2022/03/20

220319広島0-2川崎(J1 #5)

広島0-2川崎(エディオンスタジアム広島, 14:00KO, 7,544人)

ウノゼロで勝利した名古屋戦(J1 #4)から中6日。
 代表ウィークによる中断前のアウェイの広島戦。
 なお、川崎からは、山根と谷口が日本代表に選出されている。

広島県のまん延防止等重点措置は、3月6日で解除された。
 入場制限はなく、収容率100%で開催される。
2020年、2021年のエディオンスタジアムは、アウェイ席の用意はなかった。
 川崎戦でアウェイ席が設置されるのは、2019年以来となる。

残念ながら、ほとんどの時間、雨に降られた。
 後半、晴れ間が覗いたときもあったが、また降り始めた。
 屋根はメインスタンド上部にしかないため、厳しい観戦環境となった。


先発は、名古屋戦から1人を変更する。
 累積警告4枚で出場停止となったチャナティップは、先発から外れる。
 代わりに先発するのは小塚で、川崎加入後、J1リーグでは2度目の先発。
  最初の先発は、2021年5月16日の札幌戦(2021 J1 #14)だった。

ベンチにはGK安藤と大島が入り、GK丹野が外れた。
 GK安藤は今シーズン初めてのベンチ入りとなる。


広島は、ミヒャエル・スキッベ新監督が就任した。
 日本代表には、佐々木翔(19)が選ばれている。
2021年の対戦は、2戦2分。
 210418川崎1-1広島(J1 #10)
 210821広島1-1川崎(J1 #25)
川崎がJ1リーグで唯一勝てなかったのが広島だった。

■1st half
広島は伝統のスリーバックで、鋭くプレスを仕掛けた。
 FWジュニオール・サントス(37)と浅野雄也(16)がボールホルダーに寄せる。
 じわじわと近づき、距離を詰めた瞬間に、強くスイッチを入れる。
後方の選手も連動してパスコースを切り、川崎を追い詰めてボールを奪った。

川崎はプレスで時間を奪われて、2CB谷口と山村から先につなげない。
 SB山根と佐々木、アンカーの橘田はマークされる。
 インサイドハーフ小塚と脇坂が降りてきても、パスを受けられない。
最後はロングボールを蹴り込むが、ダミアンはCB荒木隼人(4)に封じられた。
チャンスは少なく、5分、山根の右クロスをダミアンがヒールシュートしたくらい。

広島は正確なパスでビルドアップする。
 川崎に複数人で囲まれても、奪われることなくつなぐ。
 密集エリアを抜け出して、スペースを使って前進した。
ただ、サイドからクロスを入れても、PA内での決定機は少なかった。
 15分、満田誠(39)のシュートがGKソンリョンに当たり、谷口がゴールライン上でクリア。
 38分に浅野、39分にサントスが連続してシュート。

■2nd half
広島は前半ほど走れなくなって、川崎に余裕が生まれる。
67分、知念、宮城天、大島の3人を同時に投入すると、はっきり優勢となる。
 知念が前線で身体を張り、宮城天が左ウィングでパスを呼び込んだ。
 大島は守備の狙いとは逆を突くパスを出し、足を止めた。

73分、大島の左CKにニアサイドの谷口が飛ぶと、背後の野上結貴(2)がオウンゴール。
 谷口はボールに触れていないが、野上はギリギリの対応を強いられ、OGを避けられなかった。

失点後、広島は選手交代を繰り返すが、川崎の攻勢が続く。
 84分、橘田の素晴らしいラストパスから宮城天が決定機。
 88分、知念のラストパスから、小林悠がシュートを放つ。
そして88分、山根の横パスを受けて、知念が力強いシュート。
 GK林卓人(1)が弾いたが、ゴール前に詰めていた山根が押し込んだ。

■summary
広島は川崎の良さを消して、善戦した。
 全体的に連動したプレスを続けたので、体力的には厳しかった。
 後半はペースを落とし、2失点してしまうが、悪い内容ではなかった。

ビルドアップを愚直に続け、ミスも少なかった。
 野津田岳人(7)と塩谷司(3)のボランチが組み立てていく。
 両ウィングの満田と藤井智也(15)を使って、川崎を押し込んだ。

最初の交代は、オウンゴール後の76分だった。
 もっと早くフレッシュな選手を投入しても良かったかもしれない。
 ただ、選手を入れ替えてもほとんど攻撃することができなかった。
 だとすると、遅めの選手交代とした判断も正しかったと思われる。


川崎はボールを受ける動きが少なかった。
 マルシーニョとダミアンもパスを受けられず、孤立していた。
 広島の早いプレスで余裕を失い、縦に蹴らされる場面が多かった。

攻められて辛抱しながら、勝機を粘り強く待つことができた。
 後半、広島が走れなくなったところで、選手交代からギアを上げて2得点。
 必ずしも良い内容ではなかったが、勝つことができた。

代表ウィークを挟んで、次は中13日のホームC大阪戦(J1 #6)。
 この間、しっかり体調を整えて、チーム戦術を深めたい。

■goal
73OwnGoal 88山根視来(13) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 38分に野津田、39分にサントスのシュートをキャッチ。後半は仕事が減る。
山根視来(13) 6.5 5分、右クロス。88分、ゴール。満田にサイドの幅を広く使われて苦しんだ。
山村和也(31) 6.5 68分、サントスを止めてイエロー。ロングパスを織り混ぜたビルドアップ。
谷口彰悟(5) 7.0 15分、ゴールライン上でクリア。クロスを跳ね返しつつ、無失点で終えた。
佐々木旭(15) 5.5 藤井に仕掛けられたが、なんとか守る。つなぎのパスで冒険できなかった。
橘田健人(8) 6.0 押し込まれる中、26分、29分にボールカット。84分、宮城天へラストパス。
脇坂泰斗(14) 5.5 6分、76分にシュート。味方に顔を出せなかった。72分、中盤でロスト。
小塚和季(17) 6.0 5分、14分、49分とマルシーニョへロングパス。6分、13分に縦パスを出す。
家長昭博(41) 6.0 珍しく精度を欠くクロスもあった。自由なポジションで広島の穴を作り出す。
ダミアン(9) 5.5 荒木に抑えられターゲットになれず。プレスも控え目。5分、ヒールシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 5分、左サイドを独走。49分、左クロス。スペースを突けず窮屈だった。

■sub
67(17)大島僚太(10) 6.0 73分、家長へスルーパス。74分、左CKからオウンゴールにつないだ。
67(9)知念慶(20) 6.5 激しいプレスで88分、GKから奪う。88分、ミドルで山根のゴールを呼ぶ。
67(23)宮城天(24) 6.0 84分、決定機を迎えたがGK林がセーブ。左サイドでボールを受けた。
78(14)遠野大弥(19) 5.5 88分、中央から右に走ってゴールの起点に。90+4分、PA内でクリア。
83(41)小林悠(11) 5.5 相手と間を空けない守備を続ける。88分、フリーで浮かせるシュート。

■bench
安藤駿介(21) 塚川孝輝(3) 

■coach
鬼木達 6.5 前半、劣勢となっていたが微調整で我慢し、選手交代から勝利を掴んだ。

■referee
岡部拓人 6.5 ストレスの少ない明確なジャッジ。素晴らしかった。

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2022/03/13

220312川崎1-0名古屋(J1 #4)

川崎1-0名古屋(等々力, 17:00KO, 18,114人/20,000人)

追い付いてドローとなったG大阪戦(J1 #3)から中5日、ホーム名古屋戦。
 開幕からの5連戦が終わって、少しだけ日程が空いた。

観客上限は、まん延防止等重点措置に伴って20,000席。
 3月中旬にしては遅めの17時キックオフだが、春らしい暖かさに恵まれた。


先発は、G大阪戦から2人が変わる。
 新たに家長とマルシーニョが入り、遠野と知念がベンチに回る。
 マルシーニョは、FC東京戦(J1)に先発して以来の出場となる。
ベンチからは、シミッチが外れた。


名古屋は、マッシモ・フィッカデンティ前監督が退任し、新監督に長谷川健太を迎えた。
 MFレオ・シルバ(16)を鹿島(J1)から、MF仙頭啓矢(14)とFW酒井宣福(9)を鳥栖(J1)から獲得して、それぞれが先発する。
 川崎OBの阿部浩之(7)と齋藤学(19)はベンチスタート。

2021シーズンは、ACLの影響からゴールデンウィークに2連戦。
川崎がJ1リーグ1位、名古屋が暫定2位の上位対決は、川崎が2勝した。
 210429名古屋0-4川崎(J1 #22)
 210504川崎3-2名古屋(J1 #12)

■1st half
名古屋は、酒井と仙頭の前鳥栖コンビがプレスを仕掛ける。
 惜しみなく体力を使いながら、攻勢に出た。
 2分、マテウス(10)のCKからCB中谷進之介(4)がシュート。
 4分、レオ・シルバの縦パスから仙頭がシュート。
 16分の相馬勇紀(11)、24分の酒井のシュートはソンリョンの正面を突いた。

川崎はプレスを受けつつ、2CBの谷口と山村が縦にパスを入れる。
 脇坂とチャナが中盤の底に落ちてパスを受けると、前を向くことができた。

25分、それまでボールを受けられなかったマルシーニョがゴール。
 チャナの優しい縦パスをダミアンがスルーすると、1人抜け出した。
 GKランゲラック(1)との1対1からゴールに流し込み、先制する。

その後、名古屋のプレスは緩まって、中盤でボールを握る。
 近い距離のパスを繰り返しながら、穴を探していく。
 チャナのスルーパスからマルシーニョの裏抜けも効き始めた。
 35分、ダミアンが家長のスルーパスを受けるも、LSB吉田豊(28)がカバーする。

■2nd half
後半、川崎が中盤でポイントを作り、流れるように縦に進む。
 左サイドで数的優位を作りながら、中央からも仕掛けた。

60分に知念と小塚、73分に宮城天と遠野を投入して、前線の強度を保つ。
 後方では、橘田、2CB谷口と山村が鉄壁の守りを続ける。

名古屋は徐々に押し込んできて、67分、稲垣のパスを酒井がシュート。
逆に川崎は、名古屋のスペースを狙ってカウンターを仕掛ける。
 74分、家長のシュートが左ポストを叩く。
 88分、宮城天がロングドリブルからシュート。

90分からロスタイムにかけて、名古屋の阿部浩之のCKが4本続く。
 川崎は地道に跳ね返し、危ない場面を作らせなかった。

■summary
名古屋は、フィッカデンティ前監督が築いた組織的な守備を失った。
 最終ラインは不揃いなことが多く、川崎にスルーパスを狙われる。
レオ・シルバと稲垣が中盤を埋めるが、2人の能力だけでは限界があった。
 前線がプレスに出ても最終ラインが押し上げず、スペースができていた。

攻撃はマテウスと仙頭によるセットプレーが中心。
 ゴールまで距離があっても、放り込むことを選択した。
 最後のCK4本は阿部が蹴ったが、ゴール前で競り勝てなかった。
序盤、酒井と仙頭の強いプレスで川崎のビルドアップを阻害した。
 ただ、2人が広大な範囲を走ることとなり、長く続けられなかった。

長谷川健太監督が、どのようなチームを構築していくか。
 今日は良さを出せなかったが、今後に期待したい。


川崎は、マルシーニョのゴールで勝つことができた。
 2点目は取れなかったが、内容は悪くなかった。
 名古屋に自由を与えず、ショートパスからロジカルに崩した。

マルシーニョが復帰し、左サイドでRSB宮原和也(6)の裏のスペースを狙う。
 RCB中谷をサイドに引き出すことで、ゴール前の陣形を崩した。
チャナは、スルーパスやロングパスで、名古屋のギャップを狙う。
 ただ、15分、トラップが流れて奪われると、通算4枚目のイエローをもらう。
 早くも累積警告で次節出場停止となり、今後もファウルトラブルが続くかもしれない。
宮城天も特徴を出し、小塚も守備への意識が格段に高まっている。
 橘田と2CBは堅く守り、ビルドアップも安定していた。
点差は最小だったが、盤石な勝利だったといえる。

交代枠は4つ使い、1つ残した。
 塚川が家長と交代する準備ができていたが、名古屋のCKが続く。
 最後は川崎のCKになったが家長がピッチに残る意思を示し、入れなかった。

次は中6日でアウェイ広島戦(J1 #5)。
 出場停止となるチャナのIHには、小塚の起用を期待したい。
 内容の良さを保ちながら、しっかり勝っていきたい。

■goal
25マルシーニョ(23) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 16分の相馬、24分の酒井とシュートをキャッチ。90分、CKをパンチング。
山根視来(13) 6.0 8分、12分に右クロス。74分、インターセプトからカウンターを仕掛けた。
山村和也(31) 6.5 41分、相馬の右クロスをクリア。57分、吉田豊に詰めるが突破を許した。
谷口彰悟(5) 7.0 カウンターのケアを怠らず、安定していた。59分、橘田のクロスをヘッド。
佐々木旭(15) 5.5 等々力初出場。後半は良かった。48分、マテウスを止める。63分、左クロス。
橘田健人(8) 7.0 パスを散らし、最後までピンチの芽を摘むために走り続けた。85分、ミドル。
脇坂泰斗(14) 6.5 5分、トラップで仙頭を抜く。13分と18分にターンでレオ・シルバを剥がす。
チャナ(18) 6.0 25分、優しいスルーパスでアシスト。縦パスを狙う。15分、4枚目のイエロー。
家長昭博(41) 6.5 19分にシュート。74分、左ポストを叩く。自由に動き、攻撃を引っ張った。
ダミアン(9) 6.0 35分、家長のスルーパスに抜け出す。LCB藤井陽也(13)に抑え込まれた。
マルシーニョ(23) 6.5 25分に抜け出してGK1対1から冷静に決勝ゴール。RSB宮原の裏を狙う。

■sub
60(18)小塚和季(17) 6.5 68分、ターンで2人を抜き去る。63分、71分にボールカット。
60(9)知念慶(20) 6.0 1トップでボールを追い回す。72分、GKまで詰めてマイボールにする。
73(23)宮城天(24) 6.0 88分、自陣で奪うと、そのままゴール前までドリブルで運んでシュート。
73(14)遠野大弥(19) 6.0 83分、PA内で宮城天のパスを受けてシュート。良く走っていた。

■bench
丹野研太(27) 塚川孝輝(3) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 6.0 良い内容で勝利に導く。最後は家長の判断に従ったが、塚川を投入するべきだったか。

■referee
飯田順平 6.5 スムーズなジャッジで試合をコントロール。チャナのイエローも妥当な判断だった。

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2022/03/07

220306G大阪2-2川崎(J1 #3)

G大阪2-2川崎(パナソニックスタジアム吹田, 15:00KO, 12,703人/20,000人)

2連勝となった浦和戦(J1 #10)から中3日。
 開幕戦から続く5連戦の最後は、アウェイのG大阪戦。

風が強く、黒い雲に覆われたり、陽射しがあったりと天候が変化する。
 気温はかなり低く、寒さに耐えながらの観戦となった。

大阪府のまん延防止等重点措置に伴って、観客数は20,000席上限。
 実際の観客は12,000人あまりで、少し空席が目立った。


先発は、浦和戦から2人変わる。
 浦和戦を体調不良で欠場した佐々木旭、知念が先発に復帰する。
 登里はベンチ外、家長はベンチスタートとなった。
ベンチからは、瀬古樹が外れた。


G大阪は、2021年はJ1リーグ13位。
 3月に新型コロナウイルス感染によって活動停止となり、厳しいシーズンになった。
 新監督として片野坂知宏を大分(J1→J2)から招聘した。

2021シーズンの対戦は、川崎の3勝だった。
 210220川崎3-2G大阪(FXSC)★
 210508G大阪0-2川崎(J1 #13)
 211127川崎4-1G大阪(J1 #37)

■1st half
ガンバはFWパトリック(18)へのパントキックから前進する。
 佐々木旭が競ったが勝ち切れず、セカンドボールを回収された。
 17分、齊藤未月(15)がフリーでシュートする。
そして34分、中央から右サイドに出して、RSB高尾瑠(13)がクロス。
 谷口のクリアボールを山本悠樹(29)がダイレクトで先制ゴールを決めた。

川崎は攻撃のスピードを上げすぎて、ミスが出てしまう。
 右サイドでは、知念慶が単調に縦に運んでは捕まった。
41分、チャナが左サイドをドリブルで打開する。
 遠野からのラストパスで、ダミアンが決定機を迎えた。
さらに41分、知念慶がドリブルで抜け出してミドルシュート。

■2nd half
55分、宇佐美貴史(39)が右足を負傷して倒れ込む。
 ここまでビルドアップを担った宇佐美だが、プレー続行不可能となった。
 (2022年3月8日、右アキレス腱断裂での手術を公式発表)

川崎は58分に3人を交代する。
 家長をインサイドハーフに配してボールを集め、ガンバを押し込んでいく。
ガンバは5バックでゴール前を固め、バイタルも埋める。
 何度も川崎がPA内に攻め込もうとするが、パスを引っ掛けられた。

75分、小塚の右クロスを宮城天がファーサイドで受ける。
 美しいトラップで切り返し、小野瀬康介(8)を剥がして同点ゴールを決めた。
77分、カウンターからチャンスを作られ、今度は小野瀬がミドル。
 宮城天に当たってコースが変わり、GKソンリョンの頭上を越えるゴール。

川崎は再度リードを許し、さらに攻め込んでいく。
 ガンバのブロックを崩しかけるも、ゴールできないまま時間が過ぎる。
89分、小林悠の右クロスを宮城天がダイビングヘッドで狙うが、右ポストを叩いた。

敗色が濃くなった90+5分。
 GK石川慧(25)がドロップしたところを小林悠がかっさらう。
 ダミアンが無人のゴールにロングシュートを流し込み、ドローに終わった。

■summary
ガンバは片野坂監督らしい緻密な戦術を見せた。
 パトリックの高さを活かし、GK石川からロングボールを徹底的に入れる。
 速攻を基本に、宇佐美や倉田秋(10)が組み立てて川崎を押し込んだ。

リードした後半は低く構えながら、耐える展開となる。
 カウンターは低い位置から始まることとなり、効果は薄くなった。
 川崎の時間が続いたが、ゴール前では決定機を与えなかった。
GK石川のミスで残念な結果となったが、良く戦ったといえる。


川崎は家長の不在が大きく影響した。
 右FWに入った知念は、プレスを受けると余裕がなくなった。
 山根も選択肢を削られて、預ける先が少なく、ボールを失った。
それでもガンバと互角に戦って、ドローに持ち込んだ。
 後半は圧倒的に攻めていただけに、逆転できなかったことは残念だった。

宮城天がチームを救った。
 75分の同点ゴールに続き、88分にはヘッドを右ポストに当てる。
 寄せが甘くなり、小野瀬のゴールを許したところは改善したい。
小塚はフリーランを繰り返した。
 ボールが来なくとも、諦めることなく何度も走り直す。
 宮城天へのアシストのような華麗なプレーだけではない姿を見せた。

次はようやく日程が空き、中5日のホーム名古屋戦(J1 #4)。
 開幕からの厳しい5連戦を、3勝1分1敗で切り抜けた。
 コロナ禍もあって、コンディションも上がらなかったが、悪くない結果。
 しっかり休養を取り、再び立ち上がりたい。

■goal
34山本悠樹(29) 77小野瀬康介(8)
75宮城天(24) 90+5ダミアン(9) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 16分、三浦弦太(5)のヘッドをキャッチ。2失点ともにチャンスはなかった。
山根視来(13) 5.5 28分、50分にシュート。多くの右クロスを入れる。知念との関係は今ひとつ。
山村和也(31) 5.5 落ち着いてプレー。後半、カウンター対応は橘田に委ね、前に持ち上がった。
谷口彰悟(5)  5.5 押し込まれる展開でも、粘り強く守った。90分、パトリックを倒しイエロー。
佐々木旭(15) 5.0 2分、シュート。パトリックにハイボールで競り負ける。後半は精度を欠いた。
橘田健人(8) 6.0 アンカーとして縦横無尽に動く。スピードを活かしてカウンターに対応する。
脇坂泰斗(14) 5.0 セットプレーを担当する。右サイドのビルドアップへの参加が少なかった。
チャナ(18) 5.5 41分、囲まれた状態からドリブル突破する。46分、山根へロングボールを通す。
遠野大弥(19) 6.0 鋭くスペースを狙う。5分、20分、38分にシュートするが、ブロックされた。
ダミアン(9) 6.0 ガンバの2CBに挟まれる。41分の決定機は打ち切れず。90+5分、同点ゴール。
知念慶(20) 5.0 5分、41分、53分にシュート。右FWだったが、山根や脇坂と連携できなかった。

■sub
58(19)小林悠(11) 6.5 右FWでクロスを入れた。90+5分、GK石川から奪って同点アシスト。
58(18)小塚和季(17) 6.0 ボールが来なくとも何度も動き直す。宮城天へ華麗な1アシスト。
58(14)家長昭博(41) 6.5 インサイドハーフでボールに多く触る。キープしながら攻撃を始めた。
73(20)宮城天(24) 6.5 落ち着いたトラップから同点ゴール。さらに右ポストに当てるヘッド。
81(15)塚川孝輝(3) 5.5 LSBに入り、混乱なく前に向かってプレーする。90+3分にパスミス。

■bench
丹野研太(27) シミッチ(6) 

■coach
鬼木達 6.0 家長をベンチに置き、後半勝負。知念の右FWは機能せず、もっと早く宮城天を入れたかった。

■referee
山本雄大 6.5 はっきりと明確なジャッジを続ける。選手が負傷すると直ちに試合を止めた。

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2022/03/03

220302川崎2-1浦和(J1 #10)

川崎2-1浦和(等々力, 19:00KO, 14,696人/20,000人)

前半の2ゴールで勝利した鹿島戦(J1 #2)から中3日。
 ACLの日程の影響で、4月28日or29日に開催予定の第10節が前倒しされる。
 水曜日のホーム等々力で、同じACL組の浦和との対戦。

観客数は、まん延防止等重点措置に伴って、20,000席。
 ただ、FC東京戦(J1 #1)に続いての平日ナイターということもあり、完売しなかった。


先発は、鹿島戦から3人が変わる。
 新たに登里、遠野、ダミアンが先発する。
 鹿島戦で先発した小林悠はベンチ、佐々木旭と知念はベンチ外となった。
ベンチには、新たにシミッチと瀬古樹が入った。


浦和は、ここまでJ1リーグで3試合1分2敗。
 前節G大阪戦(J1 #2)から中3日で、川崎と同じ日程。
 MF岩尾憲(19)はG大阪戦で退場し、出場停止となっている。

川崎にはFFSCで勝っていて、今シーズン早くも2回目の対戦。
 220212川崎0-2浦和(FFSC)

■1st half
浦和はGK西川周作(1)からビルドアップ。
 ピッチを広く使い、縦パスを狙いながらゴールを目指した。
 川崎サイドで多くのセットプレーを得て、LSB馬渡和彰(6)が蹴っていく。
 22分、馬渡の左CKから伊藤敦樹(3)がシュート。

25分、登里が左ハムストリングスを痛めて座り込む。
 急遽、塚川をLSBに入れるが、浦和の攻勢が続いた。
 27分、右クロスを明本考浩(15)がシュート。
そして33分、馬渡の右フリーキックを岩波拓也(4)がヘッドで先制ゴール。 

川崎は浦和の強いプレスに苦しんだ。
 バックパスが多くなり、ボールを前に運べなかった。

■2nd half
後半、浦和は目に見えて失速した。
 明本はまだ動けていたが、関根貴大(14)と江坂任(33)の足が止まる。
 プレスに出ても、剥がされたあと次のリトリートが遅れた。

川崎は徐々に前進してゴールに迫る。
 パスワークを繰り返し、浦和を細かく揺さ振っていく。
57分、ここまで完璧だったLCBアレクサンダー・ショルツ(28)がボールロスト。
 GK西川のキックも、ミスが増えてくる。

62分、脇坂の左CKがGK西川の頭上を越えてファーサイドに向かう。
 ぴたりと落下点に入った家長が、力強いヘッドで同点ゴールを決めた。
そして64分、塚川がRSB酒井宏樹(2)の強いチャージに耐えて、中央の脇坂にパス。
 脇坂はターントラップで柴戸海を抜き、PAまでドリブルで侵入する。
 DFを引き付けてから右に流すと、山根が鋭い逆転ゴールを決めた。

浦和は攻めようとはするが、チャンスを作れない。
 山村と谷口にゴール前を固められ、なすすべがなかった。
可能性があったのは、セットプレーくらい。
 86分、馬渡がゴール正面のFKを蹴った。

■summary
浦和は前半、スーパーカップを彷彿とさせる連動した守備を見せた。
 主導権を握り、川崎を押し込んで多くのセットプレーを得る。
 そして、馬渡のFKから先制に成功した。

しかし、後半は運動量が大きく落ちた。
 プレスが弱まったことで、川崎の攻勢を許してしまう。
 立て続けに2点を失って、逆転を許した。

気温の低い時期に走れないのは、マネジメントの課題とも考えられる。
 攻守ともに運動量が必要なサッカーだが、要求が過大なのかもしれない。
 今は選手たちに連戦の疲労が残っていて、日程が緩めば改善する可能性はある。
 ただ、夏場になればもっと厳しい状況になると思われる。


川崎は前半、上手くいかなかったが、後半巻き返して逆転した。
 登里が負傷交代するアクシデントもあったが、塚川が十分に対応した。
 塚川はテクニカルなプレーも見せ、高さを活かした守備も良かった。

浦和のショルツと岩波の2CBは強力だった。
 川崎はSBが上がった裏のスペースを使い、CBを引き出していく。
 ゴール前の密度を薄めることで、チャンスを作った。

次は中3日でアウェイのガンバ大阪戦(J1 #3)。
 負傷者が増えているが、5連戦の最後となる。
 内容を改善しながら、しっかり勝利したい。

■goal
62家長昭博(41) 64山根視来(13) 
33岩波拓也(4)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 52分の明本のシュート、86分の馬渡のFKを弾く。89分、右クロスをパンチ。
山根視来(13) 6.5 18分、50分に右クロス。58分にボレー。64分、走り込んで決勝ゴール。
山村和也(31) 6.5 21分、馬渡のシュートをブロック。60分、左ラインに沿って持ち上がる。
谷口彰悟(5) 7.0 47分、56分に浦和のカウンターを止める。45分、イエローをもらった。
登里享平(2) 5.5 パスの起点となっていた。25分、左ハムストリングスを痛めて交代する。
橘田健人(8) 6.5 3分、ミドル。運動量は減ったが、良いポジションに動いてチームを支えた。
脇坂泰斗(14) 7.0 どちらも完璧な2アシストで勝利に導いた。39分、曲がるミドルシュート。
チャナ(18) 6.0 ドリブルでプレスを抜け出す。63分、4試合で3枚目のイエローをもらう。
家長昭博(41) 6.5 18分、フリーでシュート。62分、高い打点の強いヘッドで同点ゴール。
ダミアン(9) 6.0 最後までプレスを頑張る。スペースはなかったが、59分と61分にシュート。
遠野大弥(19) 5.5 左FWだが、中側にも入ってプレー。68分、抜け出すが岩波に倒される。

■sub
26(2)塚川孝輝(3) 6.0 LSBで緊急出場。失点につながるファウルもあったが、徐々に馴染んだ。
76(18)小塚和季(17) 6.0 87分、ボールを回収する。CBまで深く追い回し、泥臭く必死に駆けていた。
76(19)小林悠(11) 5.5 左FWに入る。77分にFKを得る。81分、厳しいハンドの判定でイエロー。
88(14)シミッチ(6) 5.5 2ボランチの左でプレー。しっかり試合を終える役割を果たした。

■bench
丹野研太(27) 瀬古樹(16) 宮城天(24) 

■coach
鬼木達 6.0 前半は劣勢だったが、逆転に導く。出場機会の少ない小塚、シミッチを起用。

■referee
佐藤隆治 4.5 ファウルの判断が一貫せず。川崎4枚、浦和1枚のイエローカードは出しすぎ。

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