スコアレスドローとなった東京V戦(J1 #11)から中6日。
J1リーグ7連戦を2勝4分1敗で終えて、サウジアラビアへ移動。
ACLEノックアウトステージ準々決勝は、アルサッドSC(QAT)とジェッダで対戦する。
西地区チームとの対戦は、2007年のラウンド16、セパハンFC(IRN)戦以来。
ACLEノックアウトステージは、サウジアラビアでの集中開催。
東西4チームずつが集まって、準々決勝から決勝まで1試合制で行う。
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1トップにエリソンが入り、山田新がベンチに回る。
J1リーグより3枠多いベンチには、4月6日の町田戦(J1 #9)で負傷した橘田健人が復帰。
さらにGK安藤、田邉、瀬川、ヴェロンが入り、山内と小林悠の2人が外れた。
アルサッドSCは、ACLEのGL西地区を4位で突破した。
ラウンド16では、アルワスルFC(UAE)を破っている。
川崎とは初対戦となる。
■1st half
4分、川崎がいきなり先制する。
山本がボール奪取して、右の家長をパスで走らせる。
家長の右クロスを、エリソンが右足ハーフボレーで決めた。
9分、アクラム・アフィフ(84)のスルーパスで、パウロ・オタヴィオ(6)が抜け出す。
高井がファーを切ったが、角度がないところからオタヴィオが思い切りシュート。
正面に飛んだシュートをGK山口が弾けず、アルサッドが同点に追い付く。
川崎はブロックを組み、アルサッドを待ち受ける。
サイドを狙われるが、SBにウィングが加勢して守った。
アルサッドのプレスは緩く、川崎は無理なくビルドアップする。
最終ラインの背後をマルシーニョやエリソンが狙って、山本がループパスを入れた。
21分、山本のスルーパスでマルシーニョが突破する。
GKメシャール・バルシャム(21)が詰めるが、マルシーニョは上を越えるゴールを決めた。
■2nd half
リードしている川崎は、ゴール前に引いて守る。
アルサッドを中盤で止めることができず、PA内まで入られた。
55分、丸山がクリアしたボールを、オタヴィオがミドル。
64分、ジオヴァニ(21)の右クロスが、ゴール前を流れた。
そして71分、三浦がジオヴァニにボールを奪われる。
持ち上がったジオヴァニの右クロスを、PA内で待っていた2人は触れない。
しかし、3人目のクラウジーニョ(33)がファーから同点ゴールを決めた。
同点となってからも川崎のチャンスは少なかった。
アルサッドも体力的に厳しくなり、膠着状態に陥った。
89分、ジオヴァニがワンツーからミドルを放つが、高井がブロック。
■extra time
延長に入り、81分に投入された橘田の運動量が活きてくる。
ルーズボールを拾うだけでなく、ボールホルダーを繰り返し追いかける。
98分、ギリェルメ(18)のパスミスを、瀬川が右コーナー近くで拾う。
瀬川から渡されたPA内の山田新のラストパスから、脇坂がゴール。
リードされたアルサッドは、それでもロングボールに頼らない。
最終ラインから組み立てるが、前線の動きはほとんどなかった。
117分、クラウジーニョがミドルを放つが、大きく外れた。
川崎は104分と114分に山田新、118分に橘田がシュート。
追加点はなかったが、しっかり時間を費やして逃げ切った。
■summary
アルサッドは、アクラム・アフィフが攻撃の中心となった。
下がって組み立てに参加しながら、走り出した味方にスルーパスを狙う。
ただ、延長になるとジョグもなく、棒立ちとなっている姿が目立った。
交代するべきと思ったが、最後までフェリックス・サンチェス監督はピッチに残した。
暑熱の中東のチームらしく、J1リーグのような慌ただしさがなかった。
プレスは緩く、リスタートも急がず、アクチュアル・プレーイングタイムは長くない。
ただ、チャンスを迎えると、残している体力を存分に使ってきた。
川崎は、11度目の出場となるACLで、初のベスト4進出を果たした。
ジェッダへの長距離移動があったものの中6日で、ある程度は回復できていた。
常にリードする展開となり、アルサッドより動けたことが勝因となった。
橘田健人は、81分に山本と交代して、約40分間プレー。
両チームともに疲弊していた中盤で、大きな存在感を示した。
次は中2日で、準決勝アルナスルFC戦(ACLE SF)。
アルナスルは、準々決勝で横浜FMに90分で勝利して中3日。
120分プレーして中2日の厳しさは否めないが、勝機を見出したい。
■goal
4エリソン(9) 22マルシーニョ(23) 98脇坂泰斗(14)
9パウロ・オタヴィオ(6) 71クラウジーニョ(33)
■judge
山口瑠伊(98) 5.5 ハイボールとクロス処理で大きく貢献。正面のシュートを止められず1失点。
佐々木旭(5) 5.5 14分、アフィフの突破を許す。48分、家長のパスで抜け出して右クロス。
高井幸大(2) 6.5 34分、アフィフへのパスをカバー。89分、ジオヴァニのミドルをブロック。
丸山祐市(35) 6.5 32分、53分とPA内のパスをカット。47分、マルシーニョへロングパス。
三浦颯太(13) 5.5 サイドの守備に奔走。2失点目につながるロスト。左クロスは精度を欠く。
河原創(19) 6.5 広い範囲をカバーしながら守備の決壊を防いだ。69分、ミドルをブロック。
山本悠樹(77) 7.0 4分、ボール奪取から家長へパス。前線への縦パスを狙い続け、1アシスト。
家長昭博(41) 6.0 山本のパスを受けて1アシスト。守備では担当するエリアを空けなかった。
脇坂泰斗(14) 7.0 決勝ゴール。29分、ボレー。前半はプレスに出て、後半は引いて守った。
マルシーニョ(23) 6.5 1ゴール。38分、CKをヘッド。スペースに走り込むことで陣地回復。
エリソン(9) 6.5 右足ダイレクトで先制ゴール。20分、24分、37分にシュートしてCK獲得。
■sub
56(9)山田新(20) 5.5 1アシスト。73分、104分のGK1対1を決められず。もっと走りたい。
65(23)伊藤達哉(37) 5.5 いつもと逆の左ウィングでプレー。103分、PAに持ち込みシュート。
81(41)瀬川祐輔(30) 6.0 98分、ロスト直後のプレスバックでミスを誘い、決勝ゴールを生む。
81(77)橘田健人(8) 7.0 ルーズボールを拾いまくり、鋭い寄せで自由を奪う。118分、ミドル。
99(14)大関友翔(16) 6.0 102分、104分とプレスを仕掛ける。118分、右クロスでCKを獲得。
exHT(5)VW際(31) 5.5 RSB。動かないアクラム・アフィフに対応。プレー機会は少なかった。
■bench
ソンリョン(1) 安藤駿介(21) 田邉秀斗(15) アイダル(44) ヴェロン(28) 神田奏真(32)
■coach
長谷部茂利 6.0 少し遅くはなったが、6人の交代枠を使い切って勝利に導いた。
■referee
マー・ニン(CHN) 6.5 冷静さを保ち続けて、ノーカード。素晴らしいジャッジだった。
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AT+3+5+2+1