2016/09/26

160925川崎3-2横浜FM(J1 #30)

川崎3-2横浜FM(等々力, 19:00KO, 25,017人)

等々力での千葉戦(天皇杯 R32)に勝利し、中2日で迎えるマリノス戦。
J1リーグは大宮戦(J1 #29)に負け、年間2位浦和に勝ち点2差に迫られた。

天皇杯千葉戦では大幅にターンオーバーし、連続して先発するのはGK新井だけ。
三好、エウシーニョ、車屋が天皇杯で途中出場して今日は先発。

大宮戦の先発と比べると、ケガでGKソンリョン、出場停止でネットと大久保がベンチ外。
 代わりに先発するのが新井、狩野、三好。
ベンチには新たにGK高木、小宮山、大塚が入っている。



マリノスも、天皇杯の東京ヴェルディ戦から中2日。
 ただ、高知での開催だったので、長距離を移動している。
 さらに、ターンオーバーをあまり行っていない。
 2試合連続して先発するのが6人、途中出場した2人が先発している。

■1st half
川崎は田坂、谷口、エドゥアルドの3バックでスタート。
ボランチには中村と大島が入る。
マリノスのプレスは緩めで、狩野のポストプレーが効果的。
PA近くまで簡単にボールを運び、左右に振って狙っていく。

14分、小林のPA右からのクロスに狩野が合わせて先制。
サイドでボールを持って、DF中澤佑二(22)とDF栗原勇蔵(4)を手前に引き出す。
その裏に入った狩野にはDF小林祐三(13)がマークしていたが、振り切ってゴール。
崩し切ってのゴールではなかったが、あっさり決まった。

マリノスは右サイドのMFマルティノス(20)による攻撃が主体。
左サイドのMF齋藤学(11)もドリブルで田坂に向かっていく。
35分すぎからは長くボールを持つが、中央から攻撃できず、攻め手が少なかった。

■2nd half
後半、マリノスはパスコースをしっかり切ってボールを奪う。
しかし、奪った後の攻撃のパターンが少ない。
徐々に中盤が間延びして前線へのサポートが遅くなり、齋藤のドリブル頼みとなる。
ただ、2人に挟まれても齋藤は軽々とドリブルで切り裂いていく。

川崎の最終ラインがマリノスのプレスを抜けると、中盤はぽっかり空いている。
縦に流れる三好と小林を使いながら、攻撃を仕掛けていく。

49分のCKで谷口と接触して負傷した新井が、66分にまた倒れ込む。
J1リーグ初出場となる高木に交代したのが69分。
2回倒れ込んだため、時計を止めた時間が長くなる。

何度も決定機を作っていくが、ようやく84分。
左MFにポジションを移した田坂から、三好にスルーパスが通る。
三好はしっかりループでゴールを決めた。

2点差となって、あとは試合を終えるだけだったが、ロスタイムは9分。
90+4分に中村のシュートがポストを叩くと、マリノスの反撃を浴びる。
90+6分にゴール前の混戦から押し込まれ、90+8分にもパスミスから失点して追い付かれる。

残り時間がない中、90+10分、右からCKが左に流れたところを田坂が拾ってクロス。
これを小林が頭で叩きこみ、ギリギリで勝利を得た。

■summary
大宮戦に続き、最後に失速してしまった。
退場者がいたわけでもなく、3バックの右に小宮山を投入していた。
にもかかわらず、食い止めることができなかった。

最後は奇跡的に勝ち点3を拾ったが、2-0で終えるべきゲーム。
コンディションの厳しさを抱えるマリノスに、2点を失った。

ただ、ネットと大久保の欠場の影響はあまりなかった。
代役の三好と狩野が活躍し、層の厚さは十分に感じられる。
ネットはそれでも欠かせないが、大久保はすぐに復帰させなくてもいいかもしれない。

マリノスは、天皇杯に注力したため、仕方がない敗戦。
エリク・モンバエルツ監督は、思い切った選手起用をしてくる。
ナビスコカップでの対戦(YNC GL #1)でも、大きなターンオーバーを行ってドロー。
それでも最終的には予選リーグを突破している。

年間3位以上が確定し、チャンピオンシップへの出場が決まった。
2位の浦和は、広島に勝利している。
苦しい状況が続くが、勝ち点を積んでいくしかない。

■goal
14狩野健太(25) 84三好康児(26) 90+10小林悠(11) 
90+6中町公祐(8) 90+8伊藤翔(16)

■judge
新井章太(30) 6.0 今シーズンJ1初先発。プレー機会は少なかった。谷口と接触し、負傷交代。
田坂祐介(6) 7.0 前線に移動してから2つのアシストを決める。1対1の守備では苦戦した。 
エドゥアルド(23) 6.0 きちっと中央を締める。相手に詰められる前に安全にパスを出した。
谷口彰悟(5) 6.0 左サイドからの攻撃をカバーする。ロスタイムにはチームをまとめたい。
大島僚太(10) 6.5 パスミスはほとんどなかったが、PA近くでの積極性が足りなかった。
中村憲剛(14) 6.5 パスを動かすが、最後は守備に戻れず。90+4分のシュートは決めたい。
エウシーニョ(18) 6.5 高いキープ力を示す。深くサイドをえぐってのクロスも効いていた。
車屋紳太郎(20) 6.0 20分にシュート、33分にFKを獲得する。後半は守勢に回った。
狩野健太(25) 6.5 先制ゴール。久しぶりの出場だがポストプレーもトラップも良かった。
三好康児(26) 6.0 縦の突破でチャンスに絡む。ゴールを決めたが、2失点目の原因となる。
小林悠(11) 6.5 大久保不在を感じさせない1ゴール1アシスト。惜しいシュートも多かった。

■sub
69(30)高木駿(29) 6.0 J1リーグ初出場。リスタート良くシュートも止めたが、2失点。
82(25)小宮山尊信(8) 5.5 守備固めで入ったが防ぎきれなかった。今シーズンJ1初出場。
90+9(26)森本貴幸(9) 5.5 同点となってから投入されるが、プレー時間はほとんどなかった。

■bench
奈良竜樹(3) 板倉滉(28) 森谷賢太郎(19) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 6.0 ギリギリで勝利を導いた。ただ、3枚目の交代の遅さは相変わらず。

■referee
家本政明 5.5 不可解な判定が散見されたが、ゲームを壊さなかった。後半ロスタイム9分は妥当。

2016/09/24

160922川崎4-1千葉(天皇杯 R32)

川崎4-1千葉(等々力, 18:00KO, 8,078人)

天皇杯3回戦はジェフユナイテッド千葉(J2)との対戦。
 代表ウィークに開催された2回戦とは異なり、週中の木曜日開催。
 J1リーグ大宮戦(J1 #29)から中4日、次の横浜Fマリノス戦(J1 #30)は中2日となる。

大宮戦では大久保が退場し、ネットが累積警告を貯めた。
 この2名は次のマリノス戦が出場停止で、この天皇杯千葉戦に登場する。
 残りの大宮戦の先発9名は、エウシーニョと車屋はベンチ、7名がベンチ外となった。

GKは新井、最終ラインは右から長谷川、奈良、板倉、小宮山。
 ネット、原川、森谷、橋本が中盤を構成し、2トップに大久保と森本。
 長く負傷離脱していた奈良と小宮山の復帰戦。
 オリンピックから戻ってベンチ外が続いた原川も出場機会を得た。


千葉はJ2リーグで10位。
 プレーオフ圏内に入る可能性はまだ残されている。
 このため、川崎と同じように大きなターンオーバーを行ってきた。
 昨シーズン、川崎に所属したFW船山貴之(11)は先発出場する。
 長谷部茂利監督は、1997年に半年間の在籍だったけど、川崎OB。

■1st half
千葉は前線からプレスを仕掛けてくる。
 川崎はプレスをかいくぐると押し込んでボールを握った。
 ネットが別格の存在感で中盤を支配し、対となるもう1人のボランチは交代制。
 最初は原川だったがミスが多く、橋本、森谷が状況の応じてボランチに入った。

20分、ボールを奪ったネットから森本にパスが通り、そのままシュート。
 PA外、遠距離からのシュートは、GK岡本昌弘(1)のニアサイドを抜いて先制ゴール。

千葉の攻撃は散発のカウンターが主体。
 41分には原川のバックパスを拾った船山の決定機など、チャンスは多かった。

■2nd half
後半開始から、千葉が攻勢を仕掛ける。
 CK、FKが続き、川崎は押し込まれて波状攻撃を浴びる。

51分にはMF井出遥也(8)のニアへのクロスを船山がワンタッチで同点ゴール。
 昨シーズン、シュートをすべて外していた姿からは考えられない。
 松本山雅時代のような、自信に溢れる華麗なゴールだった。

同点となって、川崎は61分に三好、67分にエウシーニョを投入。
 この2人が前線で働き、70分すぎから動きが鈍くなってきた千葉を押し込む。

すると81分には千葉も2枚の交代カードを切る。
 今度は逆に千葉に押し込まれ、ロスタイムには2回連続してビッグチャンス。
 GK新井とCB奈良を中心に、失点しないで切り抜けた。

■extra time
延長に入ると、両チームともに中盤が間延びする。
 ゴール前からゴール前へとボールがせわしなく動く。

川崎はじっくりと押し込むが崩せない。
 逆に千葉はカウンターからシュートを放つ。
 94分、スルーパスに抜け出した船山のシュートは、GK新井が辛うじて防いだ。

96分、長谷川が太ももを痛め、車屋が入ると試合が動く。
 小宮山が背後に控えているため守備の負担が少なく、車屋は左サイドから自由に攻撃する。
 対面するDF北爪健吾(4)は何度も上下動を繰り返していたため、守り切れない。

105分、右サイドを深くえぐったエウシーニョからやわらかいクロス。
 GKと大久保の頭上を越えてファーに届き、車屋が頭でループシュートを決めた。

延長後半になると、千葉は足が止まってしまう。
 108分にはネットからのロングボールに抜け出した大久保がゴール。

続いて115分、小宮山とのパス交換で左サイドを独走した車屋から強いクロス。
 三好のシュートのこぼれ球を大久保が押し込んで、3点差となった。

■summary
千葉は良いゲームを展開した。
 前からの守備でボールを奪い、カウンターから何度もゴールに迫った。
 船山は1ゴールを決めたが、41分、94分の決定機はGK新井に止められた。
 112分にはMF町田也真人(14)がポストに当てるなど、勝機は十分にあった。

しかし、最後の交代枠を117分まで切らなかった。
 1点差で中盤にフレッシュな選手を入れていれば、もっと粘れたものと思われる。
 3点差となるまで動かなかった長谷部茂利監督の采配には疑問が残る。


川崎はネットがゲームを作った。
 原川のパスミスが目立ち、千葉のカウンターを浴びたが、最終ラインが持ちこたえた。

90分で仕留めることはできなかったが、延長で突き放した。
 その原動力となったのは三好、エウシーニョ、そして車屋。
 サブ組だけの時間帯で崩せなかったのは少し残念。
 ただ、長いケガから復帰した奈良と小宮山が120分プレーできた。

J1リーグでは年間首位に立つものの、負けが多くなっている。
 週中開催の天皇杯に力を注ぐ状況ではなかったが、勝利することができた。

次の天皇杯は、11月9日もしくは12日。
 J1リーグの最終節が終わり、チャンピオンシップの前に開催される。
 このタイミングで公式戦に出場できることとなり、負けなくてよかった。

■goal
20森本貴幸(9) 105車屋紳太郎(20) 108,115大久保嘉人(13)
51船山貴之(11)

■judge
新井章太(30) 7.0 41分、94分、116分に決定機を止める。雨でキャッチが少なく、波状攻撃を浴びた。
長谷川竜也(16) 6.0 右SBで出場。大きく開いてボールを呼ぶ。守備は淡白で粘れなかった。
奈良竜樹(3) 6.5 判断の早さで周囲をカバーして防ぐ。ケガ明けでも対人に強かった。
板倉滉(28) 6.5 カウンターに対処しつつパスワークの中心となる。84分に井出に抜かれた。
小宮山尊信(8) 5.5 復帰戦で動きは鈍かった。ポジションは良く、最後は車屋を走らせた。
原川力(15) 5.0 積極的な姿勢は悪くはないが、ミスが多く、カウンターの要因となった。
ネット(21) 7.5 ボランチの相方が何度も変わったが、攻守に渡って試合を支配した。
森谷賢太郎(19) 5.5 チャンスに絡むも決定的な仕事はできず。パスを受ける回数も少ない。
橋本晃司(7) 6.0 ボランチでさばく。FKでもチャンスを作る。3分のシュートは右に外した。
森本貴幸(9) 6.0 1トップで最終ラインと駆け引き。20分にミドルシュートを決める。
大久保嘉人(13) 6.5 消えている時間が長かったが、延長では2ゴールで試合を決めた。

■sub
61(7)三好康児(26) 6.5 ゴールはなかったが、前線で動き回ってドリブルで牽引した。
67(9)エウシーニョ(18) 6.5 中央でキープする。106分のシュートはGKにキャッチ。
96(16)車屋紳太郎(20) 7.5 決勝ゴール。4点目も含め、左サイドでチャンスを作り出した。

■bench
高木駿(29) デューク・カルロス(32) 狩野健太(25) 大塚翔平(27)

■coach
風間八宏 7.0 最大限のターンオーバーを行いながら、結果を導き出した。

■referee
西村雄一 6.5 的確なジャッジ。79分に大久保の異議にイエロー。試合を落ち着かせた。

■おまけ

試合終了後に千葉サポーターに挨拶に行く、大塚、森本、高木。

2016/09/18

160917大宮3-2川崎(J1 #29)

大宮3-2川崎(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場, 18:00KO, 13,787人)

J1リーグも残り6節となり、年間順位2位の浦和とは勝ち点5差。
福岡戦(J1 #28)に勝利して、アウェイでの大宮戦。

Nack5スタジアム大宮ではなく、年1回開催される熊谷。
アクセスは熊谷駅からの臨時バス、駐車場も2時間前には満車。
ヴィジョンは1つ静止画のみで、ピッチが広い陸上競技場。
条件のいいNack5スタジアムと比べると、観客にとって厳しいスタジアム。



先発は福岡戦とまったく同じ。
サブから武岡が外れ、奈良が入った。
奈良は5月14日の神戸戦(J1 #12)で左脛骨骨折して以来の復帰となる。

昇格組の大宮は、ここまで年間7位。
前節でJ1リーグ残留を決め、年間上位が狙える位置。
1stステージでの対戦は、最終節にホームで勝っている(J1 #17)

■1st half
川崎は3バックで田坂を右CBに置く。
福岡戦と同じシステムで、ボランチだけでなく田坂からもパスが出る。
そのため、大宮は前線からのボールチェイスが難しい。
後方と連動した守備がなかなかできず、川崎のボランチには余裕があった。
ショートパスをつないでチャンスを伺い、ボールを保持する時間が長くなる。
15分過ぎからは大宮を自陣に押し込んでいく。

大宮は斜めのパスとクロスで打開しようとした。
しかし、FWムルジャ(8)の動きが鈍く、パスミスが相次ぐ。

36分、川崎が押していたゲームが崩れてしまう。
大久保がMF横谷繁(17)に頭突きしてレッドカード。
横谷はいつもの大久保のように、自力で派手に倒れて見せた。
この倒れ方を見ていれば、注意にとどめるべきところかとも思う。
だが、頭突きしたことは事実なので、レッドカードは当然。

数的不利になって、44分、ネットが詰められてボールを失う。
前掛かりになっている守備陣の間にムルジャがスルーパス。
抜け出したFW家長昭博(41)をソンリョンが倒してPK。
PKを家長がそのまま決めて、先制を許した。

■2nd half
1人多くなった大宮は、ボランチがボールを持てるようになる。
ピッチを左右に広く、フリーの選手を使って組み立てていく。
前半よりも多くチャンスを作り出す。

川崎は守備に奔走しながらも、ショートカウンターを狙う。
ボールを奪うとすぐにゴールに向かっていく。
63分に中村がゴラッソを決め、81分には小林が逆転ゴールを決める。

残り10分。
守り切ろうとラインを下げて大宮の攻撃を待ち受ける。
しかし、1人少ない分を走ってカバーしてきた川崎の疲労は濃かった。
シュートブロックなどの最後の一歩が遅くなる。
84分に家長、89分にはMF江坂任(7)に決められて逆転を許した。

■summary
大久保の退場で決まってしまった試合。
それまでは、川崎が仕掛けながらも大宮もよく耐え、見応えがあった。
しかし、数的不利となって内容も結果も台無しになってしまった。

後半、2点を奪ったのは素晴らしかった。
守備のリスクを抱えながらも、果敢に攻めてゴールを奪った。
ただ、リードを奪ってから、残り時間を耐える策がなかった。
疲弊したボランチの交代がなく、最終ラインがカバーする範囲が広くなる。
谷口が右サイドに吊り出され、薄くなった中央を突かれてしまった。

この敗戦で、年間2位の浦和に勝ち点2差に詰め寄られた。
2ndステージでは、首位から陥落して3位に。
8月以降に内容が悪くなり、接戦を勝ちきれない。
今後の対戦相手も強豪が続く。

次は中4日で天皇杯3回戦千葉戦。
その次には中2日でJ1リーグ横浜FM戦(J1 #30)がやってくる。
J1リーグに集中して、勝ち点を拾い続けていきたい。

■goal
44,84家長昭博(41) 89江坂任(7)
63中村憲剛(14) 81小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 3失点はしたが、多くの決定機を防ぐ。キックミスが散見。
田坂祐介(6) 5.5 攻守ともにそつなくこなしていたが、戦術的な交代となった。
エドゥアルド(23) 5.5 後半は守備に専念する。ギリギリの攻防を繰り広げていた。
谷口彰悟(5) 5.0 右サイドを広くカバーしたが、3失点目は大宮の圧力で冷静さを失った。
大島僚太(10) 5.5 相手をかわすトラップは美しかったが、チャンスにつなげらなかった。
ネット(21) 5.0 縦パスが狙われてしまう。イエローをもらったため次節出場停止。
エウシーニョ(18) 5.5 前線で駆け回った。カウンターでは積極的に前に飛び出した。
車屋紳太郎(20) 5.5 サイドからのクロスは不発。DF奥井諒(19)に守り切られる。
小林悠(11) 6.5 2トップでチャンスに多く絡む。1トップでは孤立しながらも逆転ゴール。
中村憲剛(14) 6.0 ゴラッソで同点とする。最後の苦しい時間にチームを鼓舞したい。
大久保嘉人(13) 3.5 報復行為でレッドカード。ひとりでゲームを壊してしまった。

■sub
61(6)三好康児(26) 5.0 62分、エウシーニョの完璧なクロスを吹かす。家長の2点目をオンサイドに。
71(18)森谷賢太郎(19) 5.0 攻撃は良かった。MF泉澤仁(39)に右サイドを崩されてしまう。
90(19)森本貴幸(9) 5.5 攻め込まれる時間帯に1点を追って投入される。見せ場はなかった。

■bench
新井章太(30) 奈良竜樹(3) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 

■coach
風間八宏 5.5 1人少なくても逆転したが、足が止まった守備陣の交代策が打てなかった。

■judge
扇谷健司 4.5 ゲームの流れをコントロールできず、荒れた試合を作ってしまった。

2016/09/11

160910川崎3-1福岡(J1 #28)

川崎3-1福岡(等々力, 19:00KO, 23,759人)

代表ウィークによる中断を挟んで2週間ぶりのJ1リーグ。
前節柏戦(J1 #27)で大敗を喫したが、2位浦和も負けて勝ち点差は5のまま。
フル代表の小林、大島、U19代表の三好、韓国代表のソンリョンがそれぞれの代表から復帰。

前週は天皇杯2回戦(天皇杯 R64)
代表組が不在の中、ブラウブリッツ秋田(J3)に逆転で勝った。

天皇杯秋田戦の先発から、5人が外れる。
新井、武岡、森谷はベンチに、大塚、中野はベンチ外となった。
代わりに代表帰りのソンリョン、大島、小林と、エドゥアルド、田坂が先発する。
ベンチからは高木、長谷川、デューク・カルロスが外れ、橋本、三好が入る。

柏戦の先発と比べると、森谷とケガの井川が外れて、エドゥアルド、田坂が入っている。


福岡とは今シーズン3試合目。
ナビスコカップで負け(YNC GL #2)J1リーグではドロー(J1 #16)
それぞれYNCグループリーグの敗退、1stステージで優勝を逸す大きな原因となった。

ここまで福岡はJ1リーグで年間18位。
この2週間でルヴァンカップ準々決勝2試合、天皇杯1試合を戦っている。
水曜日の天皇杯では延長120分プレーして、中2日の試合。

■1st half
川崎は田坂が右CBに入る3バックでスタート。
田坂にはぎこちなさも見えたが、ワンタッチパスで右サイドからリズムを作った。

福岡は自陣深くに引いてブロックを作る。
5バック4ボランチで、1トップにはFW金森健志(7)。
ボールホルダーにプレスを掛けず、ゴール前で待ち構える。
金森の位置が自陣ゴール寄りとなるほど、引いていた。

川崎はプレッシャーなくボールを長く持てる。
両サイドにはスペースが少なく、中央からの攻撃が主体。
ネット、大島、中村だけでなく、田坂からも縦パスが入る多彩な攻撃。
パスの出し手が多く、福岡が間合いを詰めても簡単にかわした。

大きなチャンスはCKから生まれる。
15分、谷口が中村の左CKをヘッドで斜めにシュート。
しかし、強い弾道はGKイ・ボムヨン(23)の正面だった。
29分にはまったく同じ形で、谷口が中村の左CKをヘッド。
今度は緩やかにボールが弧を描き、GKの頭上を越えてゴールに収まった。

福岡は攻撃の形をほとんど作れず。
守りに守ってなんとか1失点で済ませることができた。

■2nd half
後半開始直後の47分。
車屋のショートパスを中村がPA内からシュート。
至近距離のシュートをGKがストップし、転がったボールはMFダニルソン(6)がキープ。
ダニルソンはGKにキャッチさせたかったが、背後から中村にボールを突かれてしまう。
ボールはそのままGKの股も抜いてゴールに転がった。

ダニルソンの判断ミスを見逃さない中村の泥臭いゴール。
ゴールのすぐ近くでのプレーで、ダニルソンにクリアする時間は十分にあった。
攻撃の手段がほとんどない福岡にとって、ゲームは終わった。

55分に決定機を外していた大久保が、60分にゴール。
中村にボールを預け、小林からの足元へのパスに走り込んでダイレクトで決めた。

3点差となって、川崎はテストを開始する。
機能していた3バックから、4バックに移行。
右CBの田坂を左ウィングに配置転換するが、このテストは裏目となる。

74分にFWウェリントン(17)が投入され、福岡は最終ラインにプレッシングをかける。
エドゥアルドの球離れが遅いところを狙われ、チャンスを作られる。

85分にはFW平井将生(14)がミドルを決めて2点差。
ロスタイムにもウェリントンがヘディングするが、ソンリョンがセーブした。

■summary
福岡は前半、守備的なプレーに終始した。
プレッシングを仕掛けたくとも、120分プレーした天皇杯から中2日。
川崎に比べて試合間隔が詰まっていたため、走れなかった。

最終ラインは下がりっぱなしで、耐えるだけ。
セットプレーからの1失点で前半を終えることができたのは、内容を考えれば上出来。
後半、なんとか1点を奪えばドローで勝ち点を得ることができる状況だった。
しかし、ダニルソンの安易なプレーで2点目を失うと、試合は決まった。

川崎は中央から攻撃を続けて3点を奪った。
福岡のプレスがほとんどなく、余裕を持ってボールを動かした。
3バックに入った田坂は、長短のパスで右サイドを活性化した。
ハイボールの処理に懸念はあったが、谷口とエドゥアルドがカバーした。
福岡が田坂を狙って放り込んでくれば、違った展開があったかもしれない。

3バックから4バックに移行すると守備が停滞。
ロングボールへの対応は、3バックの方が安心できる。
今後の対戦相手は、川崎対策でロングボールを多用してくることも考えられる。
相手の攻撃の芽を3バックでしっかり摘んでから、圧倒的に攻撃を仕掛けたい。

■goal
29谷口彰悟(5) 47中村憲剛(14) 60大久保嘉人(13) 
85平井将生(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 73分にDF亀川諒史(18)、90+4分にウェリントンのシュートをセーブ。
田坂祐介(6) 6.5 CBで強い守備を見せ、新たなパスの起点となる。最後は左ウィングに。
エドゥアルド(23) 6.0 高く強い守備は鉄壁。ボールを持ちすぎて何度もボールを失う。
谷口彰悟(5) 6.5 ハイボールを処理。CKからの2本目のシュートで先制ゴールを決める。
大島僚太(10) 6.0 代表帰りの疲れも見えたが、フリーで受けて中央から攻め続けた。
ネット(21) 6.0 小さなモーションで縦パスを狙う。14分、小林へスルーパスを通す。
エウシーニョ(18) 6.0 亀川に抑えられた。45分に右から決定的なクロス。46分にミドル。
車屋紳太郎(20) 6.0 左サイドから仕掛けてチャンスを作る。47分に中村へラストパス。
小林悠(11) 6.0 最前線でボールを受けてトラップでDFを抜き去る。ゴールは決まらず。
中村憲剛(14) 7.0 47分、相手のミスを突いてゴール。勝利に必要不可欠なプレーだった。
大久保嘉人(13) 6.5 1ゴールの結果は少ないほど。フリーでのシュートを多く放った。

■sub
82(6)森谷賢太郎(19) 5.5 左ウィングで出場。カウンターを狙ったが、成功しなかった。
86(11)武岡優斗(17) 6.0 4バックの右SBに入る。福岡の左サイドからの攻撃を抑えた。
90+1(10)森本貴幸(9) 5.5 90+3分、森谷からのラストパスを引き出す。

■bench
新井章太(30) 板倉滉(28) 橋本晃司(7) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.0 4バックのテストで福岡にチャンスを与える。3点差となっても交代が遅い。

■referee
廣瀬格 6.0 少し川崎寄りのファウル判定があったが、ストレスの少ないジャッジ。

■おまけ

川崎ものづくりフェアin等々力の一環で、ハーフタイムに山本昌が登場。
プロ野球で通算219勝のピッチャーが、フロンターレのユニフォーム姿で登場した。
ラジコンでも有名だが、この日はスタート直後、あえなくリタイアした。

2016/09/04

160903川崎3-1秋田(天皇杯 R64)

川崎3-1秋田(等々力, 19:00KO, 5,088人)

今年の天皇杯は、2回戦から出場することとなった。
 J3のブラウブリッツ秋田との対戦。
 代表ウィークで、J1リーグが開催されない週の土曜日の開催。
 久しぶりのカップ戦用ユニフォーム。

フル代表に小林と大島、U19代表に三好、韓国代表にGKソンリョンが招集されて不在。

大敗した柏戦(J1 #27)の先発から、ケガの井川も含めて4人が外れる。
 代わりにGK新井、武岡、大塚、中野の4人が先発する。
 大塚は鳥栖戦(J1 #25)以来、3週間ぶりの出場となる。

サブには新たにGK高木、板倉、森本が入った。
 森本は左膝外側半月板損傷による長期離脱から復帰。
 出場すれば、4月2日の鹿島戦(J1 #5)以来となる。


ブラウブリッツ秋田は、J3リーグで6位。
 天皇杯1回戦はヴァンラーレ八戸に勝利している。
 ベンチ入りは5人のみで、2人の枠を残している。

GK松本拓也(21)は、2011年に川崎に在籍していた。
 川崎での出場はなかったが、GK陣に故障が相次ぐ中、湘南から期限付きで来てくれた。

■1st half
秋田は前線から強くプレスを仕掛けてくる。
 川崎のボランチはもちろん、最終ラインがボールを持っていても詰めてくる。
 それも1人だけでなく、連携しながら全員で追いかけてきた。
 特に武岡がターゲットとなり、次のパスを狙われて奪われた。

秋田の攻撃には迫力はなかったが、28分。
 ネットの縦パスが奪われて、ショートカウンターを浴びる。
 FW呉大陸(9)が潰れたところから、FW前山恭平(7)がミドル。
 ゴールまでかなりの距離があったが、左隅にきれいに決まった。

川崎はボランチからのパスが前につながらない。
 大塚が下りてきてパスを受けるものの、前を向けない。
 中野と森谷はボールロストを繰り返した。
 秋田がハードに走って、コンパクトな陣形を保っていた。

■2nd half
後半開始から、中野を下げてエドゥアルドを投入する。
 最初は4バックだったが、50分ごろにピンチが続き、危ないシュートを打たれる。
 GK新井が中心となって、ゴールは許さなかったが、3バックへ移行。
 武岡、エドゥアルド、谷口を最終ラインに並べる。

秋田は前半のようなプレスを続けることができなくなる。
 コンパクトさは保っていたが、川崎のボールホルダーに余裕が生まれた。

67分、CKからの流れで車屋が左サイドをえぐり、マイナスのクロス。
 エドゥアルドがインサイドで蹴り込んで同点ゴール。

70分、76分と決定機を外した大久保が、77分にゴール。
 車屋が中央に流れて、空いた左サイドに入り込んだ森谷がアシストした。

82分には再び車屋が左クロス。
 田坂が豪快に蹴り込んで、試合を決めた。

■summary
秋田は前半、素晴らしい内容で川崎を圧倒した。
 しかし、90分走り続けることはできず、後半3失点を喫した。
 後半開始直後のチャンスで追加点を奪えれば、勝利できたと思われる。

もしくは、ゴール前を固めて1点を守り切る戦術も選択できた。
 しかし、堂々と川崎に勇敢に立ち向かった。
 賞賛に値する素晴らしいプレーだった。


川崎は代表組を除けば、現時点のフルメンバー。
 前半は、秋田のプレスに苦しみ、後手を踏んだ。
 武岡のパスの精度が低く、森谷と中野はパスをつなげなかった。
 後半、疲れの見えた秋田を突き放して、森本を起用することができた。

天皇杯の3回戦は、J2ジェフユナイテッド千葉との対戦。
 ただ、J1リーグの試合に挟まれた、9月22日の木曜日開催。
 主力を疲弊させて、J1リーグで勝ち点を失うわけにはいかない。
 秋田戦とは異なり、ターンオーバーが必要となる。

■goal
67エドゥアルド(23) 77大久保嘉人(13) 82田坂祐介(6)
28前山恭平(7)

■summary
新井章太(30) 6.0 49分のMF青島拓馬(20)のミドル、51分の前山のループを防いだ。
エウシーニョ(18) 5.5 不安定な守り。63分のミドルはDF浦島貴大(32)にブロックされた。
武岡優斗(17) 5.5 パスを狙われる。67分、車屋へスルー。足首を痛めたが最後までプレー。
谷口彰悟(5) 6.0 ハイボールを危なげなく処理。もっと最終ラインでボールをさばきたい。
車屋紳太郎(20) 7.5 復帰2戦目で2アシスト。左サイドから正確なクロスを多く供給した。
中村憲剛(14) 5.5 19分、中野へのパスで決定機を作る。ミスが多くカウンターを浴びた。
ネット(21) 5.5 縦に向かうパスをカットされていた。51分、PA近くでボールをロスト。
森谷賢太郎(19) 6.0 前半はパスをつなげず。左サイドに移ってから車屋と組んで活躍する。
大塚翔平(27) 5.5 前後に動いてボランチからパスを受けるが、前を向けなかった。
中野嘉大(22) 4.5 プレスがなくてもミスが目立つ。19分のGK1対1はトラップが流れる。
大久保嘉人(13) 6.5 決定的なチャンスを多く迎える。外していたが、77分に決勝ゴール。

■sub
HT(22)エドゥアルド(23) 6.5 最終ラインに安定をもたらした。同点ゴールを決めた。
58(27)田坂祐介(6) 6.5 気が効いたポジショニングで、攻撃を牽引する。1ゴール。
90+1(13)森本貴幸(9) 5.5 時間が短く、プレー機会はほとんどなかった。

■bench
高木駿(29) 板倉滉(28) 長谷川竜也(16) デューク・カルロス(32)

■coach
風間八宏 6.5 左サイドの停滞を選手交代で払拭して逆転勝利。森本を早く入れたかった。

■referee
柿沼亨 5.5 ファウルの判定は抑制的。後半、大久保が倒れるたびにファウルを取った。

■おまけ


試合終了後、秋田のゴール裏。
 「この絆を胸にいつか必ずここに戻ってきます!!」との横断幕。
 天皇杯のカテゴリー違いのゲームの醍醐味といえる。
 しかし、秋田にジャイアント・キリングされそうになったのも事実。

秋田の次の関東での試合開催は、9月19日(月)、味の素スタジアムでのFC東京U23戦。
 GK松本拓也によれば、秋田のゴール裏に川崎のユニフォームで入ってもいいそうです。