2020/07/23

200722仙台2-3川崎(J1 #6)

仙台2-3川崎(ユアテックスタジアム仙台, 19:30KO, 2,507人/3,400人)

4連勝となった横浜FC戦(J1 #5)から中3日。
東京オリンピックの開会式(延期)を含む4連休の前日、水曜日開催。

ユアテックスタジアムは、3,400人上限で運用している。
Jリーグとしては5,000人上限だが、1メートル以上の間隔を空ける必要もあるため。


J1リーグでは5試合を終えて、4勝1分の勝ち点13。
2位FC東京とC大阪から、勝ち点1差の首位となっている。


先発は、横浜FC戦と同じ11人。
ベンチにはGK安藤が入り、GK丹野が外れる。


仙台は、2014年途中から6シーズン率いた渡邉晋監督が退任。
新たに木山隆之監督を迎えている。
 2018年、木山監督率いる山形(J2)戦(2018 天皇杯 QF)で、川崎は敗れている。
ここまでのJ1リーグは、1勝3分1敗の勝ち点6で11位。
2019シーズンの対戦は、川崎の1勝1分だった。
 190503川崎3-1仙台(J1 #10)
 190817仙台2-2川崎(J1 #23)

■1st half
川崎がボールを持つ展開となる。
ゆったりとトラップして、次のパスをつないでいく。
がっちりと組まれた仙台の守備ブロックの外側でボールを回す。

仙台は川崎のプレスに苦しみ、ボールを長く持てない。
それでもFW長沢駿(20)とFWジャーメイン良(19)を目掛けて、ロングボールを入れる。

30分、脇坂の横パスを長沢がカットし、ジャーメインがパスを入れる。
大島がカットして流れたボールに長沢が走り込み、美しい反転シュートを決めた。

続いて38分、道渕諒平(18)がロングシュート。
田中碧のシュートブロックで弾道が変わり、ゴール右隅にふわっと沈んだ。
仙台は幸運にも恵まれつつ、素晴らしいゴールで2点のリードを奪った。

川崎はスピードを上げられず、シュートまでたどり着けない。
崩し切る前にクロスボールを入れてしまい、仙台の高さに跳ね返された。
背後へのパスやスルーパスが少なく、ゴールに近づけなかった。
41分、脇坂のミドルシュートはわずかにゴール左を通過した。

■2nd half
2点のビハインドとなった川崎は、前線の3人を入れ替える。
前半終了間際に三笘、後半開始から小林悠と旗手を入れる。
家長が1列下がって、脇坂に代わって右インサイドハーフとなった。

左サイドを三笘がドリブルで疾駆する。
1人2人を引きつけながら、ボールを失わず鋭くゴールに向かった。
右サイドの旗手もさかんに裏抜けを狙い、仙台の守備ブロックを崩していく。
そして家長が中央でボールを持って、走り出す選手たちにボールを届けた。

58分、旗手の右クロスを小林悠がヘッドで捻じ込んで1点差。
直後の59分、山根がインターセプトからドリブルを仕掛け、小林悠とのワンツーからゴール。
あっという間に同点とすると、さらに68分。
CKの流れから、大島の右クロスを小林悠が難易度の高いジャンピングボレーで逆転した。

仙台は川崎のプレスの勢いをそのまま受けてしまった。
低い位置でボールを失っては、川崎に速攻を許した。

■summary
仙台は前半、4-5-1の守備ブロックを組んだ。
最終ラインの4人と中盤の5人がきれいな等間隔で並ぶ。
3MFの両脇に2FWが並ぶことで、川崎のサイド攻撃に対して数的同数を保つ。
さらにバイタルにも人数をかけて、中央突破を許さなかった。
それでも多くのクロスがFWダミアンに入ったが、CBの平岡康裕(13)と吉野恭平(16)が跳ね返した。
守りを固めながらの反撃で2ゴールを決める、理想的な前半だった。

後半になると、川崎の攻撃を防げなくなり、蹂躙された。
三笘がドリブルで抜け出すと、複数人が引き寄せられて対処せざるをえない。
小林悠と旗手に背後のスペースを狙われたことで、選手間の距離を広げられる。
揃っていた最終ラインがバラバラとなり、中盤のスペースも埋められなくなった。
中央に動いた家長に時間を与えてしまい、じっくりと正確な配球を許した。


川崎の前半は、ボールは持てていたものの、攻撃はゆっくり。
ダイレクトパスやスペースを突くフリーランが少なく、仙台の守備を崩せない。
夏場の暑さと連戦による疲労の中でも、しっかり走らなくてはならない。

そうした中、三笘、小林悠、旗手の投入から3ゴールでひっくり返した。
3人ともに、これまでのプレー時間が少なく、フレッシュな選手たち。
下田と守田を含めて、コンディションの良い、走れる選手たちを起用すべき。

(7月28日、前半45分に負傷交代した長谷川について、プレスリリースがあった。)
(左膝内側側副靭帯損傷で、負傷日から全治4週間程度を要する見込。)

仙台の木山監督の川崎対策は的確だった。
2年前の天皇杯は敗れてしまったが、対策を打ち破ったことは素晴らしい。

2点ビハインドからの逆転勝利となった。
3年前の仙台戦(2017 J1 #29)が思い起こされる。
80分すぎから3連続ミドルを決めたあの試合は、J1リーグ優勝につながった。

次は中3日でホーム湘南戦(J1 #7)。
必要なターンオーバーを行いつつ、勝利を得たい。

■goal
30長沢駿(20) 38道渕諒平(18)
58,68小林悠(11) 59山根視来(13) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 ロングキックが冴えていた。2失点ともに止めるのは難しかったか。
山根視来(13) 6.0 小林悠とのワンツーで移籍後初ゴール。クロスは跳ね返されてしまう。
谷口彰悟(5) 6.0 最後までラインを高くコントロールする。ビルドアップも的確だった。
車屋紳太郎(7) 6.0 右サイドの山根にロングボールを展開。仙台のハイボールを処理。
登里享平(2) 6.0 中に絞って長谷川のスペースを作る。後半は三笘のドリブルを引き出す。
田中碧(25) 6.0 51分、55分とミドルシュート。中盤を締めた。76分にパスミス。
脇坂泰斗(8) 5.0 28分、低い位置でのパスミスから先制点を与えた。41分、ミドル。
大島僚太(10) 5.5 1アシスト。安全なパスの選択が多く、大きな展開ができなかった。
家長昭博(41) 6.5 前半は多くの右クロス。後半は1列下がり、司令塔として君臨した。
ダミアン(9) 5.5 中央でクロスのターゲットとなる。仙台の厚い守備を破れなかった。
長谷川竜也(16) 5.5 狭い左サイドで窮屈なプレーとなった。前半終了間際に負傷交代。

■sub
45(16)三笘薫(18) 7.0 ドリブルで長距離を何度も駆け上がる。仙台の守備を混乱させた。
HT(8)旗手玲央(30) 6.5 58分、右クロスで1アシスト。67分、70分にもシュートする。
HT(9)小林悠(11) 8.0 圧巻の2ゴール1アシストは、すべて1タッチ。チームを逆転に導く。
84(10)下田北斗(22) 6.0 なめらかにダイレクトパスをつなぐ。走ってスペースを作った。
88(41)守田英正(6) 6.0 渋いプレーで時間を消費する。90分、PA内で仕掛ける。

■bench
安藤駿介(24) 山村和也(34)

■coach
鬼木達 6.0 前半の停滞はターンオーバーしなかったからか。後半、鮮やかに逆転。

■referee
西村雄一 6.5 落ち着いた態度で的確にファウルを判定。素晴らしかった。

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