2015/05/31

150530清水5-2川崎(J1 #14)

清水5-2川崎(IAIスタジアム日本平, 19:00KO, 13,055人)

ナビスコカップ横浜Fマリノス戦(YNC GL #6)から中2日。
 川崎の先発は、マリノス戦から三好、小宮山が外れ、レナト、車屋が入った。

清水は最下位新潟と同じ勝ち点の17位。
 水曜日にはナビスコカップ予選B組2位の神戸に勝ってくれた。
 ただ、すでに予選敗退が決まっていたため、清水はメンバーを大きく落としていた。

試合前にはマインツ(GER)の岡崎慎司が花束贈呈で登場した。

岡崎は清水からシュツットガルト(GER)への移籍の際に、二重契約で揉めた。
 しかし、移籍から4年以上経過し、清水にとってわだかまりはないようだ。

19時キックオフ。
 山の上のスタジアムは暑くはなかった。

■1st half
川崎は鳥栖戦(J1 #13)で奏功した早い攻撃を狙う。
 杉本をターゲットにした縦ポンを多く入れた。
 ただ、パスの精度が低く、杉本にうまく収まらない。
 中盤で清水のチェックが早く、追い込まれて蹴らされた。

清水の攻撃も縦ポン。
 FWピーター・ウタカ(18)が3バックの武岡とボールを競っていく。
 また、左WGミッチェル・デューク(19)がエウシーニョの裏を狙う。
 こちらもパスの精度は低いが、ウタカの力強さでチャンスを作った。

7分、右サイドからダイレクトパスをつながれて崩される。
 センタリングをフリーのウタカが芸術的なヒールで先制ゴール。

続けて25分。右からのMF石毛秀樹(8)のFK。
 ニアサイドに走り込んだDF枝村匠馬(22)がフリーだった。
 低いボールを頭で合わせて、追加点を決めた。
 中村が枝村の動きを見ていなかった。

30分、森谷が左サイドにボールを出し、車屋が追い付いてセンタリング。
 レナトが合わせて1点を返した。
 ここはGK櫛引政敏(1)のポジションが中途半端だった。
 ただ、森谷は追い込まれて苦し紛れにパスを出しただけ。
 たまたま車屋に通ったパスで、チャンスを作れたように見えた。

川崎は動きが少なく、パスコースを作れない。
 仕方がなく前線にパスを出しては、簡単に奪われる。
 奪った清水はカウンターからチャンスを多く作った。

■2nd half
53分、船山に代えて井川を投入。
 谷口をボランチに上げて、中村も1列前に上げる。

ただ、武岡が引き続き狙われて、清水に決定機を作られる。
 64分には石毛秀樹(8)にミドルシュートを決められる。

67分には武岡に代えて三好を投入。
 再び谷口を最終ラインに下げ、中村をボランチに戻す。

73分、右サイドからのスローインを角田が最前線で受けてクロス。
 相手DFのクリアミスを杉本が決めて2点目。
 1点差に追いついたが、上がった角田のカバーはなかった。
 守りを薄くして、勝負に出たプレーだった。

同点に追い付ければ良かったが、ギャンブルは失敗に終わる。
 80分に石毛、83分にウタカにそれぞれ今日の2ゴール目を決められる。
 5失点と目を覆うような大敗となった。

■summary
水曜日から中2日だった影響が大きく出た。
 清水のプレスは強く、長く続けることは難しかった。
 しかし、走力が落ちる前にリードを許し、清水に余裕を持たせた。

中村と森谷が動けず、ボールを回すことができなかった。
 武岡がウタカに狙われて、最終ラインがカバーできなかった。

システム変更を繰り返したが、奏功しなかった。
 1点を追う状況で、最初に投入されたのがDF井川だった。
 前線の駒が足りないのに、船山を下げてしまった。
 動けない選手たちのポジションをいじっても、変化は生まれない。

三好を67分に投入したことは良かった。
 残念ながら良いプレーはなかったが、将来につながる。

そして、もう1枚の交代枠を残したのは残念。
 次のナビスコカップ仙台戦は予選リーグの突破がかかる。
 中村や森谷を少しでも休ませたかった。
 山本も橋本もベンチにいるので、起用するべきだった。

昨シーズンも終盤(2014 J1 #31)、降格を争っている清水に敗れた。
 今年も苦しんでいる清水に負けてしまった。

■goal
7,83ピーター・ウタカ(18) 25枝村匠馬(22) 64,80石毛秀樹(8)
30レナト(10) 73杉本健勇(9)

■judge
新井章太(30) 4.0 ビッグセーブもあったが、5失点。69分、異議でのイエローは残念。
武岡優斗(17) 4.0 サイズが足りず、ウタカへのハイボールで自由にプレーさせた。
角田誠(3) 4.5 2失点目につながるファウル。守備では貢献できず。2点目をアシスト。
谷口彰悟(5) 4.5 カウンターを許し、失点を防げなかった。ボランチでもパスに迷い。
中村憲剛(14) 4.5 ロングボールが前線に合わなかった。中盤で安易なロストも多かった。
森谷賢太郎(19) 4.5 連戦で動きが少なく、ボールをもらうために顔を出せなかった。
エウシーニョ(18) 4.0 右サイドの高い位置に残り気味で、武岡をサポートできなかった。
車屋紳太郎(20) 5.5 前半、PA内にドリブルで入り込んだ。後半は上がりっぱなしとなる。
船山貴之(15) 5.0 動いても、オフサイドが多かった。負けている状況で井川と交代。
杉本健勇(9) 5.5 素晴らしい反応でゴール。精度の低いボールでもまずまずのポストプレー。
レナト(10) 5.5 ドリブルするスペースは少なかったが、それでもチャンスは作れていた。 

■sub
53(15)井川祐輔(4) 5.0 3バックの左に入った。追いかける展開で攻撃的な役割をこなす。
67(17)三好康児(26) 5.0 72分のシュートは吹かす。ボールを呼び込む動きを増やしたい。

■bench
安藤駿介(24) 小宮山尊信(8) 山本真希(6) 橋本晃司(7) 中野嘉大(22)

■coach
風間八宏 3.5 動けない選手たちと狙われた武岡を放置。負けているのにFWを下げてDFを投入。連戦が続く状況の負け試合で交代枠を残す。

■referee
上田益也 5.0 笛を簡単に吹いてゲームを止める。疑問が残る判定が多かった。

2015/05/28

150527横浜FM1-2川崎(YNC GL #6)

横浜FM1-2川崎(ニッパツ三ツ沢球技場, 19:30KO, 8,803人)

週2試合の日程が続く中、鳥栖戦(J1 #13)に勝って中3日。
ナビスコカップの予選リーグも残り2試合。
ここまで1勝1敗2分け(第2節は試合なし)の勝ち点5で4位。
決勝トーナメントに進むには、2位神戸(勝ち点8)、3位山形(勝ち点5、総得点が上)を抜く必要がある。

川崎は鳥栖戦から大久保、レナト、井川、ケガで交代した車屋が外れる。
大久保はJ1リーグ次節清水戦(J1 #14)が出場停止。
休ませる必要が少ないが、ケガで欠場のよう。
代わりに船山、三好、武岡、小宮山が先発する。

ベンチには、中野、板倉が入る。

先週の山形戦(YNC GL #5)ではボランチに山本と橋本を起用したが、今日は中村と森谷。
手厚い布陣で臨む。

マリノスは、予選リーグで勝ち点が3にとどまる。
予選突破の可能性は残っているが、かなり難しい状況。
今季出場がない選手も含め、大きくターンオーバーしてきた。

■1st half
マリノスは、FWラフィーニャ(18)とFW伊藤翔(16)のカウンター主体。
川崎の3バックがきっちり対応するが、ラフィーニャのキープ力で時にいい形となる。
ボランチのMF佐藤優平(20)がフリーでボールを受けるが、前に出せなかった。

川崎は2ボランチの中村と森谷がいい距離感でパスコースを保つ。
マリノスのプレスも強くないので、組み立てながら縦パスを入れて早く攻撃した。
三好、船山、杉本の3トップのシュートは少ないが、両ウィングのエウシーニョと小宮山がチャンスを作る。

38分、エウシーニョがドリブルで右サイドからゴール正面に持ち込んでシュート。
シュートはDFに当たって軌道が逸れ、GK榎本哲也(1)は動けず。
幸運な先制点となった。

43分にはボールをピッチ中央で奪った三好が、そのまま長距離ループ。
GK榎本にパンチングされたが、タイミング、コースともに美しいシュートだった。

■2nd half
後半も同じような展開で始まる。
マリノスはプレスが弱く、川崎はボランチを中心に軽快にパスを動かす。

60分を過ぎると、追いかけるマリノスが押し込んでくる。
セカンドボールを拾いり、左サイドを使われてPAに近い位置でプレーされる。

三好に代えて橋本を投入した直後、70分のCK。
ゴール前のDFファビオ(15)にボールが入る。
マークしていた谷口がファビオの動きに遅れ、ゴールを決められた。

同点となり、残りは20分ほど。
勝ち越しを狙って、3バックの谷口や武岡が高い位置をとっていく。
最終ラインには角田を1枚残すだけで、かなり前掛かりの布陣。

杉本が連続してチャンスに絡む。
77分にはGKと1対1となり、83分にも惜しいシュートを外す。
そして、続く84分の橋本のCK。
ニアサイドでフリーとなった杉本が、ボレーでゴール左隅に流し込んだ。

その後のマリノスの攻撃は迫力を欠き、そのまま守り切った。

■summary
どちらもターンオーバーをしたが、より多くの主力選手を起用した川崎が勝った。
結果は妥当だったが、マリノスも後半の攻撃は悪くはなかった。
ただプレスが弱く、川崎の中盤をフリーにしてしまっていた。

川崎は生命線といえる中村と森谷のボランチが機能した。
杉本は70分に同点とされてから前線でチャンスに絡み、大きな仕事をした。


ナビスコカップの予選リーグB組は、神戸が清水に敗れた。
2位グループは勝ち点8で神戸(得失点差+2,得点7)、山形(得失点差+1,得点10)、川崎(得失点差+1,得点6)が並ぶ。
予選リーグ突破は他力のままだが、可能性は高まった。
最終節で勝利して、良い結果を待ちたい。

■goal
70ファビオ(5)
38エウシーニョ(18) 84杉本健勇(9)

■judge
新井章太(30) 6.5 決定的なシュートを防いだ。フィードもキックも的確になってきた。
武岡優斗(17) 6.0 70分までの攻め上がりは少なかった。右CBで役割をこなした。
角田誠(3) 6.5 3分にイエローをもらうが、その後はマリノスの2トップを抑え込んだ。
谷口彰悟(5) 5.5 18分、ゴール前での決定機。ファビオの同点ゴールはマークを外した。
中村憲剛(14) 6.5 プレッシャーが弱く、ボールを持てた。長短のパスを繰り出す。
森谷賢太郎(19) 6.5 12分にミドル。中村と付かず離れずのバランスが素晴らしかった。
エウシーニョ(18) 6.5 積極的なシュートで先制ゴール。後半、守備的なプレーとなった。
小宮山尊信(8) 6.5 左サイドをタイミング良く上がる。終盤は足がつったが交代はなし。
三好康児(26) 6.0 28分のシュートから波に乗った。43分のループは素晴らしかった。
船山貴之(15) 5.5 3トップの中央での出場だったが、ボールにあまり触れなかった。
杉本健勇(9) 7.0 ポストプレーが冴える。同点後、多くの決定機に絡み、84分に決勝ゴール。

■sub
59(26)橋本晃司(7) 6.0 CKで決勝ゴールをアシスト。周りとパスの呼吸がやや合わない。
90+2(19)井川祐輔(4) 5.5 残り2分で投入される。そのまま試合を終えた。

■bench
安藤駿介(24) 板倉滉(28) 山本真希(6) 中野嘉大(22) 安柄俊(27) 

■coach
風間八宏 6.5 ターンオーバーをしたが一定のクオリティを出す。1枠、交代枠を余らせた。

■referee
山本雄大 5.0 試合を壊すほどではなかったが、川崎有利の判定が多かった。

2015/05/24

150523川崎3-2鳥栖(J1 #13)

川崎3-2鳥栖(等々力, 19:00KO, 14,881人)

見どころが少ない山形戦(YNC GL #5)のドローから中2日。
J1リーグで7位の川崎が、6位の鳥栖をホームに迎える。
山形戦でのターンオーバーのため、先発から武岡、山本、橋本、船山、安が外れる。
そして角田、中村、森谷、大久保、レナトを先発させ、フルメンバーに戻した。

1週間前のG大阪戦(J1 #12)から比べると、船山に代って杉本が先発する。
杉本はG大阪戦、山形戦といいプレーを見せ、先発の座を勝ち取っている。

試合前には、レナトのJ1での100試合出場を祝うセレモニーがあった。
2012シーズンに川崎に加入し、4シーズン目の達成となった。

■1st half
川崎は4バックでスタートする。
谷口が中村とともにボランチに入って、森谷が右のウイング。

鳥栖が強くフォアチェックに来るため、ロングフィードが多くなる。
ただ、杉本が前線でロングボールを競り勝つことが多く、チャンスを作った。
ゆっくりした攻撃だけではなく、前線にボールを早く運んで攻撃できた。

鳥栖は、FW豊田陽平(11)を目指したロングボール主体の攻撃。
球際での争いには、激しいチャージを見せてくる。

8分、FKのこぼれ球を角田がシュートするが、惜しくもポスト。
ペナルティエリア内でボールを動かして作った決定機だった。

19分、車屋がドリブルでDFを抜いてPA内に侵入。
強いクロスをGK赤星拓(1)がはじき、浮いたボールを杉本が直接ボレー。
非常に難しいシュートだったが、コースを突いて先制ゴールが決まった。

29分、車屋が接触で倒れて、ピッチ外に。
今日はとても良かっただけに残念な負傷交代。
武岡が投入され、いつもと逆の左SBに入った。

鳥栖はワンチャンスを活かす。
39分、カウンターから豊田がゴール。
左サイドの角度がないところから、GK新井のニアサイドを抜いた。
新井のポジションが中央に寄ったところを狙った素晴らしいゴールだった。

■2nd half
後半開始から、川崎は谷口を最終ラインに下げて、3バックに。
森谷が1列下がり、中村とボランチを組んだ。

鳥栖は47分にPA内に侵入するなど、攻勢をかける。
しかし、10分ほどでプレスが弱くなってくる。

川崎は決定機を作れるようになり、62分。
谷口が早いタイミングで左からクロスを入れる。
大久保が頭であわせたが、鳥栖のGK赤星拓(1)が素晴らしい反応ではじく。
しかし、ポストに当たったボールが大久保の足元に戻り、そのまま蹴り込む。
最初のヘッドで倒れた大久保が、即座に起き上がってゴール前に詰めて生まれたゴール。

鳥栖のチャンスを凌いだあとの81分。
GK新井のフィードを谷口がトラップミスしてしまう。
ボールを奪われて、左からのMF金民友(10)のクロスを井川がオウンゴール。
ぎりぎりの対応だった井川は仕方がないが、谷口のミスは大きかった。

同点に追い付かれた83分。
大久保が得たFKで、レナトが低い弾道のボールを入れる。
杉本が頭で角度を変えるとスピードはなかったが、GK赤星は動けず、再び勝ち越した。

最後の鳥栖の反撃。
85分のMF鎌田大地(24)のミドルはわずかに外れる。
88分、豊田の決定的なシュートはGK新井が防いだ。

■summary
川崎のパスはダイレクトが多く、早くボールを前線に運べていた。
停滞感が少なく、何本も横パスをつなぐことがなかった。
クロスも積極的に上げていって、決定的な場面を多く作っていた。

鳥栖はカウンターが主体だったが、中盤でつなぐ攻撃もあり、良い内容だった。
最終ラインの守備が、川崎のFWを自由にさせすぎたことが敗因といえる。

67分から出場した鎌田はボールの受け方が良く、前に向かうプレーが印象的。
G大阪JYから東山高校に進んだルーキーで、J1で3試合目の出場。
これから面白い存在になってくると思う。

お互いのチームが出来が良くて、楽しいゲームとなった。
唯一、審判の判定が拙かったのが残念だった。

■goal
19,83杉本健勇(9) 62大久保嘉人(13)
36豊田陽平(11) 81OwnGoal

■judge
新井章太(30) 7.0 2失点に関与。53分のMF藤田直之(14)、88分の豊田と決定機を防いだ。
エウシーニョ(18) 6.0 前半はSBで守備的。後半は攻め込む。90+2分、船山にクロス。
井川祐輔(4) 6.0 パスを的確につなぎ、守備も安定していた。オウンゴールは仕方ない。
角田誠(3) 6.5 8分のシュートは惜しくもポストに当たる。鳥栖の早い攻撃に対応した。
車屋紳太郎(20) 6.5 19分、DFをドリブルで抜き杉本のゴールを呼ぶ。31分、負傷交代。  
谷口彰悟(5) 5.0 クロスで大久保のゴールを生む。81分、軽率なプレーで同点ゴールを招く。
中村憲剛(14) 6.0 ダイレクトパスが多く、リズムを速めた。サイドもうまく使っていた。
森谷賢太郎(19) 5.5 ボールに触る回数が少ない。後半、ボランチで動いてフリーとなる。
大久保嘉人(13) 6.5 ミスパスもあったが、62分にゴール。ファウルをもらい時間を作った。
杉本健勇(9) 7.5 1点目は難しいボレー。2点目も良いゴールだった。ポストプレーも多彩。
レナト(10) 6.0 83分、FKでアシスト。59分、PA内でダイブしたが、イエローはなし。

■sub
31(20)武岡優斗(17) 6.5 いつもと逆の左サイドで、タイミング良く何度も攻め上がった。
84(10)船山貴之(15) 5.5 90+2分、エウシーニョのプレゼントによる簡単な決定機を外す。

■bench
安藤駿介(24) 小宮山尊信(8) 山本真希(6) 三好康児(26) 安柄俊(27) 

■coach
風間八宏 6.5 後半、3バックに布陣を変更してリズムを取り戻す。1枠、交代枠を余らせる。

■referee
池内明彦 4.0 不可解な判定が続く。ブーイングされて基準が変わる。面白さを削いだ。

2015/05/21

150520川崎1-1山形(YNC GL #5)

川崎1-1山形(等々力, 19:00KO, 10,435人)

4月22日の神戸戦(YNC GL #4)以来、1か月ぶりのナビスコ。
予選リーグ6試合のうち半分の3試合を消化して、1勝1敗1分。
グループでは名古屋が独走しているものの、団子状態の2位争いに入っている。
山形とは3月のJ1リーグのアウェイ(J1 #3)で0-1で負けている。

中3日と日程が厳しい中、ナビスコ用の先発メンバー。
土曜日のガンバ大阪戦(J1 #12)から、角田、中村、森谷、大久保、レナトが外れる。
入ったのは武岡、山本、橋本、杉本、安。
橋本と安は、出場機会が限られている中での先発起用となった。

■1st half
試合開始から川崎が押し込む。
杉本と安がハイボールの競り合いで勝てるため、縦ポンで攻撃できた。
ただ、最終ラインを崩すまでには至らず、決定機は作れない。
山形は等々力のピッチに慣れないのか、パスの精度が低かった。

25分すぎから、山形がショートパスをつないでくる。
川崎のプレスが来る前に、ダイレクトパスを多用していた。

どちらのチームもゴール前までボールを運ぶことが少なかった。
見どころ少なく、スコアレスで折り返す。

■2nd half
後半も膠着したままの状況だが、やや川崎がペースを掴む。

しかし、54分、山形のカウンター。
左サイドを駆け上がったMFキム・ボムヨン(22)がクロス。
クリアを狙った井川がボールに触れず、FW山崎雅人(30)に決められる。
チャンスらしいチャンスがなかった山形だが、シンプルな攻撃で先制した。

1点ビハインドとなって、風間監督が慌てて動く。
56分に中村、58分に大久保と立て続けに投入する。
この2人が入ることで、中盤でボールを持てるようになった。

64分。右サイドのスローインを中村が受けて、PA内に走り込んだ船山にスルーパス。
山形の最終ラインが誰も動けないほどの絶妙なスルーパスだった。
船山のシュートはGK山岸範宏(1)が防ぐが、走り込んだエウシーニョがニアを抜いて同点。

その後も中村、大久保を中心に攻め込んでいく。
前半より良い攻撃だったが、崩すことはできなかった。
山形も時折カウンターでチャンスを作ったが、決め手がなかった。

■summary
ゴール前でのプレーが少なく、ミスパスもあって低調なゲームだった。
川崎はターンオーバーによってクオリティが下がったことは否めない。
リーグ戦ではプレー機会が少ない山本と橋本がボランチに入った影響が大きかった。
それでも、過密日程の中、多くの選手を起用するのは必要なこと。

先に失点してしまい、中村、大久保、レナトを投入。
同点に追いつくことはできたが、勝ち越すことはできなかった。
ナビスコの予選リーグは、突破の可能性はまだ残るが、少し難しくなった。

また、U-18代表を辞退させた三好はベンチに置いたまま。
起用しないのであれば、U-18代表に参加させるべきだと思う。

■goal
64エウシーニョ(18)
54山崎雅人(30)

■judge
新井章太(30) 6.0 危ないシーンは少なかったが、まずまず。難しいシュートで失点。 
武岡優斗(17) 6.0 3バックの右CBとしてプレー。積極的な攻め上がりを見せた。
井川祐輔(4) 5.5 失点シーンではヘディングを空振り。パスにもやや不安があった。
谷口彰悟(5) 6.0 最終ラインからパスを出して、ボランチをサポートする。
山本真希(6) 5.5 キャプテンマーク。中盤のバランスをとる。52分、ミドルを大きく外す。
橋本晃司(7) 5.5 セットプレーを担当。パスミスもあって、流れの中で活躍できなかった。
エウシーニョ(18) 6.5 64分、迷わず蹴り込んで同点ゴール。攻撃で持ち味を出せた。
車屋紳太郎(20) 6.0 左サイドから正確なクロスを数多く供給した。
船山貴之(15) 5.5 前半はボールに触っていたが、後半になると徐々に消えていった。
安柄俊(27) 5.5 守備で献身的にボールを追いかけた。ポストプレーも悪くなかった。
杉本健勇(9) 5.5 細かいタッチのポストプレーで、コントロールして次に展開した。

■sub
56(7)中村憲剛(14) 6.5 パスの中心となる。同点ゴールにつながるスルーパス。
58(27)大久保嘉人(13) 6.5 ゴールはなかったが、キープ力やパスで攻撃を活性化させた。
81(6)レナト(10) 5.5 押し込む時間帯で入ったがスペースがなく、ドリブルで抜けなかった。

■bench
安藤駿介(24) 角田誠(3) 小宮山尊信(8) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.0 先に失点したため交代枠を積極的に使って同点に追いついた。

■referee
三上正一郎 5.5 ファウルの判定が多く、プレーを止めた。少し川崎寄りだった。

2015/05/18

150516G大阪1-1川崎(J1 #12)

G大阪1-1川崎(万博記念競技場, 18:30KO, 18,842人)

名古屋戦(J1 #11)に勝ち、3連敗を止めて中5日。
久しぶりに週1試合となったアウェイ、ガンバ大阪戦。
この試合以降の3週間、ナビスコ予選3試合を含んで7試合が組まれる。

ガンバは今年の秋オープン予定で新スタジアムを建設中。
大阪モノレールや中国自動車道の反対側に大きな躯体が見えた。
サッカー専用で、4万人収容。
モノレールの駅からは若干遠くなるようだが、完成が楽しみ。

川崎にとって、万博記念競技場での最後のゲームとなるかもしれない。
陸上競技場で、屋根も小さいが、Jリーグ開幕当初はスタンダードだったスタジアム。
ナビスコのトーナメントでガンバと対戦すれば、もう1試合プレーできる。


川崎は、名古屋戦で途中交代した大島が外れて、中村が復帰。
4バックの中央は井川と角田。
谷口と森谷がボランチで、中村はトップ下に入った。

■1st half
開始直後から、ガンバに押される展開。
FWパトリック(29)とFW宇佐美貴史(39)にロングボールを入れて、セカンドボールを拾う。
井川と角田が2人のFWに対処して、ギリギリで失点を防ぐ。

10分すぎからペースを掴むが、20分あたりでガンバが再度押し込む。
25分、井川が不用意にPA手前でファウル。
MF遠藤保仁(7)のFK。GK新井は動けなかったが、バーに救われる。

35分すぎから、さらに川崎のパスがつながらない。
ボールを奪っても、すぐにガンバに渡してしまって攻撃される。
43分、MF阿部浩之(13)のシュートをブロックしたが、こぼれたところを宇佐美が拾う。
左サイドを真っ直ぐドリブルされ、宇佐美のベストな角度から左足で美しいゴール。

前半は、いいところが少なかった。
ガンバの攻撃がとても良く、1失点で済んで良かった。

■2nd half
後半開始から、船山に代えて杉本を投入する。
船山はいつものような動き出しが見られず、妥当な交代。

谷口をボランチから最終ラインに戻して、3バックとする。
ガンバの2トップに3人で対応することで、余裕が生まれた。
時間を使おうとするガンバだったが、動きが少なくなりプレスが弱まる。
川崎はボールを持てるようになって、押し気味に進める。

杉本が川崎に来てから最も良いプレーを見せた。
ポストプレーでは単に戻すだけでなく、細かいドリブルを織り交ぜ、的を絞らせない。
79分、森谷のラストパスを受けてのシュートは足に当たらなかったが、81分。
左サイドでクリアボールを拾った谷口が、早いタイミングでクロス。
頭で合わせて、ポストに当ててつつも同点ゴールを決めた。

88分、90+3分と大久保がミドルシュートを放つ。
また、90+1分には中盤で大久保が抜け出すが、DF岩下敬輔(8)にファウルで止められた。
一発退場に値するプレーだったが、イエローに留まる。
岩下は広島戦で相手選手に故意の肘打ちを行ったが、出場停止がなかった。
本人も退場覚悟だったと思うが、判定に恵まれている。

■summary
上位チームとのアウェイで、ドローは良い結果。
内容的にも前半はガンバ、後半は川崎と互角に持ち込めたゲームだった。

ピッチに多くの水が撒かれ、ショートパス主体のチームには難しかった。
ガンバに有利なセッティングだったが、それでも後半はペースを握った。

次は中3日でナビスコのホーム山形戦。
復帰したばかりの中村や森谷に休養を与えたいところ。
三好にU-18代表を辞退させているので、ぜひ起用したい。

■goal
43宇佐美貴史(39)
81杉本健勇(9)

■judge
新井章太(30) 6.5 多くの決定機を止める。飛び出しやスローのタイミングが的確だった。
エウシーニョ(18) 5.5 3バックになって攻撃に参加するが、左サイドを宇佐美に突かれた。
井川祐輔(4) 6.0 25分に危険な位置でファウル。77分、CKでフリーとなるがヘッドを外す。
角田誠(3) 6.5 カウンターに辛抱強く対処した。ボールにたくさん触って組み立てに参加。
車屋紳太郎(20) 6.0 守備の時間が長かったが、まずまず。61分にドリブルからシュート。
谷口彰悟(5) 6.5 ボランチではパスが少ない。パトリックに高さで対応。81分、アシスト。
森谷賢太郎(19) 6.5 ギャップに入る動きで17分、55分とミドル。78分に杉本にスルーパス。
中村憲剛(14) 6.0 フリーでボールを持つ時間が長かったが、決定的なパスは少なかった。
レナト(10) 5.5 ドリブルで抜けなかった。60分のボレーはGK東口順昭(1)に止められる。
船山貴之(15) 5.0 動くタイミングが中盤と合わず、動き直しも少なく、パスが来なかった。
大久保嘉人(13) 6.5 前半は下がり気味。後半は見違えるようにシュートを多く放った。

■sub
46(15)杉本健勇(9) 7.0 78分の決定機は外したが、81分の同点ゴールでチームを救った。
87(19)山本真希(6) 5.0 ボールを失う危ない場面も。短い時間では良さを出しにくいか。

■bench
安藤駿介(24) 武岡優斗(17) 橋本晃司(7) 三好康児(26) 安柄俊(27) 

■coach
風間八宏 6.0 劣勢のゲームを杉本の投入で挽回した。選手交代は相変わらず遅く、少ない。

■referee
今村義朗 5.0 ややガンバ寄りだった。90+1分の岩下は決定機阻止でレッドが妥当。

2015/05/11

150510名古屋0-1川崎(J1 #11)

名古屋0-1川崎(豊田スタジアム, 13:00KO, 16,952人)

3連敗で迎える週2試合が続く連戦の最後となる名古屋戦。
天気は快晴。湿度が低く、過ごしやすい。

豊田スタジアムは名古屋から電車で40分ほど。
さらに豊田市駅から徒歩15分。アクセスは便利とはいいがたい。
球技専用で、観客席は急角度。
階段を上がるのが怖いくらいだが、上層席からでも見やすい。


川崎は中村がケガで離脱し、森谷がボランチに入る。
車屋が出場停止から左ウィングに復帰して、エウシーニョが右ウィングに戻る。
船山、新井が2試合連続の先発となった。

名古屋はFWノヴァコヴィッチ(18)とMF川又堅碁(32)の2トップ。
FW永井謙佑(11)は左のウィングで出場。

3月18日のナビスコカップでの対戦(YNC GL #1)では、等々力で1-3と完敗。
大島不在の中、カウンター戦術で3失点している。

■1st half
川崎は中村欠場の影響がいい方向に出る。
いつもは遅攻が多くなるが、ボランチが早く前線にボールを展開。
森谷も大島もタッチ数が少なく、判断に迷いが見られない。
ボランチ同士のパス交換で時間を使うことがあまりなかった。
その分、ボールロストもあったが、素早く面白いプレーが続く。

名古屋はノヴァコヴィッチが前線でターゲットになる。
ただ、角田が固くマークして、余裕を与えない。
バイタルをきっちり森谷が埋めて、スペースが空かなかった。

42分、左サイドの川又からのクロス。
DF田中マルクス闘莉王(4)がフリーでヘディングしたが、ノヴァコヴィッチと重なって、外れてくれた。

45分、川崎が中央から攻め込む。
ボールを受けたレナトがDFを引き付けて、船山がラインを上げさせない。
右から走り込んだエウシーニョがGKとDFの間にクロス。
ゴール前で待ち受ける船山の前に、大久保が走り込んでゴール。
名古屋の最終ラインを崩し切って決めた美しい攻撃だった。

■2nd half
後半、名古屋は前線に人数をかけてくる。
川崎はカウンターを仕掛けるが、シュートに精度がなかった。

55分すぎからは、徐々に押し込まれる。
特に66分に大島がケガで交代すると、パスがつながらない。
セカンドボールも拾われるが、名古屋のミスもあって防いでいた。

75分、FKをDF矢野貴章(19)がヘッドするが、井川がブロック。
続くCKも、川又が外してくれた。

80分をすぎると、防戦一方。
前方にクリアしても誰も受け手がいないので、何度も攻撃される。
ただ、ゴールを割らせることはなかった。

■summary
このところポゼッションを重視するあまり、ゆったりした攻撃が多かった。
この試合は、相手が守備陣形を築く前に仕掛けることができた。
素早い攻撃とバイタルのケアによって、勝利することができた。

ただ、大島が負傷交代した。
主力の離脱が多い中、大島がいないのはかなり厳しい。

名古屋はノヴァコヴィッチ、MF小川佳純(10)、川又と、脅威になっていたプレーヤーが次々にベンチに下がった。
ケガによる交代もあったのかもしれないが、西野監督の交代策が当たらなかった。

■goal
45大久保嘉人(13)

■judge
新井章太(30) 6.0 無失点に貢献。キックミスや飛び出してボールに触れない場面もあった。
井川祐輔(4) 6.5 川又とのマッチアップが多く、抑え切った。32分のイエローは不要。
角田誠(3) 6.5 ノヴァコヴィッチにボールを持たれたが、前を向かせず。見応えある攻防。
谷口彰悟(5) 5.5 ミスで決定機を招く。大島交代後はボランチに入るが、下がり目だった。
車屋紳太郎(20) 5.5 レナトとの距離が良くなかった。72分、矢野にイエローで止められる。
大島僚太(16) 7.0 中村不在の中、多くの攻撃的なパスを判断早く前線に供給していった。
森谷賢太郎(19) 7.5 攻守にバランスをとった。川崎が空けがちなバイタルのケアが秀逸。
エウシーニョ(18) 6.5 45分のアシストなど、右サイドからいいクロスを上げた。
レナト(10) 6.5 ドリブル好調が3人4人と抜いていった。47分、決定機を決められず。
船山貴之(15) 6.5 ボランチからボールを引き出す。前半はとてもよく動いていた。
大久保嘉人(13) 7.0 先制ゴール。ミドルやラストパスなどで多彩な攻撃を仕掛ける。

■sub
66(16)武岡優斗(17) 6.0 大島のケガで急遽、3バックの右に入る。最後まで守り切った。
69(15)杉本健勇(9) 5.5 2本のシュートは弱かった。守備ではボランチの横まで戻った。
90+1(19)山本真希(6) 5.0 攻め上がって前線に残る。クローズを考えて戻るべきだった。

■bench
安藤駿介(24) 橋本晃司(7) 三好康児(26) 安柄俊(27) 

■coach
風間八宏 6.5 ケガによる欠場を埋めた選手が活躍した。交代枠もきっちり使い切った。

■referee
廣瀬格 6.0 ファウルを多く取っていたが、バランスが良かった。

2015/05/06

150506川崎0-1広島(J1 #10)

川崎0-1広島(等々力, 15:00KO, 21,141人)

2連敗を受けてFC東京戦(J1 #9)から中3日の広島戦。
午後3時のキックオフだけど、曇り空で涼しい気候。

川崎は森谷が先発に復帰。
左ウィングの車屋は出場停止となり、エウシーニョが右から回る。
GKは西部が欠場して、新井がプロ初出場。
小林がウォーミングアップ中のケガで先発から外れて、代わりに船山が先発。
サブには久しぶりに三好が入った。

■1st half
3分、あっさり失点する。
単純なロブボールの処理を谷口が誤る。
FWドウグラス(9)にさらわれて、ループを決められてしまった。
シンプルにクリアができたのに、谷口がバウンドを見ているうちに詰められた。

ワンチャンスを決めた広島は、ここから5バックを基調に守りを固める。
両ウイングも上がらず、攻撃はFW佐藤寿人(11)とドウグラスを縦に走らせるだけ。
シャドーのMF柴﨑晃誠(30)も下がり気味で、バイタルを埋めた。

川崎は長くボールを持って、攻撃を仕掛ける。
遅攻が主体となり、広島のブロックを崩すことができなかった。
サイドも中央もスペースがなく、縦パスは効果的だったが、チャレンジが少なかった。

■2nd half
後半も川崎がボールを保持する。
ボランチの2枚に谷口が絡んで、よくパスはつながる。
森谷、船山がボールを受けるタイミングも良かった。

広島は効果的な3枚の交代を的確な時間帯に行う。
特に54分に入ったFW浅野拓磨(29)が、強い体幹を活かしカウンターでチャンスを作った。
森保監督のオーソドックスな采配は、見ていてストレスを感じない。

川崎は交代枠を1枚しか使わない。
82分に安柄俊を入れたが、攻撃パターンは変わらなかった。

■summary
開始直後の失点で、凡戦となった。
同点になれば、広島も出てきたと思われるが、攻撃する必要がなかった。

川崎は長い時間をかけて攻撃するものの、ギャップを突くことができない。
残念な敗戦となった。
守備が整備されていない以上、攻撃を止められてしまえばなすすべがない。
3連敗となったが、先制して逆転された前の2試合と異なり、先に失点した。

連戦が続くのに、復帰したての森谷がフル出場。
ケガ明けの小林が再度故障で欠場するなど、コンディションを考えた選手起用ができていない。
今日も交代枠を余らせて、先発メンバーに負荷をかけた。

内容も悪く、主力メンバーには疲労が溜まっている。
この連敗はどこまで続くのか。先が見えない。

■goal
3ドウグラス(9)

■judge
新井章太(30) 6.0 プロ初出場だが、落ち着いてプレーした。スローもキックも良かった。
井川祐輔(4) 6.5 積極的なチャージでカウンターに対処する。右からの上がりも効果的。
角田誠(3) 6.0 失点シーンは谷口にコーチングしたかった。69分、CKからの流れでミドル。
谷口彰悟(5) 4.5 3分、軽率なプレーで敗戦を招く。パス交換に参加するが、平凡だった。
大島僚太(16) 5.5 フリーでボールを受けたものの、攻撃的なパスを選択しなかった。
中村憲剛(14) 6.0 63分、大久保にラストパス。良いプレーもあるがゴールは生まれず。  
森谷賢太郎(19) 6.5 自由に動き、守備ではバイタルを埋めた。プレー時間が長くなった。
エウシーニョ(18) 5.5 右ウィングでの出場。本職でないことを考えれば、まずまずの内容。
レナト(10) 5.5 PA内を固められ、ドリブルするスペースがなかった。活躍できなかった。
船山貴之(15) 6.0 精力的にマークを剥がす動き。中盤に下りてはボールをさばいた。
大久保嘉人(13) 6.0 前線に張り付いた。27分にミドル、63分に頭でシュートを放った。

■sub
82(15)安柄俊(27) 5.0 残念ながらよいプレーができなかった。

■bench
松井謙弥(1) 武岡優斗(17) 山本真希(6) 橋本晃司(7) 三好康児(26) 杉本健勇(9)

■coach
風間八宏 5.0 ビハインドでもボールを持てる展開だったので、交代枠を使わなかった。

■referee
榎本一慶 6.5 流し気味で試合を切らなかった。よいジャッジだった。

2015/05/02

150502FC東京2-1川崎(J1 #9)

FC東京2-1川崎(味の素スタジアム, 16:00KO, 42,604人)

柏戦(J1 #8)の完敗から中2日。
厳しい日程の中で、午後4時キックオフ。
気温は高いものの、風は吹いている。
屋根の影がピッチの半分ほどを覆ってくれていて、柏戦よりはプレーしやすい。

味の素スタジアムは42,604人とほぼ満員。
閉鎖されていることが多いアウェイ自由席2階とホームゴール裏2階も開放されている。

川崎は、柏戦に引き続き森谷が欠場。
角田もベンチスタートとなり、柏戦の大敗の結果と思われる。
風間監督はミスをした選手をしばらく起用しないことがある。
船山、井川が今シーズンJ1での初先発となった。

■1st half
前半はうまくボールが回る。
FC東京は前線がプレスに来ても、最終ラインの押し上げがない。
プレスをかいくぐるとスペースが大きく空き、チャンスとなった。

先制は21分。中村のFKから大久保が頭でニアを抜いてゴール。
J1通算ゴール数を140として、三浦知良の記録を超え、カズダンスも披露。

33分には再び中村のFKからアウトサイドの小林がフリーでボレー。
決めたいところだったが、左に外してしまった。

FC東京は引いて守ってカウンター。
可能性が低い攻撃で、まったく迫力がなかった。

■2nd half
FC東京は後半開始からMF東慶悟(38)を投入。
50分にFW前田遼一(20)が投入されるまでは、引き続き川崎ペースだった。
しかし、前田が様相を一変させた。
パスコースを消す素晴らしい守備で、川崎のビルドアップを混乱させる。

FC東京のカウンターが質を伴うようになり、川崎の最終ラインが落ち着かない。
ボールを奪っても、フリーの選手につなぐことができない。
前に大きく蹴ることしかできずにボールを渡し、さらなる攻撃を受ける。

55分すぎから東城主審の判断が偏ってくる。
同じようなコンタクトをしても、川崎のファウルは確実にとる。
多くのFKが与えられて、FC東京に有利な展開となった。

60分、小林に代えて武岡を入れ、守りのバランスを取ろうとする。
しかし、64分、車屋が2枚目のイエローカード。
井川と2人でFW武藤嘉紀(14)を挟んだ状況で、後ろから倒してファウル。
主審の偏りを考えれば、車屋の行為は不用意だった。
1人少なくなり、船山を下げて角田を投入し、谷口を左SBに出した。

71分、PA近くで取られたFK。
SB太田宏介(6)に壁の左側から決められる。
壁の上を狙うと思っていたGK西部が、逆を突かれて動けなかった。
シュートは弱く、判断ミスがなければ弾くことができたと思われる。

さらにFC東京の攻撃が続き、87分。
左サイドでエウシーニョがボールを奪ったところに武藤がチャージ。
ファウルはなかったが、逆にエウシーニョが武藤を倒すとファウル。
太田のFKを、フリーの武藤に決められてしまった。

■summary
東城主審の判定によってゲームが左右された。
どちらもチームも悪くない内容だっただけに、残念。

川崎の前半はパーフェクトだった。
柏戦よりも数段良くなったのは、船山の献身的な動きが寄与している。
それだけに、車屋の退場による船山の交代はもったいなかった。
武岡が右ウィングに入った直後だったので、エウシーニョを下げてもよかったと思われる。

後半は、前田の働きによってバランスを崩された。
運動量も落ちて、カウンターへの対処が遅くなった。
柏戦も同様に動けなくなったので、これからの連戦でも対処が必要。
山本や橋本を先発あるいは途中から起用すれば、改善すると思われる。
数的不利となって、質はいつもほど高くはなかったが、それでも攻撃を仕掛けた川崎は素晴らしかった。

FC東京は、ポポヴィッチ監督時代の攻撃的なスタイルを消した。
マッシモ・フィカデンティ監督は守りを固め、足の速いFWでカウンターを仕掛ける。
1人少ない川崎に対しても、セットプレーが最も可能性のある攻撃だった。
結果を出すために守備的なサッカーを選択している。

SB徳永悠平(2)の守備は特筆できる。
レナトと密度の濃い攻防を繰り広げ、きっちり抑えていた。

■goal
71太田宏介(6) 87武藤嘉紀(14)
21大久保嘉人(13)

■judge
西部洋平(21) 5.5 1失点目の太田のFKを判断ミスしたことは残念。これ以外はよく守った。
エウシーニョ(18) 5.5 右SBで上下動を繰り返した。ドリブルも効いていた。
井川祐輔(4) 5.5 まずまずの出来。パスワークも良かった。CBレギュラーに割って入るか。
谷口彰悟(5) 5.5 車屋退場後は左SBに入り組み立てる。次節、レナトとのコンビが楽しみ。
車屋紳太郎(20) 4.0 イエロー2枚で退場。厳しい判定だが、2つとも不要なファウルだった。
大島僚太(16) 5.5 後半になるとフリーになれなくなった。78分に惜しいミドルを放つ。
中村憲剛(14) 6.0 21分、FKでアシスト。33分にもFKで小林の決定機を作った。
小林悠(11) 5.5 33分、追加点がほしい時間帯の決定機を外してしまった。
レナト(10) 5.5 徳永とマッチアップ。見応えある攻防だったが、抑えられた。
船山貴之(15) 6.0 よく動いてフリーとなる。パスコースを作るプレーが効いていた。
大久保嘉人(13) 6.0 先制点を決める。中盤に下がらずに積極的にミドルを放った。

■sub
60(11)武岡優斗(17) 5.5 右ウイングに入る。85分、谷口の素晴らしいクロスを決められず。
67(15)角田誠(3) 5.0 数的不利の中で投入。最終ラインに落ち着きを与えられなかった。 
89(18)杉本健勇(9) 5.0 少ないプレー時間だったが、よいプレーがなかった。

■bench
新井章太(30) 山本真希(6) 橋本晃司(7) 安柄俊(27)

■coach
風間八宏 5.0 先発の起用は当たったが、交代策ではフィッカデンティ監督に後手を踏んだ。

■referee
東城穣 3.5 厳しいイエローで車屋を退場させ、ファウルを取り続けてFC東京の逆転勝利を演出した。ただ、去年の横浜FM戦(2014 J1 #21)の家本主審より少しマシ。