2020/02/22

200222川崎0-0鳥栖(J1 #1)

川崎0-0鳥栖(等々力, 15:00KO, 21,117人)

等々力に鳥栖を迎えてのJ1リーグ開幕戦。
快勝した清水戦(YLC GL #1)から中5日となる。

2020シーズンのJ1リーグは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が全試合に導入される。


先発は、清水戦から1人変わる。
 YLCのU21枠で先発した宮代に代わり、右FWに家長が入る。
ベンチからはGK安藤が外れ、GK丹野と山村が入った。


鳥栖は、同じく中5日。
 YLC札幌戦(YLC GL #1)は0-3で負けている。

川崎OBのMF原川力(4)とDFエドゥアルド(3)が先発する。

昨シーズンの対戦は、川崎の1勝1敗。
 190414鳥栖0-1川崎(J1 #7)
 190707川崎0-0鳥栖(J1 #18)
2017シーズンからの3年間、等々力ではドローが続く。
逆に鳥栖での開催は、3年間、川崎が勝っている。

■1st half
鳥栖は川崎と同じ4-3-3の布陣で、ミラーゲームとなる。
 3トップだが、ワイドFWの2人は落ちて中盤を固めていた。
 そのため、川崎の中盤にはスペースが少なかった。
 田中碧が2CBの間に落ちたり、大島と脇坂はサイドに流れてボールを受けていた。

川崎は2CBからボールを両SBに入れて、サイドから攻めていった。
 LSB登里とLFW長谷川はタッチライン際で縦に仕掛けていった。
 鳥栖のRSB森下龍矢(28, 明治大学から加入)は頑張っていたが、徐々に押されてしまう。
 右サイドは家長、山根、脇坂が三角形を組みながら、突破を図った。

12分、家長の右クロスをダミアンがジャンピングボレー。
24分、GK高丘陽平(18)のミスキックを田中碧が拾ってそのままミドル。
25分を過ぎると、鳥栖のプレスが弱まって、川崎が中盤を支配した。
 サイド攻撃で押し込んだ結果、CKが6本と多くなった。

鳥栖はGK高丘からしっかりパスをつなぐ。
 CBがフリーでボールを持ちながら、縦パスを狙っていった。
 LFW小屋松知哉(22)はサイドから真っ直ぐゴールに向かい、脅威となっていた。

■2nd half
川崎が風上に立ったことで、より攻め込んでいく。
 49分、家長の左クロスをダミアンがGK高丘とDFエドゥアルドに囲まれながらも押し込んだ。
 しかし、VARによりオフサイド判定となって、ゴールは取り消される。

鳥栖は56分、FWチアゴ・アウベス(9)を投入し、個人技を活かす。
 CKを多く獲得することができたが、10分ほどで攻勢は終わった。

65分、三笘と旗手を入れると、川崎が試合を支配する。
 特に三笘は積極的なドリブルで縦へ、そして中へと切れ込んだ。
 ボールを身体から離して相手を誘い、スピードで抜いていく。
 ラインを下げた鳥栖の守備を切り裂いてゴールに迫った。

鳥栖はゴール前を固めて粘り強くゴールを許さない。
 パスはつなげなくなったが、割り切った戦いでタイムアップを迎えた。

■summary
鳥栖は縦ポンで点を取って守りまくる戦術を転換した。
 4-3-3でGKからしっかりパスをつなぎ、スルーパスを狙った。
 そして耐えるべき時間には、ラインを下げて守り切ることができた。
 アウェイでのドローは悪くない結果だった。

強い守備で中盤で自由を与えず、足が止まるとゴール前を分厚く固める。
 守るだけの時間もあったが、パスサッカーへの意欲を見せてくれた。
 観るべき価値のあるサッカーで、駅前不動産スタジアムを埋めてほしい。


川崎は、5ゴールを決めた清水戦のようにはいかなかった。
 中盤を厚く固める鳥栖に対しては、サイドから崩していく。
 少しずつ鳥栖の中盤を緩めていくと、中央からも縦にパスワークで攻めた。
 後半は風上に立ったことで、圧倒することができた。

しかし、結果はスコアレスドロー。
 等々力での鳥栖戦は、4年連続でドローとなった。
 残念だが、これからもチャンスを作り続け、ゴールを目指したい。

次は中6日で札幌戦(J1 #2)。
 2月9日の練習試合では圧倒したが、同じように攻撃を続けたい。
(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、札幌戦以降すべての日程がキャンセル。)
(4ヶ月超の中断期間を挟み、7月4日の鹿島戦(J1 #2)から再開された。)

■goal


■judge
ソンリョン(1) 6.0 64分、原川の決定機をセーブ。ぎこちなさはあったが、パスも安定。
山根視来(13) 6.0 高い位置に進出して攻撃に厚みを加える。87分、90+3分にシュート。
ジェジエウ(4) 6.0 広い範囲をスピードでカヴァー。29分、46分、74分と危険なロスト。
谷口彰悟(5) 7.0 鳥栖のロングボールを跳ね返し続ける。ビルドアップの起点となった。
登里享平(2) 6.0 左サイドからクロスを入れ続ける。三笘にドリブルのスペースを与える。
田中碧(25) 6.5 上下左右に動いてバランスをとった。24分、カウンターからミドル。
大島僚太(10) 6.0 前目でチャンスに絡んだ。32分の決定機は空振り。90+3分にミドル。
脇坂泰斗(8) 6.0 ボールに絡む機会が少ない。多くのFKとCKでゴール前にボールを入れた。
家長昭博(41) 6.0 右FWでサイドから崩す。5分、32分、49分のシュートは決められず。
ダミアン(9) 6.0 中央で待ち受ける。12分、ボレー。49分のゴールはVAR判定で取り消し。
長谷川竜也(16) 5.5 サイドは森下龍矢に締められて窮屈だった。37分、決定機を迎える。

■sub
65(16)三笘薫(18) 7.0 左サイドから切れ味鋭いドリブルで仕掛けた。FKも獲得する。
65(41)旗手玲央(30) 6.0 87分、90分、90+2分とシュート。周囲とパスが合わなかった。
76(9)小林悠(11) 6.0 中央のFWで積極的に動いた。77分、85分、90+2分にシュート。

■bench
丹野研太(27) 山村和也(34) 車屋紳太郎(7) 守田英正(6)

■coach
鬼木達 6.0 交代も良かったが、ゴールを決めることはできなかった。

■referee
木村博之 5.0 危険なチャージも流していたが、急に豹変してイエロー2枚を提示。

112,200views

2020/02/16

200216川崎5-1清水(YLC GL #1)

川崎5-1清水(等々力, 14:00KO, 17,057人)

いよいよ2020シーズンが開幕する。
最初の公式戦は、YBCルヴァンカップのグループリーグ第1節清水戦。

YLCのGLは、16チームが参加し、4つのグループで戦う。
川崎はグループAに入り、清水、名古屋、鹿島と対戦する。

ACLのプレーオフに鹿島が敗れ、YLCベスト8から参加するACL組は3チーム。
そのため、プレーオフステージには10チームが進出できる。

川崎にとって、グループリーグは4年ぶりの出場。
前回はヤマザキナビスコカップ(YNC)時代の2106シーズンで、GLで敗退した。


川崎は今シーズンから採用する4-3-3の布陣。
4バックはオーソドックスな形で、右から山根、ジェジエウ、谷口、登里。
逆三角形の中盤は、1ボランチに田中碧、前に脇坂と大島が並ぶ。
3トップは右に宮代、中央にダミアン、左に長谷川が入った。


YLCは、2020年12月31日時点で21歳以下の日本国籍者を1人以上先発させる必要がある。
優勝した2019シーズンは、田中碧がU21枠を埋めていた。
2020シーズンは、田中碧が21歳を超えるので、U21枠は宮代と原田が対象となる。
清水戦では、宮代が右FWで先発し、川崎での公式戦デビューとなった。

新戦力では、湘南(J1)から加入した山根がRSBで先発。
ベンチには、大卒新人の三笘(筑波大学)と旗手(順天堂大学)が入った。


清水は、2019シーズンのJ1リーグで12位。
横浜FMのコーチだったピーター・クラモフスキーが新たに監督に就いた。
U21枠では、高卒3年目の西村恭史(28)が先発する。

2019シーズンの対戦は、川崎の1勝1分だった。
 190512清水0-4川崎(J1 #11)
 190824川崎2-2清水(J1 #24)

■1st half
開始直後から、川崎が圧倒的にチャンスを作る。
清水の2CBの外側を使って、攻め込んでいった。
左では長谷川と登里、右では山根、宮代、脇坂のコンビネーションで崩す。

1分に宮代、3分にダミアンと長谷川、5分にCKからジェジエウ。
多くの決定機を作り、シュートを立て続けに放った。

10分、左サイドからドリブルで登里がするすると密集を抜ける。
鋭いマイナスのクロスをダミアンが左足ヒールで捻じ込んで、先制する。

23分には脇坂が右サイドをダブルタッチで抜けて、マイナスのクロス。
大島がボールの勢いを止め、長谷川がゴールに蹴り込んだ。

清水はロングボールが多くなり、中盤で組み立てられない。
攻撃の選択肢は左サイドの西澤健太(16)にボールを預けるくらいだった。
それでも30分を過ぎると、中央でパスをつないでいく。
2点リードの川崎がゆっくりプレーしたこともあり、ボール保持が長くなった。

■2nd half
川崎は48分、山根の右クロスをダミアンがシュート。
49分にも宮代が右から速いクロスを入れていく。
ダミアンへのクロスを中心にして、ゴールに迫った。

ただ、川崎の中盤は、さすがにペースダウンしていく。
清水がボールを持っても、素早くプレスに出ることができない。
間延びしたスペースを使って、清水が縦に早く攻めていく。

60分、石毛秀樹(8)が左の西澤にスルーパスを入れてクロス。
67分には右サイドを深くえぐった中村慶太(20)のクロスを、石毛がヘッドでゴール。
1点差に追い詰めたが、その後、清水の攻めは続かなかった。

川崎は再びギアを上げて、ゴールを目指す。
74分、旗手のクロスを長谷川がヘッドで決めて、2点差に戻す。
時間を使いながらも、さらに小林悠が2点を追加した。

■summary
清水は横浜FMのようなサッカーを目指すが、まだまだ精度は高くない。
GKからボールを徹底的につなぐものの、プレスを受けてボールを失った。
横浜FMと同じような完成度に仕上げるには、多くの時間が必要と思われる。

ただ、5失点はしたものの、良いプレーも見られた。
果実を得るまで、我慢できるかどうかが問われることとなる。


 FW鄭大世とGK西部洋平。
 パイナップルを手に。

川崎は新システムで魅惑的なプレーを見せてくれた。
守備ブロックを組まれる前に、両サイドを突いてゴール前を攻略した。

ただ、中盤の動きが落ちてしまうと、相手にボールを持たれてしまう。
スペースを埋め切れなければ、失点することも多くなる。
良くない時間帯をどのように凌ぎ、ペースを掴み直すかが重要となる。

交代枠を使ったのは3人ともFWとなった。
U21枠で宮代が先発し、旗手と三笘を途中起用することができた。
ただ、今後は中盤を活性化させる交代も必要となるかもしれない。

いろいろと難しい課題がありつつも始まった今シーズン。
これからも楽しいサッカーを見せてくれることを期待したい。


 86分、三笘薫(18)、等々力デビュー。
 90+5分、小林悠のゴールをアシスト。

■goal
10ダミアン(9) 23,74長谷川竜也(16) 83,90+5小林悠(11) 
67石毛秀樹(8)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 キャッチは安定。リプレーをもっとつなぎ、積極的に飛び出したい。
山根視来(13) 6.0 タイミング良く前線に顔を出した。反面、守備の戻りは遅くなった。
ジェジエウ(4) 7.0 ロングボール対応でスピードを発揮する。5分、右CKをヘッド。
谷口彰悟(5) 6.0 ラインを上げる。17分、バックパスをミス。81分、ドリブルでロスト。
登里享平(2) 6.5 10分、ドリブルで抜け出してアシスト。守備のバランスが鉄壁だった。
田中碧(25) 6.0 1ボランチでタスクが多く、後半は動きが落ちる。79分、ロングシュート。
大島僚太(10) 6.0 ボールタッチは少なかったが、ロングパスを繰り出す。1アシスト。
脇坂泰斗(8) 6.5 複数人で崩した。23分、ドリブルで切り裂く。83分、小林へスルーパス。
宮代大聖(20) 5.5 川崎でのデビュー戦。トラップは上手かったが、パスが合わないことも。
ダミアン(9) 6.5 周囲と連動してプレス。10分、ヒールで先制。多くのシュートを放った。
長谷川竜也(16) 7.0 左サイドを縦横に駆け回った。1点目は右足、2点目は頭でのゴール。

■sub
62(20)旗手玲央(30) 6.0 右FWに入り、ボールを呼んだ。74分、縦に仕掛けてアシスト。
69(9)小林悠(11) 6.5 短時間で2ゴール。効果的なフォアチェックで守備を助けた。
86(16)三笘薫(18) 6.0 左FWで出場。90+5分、ドリブルからの左クロスでアシスト。

■bench
安藤駿介(24) 車屋紳太郎(7) 守田英正(6) 家長昭博(41)

■coach
鬼木達 6.5 若手選手を起用しながら、後半途中でペースを取り戻し、大勝に導いた。

■referee
西村雄一 5.5 明確で悪くないジャッジ。ただ、強い接触プレーを流しすぎた。

111,400views