2020/11/22

201121大分1-0川崎(J1 #28)

大分1-0川崎(昭和電工ドーム大分, 14:00KO, 9,820人/14,000人)

横浜Fマリノス戦(J1 #30)に勝って、J1リーグ優勝に王手をかけた。
 中2日のアウェイで、大分トリニータと対戦する。
 KOは19時から14時となり、中2日といってもさらに5時間分、短い間隔。
先発は、マリノス戦から4人を変更。
 新たに車屋、大島、中村、小林悠が先発する。
 脇坂、田中碧、ダミアンがベンチスタート。
 ジェジエウは、イエローカード累積4枚のため出場停止。
ベンチには、ジオゴ・マテウスが入った。
大分は、J1リーグで9勝6分11敗の暫定12位。
 YBCルヴァンカップは、GLで敗退し、トーナメントに進めなかった。
 川崎からレンタル中のFW知念慶(9)は、契約上出場できない。

新型コロナウイルス感染の影響で柏戦(J1 #27)がスキップされ、中17日の日程。
等々力での対戦は、川崎が勝っている。
 200808川崎2-0大分(J1 #9)

■1st half
川崎はパスコースを作る動きが少なく、追い詰められる。
 山根や車屋のところで、パスコースがなくなって狙われる。
 前にパスを預けることができず、簡単に囲まれてボールを失った。
 大島ですら厳しいチャージに苦しみ、中村はプレッシャーを避けて下がってしまう。

大分は、1トップの伊佐耕平(18)が谷口と車屋2人を牽制する。
 そして、2シャドーの町田也真人(8)と野村直輝(10)がギャップに入り込んだ。
 1ボランチの守田の脇のスペースを上手く使われて、前進を許した。

川崎は、大分の3バックに対するプレスが効かなかった。
 特に長谷川が中途半端なポジションで、パスコースを切れなかった。
 RCB岩田とRSB小出の間に立っていても、簡単にパスを通された。
 すると小出に対して登里が出ざるをえず、空いたサイドのスペースに町田が入り込んだ。

大分が決定機を量産するが、GKソンリョンが立ちはだかる。
 6分、8分、24分と決定機を防ぎ、完璧なプレーを見せてくれた。

少し大分の攻勢が落ち着いてきた34分。
 町田がシンプルなロングボールを入れると、谷口が目測を見誤る。
 野村に抜け出されたところを、背後から谷口が引き倒してPKそしてレッドカード。
 36分、野村がPKを決めて、大分が先制される。

10人となると、ますます川崎のパスコースが少なくなった。
 車屋とCBに移った守田の間でパスを交換することも難しくなった。

■2nd half
後半スタートから田中碧と三笘を投入する。
 さらに60分に入った旗手、68分に入った脇坂の運動量を活かしていく。
 パスを出してからスペースに走り込み、大分の守備を引き連れる。
 守備ではパスコースを切るだけでなく、ボールホルダーに寄せて奪いに行った。
 1人少ない状況でも、前半より良いプレーができていた。

大分は2点目を狙わずに、慎重に逃げ切りを図る。
 数的優位にあってカウンターの機会は多かったが、後方のブロックを崩さない。
 少ない人数で攻撃したため、チャンスは作れなかった。

川崎は着々とチャンスを作っていく。
 69分の登里、80分の田中碧、84分の脇坂、86分の守田とシュートを重ねる。
 88分からロスタイムにかけて、何度も攻撃を仕掛けた。
 ただ、大分の守備を崩し切れず、ゴールは奪えなかった。

■summary
大分は、片野坂知宏監督が描いたプラン通りのサッカーで勝利した。
 日程の有利さを生かして、運動量で川崎を上回る。
 プレスをしっかりと掛け、セカンドボールを拾っていく。
 戦術的には川崎の4-3-3を、1トップ2シャドーを噛み合わせて攻略した。
 5バックでピッチを広く使い、局面での数的優位を作った。

ただ、川崎が10人になってからは、受け身の姿勢が目立った。
 結果を出すことができたが、もう少し積極的な試合が見たかった。
川崎は中2日でターンオーバーに失敗し、勝ち点を失った。
 家長や山村が欠場したとはいえ、もっと多くの選手を入れ替えるべきだった。
 ただ、劣勢でも持ちこたえて、選手交代で勝負するのが今シーズンの勝ちパターン。
 GKソンリョンの活躍もあって、悪くはない展開にできていた。

しかし、34分、谷口がPKを与えた上で退場してしまう。
 仮に野村が決定機を決めていても、11人であれば逆転のチャンスは大きかった。
 自分のミスを挽回したい気持ちは分かるが、背後から手で引き倒した判断は残念だった。

笠原寛貴主審は、2019年8月10日の名古屋戦(2019 J1 #22)でも谷口を退場にしている。
 どちらも妥当なジャッジであり、退場に値するプレーだった。


後半は希望を持てるプレーを見せてくれた。
 もちろん精度は高くなく、簡単なロストも多かった。
 10人でもそれぞれがベストを尽くし、ひたむきにボールを追った。
 中でも守田は、CBに移ってからもチームを牽引した。

J1リーグ優勝は持ち越しとなった。
 格好良く決められないのもまた、川崎らしい。
 (翌日の22日、2位ガンバ大阪も浦和に勝利して、優勝は決まらなかった。)

次は中3日、ホームでのガンバ大阪戦(J1 #29)。
 勝てばもちろん、引き分けても優勝が決まる。
 J1リーグ上位2チームが準決勝から出場する天皇杯での再戦の可能性も高い。
 しっかりとコンディションを整えて、勝利したい。

■goal
36PK野村直輝(10)

■judge
ソンリョン(1) 7.5 素晴らしいセーブを連発。低調なチームを支える。PKはわずかに届かず。
山根視来(13) 5.0 17分、右クロス。ドリブルが捕まりボールを失う。連戦の疲労が目立った。
谷口彰悟(5) 3.5 34分、ハイボールの目測を誤り、PKを与えてレッドカード。試合を壊した。
車屋紳太郎(7) 5.0 左足のビルドアップは単調で、プレスの餌食となった。守りはまずまず。
登里享平(2) 6.0 効果的に動く。45+2分、50分、66分に左クロス、69分、PA内でシュート。
守田英正(6) 6.5 ボランチでもCBでも、チームに欠かせない活躍。86分、ロングシュート。
大島僚太(10) 6.0 厳しいチャージに苦しむ。ボランチに移って配球するが、怖さはなかった。
中村憲剛(14) 5.0 17分、山根にロングボールを入れる。ボールを受ける動きが少なかった。
齋藤学(19) 5.5 精力的なプレスで味方に余裕を与える。53分、PA右での仕掛けは失敗した。
小林悠(11) 5.0 プレスを先導するが、3バックを追い込めなかった。17分と51分にヘッド。
長谷川竜也(16) 4.5 パスコースを切れず、右往左往する。キープもできず、良くなかった。

■sub
HT(14)田中碧(25) 6.0 機敏に動いて活性化する。RSBにも入る。80分、ドリブルシュート。
HT(16)三笘薫(18) 5.5 46分、ドリブルで仕掛ける。中央に配置されたため、活きなかった。
60(11)旗手玲央(30) 5.5 1トップ、RSB、IHと位置を変える。強い当たりでボールを奪取。
76(19)脇坂泰斗(8) 6.0 走り続けて攻撃を牽引。81分、87分にクロス。84分にシュート。
79(13)ダミアン(9) 5.5 1トップ。クロスやCKの目標となった。90+3分、ポストプレー。

■bench
丹野研太(27) ジオゴ(17)

■coach
鬼木達 5.0 先発のチョイスに失敗。10人となって盛り返したが、三笘は左で使うべき。

■referee
笠原寛貴 6.0 ブレが少ない安定したジャッジ。谷口へのレッドカードは的確だった。

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■おまけ

 高山薫(23)。川崎U15-U18出身。

 高木駿(1)。川崎に2012-16年在籍。

 ニータン。フェイスシールド装着

2020/11/19

201118川崎3-1横浜FM(J1 #30)

(大分戦の観戦記は、試合翌日22日の夜にアップする予定です。)

川崎3-1横浜FM(等々力, 19:00KO, 11,099人/12,000人)


ドローに終わったアウェイ鹿島戦(J1 #27)から中3日。
横浜FマリノスがACLに出場する影響で、第30節は前倒しで開催される。
先発は、鹿島戦から3人を変更する。
 守田、齋藤学、長谷川が入り、中村、三笘がベンチ、家長はベンチ外となった。

ベンチには、小林悠が戻ってきた。
 10月14日の広島戦(J1 #22)で全治6~8週間のケガを負ったが、5週間で復帰する。
横浜Fマリノスは、J1リーグで14勝5分13敗の暫定7位。
 この試合が終わると、カタールで集中開催されるACLに参加する。

アウェイでの対戦は、川崎が勝っている。
 200905横浜FM1-3川崎(J1 #14)

■1st half
マリノスは運動量が多く、川崎のパスコースを消してくる。
 最終ラインを高く設定して、スペースを与えず、狭いエリアでプレーさせる。
 谷口やジェジエウは次のパスを出せず、GKに戻したりロングボールを蹴っていた。

マルコス・ジュニオール(9)が攻撃を組み立てる。
 左右に動いて守田から離れたところで、縦パスを受けて前を向いた。
左サイドのエリキ(17)と右サイドの水沼宏太(18)を縦に走らせる。
 10分から15分あたりまで、多くのチャンスを作った。

川崎はマリノスの厳しいマークを抜け出して、サイドから仕掛ける。
 右の齋藤学、左の長谷川は、35分ごろから左右を入れ替える。

40分、田中碧のパントボールをCB畠中槙之輔(44)が目測を見誤る。
 抜け出した齋藤学のループシュートを、GK高丘陽平(32)が手で止めてレッドカード。
 マリノスは10人で戦うこととなり、数的不利に陥る。

43分、脇坂のFKはGKオビ・パウエル・オビンナ(31)がセーブする。

■2nd half
川崎は1人多い優位性を活かして攻めていく。
 さすがにマリノスはパスコースを消し切れず、CBからスムースに組み立てる。
53分、齋藤学が1人抜いてから右クロスを三笘に届ける。
 三笘が中にパスを入れ、跳ね返ってきたボールをダイレクトで先制ゴール。

しかし、リードされてもマリノスは諦めなかった。
59分、ティーラトン(5)の右CKを、畠中のヘッドで同点に追いつく。
 GKソンリョンは飛び出したがボールに触れず、失点してしまう。

その後もマリノスは2トップのエリキとジュニオール・サントス(37)が仕掛ける。
 少ない人数であっても、個の力で川崎の守備を突破した。
75分、ジュニオール・サントスが登里を振り切って、クロスを入れる。
 中央で待ち受けるエリキのシュートは、わずかに左に外れた。

川崎はゴール前に攻め込む場面が増えていく。
 サイドにボールを動かしながら、最後は三笘を使っていく。
 90分、旗手の右クロスをジェジエウが競りながらも押し込んで、再びリードする。

そのあとは、怒濤の展開が待っていた。
 90+1分、仲川輝人(23)の決定機は、ジェジエウがブロック。
 90+2分、三笘が獲得したPKは、小林悠が蹴ってGKオビに防がれる。
 最後は90+4分、押し込まれたあと、三笘が自陣PA付近でボールを拾う。
  左サイドライン際をドリブルで持ち上がり、ラストパスを受けた小林悠が決めた。

■summary
マリノスは素晴らしかった。
 11人でも優位に立ち、10人となってからも怯まず攻撃を続けた。
 時間を使ってドローを狙うようなことはまったくなかった。
 GKから素早いリスタートでボールをつなぎ、ゴールを目指した。
 アンジェ・ポステコグルー監督らしい、美しいサッカーを見せてくれた。

GK高丘陽平のレッドカードは、畠中のミスがあってのもの。
 ただ、前半40分だったので、退場するには早い時間帯だった。
 
そして、GKオビ・パウエル・オビンナは好セーブを連発した。
 ファーストプレーで脇坂のFKを止めると、90+2分には小林悠のPKまで止めた。
 3失点はしたものの、オビの活躍がなければもっと大差となったと思われる。

中村憲剛(14)を抱き寄せるアンジェ・ポステコグルー監督。
川崎は1ボランチに守田が復帰したことで、鹿島戦よりチームは機能した。
 前半のみで交代した長谷川と田中碧も、十分なプレーを見せてくれた。
 後半に投入された三笘がドリブルで切り裂き、小林悠がゴールを決める。
 今シーズンの勝ちパターンで、マリノスに勝利することができた。

J1リーグ優勝に必要な勝ち点は、残り2となった。
次は、中2日でアウェイの大分戦(J1 #28)。
 19時KOから14時KOとなる日程は、FC東京戦(J1 #25)から札幌戦(J1 #26)までと同じ。
 札幌戦は先発を4人しか入れ替えず、完敗となった。
 大分戦ではしっかりとターンオーバーして、優勝を勝ち取りたい。

■goal
53三笘薫(18) 90ジェジエウ(4) 90+5小林悠(11) 
58畠中槙之輔(44)

■judge
ソンリョン(1) 4.5 58分、CKに飛び出すも触れず失点。80分、エリキを押し倒してイエロー。
山根視来(13) 5.5 エリキと対峙し、背後のスペースを狙われる。45+4分、脇坂へクロス。
ジェジエウ(4) 7.5 カウンターを防ぐ。90分、決勝ゴール。90+1分、シュートブロック。
谷口彰悟(5) 6.5 数的有利になるまでは、パスコースを探していた。69分、CKをヘッド。
登里享平(2) 5.5 長谷川や三笘を上手く使った。75分、Jサントスに抜かれ、決定機を与えた。
守田英正(6) 6.5 Mジュニオールと攻守ともに厳しく競り合った。20分、ロングシュート。
脇坂泰斗(8) 6.0 CK14本を担当。43分のFKはGKオビに防がれる。パスの中継点となった。
田中碧(25) 5.5 守田の脇に落ちてボランチの役割もこなす。37分、45+2分とCKを蹴った。
齋藤学(19) 6.0 40分、ループシュートを放ち、GK高丘が退場。54分のシュートは外した。
ダミアン(9) 5.5 ポストプレーやプレスで貢献した。スピードに欠け、シュートがなかった。
長谷川竜也(16) 6.0 左サイドでボールを受けて仕掛ける。25分、チャンスもシュートできず。

■sub
HT(25)大島僚太(10) 6.0 74分のミドルはGKオビが好セーブ。47分、62分とクロスを入れる。
HT(16)三笘薫(18) 8.0 ドリブルで左サイドを制圧。先制ゴール、PK奪取、3点目のアシスト。
65(9)小林悠(11) 6.0 90+2分、PKを失敗。それでも90+5分、落ち着いてゴールを決めた。
65(19)旗手玲央(30) 5.5 76分、右からシュート。90分、右クロスをジェジエウに届ける。
82(8)中村憲剛(14) 5.5 90分、右CKを担当。ハーフスペースに立ち、ボールを引き出した。

■bench
丹野研太(27) 車屋紳太郎(7) 

■coach
鬼木達 6.5 GK高丘の退場にも助けられたが、後半、選手交代を仕掛けて勝ち切った。

■referee
木村博之 6.0 イエロー6枚は多かったが、適切なジャッジ。GK高丘のレッドは妥当。

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2020/11/15

201114鹿島1-1川崎(J1 #27)

鹿島1-1川崎(カシマスタジアム, 17:00KO, 13,463人/20,000人)

札幌戦(J1 #26)で完敗を喫して、J1リーグ12連勝が止まった。
 10月14日の広島戦(J1 #22)以来、1か月ぶりのアウェイの鹿島戦は中10日。
 川崎サポーターが現地観戦できる今季最初のアウェイとなった。

J1リーグでは2位のG大阪とは勝ち点13差。
 G大阪は残り7試合なので、勝ち点9を積めば優勝が決まる。

当日朝8時、鹿島の選手1名の新型コロナウイルス感染が発表された。
 試合開催の可否を検討して、決定次第、アナウンスされることとなった。
 PCR検査と濃厚接触者の特定が進められ、13時20分、予定通りの開催が決定した。
先発は、札幌戦から4人を変更する。
 新たに登里、田中碧、中村憲剛、三笘が先発する。
 車屋、齋藤学がベンチスタートとなり、守田と旗手がベンチ外となった。

ベンチには、大島と長谷川が復帰する。
 大島は、10月10日の仙台戦(J1 #21)で先発した後、欠場していた。
 長谷川は、7月22日の仙台戦(J1 #6)で負傷。
  診断は全治4週間程度だったが、3ヶ月以上離脱した。

ハーフタイムの円陣。
鹿島はJ1リーグで15勝3分10敗で暫定6位。
 YBCルヴァンカップは、川崎と同じグループリーグの3位で、トーナメントに進めなかった。

新型コロナウイルスに感染していたのはDF永戸勝也(14)。
 さらに6選手が永戸の濃厚接触者とされ、計7選手が出場できない。

今シーズンの対戦は、川崎の2勝。
 200704川崎2-1鹿島(J1 #2)
 200805鹿島2-3川崎(YLC GL #2)

■1st half
立ち上がり、鹿島のプレスが緩く、川崎が流れるようにパスをつなぐ。
 セカンドボールも拾って、鹿島を深く押し込んでいった。

18分、ファン・アラーノ(7)がバックパスをミス。
 脇坂が拾って、そのままドリブルしてゴール右隅に決める。
 1人残っていた奈良竜樹(3)は、三笘へのラストパスを消しながら脇坂に対応。
 シュートコースも限定はしていたが、脇坂の技術がそれを上回った。

30分を過ぎると、鹿島が攻め始める。
 レオ・シルバ(4)と三竿健斗(20)を中心に、ショートパスをつなぐ。
 川崎はブロックを組むが、バイタルが手薄となり、耐える時間が続いた。

■2nd half
後半も拮抗した展開が続いた。
鹿島は中盤でパスを重ねるが、崩し切れずチャンスを作れない。

川崎は待ち受けながら、素早い攻撃を仕掛ける。
 58分、ダミアンの左クロスをGKが弾き、中村が押し込んだが左ポスト。
 きれいな崩しは少なく、64分に大島が入っても改善できなかった。

75分、広瀬陸斗(22)の右クロスをエヴェラウド(9)がヘッド。
 GKソンリョンが弾いたが、再びエヴェラウドに蹴り込まれて同点とされる。

同点直後からは、川崎が攻撃を仕掛けていく。
 77分、脇坂がロングシュート。78分、ダミアンが2回の緩いシュート。
 79分から下田の右コーナーキックが3本続くが、ゴールを割れなかった。

終盤にはお互いに決定機が生まれる。
 89分、山村が真っ直ぐ伸びていくミドルシュート。
 90+1分、遠藤康(25)の右クロスを山本脩斗(16)がヘッド。

■summary
高いレヴェルでの攻防が続く好ゲームとなった。
 どちらのチームにも勝機はあり、ドローは妥当な結果といえる。

鹿島は当日、7選手が離脱したことを感じさせないプレー。
 CBの奈良竜樹と犬飼智也(39)の守備は、最後まで安定していた。
 GK沖悠哉(31)のファンブルは少し目立ったが、致命傷には至らなかった。

中盤で形を作りつつ、サイドからのクロスでゴールに迫った。
 同点ゴールを決めたFWエヴェラウドの力強さが際立っていた。

谷口彰悟(5)と奈良竜樹(3)の肩ドン。
川崎は悪くはない内容だったが、勝てなかった。
 立ち上がりは鹿島を圧倒していたが、ペースを落としていく。
 先制したものの、次のゴールが生まれないまま同点に追い付かれる。
 ミドルシュートは多かったが、PA内での決定機が少なかった。

札幌戦での守田と同じように、1ボランチの田中碧が狙われていた。
 鹿島は2人で田中碧を挟み込むことで、ボールを持って前を向かせない。
 そして攻撃に転じると、田中碧の左右のスペースを使ってきた。

5人の選手交代は、あまり奏功しなかった。
 負傷明けの大島と長谷川は、良いプレーが少なかった。
 齋藤学と山村はプレスを仕掛けたが、88分からの投入でプレー時間が限られた。
 鹿島戦から4連戦となるだけに、先発組の疲労度が気になるところ。

2位G大阪が敗れていて、J1リーグ優勝には残り7試合で勝ち点5が必要。
次は中3日で横浜FM戦(J1 #30)。
 しっかりとターンオーバーして、勝利したい。

■goal
75エヴェラウド(9)
18脇坂泰斗(8)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 16分にアラーノ、22分に上田綺世(36)をセーブ。75分も一度は止めた。
山根視来(13) 5.0 74分、ロングシュート。75分、エヴェラウドをフリーにして失点に関与。
ジェジエウ(4) 5.5 スピードとパワー、高さを駆使して守った。ビルドアップは今ひとつ。
谷口彰悟(5) 6.0 34分と早い時間にイエローをもらう。3分、83分のヘッドはGK沖が防ぐ。
登里享平(2) 5.5 42分、三笘のスルーパスで抜け出して左クロス。50分、ミドルシュート。
田中碧(25) 5.0 厳しくマークされつつも奮闘した。31分、トラップミスで決定機を与える。
脇坂泰斗(8) 6.0 18分、先制ゴール。4分、6分、77分とシュートを重ねる。よく走っていた。
中村憲剛(14) 5.5 ボールを落ち着かせるが、守備で貢献できず。58分、左ポストに当てる。
家長昭博(41) 5.0 3分に谷口、53分に脇坂へ右クロス。ボールキープする場面が少なかった。
ダミアン(9) 5.5 58分、71分に左に流れてクロスを入れる。78分、PA内で2度のシュート。
三笘薫(18) 5.5 43分、CKをヘッド。ドリブルで仕掛けて、鹿島に2枚のイエローを与える。

■sub
64(14)大島僚太(10) 5.5 復帰戦。強く当たられてボールを失う。72分、ループシュート。
78(8)下田北斗(22) 6.0 左3本、右1本のCKを立て続けに担当。90+2分、左クロスを入れる。
78(8)長谷川竜也(16) 4.5 復帰戦。左FWに入ったが、プレーに絡めず、見せ場はなかった。
88(9)山村和也(34) 6.0 1トップで出場。89分、フリーでのミドルシュートはGKに弾かれる。
88(41)齋藤学(19) 5.5 右FWで積極的なプレス。89分、山村とのワンツーで速攻を仕掛ける。

■bench
丹野研太(27) 車屋紳太郎(7)

■coach
鬼木達 5.5 交代策が遅く、膠着した状況を打開することができなかった。

■referee
佐藤隆治 6.0 イエロー4枚、レッド1枚とカードが多かったが、的確なジャッジだった。

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2020/11/03

201103川崎0-2札幌(J1 #26)

川崎0-2札幌(等々力, 14:00KO, 11,165人/12,000人)

J1リーグ12連勝となったFC東京戦(J1 #25)から中2日。
 等々力での2連戦となる札幌戦を迎える。
 19時KOからの14時KOとなるので、中2日でも5時間分、短くなる。

等々力ではこの試合から、Gゾーンとアウェイ席の鳴り物と立ち見観戦を解禁。

2位G大阪とは、勝ち点17差をキープ。
 残り9試合で勝ち点11を獲得すれば優勝が決まる。

FC東京戦の翌11月1日(日)、中村憲剛(14)が今シーズン限りの引退を表明。
 中村がプレーできるのは、J1リーグ9試合、そして天皇杯の最大2試合となる。


先発は、FC東京戦から4人を変更する。
 新たに車屋、脇坂、旗手、齋藤学が入る。
 登里、中村、田中碧、三笘がベンチスタートとなった。
先発とベンチの入れ替えはあったが、メンバー入りの18人は同じ顔触れ。


札幌はJ1リーグで7勝6分13敗の暫定13位。
 YBCルヴァンカップは、GL1位で決勝トーナメントに進出。
 準々決勝ではPK戦で横浜FMに負けてベスト8。

川崎と同じ中2日だが、大阪から川崎に移動してのアウェイ連戦。
10月29日に菅大輝(4)が新型コロナウイルスに感染し、欠場する。

今シーズンの対戦は、川崎が勝っている。
 200815札幌1-6川崎(J1 #10)

■1st half
札幌はハイタワー型のFWを使うことが多いが、0トップの布陣。
 素早くボールに寄せていき、川崎の自由を奪っていった。

攻撃では両サイドに広く選手を配置する。
 中央にスペースを作って、スルーパスを入れながらチャンスを作る。

2分にチャナティップ(18)、5分にルーカス・フェルナンデス(7)がGKと1対1を迎える。
 いずれもGKソンリョンがブロックするが、面白いように攻めていった。

川崎は札幌の厳しいマンマークで、パスコースを削られた。
 苦し紛れのパスを出したり、密集でドリブルしてはボールを奪われた。
 セカンドボールも拾えず、札幌に走り負けていた。

良いところは少なかったが、それでも失点せず前半を終える。

■2nd half
ハーフタイムから田中碧と三笘を入れる。
 守田の脇に田中碧が下りて、2ボランチ気味にしてバイタルを引き締める。
 左サイドからは三笘のドリブルで仕掛けようとした。

しかし、後半になっても札幌のプレスは弱まらなかった。
 厳しく寄せられて、ボールホルダーが囲まれる。
 62分に守田のロスト、65分に家長のパスミスから立て続けに失点を喫する。

重苦しい状況の中、70分、一気に3人を投入する。
 中村と登里が札幌のマークを剥がすことで、攻撃は改善。
 81分と85分に宮代、90+3分と90+5分に三笘、90+4分に田中碧が決定的なシュートを放つ。
 しかし、GK菅野孝憲(1)がビッグセーブを連発して、抑えられた。

■summary
札幌は素晴らしい内容だった。
 全体が連動した厳しいマークで、パスコースを与えない。
 川崎のボールホルダーが行き詰まった瞬間に、人数を掛けて囲んでボールを奪った。

運動量を落とすことなく後半もチェイスを続け、2ゴールを奪う。
 前半から多くの決定機を作り出していて、0-2は妥当なスコアといえる。
 最終ラインも崩れることなく、最後まで粘ることができた。
 完勝と呼ぶべきゲームを見せてくれた。

中村憲剛(14)とチャナティップ。
後半開始前のハーフタイム。



川崎は目に見えてコンディションが悪く、後手を踏んだ。
 特に家長と守田の動きが鈍く、致命的なロストを繰り返した。
 山根もルーカス・フェルナンデスに苦しみ、カバーするジェジエウの負担が重かった。

FC東京戦で、フルタイム近くまで10人を使った代償は大きかった。
 そして、中2日でも先発を4人しか代えない采配で、完敗を招いた。
 もっと走れる選手を起用しなければいけなかった。

インサイドハーフの脇坂と旗手(途中から家長)が前掛かりで、守田が孤立。
 守田1人ではバイタルを埋められず、札幌に主導権を与えた。
 後半、田中碧がサポートしたが、それでも札幌のプレスに対抗できなかった。

J1リーグでの連勝は12で止まった。
 札幌に負けたが、2位のG大阪がドローとなった。
 残り8試合となって、勝ち点9が必要となっている。

次は中10日でアウェイ鹿島戦(J1 #27)。
 YBCルヴァンカップ決勝のため日程は空くが、鹿島戦からは4連戦。
 しっかりとコンディションを整えて、J1リーグ優勝に向かいたい。

■goal
62アンデルソン・ロペス(11) 65荒野拓馬(27)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 2分、5分、90+5分と完璧な1対1のシュートをセーブ。素晴らしかった。
山根視来(13) 4.5 ドリブルで逃げ切れずにロストした。38分にシュート。ルーカスに苦しむ。
ジェジエウ(4) 4.5 周囲が綻ぶたびに釣り出される。65分、マークミスで失点を止められず。
谷口彰悟(5) 5.0 苦しい展開となったが最終ラインを統率した。86分、致命的なパスミス。
車屋紳太郎(7) 4.5 LSBでは判断が遅く、ボールをつなげない。70分以降のCBは良かった。
守田英正(6) 4.0 1ボランチでサポートなく負荷が重かった。札幌に狙われてボールを失う。
脇坂泰斗(8) 5.0 2分、パスミスから決定機を与える。34分、ミドル。狭いエリアでプレー。
家長昭博(41) 3.5 運動量が足りず、戻りも遅い。70分、バックパスをミスして失点を招く。
旗手玲央(30) 4.5 トラップが大きく不安定だった。41分、良いパスカットも味方に渡せず。
ダミアン(9) 5.0 ポストプレーやプレスで奮闘していた。チャンス少なくシュートはゼロ。
齋藤学(19) 5.0 ドリブルを仕掛けてファウルを受ける。13分、カットインからシュート。

■sub
HT(8)田中碧(25) 5.0 低い位置に下りて守田をサポート。CKを担当。90+4分にシュート。
HT(30)三笘薫(18) 5.5 ドリブルは不発。最後は右に移り、90+3分、90+5分とシュート。
70(4)登里享平(2) 6.0 良いポジションで左サイドを活性化。82分、PA内に入ってシュート。
70(9)宮代大聖(20) 5.5 81分、85分と決定機。チームを助けるゴールを決めてほしかった。
70(19)中村憲剛(14) 6.0 ハーフスペースに立ち、パスを引き出すことで守備を混乱させた。

■bench
丹野研太(27) 山村和也(34)  

■coach
鬼木達 3.5 選手のコンディションの見極めに失敗。孤立した守田を救えなかった。

■referee
西村雄一 6.0 厳しいチャージを流し気味のジャッジ。札幌に有利だったが、正当だった。

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2020/10/31

201031川崎2-1FC東京(J1 #25)

川崎2-1FC東京(等々力, 18:00KO, 11,061人/12,000人)

ACLの影響で日程が空いて、名古屋戦(J1 #23)から中12日。
 ホームで迎えるFC東京との第36回多摩川クラシコ。

この間も他チームは試合をこなしていて、暫定2位にはG大阪とC大阪が並ぶ。
 勝ち点差は17差。川崎が残りの10試合で勝ち点14を積めば優勝が決まる。
先発は、名古屋戦とまったく同じ11人。
 ベンチの7人にも変更がなかった。
FC東京はJ1リーグで14勝5分9敗の暫定4位。
 ACL出場のため、J1リーグの日程を早く消化している。
 YBCルヴァンカップでは準決勝で川崎に勝ち、柏との決勝を控える。

今シーズンの対戦は1勝1敗だった。
 200708FC東京0-4川崎(J1 #3)
 201007川崎0-2FC東京(YLC SF)

■1st half
FC東京はきれいに4-4のラインを並べて守る。
 ボールを奪えば、ロングボールで鋭いカウンター。
 1分、3分、6分と仕掛け、8分には右サイドから三田啓貴(7)がシュート。
 シンプルな攻めだが、ゴールに近づいていた。

川崎はFC東京の守備にギャップを作るためにボールを動かす。
 FC東京はゆったりしたパスには対応できるが、ダイレクトパスが重なると崩された。
 13分、中村が続けて2度のシュート。

そして23分。守田のロブボールを受けるダミアンが、渡辺剛(4)に倒されてPKを獲得。
 接触したのはPA外側だったように見え、微妙な判定だった。
 このPKを家長が右ポストギリギリに決めて、先制する。

FC東京は徐々に足が止まっていく。
 川崎がワンタッチで短く強いパスを繰り返すと、追えなくなる。
 カウンターを仕掛けることもできず、サンドバック状態となった。

32分の守田、39分と45+2分の三笘、44分の登里、45+1分の中村がシュート。
 多くのシュートを放ったが、GK波多野豪(13)の好セーブもあり、1点にとどまった。

■2nd half
ハーフタイムを経て、FC東京は息を吹き返す。
 川崎の中盤が緩んだ隙を見逃さずにスペースを突いてきた。

57分、ディエゴ・オリヴェイラ(9)が角度のないところからニアサイドを抜いて同点とする。
ここから10分ほど、FC東京の時間が続いた。
 前半のようなカウンターではなく、中盤からサイドに展開する。
 ボールを握りつつ、ディエゴや永井謙佑(11)の個の力を活かした。

川崎は耐えながらも反撃を狙う。
 前掛かりになったFC東京の逆を突くカウンターを仕掛けていく。

74分、三笘のスルーパスに家長が抜け出したが、シュートはGK波多野が止める。
 続いて三笘が左サイドをドリブルで深く切り崩し、中村がゴール。
 再三の決定機を止めていたGK波多野も、上に逃げるシュートは止められなかった。

87分、FC東京の最後の攻撃。
 アダイウトン(15)の連続シュートをGKソンリョンが止めた。

■summary
FC東京はカウンターを仕掛け、後半になるとつないで攻めてきた。
 チャンスは少なく、川崎に多くの決定機を許したが、接戦には持ち込んだ。
 GK波多野のシュートブロックが冴えていたこともあり、2失点に抑えた。

中2日と不利な日程で、ゆっくり時間を使いながら、勝負を仕掛けた。
 ルヴァンカップ準決勝の再現はできなかったが、質の高い内容を見せてくれた。


中村憲剛(14)。
するするとゴール前に入り込んで、三笘のラストパスをGKの上を打ち抜いて決勝ゴール。

翌11月1日、15時に今シーズン限りでの引退を発表した。


試合後に談笑するGK波多野豪(13)と田中碧(25)。
東京オリンピックを目指すU-22代表です。

川崎は多くの決定機を外し、難しい試合にしてしまった。
 家長、中村を中心としてスルーパスの出し手が多く、ゴール前に迫った。
ただ、密集して守るFC東京の最後のブロックに手を焼いた。
微妙な判定のPKで先制したが、追加点を奪えない。
FC東京の反撃で同点とされたが、中村の誕生日ゴールで勝利した。

選手交代は4人だけとなった。
 1点差という動きにくい展開で、鬼木監督は静かに見守っていた。
中12日ということもあり、コンディションに自信があったのだろう。

名古屋戦に続いてハイレベルなゲームを制し、J1リーグで12連勝。
 ただ、暫定2位のG大阪も勝ったため、勝ち点17差は変わらない。
次は中2日で札幌戦(J1 #26)。
 しっかりと選手を入れ替えて、勝利したい。

■goal
24PK家長昭博(41) 74中村憲剛(14) 
57ディエゴ・オリヴェイラ(9)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 1分、8分、61分、87分と卓越したセーブ。ニアを抜かれた失点は残念。
山根視来(13) 6.5 攻め上がった背後を取られる。87分、長距離ドリブルで上がりシュート。
ジェジエウ(4) 7.0 FC東京のスピード溢れるカウンターを防ぐ。80分、ドリブルを止める。
谷口彰悟(5) 6.5 プレスを受ける前に素早くボールを左右に展開した。45+2分、ヘッド。
登里享平(2) 6.5 良い立ち位置で攻撃を牽引する。44分、47分とゴール近くからシュート。
守田英正(6) 8.0 厳しいマークも苦にせず、中盤に君臨。守備も鉄壁で危険の目を摘んだ。
田中碧(25) 6.5 59分、ロングシュートをバーに当てる。右サイドに流れてクロスを入れた。
中村憲剛(14) 7.0 前後に動いてパスを受ける。多くのシュートを放ち、74分に決勝ゴール。
家長昭博(41) 6.5 PKで先制ゴール。74分、GK1対1を決められず。良いプレーを見せていた。
ダミアン(9) 6.5 23分、PKを奪取。力強くポストプレー。53分、GK1対1となってシュート。
三笘薫(18) 6.5 左サイドでドリブルを仕掛け、クロスやシュートを狙う。74分にアシスト。
■sub
77(14)脇坂泰斗(8) 5.5 中盤の空いたスペースを埋める。45+3分、FKでゴールを狙った。
90+5(2)車屋紳太郎(7) 5.5 左コーナー付近で三笘とペアでボールキープ。時間を使った。 
90+5(9)山村和也(34) 5.5 1トップで出場。強いプレスを仕掛けてボールを追った。
90+5(41)齋藤学(19) 5.5 右ウィングで出場。プレー機会はほとんどなかった。

■bench
丹野研太(27) 旗手玲央(30) 宮代大聖(20) 

■coach
鬼木達 6.5 質の高い難しい試合をしっかり勝ち切った。選手交代は慎重だった。

■referee
松尾一 5.0 悪くはなかった。24分、エリア外のファウルでPK判定。40分、ハンドを見逃す。

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