2021/01/17

210117シーズン回顧(2) 2020選手別平均採点

2020シーズン回顧(2) 2020選手別平均採点

2020シーズンの川崎フロンターレ。
 J1リーグと天皇杯の2冠を獲得し、J1リーグのベストイレブンに9名が選出。
 1回目の各種ランキングに続いて、2回目は選手別の平均採点を見る。

41試合のプレー時間の合計は、3,982分。
 この時間には、前後半のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。

exdrives における採点から、出場時間に照らし各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.073点。
(2019年5.943点、2018年5.883点、2017年6.036点、2016年6.028点、2015年6.014点、2014年5.870点)。


G大阪戦(J1 #29)でJ1リーグ優勝が決定。
チーム全員でシャーレを掲げる。
金色のバスタブには中村憲剛(14)。

GK、DF、MF、FWの4ポジション別に、出場時間順に並べた。
 ポジションは登録上のものでなく、実態に合わせた。
 2020シーズンは4-3-3だったので、サイドバックはDFに含めている。
 家長や旗手は、MF(インサイドハーフ)でも出場したが、FWに含めた。

なお、移籍情報は随時更新します。


■goal keeper
チョン・ソンリョン(1) 40試合3884分出場 平均採点6.20 ベンチ0試合
 ベストイレブン(2年ぶり2回目)。40試合にフル出場し、チーム最多の出場時間。
 加入5シーズン目は、新井章太が移籍したこともあって、レギュラーを奪還。
 飛び出しの遅さはあったが、リスタートのタイミングや正確性も向上している。
丹野研太(27) 1試合98分出場 平均採点5.50 ベンチ35試合
 (2020シーズン C大阪(J1)から完全移籍で加入)
 YLC鹿島戦(YLC GL #2)が唯一の出場。2失点したが、まずまずだった。
 33歳で加入して、第2キーパーとして、35試合でベンチ入りを果たす。
安藤駿介(24) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ6試合
 シーズン当初は丹野研太と交互にベンチ入りした。
 2017年から4年間、出場なしとなっている。
馬渡洋樹(21) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2019年7月 愛媛(J2)から期限付き移籍、2020シーズン 完全移籍で加入)
 2020年は完全移籍に移行したが、中断期間中の3月に岡山へ移籍。
 2019年7月に加入してから、出場もベンチ入りもなかった。
 チームは異例のGK5人体制で始動したが、馬渡の移籍で4人体制に戻った。
 (2020年3月 岡山(J2)へ完全移籍)
藤嶋栄介(23) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2019シーズン 山口(J2)から期限付き移籍で加入、2020シーズン 完全移籍で加入)
 2020年、完全移籍となったが、9月に契約解除。直後の10月に山形に加入した。
 2019年に加入してから、出場もベンチ入りもなかった。
 (2020年9月 契約解除、10月 山形(J2)に加入)
イ・キョンテ(40) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2020年10月 岡山(J2)から2021年1月1日までの期限付き移籍で加入)
 藤嶋栄介の契約解除を受けて、10月に4人目のGKとして加入。
 出場もベンチ入りもなかった。
 岡山には馬渡が移籍し、ポープが期限付き移籍。川崎とGK3名の移動があった。
 (2020シーズン 岡山(J2)からの期限付き移籍を2022年1月1日まで延長)


GK4人組。
イ・キョンテ(40)、チョン・ソンリョン(1)、菊池新吉GKコーチ、安藤駿介(24)、丹野研太(27)。
G大阪戦(J1 #29)でのJ1リーグ優勝決定後。

■defender
山根視来(13) 38試合3595分出場 平均採点5.94 ベンチ0試合
 (2020シーズン 湘南(J1)から完全移籍で加入)
 ベストイレブン(初受賞)。J1リーグ4ゴール。
 エウシーニョが移籍した2019年、苦労したRSBを埋めて余りある活躍。
 右サイドで家長と組んで攻撃を活性化しながら、守備でも貢献した。
ジェジエウ(4) 36試合3262分出場 平均採点6.08 ベンチ0試合
 ベストイレブン(初受賞)。J1リーグ3ゴール。
 名古屋戦(J1 #23)で来日初ゴールを含む2ゴール、横浜FM戦(J1 #30)で決勝ゴール。
 スピードと高さを活かして広い範囲を守る。ケガなく出場時間を増やした。
谷口彰悟(5) 36試合3241分出場 平均採点6.07 ベンチ1試合
 ベストイレブン(2年ぶり2回目)。J1リーグ3ゴール。
 今年、小林悠からキャプテンを受け継ぎ、チームを力強く牽引した。
 大分戦(J1 #28)では退場となっても、下を向くことなく味方を鼓舞した。
登里享平(2) 33試合2820分出場 平均採点6.02 ベンチ5試合
 ベストイレブン(初受賞)。サポーターに愛される登里が、個人タイトルで認められた。
 LSBで全体を俯瞰しながら心憎い動きで、左FWの三笘や長谷川、齋藤学を使った。
 たびたびゴール前で決定機を迎えるが、残念ながらシュートは入らず、ノーゴール。
車屋紳太郎(7) 27試合1501分出場 平均採点5.93 ベンチ9試合
 登里のクオリティが高かったため、LSBのレギュラーを譲った。
 バックアッパーの立場でも準備を怠らず、LCBも含めて27試合に出場。
 札幌戦(J1 #10)で、2016年の湘南戦(2016 J1 #23)以来のJ1リーグでのゴール。
山村和也(34) 14試合748分出場 平均採点6.39 ベンチ6試合
 CBだけでなく、小林悠の離脱時には1トップとしても起用される。
 正確なトラップとパスを駆使して、良いプレーを見せてくれた。
 広島戦(J1 #16)で、天国の第3子へ捧げるミドルシュートを決める。
ジオゴ・マテウス(17) 3試合289分出場 平均採点6.17 ベンチ1試合
 (2020シーズン フェロヴィアリア(BRA)から2021年1月31日までの期限付き移籍で加入)
 RSBとして新規加入。山根が好調だったため、3試合だけの出場にとどまる。
 正確な右クロスとプレースキックを見せ、守備では素早い戻りで貢献した。
 (2021シーズン 期限付き移籍満了)
イサカ・ゼイン(15) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2020シーズン 桐蔭横浜大学から加入)
 2019年は特別指定で2試合ベンチ入りしたが、今年は出場もベンチ入りもなかった。
神谷凱士(26) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2020シーズン 東海学園大学から加入)
 左利きのCB。出場もベンチ入りもなかった。

■midfielder
守田英正(6) 38試合2943分出場 平均採点6.37 ベンチ2試合
 ベストイレブン(初受賞)。プロ3年目にして浦和戦(J1 #33)でJ1リーグ初ゴール。
 8月29日の清水戦(J1 #13)以降、アンカーのポジションを田中碧から奪還。
 連戦でも走り続けて中盤に君臨。2冠のために欠かせない活躍だった。
 (2021シーズン CDサンタ・クララ(POR)へ完全移籍)
田中碧(25) 38試合2872分出場 平均採点5.98 ベンチ3試合
 ベストイレブン(初受賞)。J1リーグ5ゴール、天皇杯1ゴール。
 アンカーのポジションを守田と争い、9月以降はインサイドハーフでの出場が増える。
 思い切りの良いシュートは意外性があった。セットプレーも担当する。
大島僚太(10) 30試合2098分出場 平均採点6.11 ベンチ0試合
 インサイドハーフで積極的にシュート。J1リーグ3ゴール、YLC1ゴール。
 9月20日の浦和戦(J1 #17)以降、負傷離脱と復帰を繰り返した。
 出場すれば、シンプルなプレーで周囲を使い、明らかな違いを生み出した。
脇坂泰斗(8) 37試合1999分出場 平均採点5.88 ベンチ1試合
 コンスタントに先発出場を続けていたが、終盤は途中出場が増えた。
 スピードある攻撃を、滑らかなパスでデザインする。
 守備でもしっかりと上下動を繰り返し、運動量も多かった。
中村憲剛(14) 14試合609分出場 平均採点6.01 ベンチ3試合
 2019年11月2日の広島戦(2019 J1 #30)で左前十字靭帯損傷。
 手術から長期間のリハビリを経て、8月29日の清水戦(J1 #13)で復帰。
 40歳の誕生日、10月31日のFC東京戦(J1 #25)で決勝点を決め、翌11月1日に引退発表。
 天皇杯秋田戦(天皇杯 SF)が、18年間の現役最後のプレーとなった。
 (2020シーズンで引退)
下田北斗(22) 16試合602分出場 平均採点6.01 ベンチ7試合
 ロングキックやセットプレー、豊富な運動量を武器に、8月までは中盤で重宝された。
 9月以降、中村憲剛が復帰してからは、プレー機会が限られた。
 (2021シーズン 大分(J1)へ完全移籍)
原田虹輝(28) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 昌平高校から加入2年目。今年も出場がなくベンチ入りもなかった。
 公式の練習動画では、きれいなトラップや力強いシュートを見せていた。
 (2021シーズン 鳥取(J3)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)


引退する中村憲剛(14)にキャプテンマークを巻く大島僚太(10)。
G大阪戦(J1 #29)でのJ1リーグ優勝決定後。


■forward
家長昭博(41) 34試合2611分出場 平均採点5.97 ベンチ1試合
 ベストイレブン(2年ぶり2回目)。J1リーグ11ゴール、YLC1ゴール。
 抜群のキープ力で攻撃を差配しつつも、守備では気まぐれさを感じることもあった。
 G大阪戦(J1 #29)で3ゴール、柏戦はホーム(J1 #4)アウェイ(J1 #34)も2ゴール。
レアンドロ・ダミアン(9) 40試合2252分出場 平均採点6.11 ベンチ1試合
 チームで唯一全41試合にメンバー入り。J1リーグ13ゴール、YLC1ゴール。
 出場時間が伸びてくるとキレを欠いたが、決定力の高さを見せる。
 ゴール前でこぼれたボールを待ち受けて、冷静に押し込むゴールが印象的だった。
三笘薫(18) 37試合2131分出場 平均採点6.40 ベンチ0試合
 (2020シーズン 筑波大学から加入)
 ベストイレブン(初受賞)。J1リーグ13ゴール、YLC3ゴール、天皇杯2ゴール。
 鋭いドリブルとシュート、右アウトサイドのクロスで川崎の攻撃を牽引した。
 天皇杯は2試合ともに決勝ゴール。タイトル獲得に大きく貢献した。
旗手怜央(30) 38試合2010分出場 平均採点5.86 ベンチ2試合
 (2020シーズン 順天堂大学から加入)
 同じ大卒ルーキーの三笘に隠れつつも、燦然と輝くJ1リーグ5ゴール。
 FW、インサイドハーフ、チーム事情からLSBにも入る器用さを見せる。
 ピッチを這うような重いミドルシュートで、守備的な相手を攻略する。
小林悠(11) 34試合1737分出場 平均採点6.16 ベンチ0試合
 負傷離脱が多く、出場時間が限られつつもJ1リーグ14ゴール、YLC4ゴール。
 ダミアンとプレー時間をシェアしながら、三笘とともにチームのトップスコアラーとなる。
 決定機やPKを外すこともあったが、浦和戦(J1 #33)などでゴラッソを決めた。
齋藤学(19) 27試合1123分出場 平均採点6.07 ベンチ2試合
 8月下旬までベンチ外が多かったが、清水戦(J1 #13)以降、出場機会を掴む。
 鋭いスプリントでプレスを仕掛けて、疲れて動けなくなったチームを救った。
 J1リーグ1ゴール、YLC1ゴール。FWとしてはゴールに恵まれなかった。
 (2021シーズン 名古屋(J1)へ完全移籍)
長谷川竜也(16) 15試合719分出場 平均採点6.03 ベンチ0試合
 開幕当初はレギュラーだったが、7月22日の仙台戦(J1 #6)で左膝の内側側副靭帯を損傷。
 全治4週間と発表されたが、11月14日の鹿島戦(J1 #27)まで長期離脱することとなった。
 J1リーグ3ゴール、YLC2ゴール。復帰後はスピードが戻らず、活躍できなかった。
宮代大聖(20) 21試合566分出場 平均採点5.54 ベンチ6試合
 (2020シーズン 山口(J2)への期限付き移籍から復帰)
 YLCのU21枠を埋め、2月16日の清水戦(YLC GL #1)で川崎でのデビューを飾る。
 過密日程の中、出場機会を得て、J1リーグ1ゴール、YLC1ゴールを決めた。
 (2021シーズン 徳島(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)


抱き合うダミアン(9)と小林悠(11)。
G大阪戦(J1 #29)でのJ1リーグ優勝決定後。


(特別指定) ※出場なし
橘田健人(31) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 6月に加入内定、特別指定。桐蔭横浜大学4年生。
 (2021シーズン 新規加入)

(2種登録)
 登録なし。

■rental
ポープ・ウィリアム
 (2020シーズン 岡山(J2)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 大分(J1)へ完全移籍)
マギーニョ
 (2020シーズン 横浜FC(J1)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 横浜FC(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
馬渡和彰
 (2020シーズン 湘南(J1)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 大宮(J2)へ完全移籍)
タビナス・ジェファーソン
 (2020シーズン G大阪(J1)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 水戸(J2)へ完全移籍)
カイオ・セザール
 (2020シーズン 長崎(J2)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 長崎(J2)へ完全移籍)
鈴木雄斗
 (2020シーズン 松本(J2)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 磐田(J2)へ完全移籍)
三好康児
 (2020シーズン ロイヤル・アントワープFC(BEL)へ2020年6月までの期限付き移籍)
 (2020年4月 ロイヤル・アントワープFC(BEL)へ完全移籍)
宮城天
 (2020シーズン ユースから昇格、富山(J3)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 復帰)
知念慶
 (2020シーズン 大分(J1)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 復帰)
遠野大弥
 (2020シーズン Honda FC(JFL)から完全移籍で加入、福岡(J2)へ2021年1月31日までの期限付き移籍)
 (2021シーズン 復帰)

■coach
鬼木達 平均採点6.03
 最も高い評価は7.0点で、次の4試合。
  FC東京戦(J1 #3)清水戦(J1 #13)横浜FM戦(J1 #14)名古屋戦(J1 #23)
 最も低い評価は3.5点で、札幌戦(J1 #26)だった。
 (2019年5.81、2018年5.72、2017年6.12)

■referee
平均採点5.90
 (2019年5.70、2018年5.71、2017年5.72、2016年5.69、2015年5.61)

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2021/01/10

210110シーズン回顧(1) 2020ランキング

2020シーズン回顧(1) 2020ランキング

2020シーズンの川崎フロンターレ。
 J1リーグと天皇杯で優勝。初めて複数タイトルを獲得した。
 新型コロナウイルスによって大きな影響があったシーズンを振り返る第1回目。

公式戦は41試合だった。
 J1リーグ34試合、YBCルヴァンカップ5試合、天皇杯2試合。

2019年は50試合だったので、9試合の減。
 ACLに出場せず、新型コロナウイルスの影響でYLCと天皇杯の試合数が減った。
 2018年も47試合で、試合数の少なさからも異例のシーズンだったことが分かる。

それでも川崎は、他チームと比べれば多くの試合があった。
 仙台、浦和、広島、鳥栖は、YLCが2試合で、天皇杯もなく、公式戦は36試合だった。


G大阪戦(J1 #29)でJ1リーグ優勝が決定。
3度目のシャーレを掲げる。

■J1リーグ 優勝★
 勝ち点83 34試合26勝5分3敗 得失点差+57
  圧倒的な成績で、2年ぶりにタイトルを奪還。3度目の優勝を飾った。
  2005年以降、18チーム制となってからの新記録を数多く打ち立てた。

  最多連勝 10連勝、12連勝 (9連勝 : 2007鹿島、2018G大阪)
   ※同一シーズン中で、90分間の勝利に限る。
  最速優勝 残り4試合 (残り3試合 : 2010名古屋)
  最多勝ち点 83点 (74点 : 2015広島、2016浦和)
  2位との最大勝ち点差 +18点 (+12点 : 2018川崎)
  最多勝利 26勝 (23勝 : 2010名古屋、2011柏、2015広島、2016浦和)
  最少敗戦 3敗 (4敗 : 2007浦和、2016浦和、2017川崎)
  最多得点 88点 (84点 : 2006川崎)
  最多得失点差 +57点 (+43点 : 2015広島)
  ベストイレブン 9人 (7人 : 2018川崎)

■YBCルヴァン・カップ(YLC) ベスト4
 5試合3勝1分1敗 得失点差+9
  6試合制から3試合制に縮小されたグループリーグは、2勝1分で首位通過。
  プライムステージ(これも1試合制)の準々決勝で神戸に勝ち準決勝でFC東京に敗れた
  ベスト4となって、唯一タイトルを獲得できなかった。

■天皇杯 優勝★
 2試合2勝 得失点差+3
  J1リーグのチームは、1位川崎と2位G大阪だけが準決勝から出場した。
  異例のレギュレーションの中で、準決勝で秋田に決勝でG大阪に勝ち、初優勝を飾った。


3つの大会の合計は、41試合31勝6分4敗。
41試合のプレー時間の合計は、3,982分。
 この時間には、前後半のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。
 exdrives における採点から、出場時間に応じて各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.073点
 exdrives をスタートした2014年以降、2017年を超えて最高の平均採点となった。

 過去のチーム全体の平均採点は次のとおり。
  2019年 5.943点
  2018年 5.883点
  2017年 6.036点
  2016年 6.028点
  2015年 6.014点
  2014年 5.870点

■high player (season) 
 1,000分以上出場した16選手で、シーズン平均採点が高かったのは次の選手。
  カッコ内は2019年、2018年の順位。
  在籍していない年は (-)、1,000分未満の出場の年は (x) とした。
  1,000分以上出場したのは2019年は22選手、2018年は16選手。
  試合数が減り、総プレー時間が減った影響もあった。
  ただ、その中でも過密日程のため、選手起用はある程度分散していたといえる。

1位(x,x) 三笘薫(18) 37試合2131分出場 平均採点6.40 ベンチ0試合
2位(19位, 3位) 守田英正(6) 38試合2943分出場 平均採点6.37 ベンチ2試合
3位(17位, 9位) チョン・ソンリョン(1) 40試合3884分出場 平均採点6.20 ベンチ0試合
4位(16位, 2位) 小林悠(11) 34試合1737分出場 平均採点6.16 ベンチ0試合
5位(4位, -) レアンドロ・ダミアン(9) 40試合2252分出場 平均採点6.11 ベンチ1試合


三笘薫(18)。
C大阪戦(J1 #11)であんたが大賞。

 三笘薫を最も高く評価した。
  筑波大学から新卒加入して、圧倒的なドリブルと決定力で、2冠に大きく貢献。
  三笘の平均採点6.40は、exdrives における史上最高点。
 2位の守田の平均採点6.37も、三笘との差はわずかで、例年であればMVPに値する。

 逆に平均採点が低かったのは、16位旗手玲央、15位脇坂泰斗、14位車屋紳太郎。
 2019年に上位だったジェジエウは7位(1位)、阿部浩之は名古屋(J1)へ移籍(2位)、下田は1,000分未満の出場でランク外だった(3位)。

 過去の exdrives におけるMVPは、次のとおり。
  2019年 ジェジエウ(4) 平均採点6.24。
  2018年 家長昭博(41) 平均採点6.25。
  2017年 ソンリョン(1) 平均採点6.32。
  2016年 小林悠(11) 平均採点6.30。
  2015年 大島僚太(16) 平均採点6.25 
  2014年 中村憲剛(14) 平均採点6.25。

■play time (season)
 41試合3,982分のうち、出場時間が長かったのは次の選手。
 カッコ内は2019年、2018年の順位。

1位(2位, 4位) チョン・ソンリョン(1) 40試合3884分出場 平均採点6.20 ベンチ0試合
2位(-, -) 山根視来(13) 38試合3595分出場 平均採点5.94 ベンチ0試合
3位(17位, -) ジェジエウ(4) 36試合3262分出場 平均採点6.08 ベンチ0試合
4位(1位, 1位) 谷口彰悟(5) 36試合3241分出場 平均採点6.07 ベンチ1試合
5位(6位, 11位) 守田英正(6) 38試合2943分出場 平均採点6.37 ベンチ2試合


名古屋戦(J1 #23)のソンリョン(1)。
試合前のアップを終えて引き上げる。

 ソンリョンが出場時間1位。欠場した1試合以外でフルタイム出場した。
 2年連続で1位だった谷口が、4位となっている。

 出場試合数で見ると、ソンリョンとダミアンが40試合で最も多かった。
 ベンチ入り(出場なし)も含めたメンバー入りは、ダミアンが41試合で、2年連続のトップ。
 ベンチ入りは、丹野研太が35試合で最も多かった。

■high game
 各試合ごとに出場選手の採点を、出場時間に応じて平均した。
 平均採点が高かったのは、41試合のうち次の試合。

1位 201031川崎2-1FC東京(J1 #25) 平均採点6.74
 YLC準決勝(YLC SF)で敗れたFC東京に完勝。決勝点は中村憲剛の現役最後のゴール。
2位 201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★ 平均採点6.70
 ドロー以上でJ1リーグ優勝が決まる1位2位対決を、5得点で圧勝。
3位 200902神戸0-6川崎(YLC QF) 平均採点6.66
 3週連続の神戸戦の2戦目。疲労困憊だった初戦(J1 #24)を払拭する快勝劇。

 スコアは接戦だったものの、FC東京を圧倒した試合がベストゲーム。
 2位3位は、大量得点かつ無失点で圧勝したゲーム。

■low game
 逆に平均採点が低かったのは41試合のうち次の試合。

41位 201103川崎0-2札幌(J1 #26) 平均採点4.89
 札幌の厳しいマークに手も足も出なかった。致命的なロストを繰り返した。
40位 201007川崎0-2FC東京(YLC SF) 平均採点5.37
 自陣に引き籠って守るFC東京を崩せず。セットプレーとカウンターで2失点。
39位 200826神戸2-2川崎(J1 #24) 平均採点5.48
 最終ラインが疲労困憊で動きが鈍かった。内容は悪かったがドローに持ち込む。

 今シーズン4敗のうち、2試合が入った。
 残りの2敗は、名古屋戦(J1 #12)が33位、大分戦(J1 #28)が35位。

■high player (each game)
 各試合の採点で、最も高かったのは8.0点。6回あった。

8.0 小林悠(11) 200722仙台2-3川崎(J1 #6)
 0-2のビハインドの状況で後半開始から投入。2ゴール1アシストで逆転に導く。
8.0 三笘薫(18) 200905横浜FM1-3川崎(J1 #14)
 たった1人でマリノスの左サイドを切り崩し、2ゴール。劣勢のチームを救う。
8.0 ジェジエウ(4) 201018川崎3-0名古屋(J1 #23)
 完璧な守備を見せつつ、セットプレーから来日初ゴールを含む2ゴール。
8.0 守田英正(6) 201031川崎2-1FC東京(J1 #25)
 厳しいマークを苦にせず、中盤に君臨する。守備では危険の目を摘んだ。
8.0 家長昭博(41) 201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★
 頑張ってプレスを仕掛け、ハットトリックを達成。J1リーグ優勝を決めた。
8.0 三笘薫(18) 201118川崎3-1横浜FM(J1 #30)
 またもマリノス戦で左サイドを制圧。先制ゴール、PK奪取、1アシスト。

 6回ともにJ1リーグの試合。
 三笘薫は採点8.0が2回あり、どちらも横浜Fマリノス戦。
 今シーズンのハットトリックは、G大阪戦(J1 #29)の家長昭博の1回だった。

■low player (each game)
 各試合の採点で、最も低かったのは3.5点。2回だった。

3.5 家長昭博(41) 201103川崎0-2札幌(J1 #26)
 運動量が少なくて、戻りも遅かった。バックパスをミスして1失点を与えた。  
3.5 谷口彰悟(5) 201121大分1-0川崎(J1 #28)
 34分、ハイボールの目測を誤り、PKを与えた上にレッドカード。敗戦を招いた。

 次に低かったのは4.0点。1回だった。

4.0 守田英正(6) 201103川崎0-2札幌(J1 #26)
 サポートが少なく、1ボランチで孤立。囲まれてボールロストを繰り返した。

 今シーズンの退場は2回で、大島と谷口だった。
  大島は、名古屋戦(YLC GL #3)で2枚のイエロー。採点は5.0。
  谷口は、上記の大分戦(J1 #28)で1発レッド。採点は3.5。

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2021/01/02

210101川崎1-0G大阪(天皇杯 Final)★

川崎1-0G大阪(国立競技場, 14:40KO, 13,318人/16,000人)

今シーズンを締めくくる第100回天皇杯決勝。
 縮小開催のため、J1リーグ1位の川崎は、準決勝から出場する。
 準決勝では、J3優勝の秋田に勝利(天皇杯 SF)した。
 J2優勝の徳島に勝った、J1リーグ2位のガンバ大阪と中4日で対戦する。

チケットの一般販売は、コロナ禍の影響で中止となった。
 先行販売と招待席だけとなり、約16,000席で開催される。

川崎にとって、2度目の天皇杯決勝。
4年前の決勝は、鹿島に敗れて準優勝に終わっている。
 170101鹿島2-1川崎(天皇杯 Final)

先発は、秋田戦と同じ11人。
 LSBには旗手が入ることとなる。
ベンチの7人も変わっていない。


G大阪は、J1リーグ2位。
 天皇杯は準決勝から出場して、徳島に勝って決勝へ進出。
J1リーグでの対戦は、川崎のダブルだった。
 200801G大阪0-1川崎(J1 #8)
 201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★

■1st half
ガンバはプレスを掛けず、5バックで引き籠る。
 初めの10分を過ぎるとボールを運べず、自陣で守る時間が続いた。

川崎の強みである両サイドの家長と三笘には、スペースがなかった。
 逆にガンバはサイドの攻防に人数を割かれ、5バックでも中央に隙間ができていた。
 細かく縦パスを出し入れして、ガンバの守備を崩して突破していく。
 15分にダミアン、16分に三笘、22分にダミアンがシュートする。

27分、サイドに流れた守田の右クロスを家長がヘッド。
 30分、42分と山根が藤春廣輝(4)を鋭いドリブルで抜き去ってクロス。
 43分、三笘が1人抜いてシュートするなど、圧倒的に攻め立てた。

ガンバはブロックを低い位置で組んで、耐える展開。
 FWパトリック(18)にロングボールを入れる戦術だが、川崎に易々と回収される。
 数少ないチャンスは28分、小野瀬康介(8)の右クロスをパトリックがヘッド。

■2nd half
後半も川崎が攻め続ける。
 55分、ダミアンのラストパスを三笘が先制ゴール。
 何度もシュートを止めていたGK東口順昭(1)の牙城を崩し、リードする。

ガンバは防戦一方で、自陣のパスも満足に繋げないまま。
しかし、74分に宮本恒靖監督が仕掛ける。
 FW渡邉千真(39)と福田湧矢(14)を投入し、2トップとする。
 代わりにLSB藤春とボランチ山本悠樹(29)を下げて、攻撃の人数を増やした。

4バックにすることで守備が安定し、川崎を押し込むことに成功する。
 2トップのパトリックと渡邉がターゲットとなって、セカンドボールを拾った。
 ボランチに動いた倉田秋(10)が、正確な縦パスを入れて、厚く攻撃を仕掛けた。

川崎はクリアするのが精一杯となり、オープンな展開に持ち込まれる。
 82分、90+4分には長谷川が決定機を迎えるが、決められない。
 ガンバは83分の渡邉、85分の宇佐美貴史(33)、90分の福田と決定機を立て続けに作った。
 GKソンリョン、谷口とジェジエウを中心にゴール前を固めて、泥臭く逃げ切った。

■summary
ガンバは守りに徹する時間が長く、多くの決定機を作られた。
 しかし、GK東口のセーブなどで、1失点で耐え凌ぐことに成功する。
 最後の時間帯、ゴールは奪えなかったが、2トップで良い攻撃を見せた。

5バックは消極的にも感じたが、勝つためには悪くないプラン。
 正面から川崎と戦うよりも、可能性はあったと思われる。
 先に得点できれば、無失点で耐えれば、同点に追いつければ。
 何らかのタラレバが起きていれば、延長そしてPK戦に持ち込めたかもしれない。


■cup winner★★★★★
川崎は天皇杯2度目の決勝で、初めての優勝を飾った。
 今年は縮小開催のため、2勝だけで優勝に辿り着けるレギュレーション。
 与えられた準決勝と決勝の2つの試合を勝ち切って、タイトルを獲得した。

カップ戦としては、2019年のYBCルヴァンカップに続く2度目の優勝。
 2019年のYLCは、延長戦を経てPK戦での決着だった。
 初めて90分間でカップ戦を制したこととなる。

1999、2004年のJ2リーグ。
2017、18、20年のJ1リーグ。
2019年のYLCに続く、7つ目のタイトル、5つ目の星。
そして、国内の3大タイトルをすべて制覇したこととなる。

2020シーズンは、これで全日程を終える。
 J1リーグ優勝とともに天皇杯を獲得し、初めての複数タイトルを実現。
 素晴らしいシーズンとなった。


■goal
55三笘薫(18) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 83分、致命的なキャッチミス。82分、85分、90分にはビッグセーブ。
山根視来(13) 6.5 30分、42分と藤春を抜いてクロス。右サイドの攻撃の起点となっていた。
ジェジエウ(4) 7.0 パトリックへのロングボールを回収する。86分、身を投げ出してクリア。
谷口彰悟(5) 6.5 10分、パスミス。58分、FKをヘッド。83分、渡邉のシュートをカバー。
旗手玲央(30) 6.0 4試合目のLSBで、高い位置でプレー。3分、33分、44分にシュート。
守田英正(6) 6.5 どっしりと組み立てる。2分、田中碧へスルーパス。27分、右クロス。
田中碧(25) 6.0 2分、思い切り良くシュート。59分、DFを背負ったまま力強くシュート。
大島僚太(10) 6.5 ショートパスで切り崩す。15分、16分にラストパス。48分にシュート。
家長昭博(41) 6.0 27分、ヘッド。67分、76分、78分にもシュートを積極的に重ねた。
ダミアン(9) 6.0 15分、決定機。22分、28分に個人技でシュートに持ち込む。1アシスト。
三笘薫(18) 6.5 サイドでは埋もれていたが、16分、42分とシュート。55分、決勝ゴール。

■sub
79(9)小林悠(11) 5.5 プレスを仕掛ける。90+4分、ボールを奪い長谷川の決定機を作る。
79(18)長谷川竜也(16) 6.0 82分、90+4分に決定的なシュート。決めておきたかった。
86(30)車屋紳太郎(7) 6.0 混沌とした状況でLSBに入る。90+5分、試合を終えるクリア。
89(10)脇坂泰斗(8) 5.5 精力的にプレスした。ボールにほとんど触ることがなかった。

■bench
丹野研太(27) 山村和也(34) 中村憲剛(14) 

■coach
鬼木達 6.5 ガンバを圧倒。巻き返されても冷静に逃げ切って天皇杯を獲得した。

■referee
木村博之 6.5 落ち着きのある適切なジャッジ。決勝に相応しく、素晴らしかった。

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