2019/06/30

190630磐田1-3川崎(J1 #17)

磐田1-3川崎(ヤマハスタジアム, 19:00KO, 11,241人)

2試合連続のドローとなった札幌戦(J1 #15)から中15日。
ACLのため広島戦(J1 #16)が7月31日にスキップされ、間隔が空いた。
札幌戦も浦和戦(J1 #14)から中12日で、6月は3試合のみ。

昨シーズンの磐田戦は、エコパ開催(2018 J1 #1)だったため、2年ぶりのヤマハスタジアム。
強い雨が降っていたが、キックオフが近くなると止まってくれた。

J1リーグは、第16節までで暫定3位。
首位FC東京と2位横浜Fマリノスが前日に対戦し、FC東京が勝った。
勝ち点8差(2試合未消化)となって、磐田戦を迎える。


先発は、札幌戦から3人を変更する。
U-22代表に招集されていた田中碧が復帰して、ボランチで先発。
1トップに小林悠、トップ下に脇坂が入り、知念とダミアンはベンチスタートとなった。

そして守田は、道路交通法違反(携帯電話使用等)で6月17日に検挙。
公式戦1試合の出場停止処分がチームから出されたため、ベンチ外となる。


「失った信頼は勝利で取り返せ」
 磐田のゴール裏。

磐田はJ1リーグで3勝5分8敗の17位。
2週連続で水曜日にルヴァンカップがあり、6月に6試合目と日程が詰まっている。

昨シーズンは、開幕戦と最終戦での対戦となり、川崎のダブル。
 180225磐田0-3川崎(J1 #1)
 181201川崎2-1磐田(J1 #34)

■1st half
磐田はFWロドリゲス(11)とFWアダイウトン(15)にボールを入れる。
2人が大きなスペースを使って、ドリブルしながら時間を作る。
最終ラインを高く保ち、セカンドボールを拾って攻めてきた。

20分、23分、25分とロドリゲスが決定的なシュートを放つ。
しかし、GKソンリョンがすべてを防いでしまう。
さらに22分、登里のバックパスが小さくなるが、ソンリョンが果敢に飛び出した。

川崎はボールをゆっくりとつないでいく。
磐田がコンパクトに守っていたため、パスコースを丹念に探す。
大島と田中碧には余裕があって、試行錯誤しながらボールを散らした。

少しずつ磐田の守備が緩みはじめた29分。
左に寄っていた大島が、右サイドの車屋に大きく展開する。
車屋が左足でクロスを入れると、フリーで待ち受けた小林が叩き込んだ。

■2nd half
50分、長谷川がカウンターから仕掛け、流れたボールが脇坂に届く。
脇坂は左足ダイレクトでゴール左隅を正確に打ち抜いて、追加点を挙げた。

2点差となって、磐田の攻撃を受けていく展開となる。
自陣中央をしっかり固め、ゴールから遠いエリアで磐田にボールを持たせる。
スペースがなくなり、運動量の落ちたアダイウトンとロドリゲスは打開できない。
ただ、58分には荒木大吾(27)がポストに当て、76分にはエレン(6)のクロスが混戦となるなど、ゴールに迫る攻撃も見せていた。

川崎が無失点で耐えたまま、90分。
押し込まれた局面で、知念のポストプレーからカウンター。
家長が齋藤にスルーパスを送り、長い距離を駆け上がってきた知念が3点目を決めた。

■summary
90+5分、上原力也(30)がゴールを決めたが、磐田には運がなかった。
攻撃は機能していて、ロドリゲスが多くの決定機を迎えたが、GKソンリョンに阻まれた。
逆に川崎に少ないチャンスを仕留められ、リードを広げられた。
過密日程による疲労もあったためか、後半は運動量が落ちてしまった。

磐田は最下位18位となり、名波浩監督が退任することとなった。
自チームの足りない部分を率直に認め、相手の素晴らしさを称える監督だった。
試合後のコメントが楽しみな監督の1人だった。
退任は残念だが、いつの日か、名波が再び監督に就く日を待ちたい。


川崎は磐田の鋭い攻撃に遭い、厳しい展開を強いられた。
谷口とジェジエウが粘り強く守り、さらにソンリョンが立ちはだかっていく。

無失点で耐えながら、少ないチャンスをゴールに結びつけた。
目の前のDF高橋祥平(41)が転んでフリーとなった小林の先制ゴール。
長谷川のコントロールミスを拾った脇坂の追加点。
高い技術の積み重ねもあるが、幸運もあったことで、勝利することができた。


J1リーグ首位のFC東京とは、勝ち点5差(1試合未消化)のまま。
引き続き良い内容で、勝ち点を積み重ねていきたい。

そして次の試合は天皇杯2回戦。明治大学と対戦する。
磐田戦から中2日となるので、ターンオーバーしながら確実に勝ち進みたい。

■goal
90+5上原力也(30)
29小林悠(11) 50脇坂泰斗(28) 90知念慶(20) 

■judge
ソンリョン(1) 7.5 決定的なシュートを連続セーブ。キャッチも反応も素晴らしかった。
車屋紳太郎(7) 6.5 右クロスでアシスト。ドリブルで縦に運ぶなど、新たな工夫があった。
ジェジエウ(4) 6.5 ロングボールを競り、スペースのボールを追った。72分にイエロー。
谷口彰悟(5) 6.5 ジェジエウの背後を固める。アダイウトンに苦しみつつ粘り強く守った。
登里享平(2) 6.0 動き過ぎず、立ったままのプレーが目立つ。守備では後手に回ることも。
田中碧(25) 6.0 ボールホルダーに強く寄せる。トラップの向きとステップで相手を剥がす。
大島僚太(10) 6.5 圧倒的なキープ力を見せる。左右に散らしながら、スルーパスを狙う。
家長昭博(41) 6.0 ポジションを自在に変えながら、周囲をフォローした。パスを中継する。
脇坂泰斗(28) 6.5 50分、貴重な追加点を決める。流れるようなトラップから縦につなぐ。
長谷川竜也(16) 6.5 緩急を付けたドリブル。誰にも止められないプレーを続けている。
小林悠(11) 6.0 叩きつけるヘッドで先制ゴール。効果的にプレスのスイッチを入れた。

■sub
66(28)阿部浩之(8) 5.5 右ウィング。スペースを埋める危機察知能力はさすが。
73(16)齋藤学(19) 6.0 無理して攻め込まず、味方にパスをつないだ。1アシスト。
87(11)知念慶(20) 6.5 88分の決定機はGKカミンスキー(21)に当てる。90分にゴール。

■bench
新井章太(21) 下田北斗(22) 山村和也(34) ダミアン(9) 

■coach
鬼木達 6.5 1トップの布陣が奏功した。的確な時間に交代を繰り出し、完勝に導いた。

■referee
松尾一 6.0 接触プレーを流し気味にジャッジする。ただ、3枚のイエローは出しすぎ。

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2019/06/15

190614川崎1-1札幌(J1 #15)

川崎1-1札幌(等々力, 19:00KO, 22,609人)

浦和戦(J1 #14)から代表ウィークを挟み中12日。
ACLのラウンド16が、次のミッドウィークに予定されていた。
そのための金曜日開催だが、ACLは残念ながら敗退している。

浦和戦から先発の変更は1人。
知念が先発して、小林がベンチスタートとなる。

フル代表に参加した守田も先発する。
5日のトリニダード・トバコ戦で61分間プレーした。
ただ、9日のエルサルバドル戦に出場しなかったので、間隔は空いている。

ベンチには、下田、阿部が新たに入り、マギーニョ、舞行龍が外れた。
田中碧は引き続きU-22代表に招集されていて、欠場する。

札幌は、J1リーグで7勝2分5敗の7位。
ルヴァンカップはグループリーグ1位で勝ち上がっている。
昨シーズンの対戦は、川崎の2勝だった。
 180718札幌1-2川崎(J1 #16)
 180915川崎7-0札幌(J1 #26)

■1st half
札幌は5バックで自陣を固めつつ、カウンターを狙う。
最終ラインでパスを回し、川崎のFWがプレスに来たところでロングボールを入れる。
広いスペースを使ってFWジェイ(48)とFW鈴木武蔵(9)の2人でポイントを作る。
さらにMFチャナティップ(18)が美しいトラップを見せて、早くボールを運んだ。

川崎はボールを回していくが、中盤でのミスが多い。
札幌がきちっと間合いを詰めてきて、慌てて難しいパスを出してしまった。

左サイドからは、長谷川がカットインしてシュートやクロスを入れる。
ただ、右SBの車屋は高い位置まで上がるものの、その先のアイディアがなかった。
そのため、PAに迫るのは左サイドからが多くなった。

微妙な判定だったが、両チームにPKが与えられる。
27分のダミアンのPKはGKク・ソンユン(25)が止め、39分の鈴木武蔵はきれいに決めた。

■2nd half
後半開始から、ダミアンに代えて小林悠を投入する。
さらにSBの車屋と登里を入れ替えることで、両サイドともに改善した。
右サイドで時間を作って、左の長谷川にスペースを与えることができた。

川崎の時間が長く続き、札幌を自陣深くに釘付けにする。
札幌はボールへの寄せも遅れてしまい、川崎のパスが延々と回っていく。

52分と53分の小林、58分の長谷川と決定的なシュートが増える。
ただ、GKク・ソンユンが良いセーブを見せていたが、69分。
家長の右クロスを小林悠がボレーで合わせ、同点とすることができた。

その後も攻め続けるが、追加点は挙げられず、ドローに終わった。

■summary
札幌は前半は良いプレーができていた。
最前線に5人が並び、川崎の4バックとのギャップを作る。
ゴールはPKによるものだったが、川崎と互角以上に戦えていた。

後半になると主導権を失ってしまう。
ほとんどボールを持つことができず、最終ラインを押し上げることができない。
GKク・ソンユンの活躍もあって、ドローに持ち込むことができた。


札幌ゴール裏。 
「頑張れ横山知伸 回復を祈っている」。 

2008-11年に川崎に在籍。
昨年末、脳腫瘍の摘出手術を受け治療中。
川崎は後半、攻め込んだが、1ゴールに留まった。
多くの決定機を作り、良い攻撃ができていただけに、残念な結果だった。

ダミアン、知念、小林悠の3人のFWの起用法は難しい。
それぞれ異なる特徴を持っていて、ゴールも決めている。
調子を見極めながら、ベストの組み合わせを探っていきたい。

次は中15日でアウェイの磐田戦(J1 #17)。
ACLのため、次週の広島戦(J1 #16)が7月31日に延期となり、間隔が空く。
ドローが2試合続いたが、良い内容を続け、勝ち点3に結びつけていきたい。

■goal
69小林悠(11) 
39PK鈴木武蔵(9)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 16分、早坂良太(26)のシュートをキャッチ。仕事は少なかった。
車屋紳太郎(7) 5.0 右SBではアイディアが不足していた。左SBで本来の実力を発揮した。
ジェジエウ(4) 6.0 37分、PKを与える。82分、福森晃斗(5)へのタックルでイエロー。
谷口彰悟(5) 6.5 ミスなくプレー。詰められてもパスをつなぎ、カウンターを止めた。
登里享平(2) 5.5 左では動きが重かったが、後半、右に回るとパスの中継点となった。
守田英正(6) 6.0 ロングボールを供給して局面を変える。58分、長谷川へスルーパス。
大島僚太(10) 6.0 前半は自由にプレーできなかった。後半、プレースキックを担当。
家長昭博(41) 6.0 7分、62分とシュート。69分にアシスト。調子を上げてきている。
長谷川竜也(16) 7.5 左からの仕掛けで最後まで脅威となった。25分、PKを獲得する。
知念慶(20) 5.0 スペースを生むための駆け引きを繰り返す。目立つ場面は少なかった。 
ダミアン(9) 5.5 ハイボールに競り勝ち、12分にはミドル。PKはGKに止められた。

■sub
HT(9)小林悠(11) 7.5 7本のシュートを放つ。素晴らしい出来だが、もう1点欲しかった。
77(20)齋藤学(19) 6.0 80分、家長のクロスをシュート。84分、イエローで止められる。
86(6)山村和也(34) 5.5 ボランチに入る。独特のリズムでボールを左右に展開した。

■bench
新井章太(21) 下田北斗(22) 阿部浩之(8) 脇坂泰斗(28) 

■coach
鬼木達 6.0 逆転はできなかったが、後半、小林悠の投入で盛り返すことができた。

■referee
山本雄大 5.0 2つのPKやイエローの判定は微妙。特に1つ目のPKは接触も弱く、長谷川が自ら倒れているように見えた。

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2019/06/02

190601川崎1-1浦和(J1 #14)

川崎1-1浦和(等々力, 19:00KO, 24,578人)

大分戦(J1 #13)に勝利してから中5日。
ACLが終わり、次週に代表ウィークを控えた浦和戦。


先発は、大分戦から2人を変更する。
新たに車屋と小林悠が先発する。
マギーニョと脇坂がベンチスタートとなった。

ベンチには、舞行龍と山村が新たに入る。
田中碧はU-22代表に招集され(5月25日~6月15日)、チームを離脱している。


浦和は5月28日、オズワルド・オリヴェイラ監督と契約解除。
新たに大槻毅監督が就任し、その初戦となる。
ACLはGLを突破したが、J1リーグは4連敗中で11位。

今シーズンはFXSCで対戦し、川崎が勝っている。
 190216川崎1-0浦和(FXSC)★
2018シーズンは、浦和のダブルだった。
 180502川崎0-2浦和(J1 #12)
 180801浦和2-0川崎(J1 #19)

■1st half
川崎は立ち上がり、浦和の5バックでのプレスに戸惑っていた。
早く寄せられて低い位置でボールを失い、カウンターを浴びる。

15分ほどで浦和の守り方に慣れると、押し込んでいく。
ダミアンや小林のポストプレーで、中央で変化を生む。
左サイドの長谷川が、10分、20分、42分とクロスを入れた。
長谷川はさらに33分、カットインして右足でシュート。

ただ、右サイドの家長は、相手を背負ってのキープができない。
右SBの車屋も、カウンターに備えて、攻撃は控え目だった。
そのため、中央と左サイドからの攻撃が多くなった。

■2nd half
浦和は、ボールホルダーに寄せるのが遅くなっていく。
パスが届いてから動き出すので、川崎に余裕を与えてしまう。
川崎は、正確にパスをつなぎつつ、5バックの隙間を狙った。

54分、長谷川から登里へ縦にスルーパス。
登里がGKとDFの間にクロスを入れると、フリーのダミアンが押し込んで先制。
その後も長谷川は、左サイドから素晴らしいクロスを入れた。
80分に小林悠、90+2分に家長に決定機をプレゼントするが、ゴールは決まらない。

1点を追い、浦和はロスタイムに反撃する。
CKからの流れでPA内でボールを動かし、90+5分、森脇良太(46)がネットを揺らした。

■summary
浦和は最初の15分ほど良いプレスを仕掛けた。
川崎のボールを高い位置で奪っては、手早くカウンター。
FWマルティノス(11)のドリブルを中心に、少ない人数で攻めた。

ただ、前半途中から川崎がペースを握った。
後半になると、浦和はほとんど攻撃できなくなる。
川崎の攻撃が続いて劣勢だったが、1失点だけで耐えた。
そして最後に森脇がゴールを決め、ドローに持ち込むことができた。


川崎はロスタイムに失点してしまった。
後半、多くの決定機を作りながら、ゴールは1つだけ。
内容では圧倒しながらも、勝ち点を失う結果となった。
残念だが、サッカーなので結果が出ないこともある。

J1リーグ首位のFC東京が勝ち、勝ち点差は4から6に広がった。
次は代表ウィークを挟み、中12日で札幌戦(J1 #15)。
夏場に向けて十分に休養して、良い内容を続けたい。

■goal
54ダミアン(9) 
90+5森脇良太(46)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 5分、マルティノスのシュートをセーブ。プレー機会が少なかった。
車屋紳太郎(7) 5.5 いつもと逆の右SBで先発。サイドラインから離れ、中央寄りでプレー。
ジェジエウ(4) 6.5 高さとスピードでカウンターを抑え込んだ。パスワークもこなれてきた。
谷口彰悟(5) 6.5 質の高いプレーを安定して続ける。森脇のゴールはブロックしきれず。
登里享平(2) 6.5 長谷川をスルーパスで走らせる。自らも縦に抜け出して、1アシスト。
守田英正(6) 6.0 バランスを保った。77分、ワンツースリーで作った決定機はDFに当てる。
大島僚太(10) 6.5 余裕を持ってロングボールを狙う。細かいドリブルでスペースに運ぶ。
小林悠(11) 6.5 裏に抜け出してボールを呼ぶ。後半になると多くのシュートを放った。
家長昭博(41) 6.0 ロストが多かったが、徐々に改善した。90+2分、右足シュートを外す。
長谷川竜也(16) 7.0 左サイドをドリブルで切り裂く。たくさんの決定機を作り出した。
ダミアン(9) 6.5 槙野智章(5)を苦にしなかった。1ゴール。63分にも爪先でシュート。

■sub
78(7)マギーニョ(26) 5.5 右SBに入る。攻撃は自重し、スピードを活かして守った。
87(9)山村和也(34) 5.5 トップ下。ロスタイム、左コーナー近くで時間を使った。
87(11)知念慶(20) 5.5 1トップでボールを追った。ダミアンと違った強さを見せた。

■bench
新井章太(21) 舞行龍(29) 脇坂泰斗(28) 齋藤学(19)

■coach
鬼木達 6.0 良い内容で、選手交代も的確だったが、結果は出せなかった。

■referee
荒木友輔 6.0 序盤は接触に厳しかったが、その後は流し気味に。良いジャッジだった。

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