2020/07/27

200726川崎3-1湘南(J1 #7)

川崎3-1湘南(等々力, 19:00KO, 4,724人/5,000人)

3ゴールで逆転した仙台戦(J1 #6)から中3日。
横浜FC戦(J1 #5)から続くアウェイ2連戦を経て、等々力に戻ってきた。
J1リーグでは、2位名古屋に勝ち点2差の首位となっている。


先発は、仙台戦から5人を代える。
 小林悠、旗手、下田、守田、ジェジエウが入る。
  ジェジエウは、柏戦(J1 #4)で負傷交代して2週間ぶりの復帰。
 ダミアン、大島、田中碧、車屋がベンチスタート。
 仙台戦で負傷交代した長谷川はベンチ外となった。
 (7月28日、長谷川の負傷について、プレスリリースがあった。)
 (左膝内側側副靭帯損傷で、負傷日から全治4週間程度を要する見込。)

ベンチには新たにGK丹野、宮代が入り、GK安藤、山村が外れる。


湘南は、J1リーグで1勝1分4敗の15位。
昨年の対戦は、川崎の2勝だった。
 190419川崎2-0湘南(J1 #8)
 191006湘南0-5川崎(J1 #28)

10月6日の対戦は、パワーハラスメントを繰り返した曺貴裁監督が指導を外れていた。
直後の8日、曺貴裁が監督を退任。
そして10日からは、富士通OBの浮嶋敏が新監督に就任している。

川崎からレンタル中のDF馬渡和彰(3)は、契約上出場できない。

■1st half
湘南は、川崎にボールを持たせる戦術。
川崎の最終ラインにプレスに行かず、待ち構える。
5バックでゴール前を埋めながら、バイタルにも人を並べた。

湘南がプレスに来ないため、川崎がボールを持ち続ける。
中央は狭められているため、両サイドから崩していく。
右は山根、家長、脇坂といつものメンバー。
左は新たに旗手が入っていて、登里と下田で組んだ。

PAの内外から攻め立てて、数多くのシュートを放った。
その中でも25分、26分、30分の小林悠のシュートは決定的だった。
湘南はGK谷晃生(25)を中心に防ぎ、ゴールは生まれなかった。

■2nd half
湘南は一転して前からプレスを掛けてくる。
谷口とジェジエウに寄せながら、次のパスコースを切ってきた。
ボールを持てば、ロングボールを蹴らずにビルドアップ。
セカンドボールでも優勢を保ち、川崎と互角の展開に持ち込んだ。
57分、古林将太(5)の右クロスをタリク(11)がジャンピングボレーで先制する。

湘南は、引き籠らずに追加点を狙ってきた。
しかし、61分、湘南CKのクリアボールを下田が大島に送る。
大島のラストパスで山根は独走し、ふわっとGK谷を抜いて同点ゴール。

78分、DF石原広教(38)のトラップミスを奪った三笘が、そのままドリブル。
最後は戻ってきた石原の股を抜いて、GK谷のニアサイドに鋭くゴール。

逆転を許した湘南は、もうチャンスを作れなかった。
88分、田中碧がパスカットして、宮代とのワンツーから3点目を決めた。

■summary
湘南は先制ゴールまではプラン通りだった。
前半は耐えながら、後半スタートから2人を交代して攻勢に出た。
遅攻から組み立てて、その投入された古林とタリクでゴールを奪う。

これ以上ない展開となったが、逃げ切ることはできなかった。
前半のような耐える戦術は取らず、果敢に攻撃を続ける。
ミスもあって逆転を許してしまったが、悪くはなかった。


ジェジエウ(4)とレアンドロ・ダミアン(9)。

川崎は前半、圧倒していたが、ゴールが決まらない。
湘南がPA内をきつく締めていたこともあり、スペースは少なかった。
ミドルシュートも守備陣にブロックされて、GK谷のセーブも冴えた。
1点を決めていれば、楽な展開になったと思われる。

そして、後半は湘南の攻勢を受けてしまった。
運動量で下回る時間帯をどう凌いでいくかは今後とも課題といえる。
失点後は選手交代を重ね、前線からボールを追いかけた。
いずれも速攻から3ゴールを決めて、突き放すことができた。


仙台戦に続いて先制されてからの逆転勝ち。
これで7月は、6連勝となった。
失点も少なくなく盤石ではないが、素晴らしい結果といえる。

次は中6日でG大阪戦(J1 #8)。
G大阪は、首位川崎と勝ち点3差の暫定2位となっている。

東西のブロック内に限定された対戦は7月で終わる。
8月は、西のチームとの対戦が始まることとなる。
ルヴァンカップ予選も2試合あって、9試合が組まれている。
ターンオーバーを重ねながら、過密日程でも勝ち点を積んでいきたい。

■goal
61山根視来(13) 78三笘薫(18) 88田中碧(25) 
57タリク(11)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 プレー機会は少なかった。失点を止めるのは難しいが、反応はしたい。
山根視来(13) 6.5 34分、パスミスから攻められる。61分、独走して同点ゴールを決める。
ジェジエウ(4) 6.0 スピードと高さは変わらず圧倒的。57分、タリクに剥がされてしまう。
谷口彰悟(5) 6.5 ロングボールを回収して、攻撃に転じた。後半、パスコースが減った。
登里享平(2) 6.5 左サイドを制圧。フリーでボールを受けて、ゆったりと組み立てた。
守田英正(6) 6.5 1ボランチで奮闘。周囲を囲まれて窮屈だった。50分、ボレーシュート。
脇坂泰斗(8) 5.5 26分、39分とミドル。スペースが限られていて、ゴールを生めなかった。
下田北斗(22) 6.5 滑らかなパスを展開。味方を走らせつつ、自らも走ってパスを受ける。
旗手玲央(30) 5.5 プロ初先発。強気にゴールを目指していたが、徐々に消えてしまった。
小林悠(11) 6.0 好調さを維持。あまりにも多くの決定機を迎えたが、ゴールを決められず。
家長昭博(41) 5.5 右サイドで攻撃を組み立てる。ふわっとしたクロスを正確に入れた。

■sub
58(8)大島僚太(10) 6.5 61分、素早い判断で1アシスト。正確なトラップとパスで支える。
58(30)三笘薫(18) 6.0 78分、奪って運んでプロ初ゴール。ドリブルの仕掛けは不発だった。
66(41)ダミアン(9) 6.0 直接ゴールに絡まなかったが、良く貢献した。74分、シュート。
66(11)宮代大聖(20) 5.5 田中碧のゴールをアシスト。70分、PA内に縦に入って仕掛ける。
85(22)田中碧(25) 6.5 88分、ボール奪取からゴールを決めた。プレスも頑張っていた。

■bench
丹野研太(27) 車屋紳太郎(7)

■coach
鬼木達 6.5 前半でゴールを奪えないまま先に失点してしまうが、選手交代で逆転に導いた。

■referee
家本政明 6.5 ほとんど笛を吹かず、試合をコントロール。素晴らしかった。

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2020/07/23

200722仙台2-3川崎(J1 #6)

仙台2-3川崎(ユアテックスタジアム仙台, 19:30KO, 2,507人/3,400人)

4連勝となった横浜FC戦(J1 #5)から中3日。
東京オリンピックの開会式(延期)を含む4連休の前日、水曜日開催。

ユアテックスタジアムは、3,400人上限で運用している。
Jリーグとしては5,000人上限だが、1メートル以上の間隔を空ける必要もあるため。


J1リーグでは5試合を終えて、4勝1分の勝ち点13。
2位FC東京とC大阪から、勝ち点1差の首位となっている。


先発は、横浜FC戦と同じ11人。
ベンチにはGK安藤が入り、GK丹野が外れる。


仙台は、2014年途中から6シーズン率いた渡邉晋監督が退任。
新たに木山隆之監督を迎えている。
 2018年、木山監督率いる山形(J2)戦(2018 天皇杯 QF)で、川崎は敗れている。
ここまでのJ1リーグは、1勝3分1敗の勝ち点6で11位。
2019シーズンの対戦は、川崎の1勝1分だった。
 190503川崎3-1仙台(J1 #10)
 190817仙台2-2川崎(J1 #23)

■1st half
川崎がボールを持つ展開となる。
ゆったりとトラップして、次のパスをつないでいく。
がっちりと組まれた仙台の守備ブロックの外側でボールを回す。

仙台は川崎のプレスに苦しみ、ボールを長く持てない。
それでもFW長沢駿(20)とFWジャーメイン良(19)を目掛けて、ロングボールを入れる。

30分、脇坂の横パスを長沢がカットし、ジャーメインがパスを入れる。
大島がカットして流れたボールに長沢が走り込み、美しい反転シュートを決めた。

続いて38分、道渕諒平(18)がロングシュート。
田中碧のシュートブロックで弾道が変わり、ゴール右隅にふわっと沈んだ。
仙台は幸運にも恵まれつつ、素晴らしいゴールで2点のリードを奪った。

川崎はスピードを上げられず、シュートまでたどり着けない。
崩し切る前にクロスボールを入れてしまい、仙台の高さに跳ね返された。
背後へのパスやスルーパスが少なく、ゴールに近づけなかった。
41分、脇坂のミドルシュートはわずかにゴール左を通過した。

■2nd half
2点のビハインドとなった川崎は、前線の3人を入れ替える。
前半終了間際に三笘、後半開始から小林悠と旗手を入れる。
家長が1列下がって、脇坂に代わって右インサイドハーフとなった。

左サイドを三笘がドリブルで疾駆する。
1人2人を引きつけながら、ボールを失わず鋭くゴールに向かった。
右サイドの旗手もさかんに裏抜けを狙い、仙台の守備ブロックを崩していく。
そして家長が中央でボールを持って、走り出す選手たちにボールを届けた。

58分、旗手の右クロスを小林悠がヘッドで捻じ込んで1点差。
直後の59分、山根がインターセプトからドリブルを仕掛け、小林悠とのワンツーからゴール。
あっという間に同点とすると、さらに68分。
CKの流れから、大島の右クロスを小林悠が難易度の高いジャンピングボレーで逆転した。

仙台は川崎のプレスの勢いをそのまま受けてしまった。
低い位置でボールを失っては、川崎に速攻を許した。

■summary
仙台は前半、4-5-1の守備ブロックを組んだ。
最終ラインの4人と中盤の5人がきれいな等間隔で並ぶ。
3MFの両脇に2FWが並ぶことで、川崎のサイド攻撃に対して数的同数を保つ。
さらにバイタルにも人数をかけて、中央突破を許さなかった。
それでも多くのクロスがFWダミアンに入ったが、CBの平岡康裕(13)と吉野恭平(16)が跳ね返した。
守りを固めながらの反撃で2ゴールを決める、理想的な前半だった。

後半になると、川崎の攻撃を防げなくなり、蹂躙された。
三笘がドリブルで抜け出すと、複数人が引き寄せられて対処せざるをえない。
小林悠と旗手に背後のスペースを狙われたことで、選手間の距離を広げられる。
揃っていた最終ラインがバラバラとなり、中盤のスペースも埋められなくなった。
中央に動いた家長に時間を与えてしまい、じっくりと正確な配球を許した。


川崎の前半は、ボールは持てていたものの、攻撃はゆっくり。
ダイレクトパスやスペースを突くフリーランが少なく、仙台の守備を崩せない。
夏場の暑さと連戦による疲労の中でも、しっかり走らなくてはならない。

そうした中、三笘、小林悠、旗手の投入から3ゴールでひっくり返した。
3人ともに、これまでのプレー時間が少なく、フレッシュな選手たち。
下田と守田を含めて、コンディションの良い、走れる選手たちを起用すべき。

(7月28日、前半45分に負傷交代した長谷川について、プレスリリースがあった。)
(左膝内側側副靭帯損傷で、負傷日から全治4週間程度を要する見込。)

仙台の木山監督の川崎対策は的確だった。
2年前の天皇杯は敗れてしまったが、対策を打ち破ったことは素晴らしい。

2点ビハインドからの逆転勝利となった。
3年前の仙台戦(2017 J1 #29)が思い起こされる。
80分すぎから3連続ミドルを決めたあの試合は、J1リーグ優勝につながった。

次は中3日でホーム湘南戦(J1 #7)。
必要なターンオーバーを行いつつ、勝利を得たい。

■goal
30長沢駿(20) 38道渕諒平(18)
58,68小林悠(11) 59山根視来(13) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 ロングキックが冴えていた。2失点ともに止めるのは難しかったか。
山根視来(13) 6.0 小林悠とのワンツーで移籍後初ゴール。クロスは跳ね返されてしまう。
谷口彰悟(5) 6.0 最後までラインを高くコントロールする。ビルドアップも的確だった。
車屋紳太郎(7) 6.0 右サイドの山根にロングボールを展開。仙台のハイボールを処理。
登里享平(2) 6.0 中に絞って長谷川のスペースを作る。後半は三笘のドリブルを引き出す。
田中碧(25) 6.0 51分、55分とミドルシュート。中盤を締めた。76分にパスミス。
脇坂泰斗(8) 5.0 28分、低い位置でのパスミスから先制点を与えた。41分、ミドル。
大島僚太(10) 5.5 1アシスト。安全なパスの選択が多く、大きな展開ができなかった。
家長昭博(41) 6.5 前半は多くの右クロス。後半は1列下がり、司令塔として君臨した。
ダミアン(9) 5.5 中央でクロスのターゲットとなる。仙台の厚い守備を破れなかった。
長谷川竜也(16) 5.5 狭い左サイドで窮屈なプレーとなった。前半終了間際に負傷交代。

■sub
45(16)三笘薫(18) 7.0 ドリブルで長距離を何度も駆け上がる。仙台の守備を混乱させた。
HT(8)旗手玲央(30) 6.5 58分、右クロスで1アシスト。67分、70分にもシュートする。
HT(9)小林悠(11) 8.0 圧巻の2ゴール1アシストは、すべて1タッチ。チームを逆転に導く。
84(10)下田北斗(22) 6.0 なめらかにダイレクトパスをつなぐ。走ってスペースを作った。
88(41)守田英正(6) 6.0 渋いプレーで時間を消費する。90分、PA内で仕掛ける。

■bench
安藤駿介(24) 山村和也(34)

■coach
鬼木達 6.0 前半の停滞はターンオーバーしなかったからか。後半、鮮やかに逆転。

■referee
西村雄一 6.5 落ち着いた態度で的確にファウルを判定。素晴らしかった。

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2020/07/18

200718横浜FC1-5川崎(J1 #5)

横浜FC1-5川崎(ニッパツ三ツ沢球技場, 18:00KO, 2,733人/5,000人)

J1リーグ再開後3連勝を飾った柏戦(J1 #4)から中6日。
ミッドウィークの開催がなく、再開後初めて日程が空いた。
勝ち点1差とはいえ、首位に立ってのゲームとなる。

横浜FCとの対戦は、10年ぶり。
 2010年10月13日の天皇杯3回戦では、等々力で2-1で勝利した。
 J1リーグでの対戦は、2007年以来となる。

ニッパツ三ツ沢で川崎がプレーするのも久しぶり。
 2015年5月27日の横浜FM戦(2015 YNC GL #6)以来、5年ぶり。


先発は、柏戦から3人を変更する。
 大島と田中碧、登里を先発させ、2試合前のFC東京戦(J1 #3)のメンバーに戻す。
 ただ、柏戦で負傷したジェジエウは外れ、車屋が入っている。
 守田と下田はベンチスタート、ジェジエウはベンチ外となった。

ベンチには、新たに小林悠、山村、三笘、GK丹野が入る。
 小林悠は6月15日の右膝手術(全治3~4週間程度)からの復帰。
 山村、三笘とともに、J1リーグ再開後では初のベンチ入り。
 齋藤学と宮代、GK安藤がベンチから外れている。

今シーズン6試合目(再開後4試合目)の公式戦となるが、GKのサブは交代制。
 安藤と丹野が、交互に3試合ずつベンチに入っている。


横浜FCは、2019シーズンJ2リーグ2位で昇格。
2007シーズン以来、2度目のJ1リーグを戦っている。
ここまでは1勝2分1敗で、10位となっている。
川崎からレンタル中のマギーニョ(3)は、契約上の理由でベンチ外。

■1st half
横浜FCは3バックでしっかりとビルドアップ。
GK南雄太(18)から怖れることなくボールをつないでいく。
川崎のプレスを受けつつも、ミスのないパスを続けた。
チャンスを見つけると松尾佑介(37)、斉藤光毅(23)を縦に走らせる。
さらにFW一美和成(9)が、車屋を背負ってのポストプレーで時間を作った。

川崎もショートパスで応戦していく。
横浜FCよりもゴールに近づいていて、多くのシュートを放った。
5分と8分のダミアンのシュートは、GK南が弾いた。

飲水タイム直後の28分。
田中碧から山根と流れるように右に展開して、最後は家長がクロス。
中央のダミアンのヘッドはバーに当たるが、跳ね返りを脇坂がボレー。
緩やかなボールが横浜FCゴールに吸い込まれた。

その後は横浜FCのビルドアップにミスが出てしまう。
川崎がボールを持つ時間が長くなってきた。

■2nd half
後半開始から、横浜FCが再び攻勢に出てきた。
両サイドに人を配置して、ピッチの横幅を使ってパスをつなぐ。

川崎は選手間の距離を広げられて、セカンドボールを拾えない。
苦し紛れのクリアボールを横浜FCに回収されて攻め込まれた。
横浜FCの攻勢が続いて、59分、PAの左右にボールを動かされる。
最後は松尾のシュートを田代真一(5)が触って、同点ゴールが生まれた。

川崎はパスをつなげない苦しい時間帯だったが、窮状を三笘が救う。
60分に投入されると、左サイドを小気味良いドリブルで疾駆する。
62分、長距離をドリブルで持ち運んでのシュートで、CKを獲得。
74分、PAを左から中央にドリブルで運び、DF星キョーワァン(29)に倒されてPKを得る。
小林悠がゴール左隅に決めて、今シーズン初ゴール。

リードした川崎は、圧倒的に攻め込んでいく。
78分、脇坂の右CKを車屋が合わせると、瀬古樹(6)のハンドで2つ目のPKを獲得。
今度は家長がキッカーとなり、冷静にゴール右隅に沈めた。

83分、小林悠が2ゴール目、90+6分、下田の左CKを谷口がヘッドで決めた。

■summary
横浜FCは美しいパスサッカーで川崎を追い詰めた。
正確なトラップから早い判断でパスを続ける。
セカンドボールを拾い、川崎にボールを渡さないまま、攻撃を繰り広げる。

ただ、安全なパスを選択することが多かった。
ボールは失わないものの、川崎の守備を突き崩すことはできなかった。
最後の崩しを仕掛けるパスは上手くいかず、シュートチャンスは少なかった。
決定的な場面をどう作るかが課題といえるが、良いプレーを見せてくれた。

40歳のGK南雄太は、柏に所属していた2008年以来のJ1リーグ先発。
5失点はしたものの、多くのシュートストップを見せてくれた。
これからも活躍を期待したい。


川崎は劣勢に追い込まれる時間が長かった。
プレスに出ると横浜FCにボールを散らされて運ばれる。
出ていかずに待ち受けると、ずるずるとラインを下げられた。
中央は固めていて決定機は与えていなかったが、59分に同点ゴールを決められる。

ほとんどボールを持てておらず、暗雲が立ち込める展開だった。
しかし、60分に投入された三笘と小林悠がチームを救ってくれた。
最後は横浜FCを圧倒して、大勝することができた。

次の試合は、中3日でアウェイ仙台戦(J1 #6)。
再びミッドウィークに試合が組まれている。
引き続き、着実に勝ち点を積み上げていきたい。

■goal
59田代真一(5)
28脇坂泰斗(8) 75PK,83小林悠(11) 78PK家長昭博(41) 90+6谷口彰悟(5) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 34分、松尾の強いシュートをキャッチ。失点は仕方ないが反応は遅れる。
山根視来(13) 5.5 40分、ミドル。41分、松尾に抜き去られる。55分、低い位置でロスト。
谷口彰悟(5) 6.0 ロスタイムに1ゴール。押し込まれて劣勢の時間帯を立て直せなかった。
車屋紳太郎(7) 6.0 一美や斉藤とマッチアップ。なんとか抑えていた。パスは少し不正確。
登里享平(2) 5.5 良いポジション取りをしていたが、らしくないパスミスが目立った。
田中碧(25) 6.0 1ボランチで堂々とプレー。24分、77分と思い切ったロングシュート。
脇坂泰斗(8) 6.0 5分、17分にシュートして、28分に先制ゴール。後半はペースを落とす。
大島僚太(10) 6.0 目立つプレーは少なかったが、中盤を仕切る。24分、ロングシュート。
家長昭博(41) 6.5 28分、右クロスでゴールを演出する。73分、86分と小林にラストパス。
ダミアン(9) 6.0 5分、8分、28分、32分と立て続けにシュート。後半はプレスに出れず。
長谷川竜也(16) 5.5 ボールを持っても見せ場を作れず。星に抑えられた。38分、右クロス。

■sub
60(9)小林悠(11) 6.5 ケガ明けだったが、さすがの2ゴール。86分にも決定的なシュート。
60(16)三笘薫(18) 7.0 怯むことなく縦を目指すドリブル。チームを救った。PKを獲得。
84(13)守田英正(6) 6.0 RSBで出場。パスワークに参加し、守りも効いた。山根を休ませる。
84(10)下田北斗(22) 6.0 縦横無尽に走り回り、中盤を引き締めた。左CKで1アシスト。
89(2)山村和也(34) 5.5 RCBで今季初出場。攻め込む時間で、プレー機会は少なかった。

■bench
丹野研太(27) 旗手玲央(30) 

■coach
鬼木達 6.5 劣勢の時間帯が長くなったが、交代策が大成功。ゴールラッシュを導いた。

■referee
東城譲 6.0 悪くない判定だった。1つ目のPKはやや微妙だったか。2つ目は妥当。

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2020/07/12

200711川崎3-1柏(J1 #4)

川崎3-1柏(等々力, 19:00KO, 4,724人/5,000人)

快勝したFC東京戦(J1 #3)から中2日。
他のJ1リーグは日曜日開催が多いが、土曜日の開催となった。

J1リーグ再開から2試合は、無観客のリモートマッチだった。
この柏戦からは、5,000人(もしくは収容率50%)を上限に観客を入れる。
等々力ではふだんの自由席も含めて、全席指定となる。
隣の観客との間には2席の空席を設けるなど、余裕ある配置。


先発は、FC東京戦から3人を変更。
車屋、守田、下田が新たに先発し、登里、田中碧、大島がベンチスタート。
ベンチには、GK安藤が入り、GK丹野が外れた。


 試合前、円陣を組む柏。
 川崎は円陣なしでした。

柏は昨シーズンJ2リーグで優勝して、1年でJ1に復帰。
川崎との対戦は、2018シーズン以来となる。
中2日の横浜FC戦(J1 #3)から、先発を4人代えている。

■1st half
川崎が柏をハーフコートに押し込んでいく。
柏はラインを下げ、サイドも中央も固めていた。
何度も両サイドに展開されたが、陣形を組み直して崩れない。
ただ、ボールへの圧力は徐々に減っていく。

16分、ジェジエウが負傷して登里に交代する。
CB谷口が左から右へ、車屋がLSBからLCBへ動き、登里がLSBに入る。

川崎はPAに向かって、ドリブルでチャレンジしていく。
22分、登里がダミアンの落としに走り込む。
26分、脇坂がダミアンのポストプレーからシュート。
33分、長谷川がルーレットターンで3人を抜く。
35分には下田がPA内でドリブルを仕掛ける。
柏は密集の中での守備となったが、手は使わずクリーンだった。

柏はGKキム・スンギュ(17)からビルドアップを図る。
しかし、2CBの鎌田次郎(2)と染谷悠太(15)から先のパスをつなげない。
川崎のプレスが厳しく、パスコースを封じられてボールを失った。
FWオルンガ(14)を狙ったロングボールは精度が低く、成功しなかった。

多くのチャンスを作っていた川崎は40分、ようやく先制点。
脇坂の右CKを江坂任(10)が触り、ファーに流れたところを家長がヘッド。
さらに42分。登里が縦パスをインターセプトして家長にラストパス。
中央で受けた家長は、そのまま右足でゴールを決めた。

■2nd half
柏は一気に3人を交代し、勝負に出てきた。
連動しながらプレスを頑張り、川崎にボールを持たせない。
前半は攻め込まれたサイドのスペースを埋め、川崎の攻撃を封じた。

しかし、51分。PA左で下田がFKを獲得して、さらに続く左CK。
脇坂のボールを高いヘッドでダミアンが合わせ、3点目が入った。

川崎は余裕を持って時間を費やすべきだったが、主導権を握れない。
56分、LSB三丸拡(20)のクロスをFW呉屋大翔(19)がゴール。
ゴール前を通るボールを谷口と車屋が触れず、ファーの呉屋まで転がった。

あっという間に2点差に戻されると、互角の攻防が続く。
61分に右WGに入った旗手は、ボールへの寄せが甘かった。
RSBの山根が低い位置に下がり、旗手と距離が遠く、柏にスペースを与える。
柏のLSB三丸が攻め上がり、川崎のPA右脇のエリアにスルーパスを入れられた。

川崎はラインを押し下げられつつも、チャンスを作る。
69分、下田のスルーパスから、ダミアンがGK1対1のシュート。
78分、長谷川が左サイドで3人を抜いてスタンドを沸かせた。
サイドを攻められつつ、中央をがっちり固め、柏に追加点を与えなかった。

■summary
柏は前半、ほとんど攻撃ができなかった。
GKキム・スンギュからのビルドアップを志向するが、上手くボールを運べない。
川崎のプレスに苦しんで、FWオルンガに有効なパスを出せなかった。

守備ではボールホルダーを自由にしてしまった。
プレスを仕掛けても、川崎のパスワークに翻弄される。
前線と最終ラインが間延びして、空いたバイタルを脇坂や下田に使われた。
PA内に再三攻め込まれながら耐えていたが、40分、42分に失点。

後半スタートから3人を代えてスプリントを強めた。
悪くない内容となったが、ゴールは1つだけ。
決定機は多くはなく、ビハインドを挽回することは難しかった。


 谷口彰悟(5)。
 J1リーグ200試合出場。

川崎は先発が3人代わっても、クオリティは下がらなかった。
下田と守田が豊富な運動量で中盤を支え、役割を果たした。
家長、ダミアン、長谷川の3トップの好調も持続している。

ジェジエウが負傷交代したが、車屋が助けてくれた。
もし、ジェジエウの離脱が長引くようであれば、CBの層に不安が残る。
ベンチ外が続いている山村を起用したいところ。

次は中6日でアウェイの横浜FC戦(J1 #5)。
コンディションを整えて、良い内容で勝ち点を積み重ねたい。

■goal
40,42家長昭博(41) 52ダミアン(9) 
56呉屋大翔(19)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 CKやクロスを危な気なくキャッチする。失点は止めることは難しい。
山根視来(13) 6.0 87分、PA内でシュート。特に後半、右サイドの守備で苦戦していた。
ジェジエウ(4) 6.0 11分、タックルでカウンターを止める。16分、足を痛めて交代する。
谷口彰悟(5) 6.5 オルンガにきちっと対応する。後半はラインを下げてブロックを作った。
車屋紳太郎(7) 6.5 LSBからCBに移動する。フェイントを軽く入れながらビルドアップ。
守田英正(6) 6.0 広い範囲を守備。78分、ロングシュート。89分、呉屋を倒してイエロー。
下田北斗(22) 6.5 正確なキックで攻撃を組み立てる。最後までスプリントを続けた。
脇坂泰斗(8) 6.5 CKから2ゴールを生む。自らも4分、26分、30分、36分にシュート。
家長昭博(41) 7.0 右サイドで力強くキープする。立て続けの2ゴールで試合を決めた。
ダミアン(9) 6.5 ポストプレーとチェイスで貢献する。異次元の高さのヘッドで1ゴール。
長谷川竜也(16) 6.5 33分、78分とドリブルを鋭く仕掛ける。85分、ロングシュート。

■sub
16(4)登里享平(2) 6.5 42分、インターセプトから家長をアシスト。上手く時間を費やす。
61(8)大島僚太(10) 5.5 プレスが厳しく、早いプレーを強いられる。キープできなかった。
61(41)旗手玲央(30) 5.0 右WGに入る。攻撃の時間が短く、守備では柏に狙われていた。
86(9)宮代大聖(20) 5.5 CFに入ったが、プレー機会は少なかった。
86(16)齋藤学(19) 6.0 長い距離のスプリントで、プレスを何度も掛けていった。

■bench
安藤駿介(24) 田中碧(25)  

■coach
鬼木達 6.0 3人の先発を変更し、勝利に導く。後半のペースダウンはもう少し対処したい。

■referee
上田益也 6.0 多少の接触ではファウルを取らなかった。悪質なプレーにはイエローを提示。

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2020/07/08

200708FC東京0-4川崎(J1 #3)

FC東京0-4川崎(味の素スタジアム, 19:30KO, RM0人)

辛くも逃げ切った鹿島戦(J1 #2)から中3日。
4ヶ月強の中断を挽回するため、再開直後から試合日程は詰まっている。

第35回多摩川クラシコは、リモートマッチ。
観客がいない味の素スタジアムでの開催となった。


先発は鹿島戦と同じ11人。
ベンチには、GK丹野が入り、GK安藤が外れた。


FC東京は、J1リーグ開幕2連勝。
2019シーズンは、J1リーグで準優勝。
川崎との対戦は、川崎の1勝1分だった。
 190223川崎0-0FC東京(J1 #1)
 190714FC東京0-3川崎(J1 #19)

■1st half
川崎の両サイドからの攻撃が冴えまくる。
左では長谷川と登里が交互に縦に走り出す。
右では家長がポイントを作り、山根が周囲を自由に駆け巡る。
ダミアンのポストやMFも有機的に絡み合って、攻撃を続けた。

12分、ダミアンの縦パスから長谷川がシュート。
17分、登里のスローインを、PA内でダミアンが優しく落とす。
 駆け込んだ大島のシュートは、ポストを叩いてゴールに決まった。

FC東京は18分、FWディエゴ・オリヴェイラ(9)がシュート。
彼だけがボールをキープでき、攻撃の中心となっていた。

23分、山根が縦にDF3人を抜いて右クロスを鋭く入れる。
 ゴール前のダミアンが、ヒールで美しく蹴り入れて追加点が入った。

28分、家長の右クロスをダミアンが落とし、長谷川がゴール。
45分、山根の右クロスをダミアンがシュートし、こぼれたボールを長谷川が蹴り込んで4点差。

FC東京は機敏なプレスができず、川崎の攻撃を止められない。
ビハインドの状況で攻めに人数を割くが、ボールを失っても戻るのが遅かった。
次々とゴールを決められて、大差が付いた。

■2nd half
後半、4点を追うFC東京はプレスを強める。
パスコースを消し、川崎からボールを奪い取った。
そして、FWアダイウトン(15)、FWレアンドロ(20)の個の力で攻めてくる。

川崎は落ち着いてFC東京の攻撃を受け止めつつ、決定機を作る。
58分、フリーの長谷川のシュートはバー。
59分、田中碧のスルーパスでダミアンがGK林彰洋(33)との1対1からシュート。

このあと5人の交代を経ていくと、FC東京に主導権を渡す。
FC東京はロングボールを入れてくるが、ジェジエウが立ちはだかった。

時間を上手く使えていなかったが、85分過ぎからは押していく。
87分、田中碧がロングシュート。
88分、旗手のシュートはライン上でDF室屋成(2)がクリア。
FC東京のゴール前でのプレーが増え、余裕を取り戻した。

■summary
前半、FC東京は距離が遠く、川崎の攻撃を止められない。
中盤でのプレスが少なく、脇坂や大島に自由を与えてしまった。
1対1の対応でも、23分に山根に3人が抜かれるなど、後手に回る。
CB森重真人(3)と渡辺剛(4)も、ダミアン1人にPA内を蹂躙された。

ディエゴ・オリヴェイラは良かったが、周囲のサポートが少なかった。
後半になるとシュートは増えたが、川崎の守備ブロックは崩せなかった。
永井謙佑(11)が欠場していて、ディエゴだけでは攻め切れなかった。


川崎は1ボランチの田中碧を、インサイドハーフの大島と脇坂がサポート。
守備でも攻撃でも近い距離を保ちながら、田中碧を孤立させなかった。
前半はすべての選手のプレーが相互に融合し、素晴らしい攻撃を見せた。

後半は点差も広がったこともあり、受けに回った。
それでもバランスを崩すことなく、しっかり守り切った。
終了間際にはFC東京を押し込みながら、危なげなく逃げ切った。


次は中2日で迎えるホーム柏戦(J1 #4)。
無観客のリモートマッチは2試合で終わり、5,000人までの観客が入場可能。
きつい日程だが、しっかり勝ち点を積んでいきたい。

■goal
17大島僚太(10) 23ダミアン(9) 28,45長谷川竜也(16) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 プレー機会は少なかった。18分、66分とシュートをストップする。
山根視来(13) 7.0 23分、圧巻の3人抜きからのアシスト。45分、右クロスでゴールを生む。
ジェジエウ(4) 6.5 走りまくって広い範囲をカバー。クリアボールはもっとつなぎたい。
谷口彰悟(5) 6.5 ディエゴ・オリヴェイラを封じる。丁寧に縦パスを入れていった。
登里享平(2) 6.0 28分、サイドチェンジでチャンスを作る。再三、縦に走り込んだ。
田中碧(25) 6.0 1ボランチでパスを受け、守備にも奮闘する。87分、ロングシュート。
脇坂泰斗(8) 6.0 走ってボールを受け、流動性を生んだ。12分、長谷川へスルーパス。
大島僚太(10) 7.0 17分、強烈なゴラッソを決める。何気ないパスで崩していった。
家長昭博(41) 6.0 4分、38分に右クロス。強い体幹を活かしてキープし、山根を動かす。
ダミアン(9) 7.5 ポストプレーで2アシスト。ヒールで1ゴール。さらに4点目にも絡んだ。
長谷川竜也(16) 7.0 2ゴール。58分、大島のスルーパスからのシュートはバーに当てる。

■sub
60(8)下田北斗(22) 6.0 質の高いセットプレーを見せた。90+1分、ドリブルでFKを得る。
60(41)旗手玲央(30) 6.0 右FWでプレー。84分、88分と続けて決定的なシュートを放つ。
69(10)守田英正(6) 5.5 インサイドハーフで攻撃のタスクをこなす。パスが少し荒かった。
69(16)齋藤学(19) 5.5 左FWに入り、ドリブルで仕掛ける。86分、カウンターからキープ。
84(9)宮代大聖(20) 5.5 J1リーグでデビュー。短い時間だったが、89分、ポストプレー。

■bench
丹野研太(27) 車屋紳太郎(7)

■coach
鬼木達 7.0 完勝に導いた。大差の展開となったのに、選手交代は少し遅かったか。

■referee
木村博之 6.0 遅いタックルなど接触プレーに厳しく吹き、試合を落ち着かせた。

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2020/07/04

200704川崎2-1鹿島(J1 #2)

川崎2-1鹿島(等々力, 19:00KO, RM0人)

新型コロナウイルス感染症で中断していたJ1リーグが再開。
 2月22日の鳥栖戦(J1 #1)から、4ヶ月以上空いている。
 この間、すべての試合日程が組み直され、第2節は鹿島戦となった。
 観客を入れないリモートマッチとして開催される。

J1リーグは第2節以降、交代枠が5人となった。
 第1節から導入されたVARも、今季は採用されないこととなった。



先発は、4ヶ月前の鳥栖戦と同じ。
 ベンチには、GK安藤、下田、齋藤学、宮代が入る。
 外れたのはGK丹野、山村、三笘、小林悠。
なお、小林は6月15日に右膝を手術し、全治3~4週間程度となっている。

鹿島はACLプレーオフ、YLC GL第1節、J1リーグ第1節と負けている。
 今シーズン1つも勝てていないが、中断期間を経てどうなったか。
 新監督にザーゴ(元柏)を迎えている。

2019シーズンは、J1リーグ3位、ACLベスト8、YNCベスト4、天皇杯準優勝。
川崎との4度の対戦は、川崎の2勝2分だった。
 190301川崎1-1鹿島(J1 #2)
 191009川崎3-1鹿島(YLC SF #1)
 191013鹿島0-0川崎(YLC SF #2)
 191109鹿島0-2川崎(J1 #31)

■1st half
2分、川崎がCKの流れから、家長が左からクロス。
 ゴール前で谷口がフリーとなって、蹴り込んで先制する。
 完全なオフサイドだったが、判定ミスでゴールが認められた。

4分にも大島の左クロスをダミアンがヘッド。
 ゴール右上を狙うが、GKクォン・スンテ(1)が華麗に弾き出す。

鹿島はGKクォン・スンテからビルドアップ。
 低い位置でパスを回しながら、ロングボールを入れてくる。
 1トップのエヴェラウド(9)が受けて、川崎を押し込んだ。

30分、家長が右サイドからロングボール。
 内田篤人(2)が触れず、ファーサイドの長谷川が右足でトラップして、左足でシュート。
 狭い角度からGKの脇を鋭く突き刺し、美しいゴールが決まった。

2点差となったが、直後の32分の鹿島の左CK。
 直接ゴールに向かったボールを、ダミアンが触ってオウンゴール。
 ソンリョンが控えていただけに、軽いプレーだった。

鹿島はプレスは緩めだが、川崎のパスコースを消してきた。
 川崎は両サイドから展開しようとしても、詰まってしまう。
 大島と脇坂が下がってくると、局面を打開することができた。

■2nd half
後半は風が強くなって、ハイボールが流されていく。
 鹿島が早く動いてセカンドボールを拾い、川崎を押し込む。
 レオ・シルバ(4)を中心として、左右にパスを散らす。

川崎はプレスに行くことができない。
 ゴール前の低い位置まで下がってしまい、ボールを奪っても大きくクリアするだけ。
 パスサッカーができなくなって、防戦一方の厳しい状況に追い込まれた。

55分、エヴェラウドとの1対1を、GKソンリョンが身体に当ててストップ。
59分、内田が右クロス。フリーのエヴェラウドはシュートを空振り。
71分、RSB広瀬陸斗の右クロスにFW伊藤翔(15)がヘッド。
83分、MF永木亮太(6)のFKは、守田がクリア。
85分、FW染野唯月(19)のシュートがバーを叩く。

鹿島は川崎ゴールに迫ったが、失点せずにタイムアップを迎えた。

■summary
鹿島は川崎の1ボランチの左右のスペースを上手く使った。
 前半は土居聖真(8)、後半は遠藤康(25)が上下に動いて揺さぶった。
 新加入のエヴェラウドとMFファン・アラーノ(7)は、もう少し動きたかったか。

後半、1点を追う展開もあって、川崎にボール保持を許さない。
 ロングボールを蹴られても、危なげなく回収していく。
 最後まで攻撃を続けたが、ゴールを割れなかった。
 内容は悪くなかったが、川崎の守備陣を崩し切れず、決定機は少なかった。
 また、主審に長く抗議して、貴重な時間を空費したのは残念だった。


前半、川崎は良いプレーができていたが、後半は明らかに失速した。
 運動量が落ち、パスコースを作れずに簡単にボールを失う。
 田中碧は1ボランチで奮闘していたが、1人ではスペースを埋め切れない。
 バイタルを鹿島に使われて、最終ラインを押し上げることができなかった。

劣勢の中、5人の交代カードを切ったが、効果は少なかった。
 74分に守田が田中碧に代わり1ボランチに入ったが、鹿島の攻勢を止められず。
 旗手も齋藤学もボールを長く持てず、守備の負担を軽減できなかった。
 もう少しカウンターを有効に仕掛けたかったところ。

ジェジエウと谷口、GKソンリョンの踏ん張りで逃げ切った。
 良い内容ではなかったが、結果を得ることができた。

次は中3日でアウェイのFC東京戦(J1 #3)。
 リモートマッチによる無観客試合は、この試合までとなる。
 後半の失速に対策しながら、結果を出していきたい。

■goal
2谷口彰悟(5) 30長谷川竜也(16) 
32OwnGoal

■judge
ソンリョン(1) 7.0 多くのシュートをストップ。55分のエヴェラウドとの1対1も防いだ。
山根視来(13) 5.5 積極的にプレー。守備ではサイド攻撃を許す。81分、PA近くでファウル。
ジェジエウ(4) 6.0 鹿島の波状攻撃をクリアし続ける。85分、PA内で空振りしてしまう。
谷口彰悟(5) 6.0 2分のゴールはオフサイド。49分、51分と前線にロングパスを供給した。
登里享平(2) 5.5 前半は軽快にサイドを攻め上がる。後半は押し込まれて守備に追われた。
田中碧(25) 5.5 1ボランチで広い範囲をカバーする。ただ、スペースを埋め切れなかった。
脇坂泰斗(8) 5.0 機動的だったが、消えている時間が増えていった。セットプレーを担当。
大島僚太(10) 5.5 ボールに触ればパスワークの中心となったが、タッチ数が少なかった。
家長昭博(41) 6.0 左右からのクロスで2アシスト。57分にも長谷川に右クロスを供給する。
ダミアン(9) 5.0 4分、大島のクロスをヘッド。オウンゴールは触るべきではなかった。
長谷川竜也(16) 6.5 30分、角度のないシュートを射抜く。57分、ダイビングヘッド。

■sub
62(8)旗手玲央(30) 5.0 78分、右サイドをドリブルしてクロス。プレーに絡めなかった。
74(16)齋藤学(19) 5.5 左ウィングに入り、プレスを頑張る。77分、左クロスでCKを得る。
74(41)守田英正(6) 5.5 1ボランチ。広いバイタルを締めて、鹿島の攻勢を耐え切った。
83(2)車屋紳太郎(7) 5.5 LSBで今季初出場。守備に追われる時間がほとんどだった。
83(10)下田北斗(22) 5.5 中央のスペースを埋めた。ボールにはあまり触れなかった。

■bench
安藤駿介(24) 宮代大聖(20) 

■coach
鬼木達 5.0 後半の失速を抑えられなかった。1ボランチシステムの限界を突破したい。

■referee
飯田淳平 5.5 危険なプレーには早目にイエロー。荒れそうな試合をコントロールした。

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