていきたい。

■goal
33ジェジエウ(4) 
89酒井宏樹(2) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 41分、平野のシュートを止めた。89分、パンチが小さく失点を招いた。
山根視来(13) 6.0 先制ゴールを生む右クロス。活発な上下動から、13分、51分にクロス。
ジェジエウ(4) 6.5 33分、押し込んでゴール。スピードを活かし、広いエリアをカバーする。
谷口彰悟(5) 6.5 6分、汰木へのスルーパスをカバーする。26分、関根のシュートをクリア。
登里享平(2) 5.5 3分、40分にマルシーニョを走らせる。28分、シュート。守りでは劣勢。
橘田健人(22) 6.0 セカンドボールを拾い続ける。74分、押し込まれた状況で、FKを獲得。
脇坂泰斗(8) 6.0 22分、ダミアンの落としをシュート。30分にミドル。セットプレーを担当。
旗手玲央(47) 6.0 体幹の強さでボールを奪う。ターンやドリブルで局面を打開していった。
家長昭博(41) 6.0 右サイドで圧倒的なキープ力を披露する。67分、脇坂のFKをヘッド。
ダミアン(9) 6.0 鋭いプレスでチームを先導する。20分、脇坂へラストパス。29分、ヘッド。
マルシーニョ(23) 6.0 40分、45+3分と抜け出してゴールに向かった。55分、シュート。

■sub
75(9)小林悠(11) 6.0 90+4分、旗手のパスから決定機を迎えたが、わずかに右に外す。
75(2)車屋紳太郎(7) 5.5 LSBに入る。鋭くボールに寄せていって、左サイドを締めた。
75(23)大島僚太(10) 5.5 90+5分、強烈な美しいミドルを放つが、GK西川に弾かれた。
86(8)山村和也(28) 5.0 2ボランチの右に入る。88分、クリアミスから失点に繋がった。
90+1(22)知念慶(20) 5.5 強くプレスを仕掛ける。90+5分、小林悠へスルーパス。

■bench
丹野研太(27) 遠野大弥(19) 

■coach
鬼木達 5.5 良い展開だったが、選手交代は奏功せず。逃げ切ることに失敗した。

■referee
木村博之 6.5 落ち着いたジャッジ。力が拮抗する両チームに相応しく、素晴らしかった。

162,400views

2021/02/21

210220川崎3-2G大阪(FXSC)★

川崎3-2G大阪(埼玉スタジアム, 13:35KO, 4,208人/5,000人)

2021シーズン最初の公式戦は、FUJI XEROX SUPER CUP。
J1リーグと天皇杯を制し、2年ぶり3度目の出場。
これまでの2回の出場は、1勝1敗だった。
 180210川崎2-3C大阪(FXSC)
 190216川崎1-0浦和(FXSC)★


先発は、天皇杯決勝から2人が変わる。
 ケガの大島と、サンタクララ(POR)に移籍した守田が外れている。
 インサイドハーフに脇坂、アンカーに新加入のジョアン・シミッチが入った。
ベンチには、新加入の遠野、橘田、塚川が入った。


対戦相手は、J1リーグ2位(天皇杯準優勝)のガンバ大阪。
2020シーズンは3回対戦して、川崎の3勝だった。
 200801G大阪0-1川崎(J1 #8)
 201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★
 210101川崎1-0G大阪(天皇杯 Final)★

■1st half
ガンバはFWパトリック(18)を中心にプレスを掛ける。
川崎は5分ほど戸惑っていたが、すぐに修正してボールを回していく。
新加入のシミッチの周りに田中碧、脇坂が動いてサポートする。
右サイドで家長を縦に走らせての攻撃も効いていた。

ガンバは4-3-3の新システム。
人数は足りていても、なかなかパスコースを探せない。
サイドからは仕掛けていたが、中央からは崩せなかった。

29分、田中碧が左サイドでポイントを作って、三笘へスルーパス。
三笘はGK東口順昭(1)を先に転ばせてから、先制ゴールを決めた。

32分にも山根のシュートのコースを変えて、三笘が2点目。
スタンドからはオフサイドのように見えたが、VARで確認してゴールが認められた。
その後も川崎がボールを持つ展開で、前半を終えた。

■2nd half
50分あたりから、ガンバの時間帯が続く。
川崎は中盤が間延びして、PA内でブロックを組んで守る。
自陣深くに押し下げられていて、ボールを奪ってもパスをつなげない。
ガンバのプレスバックの餌食になり、簡単にボールを失った。

60分、ゴール前でボールを動かされて、矢島慎也(21)がボレーでゴール。
66分には山根がハンドでPKを与え、パトリックに決められて同点とされた。

さらには70分、FWチアゴ・アウベス(32)がGK1対1の決定機を迎える。
72分、左CKを菅沼駿哉(13)がヘッドするなど、ガンバがチャンスを作った。

川崎は64分に塚川と橘田、72分に小林悠と長谷川、83分には遠野を投入。
さらには90+1分、脳震盪による追加交代枠で塚川に代えて車屋を入れる。
新戦力を多く起用しつつ、ゴールを狙っていった。

そして90+6分のラストプレー。
田中碧の縦パスを遠野が受けて、小林悠へスルーパス。
抜け出した小林悠が、GK東口のファーにゴールを決めた。

■summary
ガンバは前半、良いプレーが少なく2失点を喫した。
後半は巻き返して、厚みのある攻撃で同点に持ち込んだ。
勝負する時間帯できちっと得点することができ、悪くなかった。

インサイドハーフの井手口陽介(15)が効いていた。
常に厳しくボールに寄せていくことで、川崎の自由を奪っていた。
新システムの4-3-3は、仕上がっていない部分もあったと思われる。
それでも特に後半、今シーズンに期待を持てる内容を見せてくれた。


川崎もガンバと同じように、チームが成熟していない面があった。
後半、動きが少なくなって、コンパクトさを保てなかった。
ガンバに中盤を制圧されて、簡単に2点を失ったのは反省点といえる。

余裕のない展開となったが、新戦力を多く試すことができた。
シミッチは良いときのエドゥアルド・ネットのようなプレー。
献身的に動き続けてパスコースを作り、シンプルにさばいて縦パスを入れる。
田中碧や脇坂のフォローを受け、孤立することなくプレーしていた。
9分には右CKに合わせて決定的なヘッドを放つなど、高さも魅力的。

橘田、塚川、遠野にもチャンスを与えることができた。
これからのシーズンを見据えた良い采配だった。

★cup winner
3度目のFUJI XEROX SUPER CUPで、2度目の優勝を飾った。
次は中5日、J1リーグ開幕戦のホーム横浜Fマリノス戦(J1 #1)。
幸先良いシーズンの始まりとなった。
これからも期待していきたい。

■goal
29,32三笘薫(18) 90+6小林悠(11) 
60矢島慎也(21) 67PKパトリック(18)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 果敢に飛び出して処理した。90+6分、山本悠樹(29)のFKをキャッチ。
山根視来(13) 6.0 8分、家長を走らせるパス。1アシスト。66分、ハンドでPKを与える。
ジェジエウ(4) 6.5 19分、71分にシュートブロック。押される時間帯は少しバタついた。
谷口彰悟(5) 6.0 1分にパスミス。9分、CKのこぼれ球に詰める。90+1分、CKをヘッド。
旗手玲央(47) 5.5 本職ではないLSBで奮闘する。70分、チアゴ・アウベスに競り負けた。
シミッチ(6) 6.0 加入後初先発。中盤を支えていた。26分、41分に三笘へ縦パスを入れる。
脇坂泰斗(8) 5.5 狭いエリアでも高い技術で打開していった。田中碧と交互にCKを担当。
田中碧(25) 7.0 身体を寄せられても苦にせずボールを運ぶ。64分からはアンカーに入る。
家長昭博(41) 6.0 右サイドから鋭く飛び出す。18分、持ち込んでシュート。後半は沈黙。
ダミアン(9) 6.5 安定したポストプレーでポイントを作った。3分、28分にシュート。
三笘薫(18) 6.5 3分、6分にシュート。そして2ゴールの結果。ドリブルの仕掛けは不発。

■sub
64(8)橘田健人(22) 5.5 インサイドハーフでのデビュー戦。80分、85分、86分にクロス。
64(6)塚川孝輝(3) 5.5 82分、谷口のパスを受け小林悠へ入れる。90+1分に脳震盪で交代。
72(18)長谷川竜也(16) 5.5 75分、2本の左クロスを入れる。良さを出し切れなかった。
72(9)小林悠(11) 6.5 72分、90+2分にヘッド。90+6分、決勝ゴールを美しく決めた。
83(41)遠野大弥(19) 6.0 中央でプレー。90+2分、右クロス。90+6分、決勝アシスト。
90+1(3c)車屋紳太郎(7) 6.0 最終盤でLSBに入る。短い時間だが左サイドを落ち着かせた。
(塚川は脳振盪による交代。通常の交代とは別の取扱い。)

■bench
丹野研太(27) 

■coach
鬼木達 6.0 新戦力を積極的に起用して勝利した。後半、押される時間で修正したかった。

■referee
荒木友輔 6.5 プレーの邪魔をしない素晴らしいジャッジ。山根のハンドを明確にPK判定。

■おまけ

バックスタンドに向けて手を上げる谷口彰悟(5)。
無造作にカップを持っています。

賞金3千万円のボートを持つ登里享平(2)。
ベンチコートを脱いで、旗手玲央(47)に渡していました。

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2021/01/02

210101川崎1-0G大阪(天皇杯 Final)★

川崎1-0G大阪(国立競技場, 14:40KO, 13,318人/16,000人)

今シーズンを締めくくる第100回天皇杯決勝。
 縮小開催のため、J1リーグ1位の川崎は、準決勝から出場する。
 準決勝では、J3優勝の秋田に勝利(天皇杯 SF)した。
 J2優勝の徳島に勝った、J1リーグ2位のガンバ大阪と中4日で対戦する。

チケットの一般販売は、コロナ禍の影響で中止となった。
 先行販売と招待席だけとなり、約16,000席で開催される。

川崎にとって、2度目の天皇杯決勝。
4年前の決勝は、鹿島に敗れて準優勝に終わっている。
 170101鹿島2-1川崎(天皇杯 Final)

先発は、秋田戦と同じ11人。
 LSBには旗手が入ることとなる。
ベンチの7人も変わっていない。


G大阪は、J1リーグ2位。
 天皇杯は準決勝から出場して、徳島に勝って決勝へ進出。
J1リーグでの対戦は、川崎のダブルだった。
 200801G大阪0-1川崎(J1 #8)
 201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★

■1st half
ガンバはプレスを掛けず、5バックで引き籠る。
 初めの10分を過ぎるとボールを運べず、自陣で守る時間が続いた。

川崎の強みである両サイドの家長と三笘には、スペースがなかった。
 逆にガンバはサイドの攻防に人数を割かれ、5バックでも中央に隙間ができていた。
 細かく縦パスを出し入れして、ガンバの守備を崩して突破していく。
 15分にダミアン、16分に三笘、22分にダミアンがシュートする。

27分、サイドに流れた守田の右クロスを家長がヘッド。
 30分、42分と山根が藤春廣輝(4)を鋭いドリブルで抜き去ってクロス。
 43分、三笘が1人抜いてシュートするなど、圧倒的に攻め立てた。

ガンバはブロックを低い位置で組んで、耐える展開。
 FWパトリック(18)にロングボールを入れる戦術だが、川崎に易々と回収される。
 数少ないチャンスは28分、小野瀬康介(8)の右クロスをパトリックがヘッド。

■2nd half
後半も川崎が攻め続ける。
 55分、ダミアンのラストパスを三笘が先制ゴール。
 何度もシュートを止めていたGK東口順昭(1)の牙城を崩し、リードする。

ガンバは防戦一方で、自陣のパスも満足に繋げないまま。
しかし、74分に宮本恒靖監督が仕掛ける。
 FW渡邉千真(39)と福田湧矢(14)を投入し、2トップとする。
 代わりにLSB藤春とボランチ山本悠樹(29)を下げて、攻撃の人数を増やした。

4バックにすることで守備が安定し、川崎を押し込むことに成功する。
 2トップのパトリックと渡邉がターゲットとなって、セカンドボールを拾った。
 ボランチに動いた倉田秋(10)が、正確な縦パスを入れて、厚く攻撃を仕掛けた。

川崎はクリアするのが精一杯となり、オープンな展開に持ち込まれる。
 82分、90+4分には長谷川が決定機を迎えるが、決められない。
 ガンバは83分の渡邉、85分の宇佐美貴史(33)、90分の福田と決定機を立て続けに作った。
 GKソンリョン、谷口とジェジエウを中心にゴール前を固めて、泥臭く逃げ切った。

■summary
ガンバは守りに徹する時間が長く、多くの決定機を作られた。
 しかし、GK東口のセーブなどで、1失点で耐え凌ぐことに成功する。
 最後の時間帯、ゴールは奪えなかったが、2トップで良い攻撃を見せた。

5バックは消極的にも感じたが、勝つためには悪くないプラン。
 正面から川崎と戦うよりも、可能性はあったと思われる。
 先に得点できれば、無失点で耐えれば、同点に追いつければ。
 何らかのタラレバが起きていれば、延長そしてPK戦に持ち込めたかもしれない。


■cup winner★★★★★
川崎は天皇杯2度目の決勝で、初めての優勝を飾った。
 今年は縮小開催のため、2勝だけで優勝に辿り着けるレギュレーション。
 与えられた準決勝と決勝の2つの試合を勝ち切って、タイトルを獲得した。

カップ戦としては、2019年のYBCルヴァンカップに続く2度目の優勝。
 2019年のYLCは、延長戦を経てPK戦での決着だった。
 初めて90分間でカップ戦を制したこととなる。

1999、2004年のJ2リーグ。
2017、18、20年のJ1リーグ。
2019年のYLCに続く、7つ目のタイトル、5つ目の星。
そして、国内の3大タイトルをすべて制覇したこととなる。

2020シーズンは、これで全日程を終える。
 J1リーグ優勝とともに天皇杯を獲得し、初めての複数タイトルを実現。
 素晴らしいシーズンとなった。


■goal
55三笘薫(18) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 83分、致命的なキャッチミス。82分、85分、90分にはビッグセーブ。
山根視来(13) 6.5 30分、42分と藤春を抜いてクロス。右サイドの攻撃の起点となっていた。
ジェジエウ(4) 7.0 パトリックへのロングボールを回収する。86分、身を投げ出してクリア。
谷口彰悟(5) 6.5 10分、パスミス。58分、FKをヘッド。83分、渡邉のシュートをカバー。
旗手玲央(30) 6.0 4試合目のLSBで、高い位置でプレー。3分、33分、44分にシュート。
守田英正(6) 6.5 どっしりと組み立てる。2分、田中碧へスルーパス。27分、右クロス。
田中碧(25) 6.0 2分、思い切り良くシュート。59分、DFを背負ったまま力強くシュート。
大島僚太(10) 6.5 ショートパスで切り崩す。15分、16分にラストパス。48分にシュート。
家長昭博(41) 6.0 27分、ヘッド。67分、76分、78分にもシュートを積極的に重ねた。
ダミアン(9) 6.0 15分、決定機。22分、28分に個人技でシュートに持ち込む。1アシスト。
三笘薫(18) 6.5 サイドでは埋もれていたが、16分、42分とシュート。55分、決勝ゴール。

■sub
79(9)小林悠(11) 5.5 プレスを仕掛ける。90+4分、ボールを奪い長谷川の決定機を作る。
79(18)長谷川竜也(16) 6.0 82分、90+4分に決定的なシュート。決めておきたかった。
86(30)車屋紳太郎(7) 6.0 混沌とした状況でLSBに入る。90+5分、試合を終えるクリア。
89(10)脇坂泰斗(8) 5.5 精力的にプレスした。ボールにほとんど触ることがなかった。

■bench
丹野研太(27) 山村和也(34) 中村憲剛(14) 

■coach
鬼木達 6.5 ガンバを圧倒。巻き返されても冷静に逃げ切って天皇杯を獲得した。

■referee
木村博之 6.5 落ち着きのある適切なジャッジ。決勝に相応しく、素晴らしかった。

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2020/11/26

201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★

川崎5-0G大阪(等々力, 18:30KO, 11,360人/12,000人)

J1リーグ優勝を決められなかった大分戦(J1 #28)から中3日。
 等々力での2位ガンバ大阪との直接対決を迎える。
 王手は変わらず、この試合、ドロー以上で優勝が決まる。
先発は、大分戦から5人を変更する。
 ジェジエウ、田中碧、家長、ダミアン、三笘が先発する。
  2試合欠場していた家長は、鹿島戦(J1 #27)以来の出場。
  ジェジエウは、累積警告による出場停止から復帰する。
 先発を外れた中村、小林悠、齋藤学がベンチスタート。
  長谷川と、大分戦で退場して出場停止の谷口がベンチ外となった。

ベンチには、新たに下田北斗が入り、ジオゴが外れた。
ガンバ大阪は、J1リーグで18勝4分7敗の2位。
 YBCルヴァンカップは、GL2位で敗退している。

日曜日の浦和戦(J1 #28)から中2日。
 アウェイでの連戦となり、中3日の川崎の方が有利な日程。
 先発は、負傷交代した小野瀬康介(8)以外の10人が同じ。

吹田での対戦は、川崎が大島のゴールで勝っている。
 200801G大阪0-1川崎(J1 #8)

■1st half
ガンバ大阪は静かな立ち上がり。
 プレスも厳しくなく、川崎に余裕を与える。

川崎はきれいにボールを回していく。
 ボランチの守田の横に、田中碧を並べることでパスコースを絞らせない。
 CBから中盤を経由して前線まで、滑らかにボールがつながった。

先制ゴールは22分。
 バイタルでボールを動かして、登里が左クロスを鋭く入れる。
 ダミアンが最終ラインから抜け出し、ゴール上に蹴り込んだ。

ガンバは1トップのFWパトリック(18)へロングボールを入れる。
 中盤でボールを動かそうとしたものの、運動量が少なかった。
 川崎に寄せられ、宇佐美貴史(33)や倉田秋(10)に自由がなかった。

その後も攻め続けて、45分。
 田中碧の右CKをダミアンが頭で落として、家長が2点目を決めた。

■2nd half
49分、三笘がドリブルで持ち上がって右にラストパス。
 家長が冷静にゴール左に決め、3点差とする。

ガンバは川崎のプレスに苦しみ、次々とボールを失う。
 川崎のカウンターを止められず、ずるずると後退していった。

53分、家長とのワンツーからダミアンがシュート。
63分、三笘のラストパスを山根がミドル。
66分、家長がロングシュート。

決定機を量産して、73分。
 ダミアンのスルーパスで三笘が独走する。
 ラストパスをダイレクトで家長が決め、ハットトリックを達成した。

最後は90分。
 旗手のシュートはGK東口順昭(1)に止められたが、こぼれたところを齋藤学が詰めた。

■summary
ガンバは日程上の不利を覆せなかった。
 選手をほとんど入れ替えなかったため、動けなかった。
 川崎の攻撃を防ぐことができず、多くの決定機を与えた。

このままJ1リーグを2位で終えれば、天皇杯には準決勝から出場する。
 川崎と決勝で対戦することとなれば、熱戦を期待したい。
川崎は久しぶりに相手を圧倒することができた。
 先発した11人が素晴らしく、交代の必要性を感じなかったほど。

前半から攻撃を繰り返し、登里の速いクロスからダミアンが先制ゴール。
 CKからの家長のゴールで2点差で折り返すと、後半は決定機を量産。
 いろいろなパターンの攻撃を重ねて、ガンバを突き放した。

■champions★★★★
2017年、2018年に続く3度目のJ1リーグタイトルを獲得した。
 11月に入って少し足踏みしたが、独走状態は変わらなかった。
 今日を含めて2位チームとの対戦に勝利して、10連勝、12連勝と続ける。
 ギリギリの優勝争いとは無縁のまま、ゴールを迎えた。

 2017年のような劇的なものではなく、2018年のような落ち着いた優勝。
 新しいタイトルの感慨を、じわじわと味わいたい。


次は中9日でアウェイ清水戦(J1 #31)。
 出場機会に恵まれていない選手を試しつつ、結果を出したい。
 GK丹野やジオゴ、下田、そして原田やゼイン、神谷も見てみたい。

■goal
22ダミアン(9) 45,49,73家長昭博(41) 90齋藤学(19) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 パンチングもキャッチも安定。90+4分、パトリックとの1対1をセーブ。
山根視来(13) 6.5 右サイドで広くスペースを使ってパスを呼ぶ。63分、決定的なシュート。
ジェジエウ(4) 6.0 スピードと高さを活かし安定して守る。21分、空振りしてクリアできず。
車屋紳太郎(7) 7.0 パトリックとハイボールを競り合う。ターンを交えて素早くパスを出す。
登里享平(2) 6.5 22分、鋭いクロスでアシスト。連戦の疲労を感じさせず、クレバーな動き。
守田英正(6) 7.0 マークを剥がして長短のパスを繰り出す。厳しい守備で中盤を引き締める。
田中碧(25) 6.5 守田をサポートしながら動き回る。18分、21分、56分、88分とシュート。
大島僚太(10) 6.5 トップ下の狭いエリアからパスを展開。ガンバの守備の背後に走り込む。
家長昭博(41) 8.0 プレスを頑張る。45分、追加点。さらに49分、73分にもゴールを決める。
ダミアン(9) 7.5 1ゴール1アシスト。44分、53分にも決定的なシュート。ポストも冴えた。
三笘薫(18) 7.0 ドリブルで仕掛け、落ち着いて2アシスト。12分、41分、57分にシュート。

■sub
83(9)小林悠(11) 5.5 89分、シュートは当たらず。90分には旗手にスルーパスを供給した。
83(41)旗手玲央(30) 6.0 右FWで出場。90分、GK東口と1対1からのシュートは防がれる。
86(10)中村憲剛(14) 5.5 ショートパスの中継点となる。短い時間でもボールに触っていた。
86(18)齋藤学(19) 6.0 89分、左クロス。90分、こぼれ球を蹴り込んでJ1今季初ゴール。
90+4(25)脇坂泰斗(8) 5.5  プレー機会は少なかった。90+4分、右サイドにパスを展開。

■bench
丹野研太(27) 下田北斗(22) 

■coach
鬼木達 6.5 先発11人の素晴らしい働きで完勝した。J1リーグ優勝を決めた。

■referee
西村雄一 6.0 過不足なくファウルの判断を下した。安定したジャッジ。

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2019/10/27

191026札幌3(4PK5)3川崎(YLC Final)★

札幌3(4PK5)3川崎(埼玉スタジアム, 13:05KO, 48,119人)

アウェイのG大阪戦(J1 #29)から中6日。
YBCルヴァンカップの決勝は、コンサドーレ札幌との対戦。
前日は大雨だったが、きれいに晴れた。

2000、2007、2009、2017年に続く5度目のYLC決勝。
過去の4回は、いずれも敗退している。


先発は、G大阪戦から3人を変更する。
新たに阿部、脇坂と田中碧(U21枠)が入った。
先発から外れた中村、長谷川はベンチ、守田はベンチ外となった。

ベンチには奈良、マギーニョが入り、齋藤学、知念が外れる。
奈良は4月26日、左膝靭帯及び半月板損傷を手術して以来の復帰となる。


札幌は、YLCで初めての決勝進出。
YLCのU21枠として、MF菅大輝(4)が先発する。

J1リーグでは、11勝7分11敗の8位。
等々力での対戦(J1 #15)は、1-1のドローだった。

■1st half
10分、白井康介(19)が車屋を抜き去って右クロス。
菅大輝がクリアボールをシュートすると、バーとGK新井に当たってゴール。

札幌は先制したあとも、カウンターで攻めていく。
FWジェイ(48)、FW鈴木武蔵(9)が競って、チャナティップ(18)が絡んだ。
15分にチャナティップ、18分に鈴木武蔵とチャンスを作った。

川崎はスペースを埋められながら、ミドルとショートパスを駆使していく。
20分のダミアン、24分の大島、39分のダミアンと多くのシュートを放つ。
44分には続けて3度の決定機を作った。
脇坂のヘッドが右ポストを叩き、ダミアンはブロックされ、最後は阿部のミドル。

45+3分、田中碧のミドルで獲得した脇坂の左CK。
中央でダミアンが触ったボールを阿部が決め、同点となった。

■2nd half
札幌のプレスが緩み、川崎がボールをつないで押し込んでいく。
特に右サイドの家長が素晴らしく、何度も札幌の守備を蹂躙していった。
48分にはダミアンがヘッド、58分には脇坂が決定的なシュートを放つ。

札幌はカウンターが防がれてしまい、厳しい展開となった。
それでも時間が進むと、チャンスを作り出していく。
67分、鈴木武蔵からのパスを受けたアンデルソン・ロペス(11)がシュート。
87分、スルーパスで鈴木武蔵がGK1対1となるが、トラップが流れてしまった。

川崎はやや押されていた88分、大島のループパスから小林がゴール。
小林の動き出しに合わせたパスが絶品だった。

ロスタイム4分を経過し、タイトルが目の前に迫る。
しかし、福森晃斗(5)の右CKを深井一希(8)がヘッド。
ラストプレーで追い付かれて、延長に入る。

■extra time
盛り上がる札幌に対して、逃げ切れなかった川崎。
川崎がゆっくりと押し込んでいくが、94分、札幌のカウンター。
チャナティップがドリブルで抜けたところを、谷口が身体を入れて止める。
最初はイエローが提示されたが、VARの結果、レッドカードとなった。

このFKを福森が沈めて、谷口が退場して10人の状況で1点リードを許す。
絶体絶命の状況となったが、パスをつなぎ攻めることができた。

札幌はボールを保持せず、簡単にロングボールを蹴ってしまう。
ついに109分。中村の左CKを山村が戻して、小林が同点ゴールを決めた。

最後は札幌が数的優位を活かして攻めた。
クロスを中央に入れてチャンスを作ったが、川崎が守り切った。

■penalty shootout
川崎は4人目の車屋がバーに当ててしまう。
札幌は、5人目の石川が決めれば優勝だったが、GK新井がビッグセーブ。
さらに6人目の進藤のコースが甘く、新井がキャッチ。

川崎 ○小林悠(11) ○山村和也(34) ○中村憲剛(14) ×車屋紳太郎(7)
   ○家長昭博(41) ○長谷川竜也(16)
札幌 ○ロペス(11) ○鈴木武蔵(9)  ○深井一希(8)  ○フェルナンデス(7)
   ×石川直樹(2) ×進藤亮佑(3)

■summary
あと1歩で勝利できるチャンスがお互いに何度もあった。
いずれも逃げ切ることができず、PKで決着。
壮絶なシーソーゲーム。
多くのドラマが生まれ、見応えがあった。

札幌はチャナティップのキープ力を活かしつつ、ジェイと鈴木武蔵を使う。
カウンターが機能する時間帯はあったものの、守備の時間が長くなった。
じわじわと体力を失い、延長で逃げ切ることができなかった。

札幌にとって、初めてのYLC決勝。
勇敢に戦い、タイトルを掴みかけたが、あと少しで届かなかった。
今日の結果を胸に刻み、誇りを持って次の目標を目指してほしい。


■cup winner★★★
5度目の挑戦で、YBCルヴァンカップ初優勝を飾った。
90+5分のラストプレーで追い付かれ、延長では谷口が退場した上にリードを許す。
PK戦でも王手を掛けられて、崖っぷちから巻き返した。

1999、2004年のJ2リーグ、2017、18年のJ1リーグに続く5つ目のタイトル。
カップ戦では初めての優勝で、シルバーコレクターを卒業した。

札幌の5バックを攻略しながら、PA内に入り込んだ。
ただ、カウンターで札幌に陣地を回復され、圧倒することはできなかった。
劣勢となることもあったが、ルヴァンカップ初優勝という結果を得た。


次は中6日で広島戦(J1 #30)。
家長、車屋が出場停止で、谷口も今日の退場によって出場停止の可能性がある。
J1リーグは残り5試合で、首位と勝ち点8差の状況。
良い結果を出して、1つでも多く勝ち点を積み重ねたい。

■goal
10菅大輝(4) 90+5深井一希(8) 99福森晃斗(5)
45+3阿部浩之(8) 88,109小林悠(11) 

■judge
新井章太(21) 8.0 クロスをしっかりキャッチ。2本のPKを止めてタイトル獲得に貢献した。
登里享平(2) 6.5 右SBでゆっくりと仕掛ける。数的不利の中、左SBに回って守り切った。
山村和也(34) 6.5 視野の広いパスで起点となった。ハイボール処理は苦しむ。1アシスト。
谷口彰悟(5) 5.0 96分、決定機を止めて退場。仕方ないが、チームを窮地に追い込んだ。
車屋紳太郎(7) 6.0 10分、白井に抜き去られる。25分には左クロス。107分にはヘッド。
田中碧(25) 6.0 中央で堂々とプレー。18分、鈴木の独走を止める。45+2分にミドル。
大島僚太(10) 6.5 多様なパスを繰り出すが、スプリントはまだ慎重。芸術的な1アシスト。
家長昭博(41) 7.5 右サイドで輝く。最後まで走り続けた。115分、タックルでイエロー。
脇坂泰斗(28) 6.5 ショートパスで崩す。44分の決定的なヘッドはポスト、58分にミドル。
阿部浩之(8) 7.0 9分、44分と決定機。45+3分、同点ゴールを決める。中央寄りでプレー。
ダミアン(9) 6.5 複数DFを背負ったポストプレーで脅威となる。20分、39分とシュート。

■sub
64(28)中村憲剛(14) 6.0 中盤で潤滑油となった。109分、左CKからゴールを生んだ。
73(9)小林悠(11) 8.0 積極的にシュートを打った。決定機を確実に仕留めて2ゴール。
FTex(8)長谷川竜也(16) 5.5 左サイドから仕掛ける。最後は2トップでPA内で待ち受けた。
100(10)マギーニョ(26) 5.5 右SBに入る。守備のバランスを考えながら攻め上がった。

 ※FTex:後半が終わり、延長戦に入る前に、阿部から長谷川に交代している。

■bench
ソンリョン(1) 奈良竜樹(3) 下田北斗(22) 

■coach
鬼木達 6.0 4つの交代枠を的確に使った。現状のベストを尽くして、良い結果を出した。

■referee
荒木友輔 5.0 接触プレーを流しすぎた。川崎有利だったが、徐々に札幌有利に判定した。

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2019/02/16

190216川崎1-0浦和(FXSC)★

川崎1-0浦和(埼玉スタジアム, 13:35KO, 52,587人)

2019シーズンの最初の公式戦はFUJI XEROX SUPER CUP。
J1リーグを連覇したことで、2年連続2回目の出場。

C大阪に敗れた昨年(2018 FXSC)は2月の2週目。
中2日で上海上港戦(ACL GL #1)を控えていた。

今年は2月の3週目の開催となった。
FC東京戦(J1 #1)までは中6日で余裕がある日程。

FXSCは、5人まで交代が可能なルール。
ただ、交代回数は3回(加えてハーフタイムも可)に制限される。


先発は昨年の主力組をベースに、新戦力2人が加わった。
1トップに新加入のレアンドロ・ダミアンが入る。
移籍したエウシーニョに代わる右SBには、新加入のマギーニョ。
小林は右WG、家長は左WGで出場し、阿部がベンチスタート。

ベンチには、新加入の馬渡が入った。


対戦相手は天皇杯を制した浦和。
昨シーズンは、J1リーグでダブルを許している。
ホーム(J1 #12)アウェイ(J1 #19)ともに、2点を失って無得点だった。

■1st half
新戦力のダミアンを積極的に使っていく。
ダミアンはポストプレーやハイボールで個の強さを見せる。
がっちり守りを固められていてもチャンスを生んだ。

もちろん、今までと同じようにパスもゆったりと回す。
浦和が5バックで固めているため、両SBの前にはスペースが少ない。
ボランチの大島と守田には浦和2トップ、興梠慎三(30)と杉本健勇(14)が付く。
ただ、プレスは緩いためパスコースが多く、中央から縦に攻めた。

30分、ダミアンがドリブルからラストパスを出し、小林がシュート。
32分、中村のFKから車屋がつなぎ、谷口が決めたがオフサイド。
38分、小林の右クロスにダミアンが頭で合わせるが、これもオフサイド。
前半、ゴールは決まらなかったが、ワンタッチを交えてゴールに迫った。

浦和はブロックを組んで守ってきた。
攻撃ではつなぐ意識はあるものの、川崎のプレスが強く、思うように運べない。
ロングボールを蹴らされて回収され、守備の時間が長くなった。


マスコット総選挙のトップ3。
 ベガッ太(3位)
 ヴィヴィくん(2位)
 グランパスくん(優勝・連覇)

■2nd half
前半は控え目だったマギーニョと車屋が前に出ていく。
浦和は対峙する宇賀神友弥(3)と橋岡大樹(27)が孤立していて、押し込まれた。
バイタルでもスライドが遅れ、川崎に自由なプレーを許してしまう。

49分、マギーニョのパスからダミアンがシュート。
50分、ダミアンのパスから小林が中央でミドル。
次々に浦和ゴールに迫っていき、52分。
家長のふわっとした左クロスをダミアンが頭で落とす。
ゴール前で中村が競り合って、こぼれたところをダミアンがゴール。
高く上がったボールがバウンドした瞬間を、ボレーで合わせる難しいシュート。
ダミアンは躊躇することなく、簡単そうに決めた。

失点してからも、浦和は反撃に出てこない。
川崎のプレスでボールを奪われて、カウンターを浴びた。
スペースが空き始めると、投入された齋藤や知念が仕掛けていった。

■summary
浦和はいったん陣形が崩されると、修復が遅くなった。
攻撃も機能せず、セットプレーでチャンスを作るのが精一杯。
主導権を握られたまま、試合を終えた。

ただ、浦和はコンディションを整えている段階のように思えた。
明らかに動きが重く、スプリントも少なかった。
だとすると、今日の結果を悲観する必要はないかもしれない。


川崎は順調な仕上がりを見せた。
新加入のダミアン、マギーニョが先発し、馬渡が途中出場。
連携や相互理解はまだまだだが、これからの期待は膨らむ。

前線からのプレスが面白いように効いていた。
ダミアンは献身的にスプリントを繰り返し、ボールを追った。
遅攻になっても、ダミアンのポストプレーで中央から崩していった。
攻撃されることも少なく、危なげなく勝利することができた。

★cup winner
2度目の出場のFUJI XEROX SUPER CUPで、初優勝。
1試合制の大会とはいえ、素晴らしいこと。
この経験を活かし、カップ戦のタイトルを獲得してほしい。


■goal
52ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 仕事は少なかった。56分、柏木陽介(10)のFKをキャッチ。
マギーニョ(26) 6.0 初出場。右からクロスを上げ、細かいドリブルで縦に進んだ。
奈良竜樹(3) 7.0 鉄壁な守り。35分、ボレーシュート。75分、齋藤に縦パスを供給。
谷口彰悟(5) 6.0 守備もパスも良かったが、35分にクリアミス、67分にボールロスト。
車屋紳太郎(7) 6.5 前半は抑え気味だったが、後半、積極的に上がって攻撃に参加した。
守田英正(6) 6.5 トラップからのターンで前に進む。16分、カウンターからシュート。
大島僚太(10) 6.5 自分は動かずに周囲を使った。前線の受け手を狙ってパスを入れる。
小林悠(11) 6.5 ダミアンの周囲で衛星的な動き。30分、50分とミドルシュート。
中村憲剛(14) 6.0 自由に動いて浦和の守りのバランスを崩す。セットプレーを担当。
家長昭博(41) 6.5 13分、何度もチャージを受けながらもドリブル。78分にシュート。
ダミアン(9) 7.0 初出場。激しいプレスを仕掛け、決勝ゴール。才能の一端を見せた。

■sub
70(26)馬渡和彰(17) 5.5 初出場。トラップもパスもまずまず。87分、ロングシュート。
70(14)齋藤学(19) 6.0 ボールを持つと切れ味鋭いドリブルで仕掛けていった。
79(6)田中碧(25) 6.0 83分、浦和のダイレクトパスからの攻撃を止めた。
79(9)知念慶(20) 6.0 ポストをこなす。89分、トラップから1人抜いてシュート。
88(11)阿部浩之(8) 5.5 右WGに入る。走ってスペースを埋める。

■bench
新井章太(21) 登里享平(2)

■coach
鬼木達 6.5 内容で圧倒し、きちっと結果を出す。交代はやや遅かったか。

■referee
家本政明 6.5 素晴らしいジャッジ。ストレスの少ない試合を作った。

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FXSCと川崎のエンブレムに、チャンピオンの文字。

家長昭博(41)と守田英正(6)。
FXSCのメダルを掛けています。

2018/11/11

181110C大阪2-1川崎(J1 #32)★

C大阪2-1川崎(ヤンマースタジアム長居, 14:00KO, 26,600人)

J1リーグ制覇に王手を掛けた柏戦(J1 #31)から中6日。
残り3試合で、2位広島と勝ち点7差。
川崎が勝つか、広島が負けるか、どちらもドローであれば今日優勝が決まる。
去年は最終節(2017 J1 #34)で逆転したが、今年は余裕ある展開となった。















先発は、柏戦から3人変更。
ケガで欠場していた車屋と大島が復帰する。
山形戦(天皇杯 QF)で退場し、柏戦で出場停止だったソンリョンも戻る。

小林は柏戦で左眼窩底を骨折(全治3週間程度)し、欠場する。
また、下田と新井がベンチスタートとなった。














C大阪は、現在J1リーグで8位。
川崎との対戦は、去年のルヴァンカップ決勝から次のとおり3連勝中。
 171104C大阪2-0川崎(YLC Final)
 180210川崎2-3C大阪(FXSC)
 180411川崎1-2C大阪(J1 #7)

■1st half
立ち上がり、川崎が猛攻を仕掛ける。
セレッソはボールに厳しく寄せず、見守る守備。
余裕のあるパス交換でスペースを突きながら、崩していった。
4分の中村、5分の守田、10分の家長と阿部と、序盤に多くのシュートを放つ。

川崎がペースを落とし、セレッソが守備を修正して、徐々にボールを持てなくなる。
1トップの阿部が動き回るため、サイドを崩しても中央にターゲットがいない。
36分には登里が負傷で退き、知念が1トップに入るが、攻撃は改善しなかった。

40分に柿谷曜一朗(8)が決定機を迎えると、セレッソの時間が続く。
ピッチを広く使いながら、長い距離のパスでシンプルに攻めてきた。
CKが続き、その流れから44分にソウザ(11)がミドル。
次いで杉本健勇(9)がゴール前でシュートを放った。

■2nd half
後半スタートは、また川崎がペースを握る。
しかし、55分。GKキム・ジンヒョン(21)のスローからカウンターを受ける。
田中亜土夢(32)が左クロスを入れ、杉本がトラップで谷口を華麗にかわしてゴール。
あっさりと失点してしまった。

川崎は1点を追って攻めていく。
しかし、動きが鈍く、ボールを失ってもプレスバックができない。
ボールを奪われると簡単にゴール前に運ばれ、ピンチを作られた。

敗色が濃くなった89分。
知念が頑張ってバックパスを追い、DFとGKよりも先に身体を入れてPKを獲得。
家長がPKを決め、同点に追いつくことができた。

しかし、90+4分。
齋藤がバックパスを相手に渡すと、そこからカウンターを浴びる。
戻りが遅くなり、福満隆貴(17)のクロスを山村和也(24)に決められた。

■summary
セレッソのカウンター2発に沈んだ。
終了間際に知念のPKで同点にすることができたが、その後の意思統一ができなかった。
攻撃に迫力なく、逆に守備では綻びが目立っていた戦況。
同点でも良かったが、齋藤の判断ミスから逆転を許した。

セレッソに4連敗。
引いて動かない守備を攻めあぐね、縦に早い速攻で仕留められる。
有利な日程なのに、先に運動量が落ちてしまう。
同じスタイルに、何度も負けてしまうのは残念。

内容的には妥当な敗戦だが、最後にミスで失点したことも反省すべき。
もっと試合の流れを読み、劣勢でも勝ち点を得る盤石さを見せてほしい。


■champions★★
セレッソには負けたが、2位広島が負けた。
残り2試合で勝ち点7差のままとなり、J1リーグ2連覇が決まった。
1999年、2004年のJ2リーグ、2017年のJ1リーグに続く4度目のタイトル。















目の前の試合に負けたので、優勝した嬉しさは中途半端。
こういうシチュエーションも、川崎らしいのかもしれない。

2度目の優勝は、初優勝のときみたいな強烈な感動はなかった。
静かに、ゆっくりと、去年とは違った喜びを味わっていたい。














次節は代表ウィークを挟み、中13日のFC東京戦(J1 #33)。
今シーズン、J1リーグでは5チームに負けているが、FC東京もその1つ。
すでに、浦和とC大阪にシーズンダブルを許している。
消化試合だが、内容で圧倒してしっかり勝ちたい。

■goal
55杉本健勇(9) 90+4山村和也(24)
90PK家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 44分、ソウザのミドルをパンチング。78分、クロスに出るが触れず。
エウシーニョ(18) 6.0 右サイドから細かいパス交換で仕掛けた。何度もクロスを上げる。
奈良竜樹(3) 5.5 仕事は少なかったが、戻りながらの守備で、セレッソを止められず。
谷口彰悟(5) 5.0 55分、杉本に抜き去られて失点。CKからの攻撃ではヘッドで狙った。
車屋紳太郎(7) 5.0 ケガからの復帰戦。75分に左から鋭いクロス。もっと仕掛けたい。
大島僚太(10) 5.0 フリーで前を向き、縦にボールを入れる。攻撃を牽引しきれず。
守田英正(25) 6.0 5分、ゴール前でボレー。76分から右SBに入り、パスの起点となった。
家長昭博(41) 6.0 複数で囲まれてもドリブルで抜け出す。90分、落ち着いてPKを決める。
中村憲剛(14) 5.5 多くのCKとFKを担当したが、味方に合わせられなかった。
登里享平(2) 5.5 いろいろな位置に顔を出した。37分、負傷交代。
阿部浩之(8) 5.5 1トップで出場し、目まぐるしく動く。10分、右サイドからミドル。

■sub
37(2)知念慶(20) 6.0 1トップに入る。89分、粘り強くボールを追い、PKを獲得。
76(18)鈴木雄斗(27) 5.5 力強いドリブルで、右サイドの狭いエリアを打開する。
76(8)齋藤学(37) 4.5 90+4分、バックパスをミス。全力で戻らず、決勝点を許す。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 下田北斗(22) 長谷川竜也(16) 

■coach
鬼木達 5.0 セレッソの守備を崩し切れなかった。同点後の戦術を統一すべき。

■referee
村上伸次 6.0 良いポジションで、しっかりプレーを見極めていた。

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