追い付いてドローとなったG大阪戦(J1 #3)から中5日、ホーム名古屋戦。
開幕からの5連戦が終わって、少しだけ日程が空いた。
観客上限は、まん延防止等重点措置に伴って20,000席。
3月中旬にしては遅めの17時キックオフだが、春らしい暖かさに恵まれた。
先発は、G大阪戦から2人が変わる。
新たに家長とマルシーニョが入り、遠野と知念がベンチに回る。
マルシーニョは、FC東京戦(J1)に先発して以来の出場となる。
ベンチからは、シミッチが外れた。
名古屋は、マッシモ・フィッカデンティ前監督が退任し、新監督に長谷川健太を迎えた。
MFレオ・シルバ(16)を鹿島(J1)から、MF仙頭啓矢(14)とFW酒井宣福(9)を鳥栖(J1)から獲得して、それぞれが先発する。
川崎OBの阿部浩之(7)と齋藤学(19)はベンチスタート。
2021シーズンは、ACLの影響からゴールデンウィークに2連戦。
川崎がJ1リーグ1位、名古屋が暫定2位の上位対決は、川崎が2勝した。
210429名古屋0-4川崎(J1 #22)
210504川崎3-2名古屋(J1 #12)
■1st half
名古屋は、酒井と仙頭の前鳥栖コンビがプレスを仕掛ける。
惜しみなく体力を使いながら、攻勢に出た。
2分、マテウス(10)のCKからCB中谷進之介(4)がシュート。
4分、レオ・シルバの縦パスから仙頭がシュート。
16分の相馬勇紀(11)、24分の酒井のシュートはソンリョンの正面を突いた。
川崎はプレスを受けつつ、2CBの谷口と山村が縦にパスを入れる。
脇坂とチャナが中盤の底に落ちてパスを受けると、前を向くことができた。
25分、それまでボールを受けられなかったマルシーニョがゴール。
チャナの優しい縦パスをダミアンがスルーすると、1人抜け出した。
GKランゲラック(1)との1対1からゴールに流し込み、先制する。
その後、名古屋のプレスは緩まって、中盤でボールを握る。
近い距離のパスを繰り返しながら、穴を探していく。
チャナのスルーパスからマルシーニョの裏抜けも効き始めた。
35分、ダミアンが家長のスルーパスを受けるも、LSB吉田豊(28)がカバーする。
■2nd half
後半、川崎が中盤でポイントを作り、流れるように縦に進む。
左サイドで数的優位を作りながら、中央からも仕掛けた。
60分に知念と小塚、73分に宮城天と遠野を投入して、前線の強度を保つ。
後方では、橘田、2CB谷口と山村が鉄壁の守りを続ける。
名古屋は徐々に押し込んできて、67分、稲垣のパスを酒井がシュート。
逆に川崎は、名古屋のスペースを狙ってカウンターを仕掛ける。
74分、家長のシュートが左ポストを叩く。
88分、宮城天がロングドリブルからシュート。
90分からロスタイムにかけて、名古屋の阿部浩之のCKが4本続く。
川崎は地道に跳ね返し、危ない場面を作らせなかった。
■summary
名古屋は、フィッカデンティ前監督が築いた組織的な守備を失った。
最終ラインは不揃いなことが多く、川崎にスルーパスを狙われる。
レオ・シルバと稲垣が中盤を埋めるが、2人の能力だけでは限界があった。
前線がプレスに出ても最終ラインが押し上げず、スペースができていた。
攻撃はマテウスと仙頭によるセットプレーが中心。
ゴールまで距離があっても、放り込むことを選択した。
最後のCK4本は阿部が蹴ったが、ゴール前で競り勝てなかった。
序盤、酒井と仙頭の強いプレスで川崎のビルドアップを阻害した。
ただ、2人が広大な範囲を走ることとなり、長く続けられなかった。
長谷川健太監督が、どのようなチームを構築していくか。
今日は良さを出せなかったが、今後に期待したい。
川崎は、マルシーニョのゴールで勝つことができた。
2点目は取れなかったが、内容は悪くなかった。
名古屋に自由を与えず、ショートパスからロジカルに崩した。
マルシーニョが復帰し、左サイドでRSB宮原和也(6)の裏のスペースを狙う。
RCB中谷をサイドに引き出すことで、ゴール前の陣形を崩した。
チャナは、スルーパスやロングパスで、名古屋のギャップを狙う。
ただ、15分、トラップが流れて奪われると、通算4枚目のイエローをもらう。
早くも累積警告で次節出場停止となり、今後もファウルトラブルが続くかもしれない。
宮城天も特徴を出し、小塚も守備への意識が格段に高まっている。
橘田と2CBは堅く守り、ビルドアップも安定していた。
点差は最小だったが、盤石な勝利だったといえる。
交代枠は4つ使い、1つ残した。
塚川が家長と交代する準備ができていたが、名古屋のCKが続く。
最後は川崎のCKになったが家長がピッチに残る意思を示し、入れなかった。
次は中6日でアウェイ広島戦(J1 #5)。
出場停止となるチャナのIHには、小塚の起用を期待したい。
内容の良さを保ちながら、しっかり勝っていきたい。
■goal
25マルシーニョ(23)
■judge
ソンリョン(1) 6.5 16分の相馬、24分の酒井とシュートをキャッチ。90分、CKをパンチング。
山根視来(13) 6.0 8分、12分に右クロス。74分、インターセプトからカウンターを仕掛けた。
山村和也(31) 6.5 41分、相馬の右クロスをクリア。57分、吉田豊に詰めるが突破を許した。
谷口彰悟(5) 7.0 カウンターのケアを怠らず、安定していた。59分、橘田のクロスをヘッド。
佐々木旭(15) 5.5 等々力初出場。後半は良かった。48分、マテウスを止める。63分、左クロス。
橘田健人(8) 7.0 パスを散らし、最後までピンチの芽を摘むために走り続けた。85分、ミドル。
脇坂泰斗(14) 6.5 5分、トラップで仙頭を抜く。13分と18分にターンでレオ・シルバを剥がす。
チャナ(18) 6.0 25分、優しいスルーパスでアシスト。縦パスを狙う。15分、4枚目のイエロー。
家長昭博(41) 6.5 19分にシュート。74分、左ポストを叩く。自由に動き、攻撃を引っ張った。
ダミアン(9) 6.0 35分、家長のスルーパスに抜け出す。LCB藤井陽也(13)に抑え込まれた。
マルシーニョ(23) 6.5 25分に抜け出してGK1対1から冷静に決勝ゴール。RSB宮原の裏を狙う。
■sub
60(18)小塚和季(17) 6.5 68分、ターンで2人を抜き去る。63分、71分にボールカット。
60(9)知念慶(20) 6.0 1トップでボールを追い回す。72分、GKまで詰めてマイボールにする。
73(23)宮城天(24) 6.0 88分、自陣で奪うと、そのままゴール前までドリブルで運んでシュート。
73(14)遠野大弥(19) 6.0 83分、PA内で宮城天のパスを受けてシュート。良く走っていた。
■bench
丹野研太(27) 塚川孝輝(3) 小林悠(11)
■coach
鬼木達 6.0 良い内容で勝利に導く。最後は家長の判断に従ったが、塚川を投入するべきだったか。
■referee
飯田順平 6.5 スムーズなジャッジで試合をコントロール。チャナのイエローも妥当な判断だった。
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