2016/12/30

161229大宮0-1川崎(天皇杯 SF)

大宮0-1川崎(日産スタジアム, 15:00KO, 23,087人)

FC東京との準々決勝(天皇杯 QF)から中4日。
中立地開催となる準決勝は、日産スタジアムで大宮との対戦。
メインスタンド1階で観戦したが、角度が緩いため見にくかった。
見やすいのに閉鎖されていたバックスタンドの2階を開けてくれればと思う。

先発11人は、FC東京戦と変わらない。
サブは2人変更。大島、森本が入って、狩野、大塚が外れた。














大宮はJ1リーグ年間5位で、今季の対戦成績は1勝1敗。
熊谷でのアウェイ(J1 #29)は、大久保が一発退場して負けている。
試合前の選手紹介で、かつて川崎に所属したDF菊地光将(2)、GK松井謙弥(50)、MF横山知伸(18)に拍手。
来季、川崎への移籍が報じられているFW家長昭博(41)にも拍手が起きた。

■1st half
大宮は最終ラインを高く維持してコンパクトな陣形。
ボールを動かされてもバランスを崩さず、川崎のパスコースを消す。
FWムルジャ(8)とFW江坂任(7)がボランチをマークする。

そのため、川崎はパスをつなげない。
パスの出し手と受け手に余裕がなく、大宮にボールを奪われる。
ピッチも荒れていて、トラップも流れてしまっていた。

大宮は左のMF泉澤仁(39)と右のマテウスを走らせ、チャンスを作り出す。
11分にPA内でムルジャがシュート、13分にMFマテウス(16)がループする。

17分あたりで、川崎は3バックを4バックに変更する。
田坂が右SBとなって、谷口とエドゥアルドを左右逆に配置した。
システム変更で少しパスがつながるようになったが、劇的には改善しなかった。

■2nd half
後半は大宮がチャンスを多く生み出す。
49分、江坂のシュートは上に外れる。
50分、泉澤が左サイドを抜け出してのシュートはポストに当たる。
その跳ね返りをフリーのムルジャが合わせるが外してくれた。

61分、大島が投入されると、組み立てがスムースになる。
大島は読まれにくい方向へ展開することで、大宮のプレスを混乱させた。
フリーでボールを持てるようになってくる。

70分あたりから、お互いに戻りが遅くなって中盤が拡がってくる。
85分。三好が得たFKを中村が直接狙うが、GK塩田仁史(21)がセーブ。
続くCK。MF横谷繁(17)のクリアが小さくなり、エドゥアルドが落として谷口がゴール。
ジャンプして右足のアウトサイドで蹴り込む素晴らしいシュートだった。

最後はパワープレイを仕掛けてくる大宮の攻撃を防ぎきった。

■summary
大宮には決定機はあったが、いずれも決めることができなかった。
よく川崎の攻撃を抑えて、互角以上に試合を進めた。
しかし、大島が入ると中盤で劣勢になり、セットプレーから失点した。

川崎は苦しみながらも結果を出した。
ネットと中村がボールを持って前を向けなかった。
小林のポストプレーも成功率が低かった。
大宮の守備が機能していたし、先制されていれば逆の結果となったかもしれない。














天皇杯決勝は中2日。
市立吹田サッカースタジアムで鹿島と対戦する。

ネットがイエローカードをもらって、出場停止となる。
ボランチの組み合わせをどうするか。
疲労の蓄積をどう考慮してメンバーを組むか。
いずれにしても丁寧にパスをつなぎ、結果を出してほしい。

■goal
85谷口彰悟(5) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 安定したキャッチング。50分の2つの決定機でも、最善を尽くした。
田坂祐介(6) 6.0 大きくポジションを変える。主に右サイド。泉澤のドリブルには苦労した。
エドゥアルド(23) 7.5 鉄壁の守備を披露。決勝アシストに加え、決定的なシュートも放った。
谷口彰悟(5) 7.0 11分、マテウスに抜かれて決定機を与えたが、よく守った。決勝ゴール。
中村憲剛(14) 6.0 FK、CKでは工夫があって面白かった。ロングボールを出せなかった。
ネット(21) 5.5 コースがなくなると集中力を切らしてパスミスを繰り返す。次は出場停止。
エウシーニョ(18) 6.5 粘り強く守備に取り組む。ドリブルはスペースがなく窮屈だった。
車屋紳太郎(20) 6.5 24分、強烈なミドルシュート。攻守の切り替えが早かった。
小林悠(11) 5.5 ポストプレーでうまく収まらず、ボールを失うことが多かった。
登里享平(2) 5.5 中盤に下りてもマークが厳しくパスを受けられなかった。
大久保嘉人(13) 6.0 ボールをキープするとファウルをもらって時間を作った。

■sub
61(2)大島僚太(10) 7.0 中盤の攻防を制してスペースを作り出した。守備でも効いていた。
78(11)三好康児(26) 6.5 ドリブルで仕掛けて時間を費やした。90分、ミドルシュート。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 中野嘉大(22) 森本貴幸(9)

■coach
風間八宏 6.5 システムを何度も組み替えて、大島の投入で勝利を手繰り寄せた。

■judge
木村博之 6.5 見ていてストレスの少ないジャッジだった。

2016/12/25

161224FC東京1-2川崎(天皇杯 QF)

FC東京1-2川崎(味の素スタジアム, 16:00KO, 29,378人)

CS鹿島戦(J1 CS SF)に敗退してから1ヶ月。
浦和戦(天皇杯 R16)をPKで勝ち上がっている天皇杯。
準々決勝は、味の素スタジアムでのFC東京戦。

先発には小林、中村が復帰して、登里も入る。
ケガの長谷川がベンチ外となり、三好と板倉はベンチに回る。
ベンチからは森本、橋本が外れて、狩野、中野が入った。

11月28日、飛行機事故でアルトゥール・マイアが亡くなって最初の試合。
何度もチャントが流れ、ベンチに去年の10番のユニフォームが飾られた。













J1リーグ年間9位に終わったFC東京とは今年2戦2勝。
いずれも完勝に終わっている。

■1st half
試合開始から川崎がボールをつなぐ。
1分、大久保がミドルシュート、続いて2分、登里が左からクロス。
6分には大久保からのスルーパスで、エウシーニョがGK1対1となる。
PA近くまで簡単にボールを運び、攻撃を仕掛けた。

FC東京は10分を経過したあたりで守備陣形を整える。
川崎のボランチへのマークを強めて、高い位置でパスをカットする。
FW前田遼一(20)のポストプレーとMF中島翔哉(39)のドリブルで仕掛けてきた。

しかし20分。久しぶりに川崎が攻撃を仕掛ける。
中央の中村が右サイドPA横まで田坂を走らせる。
田坂からのふわっとしたクロス。
DFの前に入り込んだ大久保が押し込んで先制する。

続いて28分。
カウンターから登里からネット、エウシーニョへと中央で横パスが続く。
エウシーニョは右にいた小林を囮に使う。
左にボールを動かしてからミドルシュートを決める。

■2nd half
FC東京は、後半開始から攻守に精彩を欠いたDF徳永悠平(2)を交代させる。
投入されたDF小川諒也(25)が左サイドを活性化して、エウシーニョを自陣に押し込む。
55分、MF水沼宏太(48)のループシュートがバーを叩く。

しかし、FC東京は前線と守備陣の距離が遠くなる。
間延びしてボールを失っても前線が戻らない。
中盤に大きなスペースが空いて、川崎の波状攻撃を受ける。
59分にネット、68分に小林、87分に大久保が決定的なシュートを放ったが、決められず。

ロスタイムは4分間。
FC東京が小川のFKから1点を返した。
ゴール前に走り込んだFW平山相太(9)がゴールした。

その後も勢いに乗ったFC東京にゴール前まで押し込まれる。
最終ラインが崩されかけたものの、なんとか逃げ切った。

■summary
FC東京は攻守のバランスが悪かった。
特にボランチのMF高橋秀人(4)とMF田邉草民(27)が機能しなかった。
そのため、攻撃は個人の力量に頼るばかり。
ロングボールが多く、後方からのサポートが少ない。
チームとして戦術的に攻めることができなかった。

川崎は最後の失点では脆さを見せた。
しかし、全体として素晴らしかった。
中央からの攻撃と、サイドへのボール展開をうまく混ぜる。
決定機をいくつも作り出してゴールを狙った。
守備も無理することなくバランスを保った。














次は中4日、日産スタジアムで準決勝大宮戦。
このままの勢いで、楽しいサッカーを見たい。

■goal
90+1平山相太(9)
20大久保嘉人(13) 28エウシーニョ(18)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 守備機会が少なかった。シュートキャッチに安定感があった。
田坂祐介(6) 6.0 先制点をアシスト。エウシーニョが中に動いて空いたスペースを使う。
エドゥアルド(23) 6.5 最終ラインでパスを左右に散らす。中央に君臨してクロスボールを弾いた。
谷口彰悟(5) 6.5 終始ミスがなかった。プレスを受けても果敢に前にボールをつないだ。
中村憲剛(14) 6.5 ボールをロストすることなく、縦パスを狙う。守備でもバランスを崩さなかった。
ネット(21) 6.5 高い位置まで進出してシュートを何度も放つ。最後には動きが鈍った。
エウシーニョ(18) 6.5 2点目のミドルシュートを決める。後半、小川の動きに手を焼いた。
車屋紳太郎(20) 6.0 DF室屋成(6)とマッチアップしてやや優勢。ドリブルでは相手を抜き切れず。
小林悠(11) 6.5 相手DFを引き付けるポストプレーで打開した。68分のシュートは決められず。
登里享平(2) 6.0 前線で走ってボールを受ける。70分、抜け出したがDF森重真人(3)にイエローで止められた。
大久保嘉人(13) 6.5 すすっとフリーになって先制点を決める。87分のシュートはポスト。

■sub
72(2)三好康児(26) 6.0 カウンターでゴールに向かうが、好機は作れなかった。
83(11)板倉滉(28) 6.0 スペースを埋めるべく何度も動き、中盤を引き締めた。
90(13)中野嘉大(22) 5.5 プレー機会が少なかった。

■bench
新井章太(30) 森谷賢太郎(19) 狩野健太(25) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 6.5 攻撃のクオリティを取り戻す。少し早く選手交代に動きたい。

■judge
佐藤隆治 6.5 的確に判定した。ボールに近づきすぎでプレーに干渉してしまう。