2019/09/28

190928川崎1-2神戸(J1 #27)

川崎1-2神戸(等々力, 17:00KO, 22,923人)

神戸ユニバーでの神戸戦(天皇杯 R16)に負けて中9日。
J1リーグで神戸と今度は等々力で再戦する。
9月も最後の週末となり、17時のキックオフ。


先発は、天皇杯神戸戦から6人を変更。
GKに新井、左SBに登里、ボランチに田中碧、前線に中村、家長、小林が入る。
右SBに守田、左CBに車屋と配置転換する。

先発から外れたソンリョン、馬渡、山村、長谷川、脇坂、ダミアンがベンチスタート。
大きく布陣を変えたが、18人のメンバーは同じだった。


神戸はJ1リーグで9位。
川崎とは今シーズン2試合を戦っていて1勝1敗。
 190428神戸1-2川崎(J1 #9)
 190918神戸3-2川崎(天皇杯 R16)

■1st half
神戸は3バックを大きく開いて、ピッチを広く使う。
イエニスタ(8)やサンペール(6)を中心にボールを保持する。
川崎の守備でパスコースを消されたため、バックパスが多い。
GK飯倉大樹(18)が思い切って上がってパスを受けていた。

神戸のプレスも強かったが、10分あたりから川崎が前に進む。
右サイドでは、家長と守田が細かいパス交換とランを組み合わせて崩していく。
田中碧も中央から縦にドリブルでスペースに進んでいった。

44分、田中碧の縦突破を奪われて神戸がカウンター。
古橋亨梧(16)が谷口を引き寄せて、中央にラストパス。
ビジャ(7)が左足でニアサイドを抜き、ゴールを決めた。

■2nd half
川崎は神戸のプレスをうまく交わしてバイタルを使っていく。
54分、脇坂が投入されると前への推進力を発揮。
ただ、PA内まで崩すことはできなかった。

70分、イエニスタの柔らかい左クロスをフェルマーレン(4)が折り返す。
中央に詰めていた大﨑玲央(25)がヘッドを決めて2点目。

2点差となって、神戸はゆっくりとボールを回していく。
川崎は74分にダミアンを入れるが、プレスは不発。
逆に前後の距離が開き、ロングボールを入れられた。

90+1分、中村の無理矢理なパントキック。
ダミアンが競って、長谷川が抜け出してゴールを決めた。

■summary
神戸は豪華な選手たちを上手く活かして快勝。
イエニスタが存在感あるプレーを見せ、周囲を活性化する。
攻めるべきところ、守るべきところで緩急を付けていた。
パスコースを作り続け、川崎よりも長くボールを持った。

守備では積極的なプレスバックで川崎の攻撃を封じる。
高さのある3バックも良さを発揮していた。


川崎は観るべきところが少なかった。
長谷川のゴールも、つながる可能性の低いロングボールから。
パスで崩していく攻撃もあったが、最後まで貫けなかった。
ラッキーなゴールも嬉しいが、もっと攻撃を突き詰めてほしい。

守備では個人の技術が高い神戸からボールを奪えない。
大きく広がる3バックを、プレスで囲みきれなかった。
頑張って追い込んでも、正確なロングボールで打開された。

良い内容ではなく、天皇杯に続く敗戦は妥当な結果。
次は中7日で湘南戦(J1 #28)。
厳しい状況だが、楽しいサッカーを取り戻してほしい。

■goal
90+1長谷川竜也(16) 
44ビジャ(7) 70大﨑玲央(25)

■judge
新井章太(21) 5.0 ビジャの先制点はニアを抜かれてしまう。全体的には無難に守っていた。
守田英正(6) 5.0 右SBで家長に預けてスペースに走り込む。酒井高徳(24)をきっちり防いだ。
谷口彰悟(5) 5.0 右CBに入る。10分、小林へロングボール。良く守っていたものの、2失点。
車屋紳太郎(7) 4.5 左CBで出場。1点目はビジャをカバーできず失点。パススピードが遅い。
登里享平(2) 5.5 西大伍(22)と睨み合う。後半は、鋭いドリブルで何度も縦に仕掛けた。
下田北斗(22) 4.5 9分、横パスを相手に渡す。プレスを受けて苦しみ、ミスが目立った。
田中碧(25) 5.5 イエニスタをマーク。前にスペースがあれば果敢にドリブルで突いた。
家長昭博(41) 5.5 右サイドでキープ力を生かす。15分にミドル、90分に頭でシュート。
中村憲剛(14) 5.0 ボランチ横に下がって試合を作る。39分のFKはわずかにゴール右に。
阿部浩之(8) 5.5 10分、36分、57分、61分と多くのミドルを放つ。プレスも正確だった。
小林悠(11) 5.0 58分、車屋のロングボールをヘッド。奮闘したが、流れは変えられず。

■sub
54(22)脇坂泰斗(28) 5.0 投入直後は流動的に前に向かう。2点差になると埋没した。
68(8)長谷川竜也(16) 5.5 内側に入ってクロスを上げる。GK飯倉との1対1を制した。
75(25)ダミアン(9) 5.0 プレスは単発で空回り。90+1分、競り合ってゴールを生む。

■bench
ソンリョン(1) 馬渡和彰(17) 山村和也(34) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 5.0 攻守ともに良さを出せなかった。選手交代は悪くはないが、良くもなかった。

■referee
佐藤隆治 6.5 相変わらずの素晴らしいジャッジ。最適な判断を続け、ブレがなかった。

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2019/09/19

190918神戸3-2川崎(天皇杯 R16)

神戸3-2川崎(神戸総合運動公園ユニバー記念競技場, 19:00KO, 人)

磐田戦(J1 #26)から中3日、天皇杯4回戦でヴィッセル神戸と対戦。
ノエビアスタジアムではなく、神戸ユニバーでの開催となった。
少し風があって、9月にしては肌寒い気候。


先発は、磐田戦から2人を変更する。
GKにソンリョン、1トップにダミアンを入れた。
新井、小林がベンチスタートとなる。


神戸はここまでJ1リーグ9位。
天皇杯2回戦で北九州(J3)、3回戦で大宮(J2)に勝っている。

■1st half
お互いにプレスを掛け、コンパクトさを保つ、落ち着いた展開。
川崎は11分に下田、17分に脇坂がミドルシュートを放った。
神戸も右SBの西大伍(22)を中心に、ゆっくり攻める。

29分、川崎のゴール前で長谷川にアクシデント。
頭部を負傷してそのまま交代。小林が入って2トップとなった。

しかし、このシステム変更で神戸が優位に立つ。
川崎の2トップがプレスに出ると、阿部も追随して追いかける。
最終ラインとの距離が遠くなり、神戸の右サイドが大きく空いてしまう。
1ボランチのセルジ・サンペール(6)がフリーとなり、スペースに配球した。

38分、西が車屋を1対1で抜き去って、クロスボールを山口蛍(5)が先制点。
41分に小川慶治朗(13)、43分にも古橋亨梧(16)が決定機を迎える。
さらに45+3分、右サイドを突破した小川がクロスを入れ、古橋が2点目を決めた。

■2nd half
後半スタートから、川崎は中村を投入する。
しかし、神戸のプレスは厳しいままで、パスがつながらない。
小川と田中順也(21)、古橋がボールを強く追いかけた。

川崎はプレスでロングボールを蹴らせても、回収できない。
最終ラインの裏を狙われて、カウンターを仕掛けられた。
54分には小川、55分と59分には田中がゴールに迫った。

そして63分。カウンターで小川が独走。
PA内まで運んで、最後は山村の股を抜くシュート。
GK正面に飛んだボールは弱かったが、ソンリョンがトンネルしてしまった。

3点差となり、神戸がプレスを緩め、待ち受ける。
タイトに絞られていた川崎の中盤に余裕ができ、スムースに展開する。
右の馬渡を使いながら、中央からも縦パスを入れていった。

70分に小林、85分に車屋がゴールを決め、1点差に迫る。
ただ、3点差は大きく、追いつくことができなかった。

■summary
神戸は3バックを大きく広げ、ビルドアップ。
川崎のプレスの密度を薄め、スペースを作ってロングボールを入れた。
さらにセカンドボールを拾い、小川、田中、古橋がスピードで仕掛けていく。

川崎が2トップにして、守備が混乱している間に先制点を決めた。
その後もカウンターから決定機を作り続けた。
後半は押されたが、ルーカス・ポドルスキ(10)を投入。
1点差まで迫られたが、逃げ切った。
集めたクオリティの高い選手たちが川崎を寄せ付けず、完勝した。


川崎は長谷川のアクシデントによる戦術変更に失敗。
2トップではトップ下が不在となり、ルイジ・サンペール(6)が自由にプレー。
プレスが機能しなくなり、背後を鋭く狙われて失点を重ねた。

神戸は前半から強くプレスに来ていただけに、慎重に行くべきだった。
攻撃的な2トップの良さを活かせず、ウィークポイントを自ら晒した。
1失点を喫したあとからでも、1トップに戻すべきだった。

2点は決めることができたが、神戸の決定機の方が多く、結果は妥当。
夏の不調を引きずったまま、今年の天皇杯を終えた。


次はJ1リーグに舞台を変え、神戸との再戦(J1 #27)。
中9日と間隔が空くが、少しでも持ち直したい。

■goal
38山口蛍(5) 45+3古橋亨梧(16) 63小川慶治朗(13)
70小林悠(11) 85車屋紳太郎(7) 

■judge
ソンリョン(1) 4.0 63分、小川のシュートをトンネル。良いセーブも少なく、厳しい結果。
馬渡和彰(17) 4.5 好守とも酒井高徳(24)に太刀打ちできなかった。仕掛ける姿勢は見せた。
山村和也(34) 5.0 ハイボールは強かったが、スピードで狙われた。馬渡を良くカバーする。
谷口彰悟(5) 4.5 ビルドアップに迷ってプレスを受ける。58分、相手にボールを渡す。
車屋紳太郎(7) 4.5 38分、西に1対1で完全に抜き去られ、先制点を許した。1ゴール。
下田北斗(22) 4.5 厳しいプレスで余裕がなく、ボールロストを繰り返す。11分、ミドル。
守田英正(6) 5.5 パスコースなく逡巡する。後半はCBの間に落ち、広い範囲をカバー。
阿部浩之(8) 5.5 ワンタッチで打開した。56分、長い距離をドリブルで上がってミドル。
脇坂泰斗(28) 5.0 中央にスペースがなく、ボールタッチが少なかった。後半は盛り返す。
長谷川竜也(16) 5.5 左サイドで西と対峙。攻守のバランスをとる。29分に負傷して交代。
ダミアン(9) 5.0 ダイレクトパスを狙うが、受け手と合わなかった。プレスも連動せず。

■sub
32(16)小林悠(11) 5.0 2トップによる守備の混乱を修正できなかった。1ゴール。
HT(22)中村憲剛(14) 6.0 徐々にボールに触りはじめ、スルーやクロスで攻撃を差配した。
76(9)知念慶(20) 5.0 ポストプレーはあったが、ゴールにつながらず。物足りない。

■bench
新井章太(21) 登里享平(2) 田中碧(25) 家長昭博(41)

■coach
鬼木達 3.5 修正がないまま、2トップで失点を重ねた。敗戦に導いてしまう。

■referee
家本政明 6.5 今日も素晴らしかった。コンタクトを許容する基準が明確。

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2019/09/15

190914川崎2-0磐田(J1 #26)

川崎2-0磐田(等々力, 19:00KO, 22,571人)

YLCでは、名古屋との準々決勝を制して勝ち上がった。
代表ウィーク明けのJ1リーグで、ジュビロ磐田と対戦する。


先発は、名古屋との第2戦(YLC QF #2)から1人変更。
家長がベンチスタートとなり、長谷川が先発する。
GK新井は、今季J1リーグで初出場となる。

ベンチには、中村、ケガから復帰の登里、U22代表から戻った田中碧が入った。


磐田はJ1リーグ18位と厳しい状況。
J2への自動降格を回避できる16位鳥栖まで勝ち点9差。
ヤマハスタジアムでの対戦(J1 #17)は、1-3で川崎が勝った。

■1st half
磐田は立ち上がり、強いプレスでボールを回収する。
3分、FWルキアン(39)がドリブルで運び、FW中山仁斗(32)がシュート。
川崎の守備を完全に崩したが、右ポストに当たって跳ね返った。

川崎は左サイドを使いながら、10分あたりからペースを掴む。
中央でミドルパスを交換して、両サイドからもPAに侵入していく。
22分、守田の縦パスを受けてターンした脇坂が、ミドルシュートを決めて先制する。

35分にはCKの流れから、馬渡の右クロスを小林が競って落とす。
山村がGKカミンスキー(1)が狭めたニアを抜き、2点目が入った。

磐田はバイタルを空け、川崎のボランチに余裕を与える。
なんとかボールを奪っても、川崎のプレスバックに苦しんだ。

■2nd half
磐田はPA中央で待ち構えるルキアンへ、クロスを入れる。
ルキアンは59分、62分、65分と立て続けにシュート。
シンプルな攻撃で、少しずつ川崎ゴールに近づいた。

川崎は最終ラインを下げて、ブロックを組んで守る。
そして大きく空いたスペースを使って、カウンターを狙った。
52分に小林、60分に長谷川、64分に小林が決定機を迎える。
しかし、いずれも決められず、磐田を突き放せない。

65分、脇坂と長谷川を下げて、知念と登里を入れる。
脇坂が保っていたバランスが崩れ、ボールを保持できなくなった。
セカンドボールを拾えず、一方的に磐田に攻められた。

■summary
川崎の2ゴールは、GKカミンスキーが触りつつも止められなかった。
逆に3分に中山がポスト、65分にルキアンがバーに当てた。
4本のシュートはいずれも紙一重の差だが、川崎には運があり、磐田にはなかった。

磐田は内容的に良くはなかった。
ボールを持っても川崎にパスコースを切られてしまう。
ゴールを目指す状況でも、バックパスが多くなった。
アーリークロスをルキアンが競り勝つことができても、ゴールは遠かった。
今日の川崎に負けてしまうのは、J1残留に向けて厳しい結果といえる。


川崎は65分までは良い攻撃ができていた。
ボランチがフリーでパスを受けて、車屋にも縦への仕掛けにキレが戻った。
阿部と脇坂が、パスをもらうために背後に動くことが効果的だった。
攻めるべき時間に攻め、守るべき時間にはラインを下げて守った。

しかし、65分に脇坂と長谷川を同時に下げる采配でチームは失速。
脇坂がいなくなって、ボランチに余裕がなくなってしまう。
きつくマークされている味方にパスを入れては、ボールを失った。
磐田に主導権を握られる終盤となったが、なんとか逃げ切った。


勝つには勝ったが、力強さはなく、良い内容ではなかった。
2人同時交代ではなく、1人ずつ投入して、状況を見極めるべきだった。

次は天皇杯、J1リーグで神戸との2連戦。
まず中3日で天皇杯(天皇杯 R16)でに対戦。
しっかりと試合の流れをグリップして、勝ち上がりたい。

■goal
22脇坂泰斗(28) 35山村和也(34) 

■judge
新井章太(21) 6.0 クロスを安定してキャッチする。59分、ルキアンのシュートをキャッチ。
馬渡和彰(17) 6.0 阿部とのコンビネーションが機能する。52分、58分にシュートを放つ。
山村和也(34) 6.5 35分、移籍後初ゴール。中央を固めたが、62分にクロスを空振り。
谷口彰悟(5) 6.0 苦しみながら最終ラインを統率。21分、ルキアンを手で止めてイエロー。
車屋紳太郎(7) 6.5 サイドラインに沿って縦に仕掛けた。52分、小林に決定的なクロス。
下田北斗(22) 6.5 19分、39分にミドルシュート。長短のパスでチームを動かしていった。
守田英正(6) 6.0 厳しく相手に食らいつき、ボール奪取を重ねる。8分、ロングシュート。
阿部浩之(8) 6.5 ダイレクトパスを的確につないだ。85分のシュートはGKに止められる。
脇坂泰斗(28) 7.0 イメージと技術が融合した先制点。動きながらパスを受けて前を向いた。
長谷川竜也(16) 6.0 16分、守田のループで抜け出す。60分、下田のパスで決定機を迎えた。
小林悠(11) 6.0 52分のシュートはGKがビッグセーブ、64分のシュートは外す。1アシスト。

■sub
65(16)登里享平(2) 5.0 左ウィングに入る。複数人に囲まれてボールを失ってしまう。
65(28)知念慶(20) 5.0 役割が不明確だった。ポストプレーで良さを出せなかった。
78(11)中村憲剛(14) 5.5 プレッシングを仕掛ける。90分、中央でボールキープ。

■bench
ソンリョン(1) 田中碧(25) 家長昭博(41) ダミアン(9) 

■coach
鬼木達 5.0 先発が機能して勝利する。ただ、65分の2人同時交代で失速させてしまう。

■referee
今村義朗 5.0 まずまずのジャッジ。イエローカードを簡単に出しすぎた。

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■おまけ

噂のケンケツSHOW。
今年のかわさき一日献血大使、ワッキー氏。
市立船橋高校、専修大学サッカー部出身らしく、始球式もきちっと決めてました。

2019/09/09

190908名古屋2-2川崎(YLC QF #2)

名古屋2-2川崎(パロマ瑞穂スタジアム, 18:00KO, 11,587人)

YBCルヴァンカップ準々決勝は、第1戦(YLC QF #1)を2-0で勝利。
アドヴァンテージを抱えて、中3日の第2戦はアウェイゲーム。

台風15号が接近中。
東海地方は外れたため、試合に影響はないが、関東地方に直撃。
東海道新幹線は運休となったため、泊まらないと川崎に帰れない。


先発は、第1戦から前線の3人が変わる。
家長、阿部、小林が入り、長谷川、知念、ダミアンがベンチスタート。

ベンチには、ソンリョンと中村が入り、安藤とジェジエウが外れる。
特別指定の筑波大学4年、三笘薫は第1戦に続きベンチ入りを果たした。


名古屋は、U21枠で成瀬竣平(33)を先発起用。
第1戦で途中出場したFWジョー(7)も先発する。

■1st half
川崎の2CB、山村と谷口が落ち着いてボールを動かす。
名古屋はFWジョーとFWガブリエル・シャビエル(10)のプレスが緩め。
いったんはボールを追っても、外されるとすぐに足を止める。

川崎のボランチは、周囲の空いたスペースにドリブルしていく。
中盤にギャップが生まれ、するするとゴールに迫っていった。

11分、39分と小林が抜け出してゴールを決める。
しかし、いずれもVAR判定によるオフサイドで取り消された。

名古屋はエドゥアルド・ネット(21)がCBの間に落ち、シミッチ(8)が組み立てる。
右SBの宮原和也(6)によくボールが入るが、バックパスが多かった。
ジョーも下がってポストプレーをこなすが、ゴールとの距離が遠くなる。
止まった選手の足元へのパスが多く、脅威は少なかった。

■2nd half
後半に入ると、川崎がブロックを作る展開となる。
山村を中心にクリアしていくが、セカンドボールを拾われた。
名古屋が押し込んで攻め、51分、シャビエルの左CKをネットが高いヘッド。

しかし54分。川崎が押し込んで右サイドでパスを続ける。
脇坂が名古屋の守備を食いつかせてから、中央でフリーの下田へ。
左足ロングシュートが素晴らしい弾道を描き、ゴール右上に決まった。

アウェイゴールが決まって、ほぼ試合は決まった。
4点が必要となった名古屋だが、攻め急ぐことはなかった。
シミッチを中心にパスを回すものの、前に仕掛けてこない。

73分、長谷川アーリアジャスール(9)がゴールするが、81分にダミアンが突き放す。
89分にはジョーが決め、点を取り合う展開となった。

■summary
名古屋は第1戦で2点を失っていたのに、攻めてこなかった。
失点を避ける意図は理解できるが、消極的だった。
後半、下田のゴールが決まっても、慌てることがなかった。
不可解にも思えるが、風間監督らしいといえばらしい采配。

結果への影響は少なかったが、2ゴールを決めることができた。
ジョーとシャビエルの2人の攻撃は魅力的だが、ボールを追わないことが多い。
周囲の守備の負担が大きく、起用法が難しいところ。
観ていて楽しいゲームを続けながら、失点を減らしたい。


川崎はリードを守るため、落ち着いた展開にしたかった。
後半、結果は決まっていたのに、派手な撃ち合いに持ち込まれてしまう。
もっと集中して守り続け、失点を防いでいきたい。

とはいえ、悪くない内容でYLCで準決勝に進む結果を残した。
次は中5日で、J1リーグの磐田戦(J1 #26)。
しっかりと休んで、良い内容を続けていきたい。

■goal
73長谷川アーリアジャスール(9) 89ジョー(7)
54下田北斗(22) 81ダミアン(9) 

■judge
新井章太(21) 6.0 73分、シミッチの強烈ミドルを防ぐ。76分、79分とヘッドをキャッチ。
馬渡和彰(17) 6.0 右サイドを上がって山村からパスを受ける。36分、56分に右クロス。
山村和也(34) 6.5 名古屋の放り込みを確実にクリアした。64分、家長のクロスをシュート。
谷口彰悟(5) 6.5 ジョーに身体を当てて対応。山村のおかげで負担が減り、パスも光った。
車屋紳太郎(7) 6.0 鋭くスペースを突き、スプリントを繰り返しす。68分、ボールロスト。
下田北斗(22) 7.5 試合を決める圧巻のロングシュート。さらに1アシスト。よく走った。
守田英正(6) 6.0 26分、バイタルでのファウルでFKを与える。72分、ロングシュート。
家長昭博(41) 6.0 44分、強烈なミドルシュート。右サイドでキープして時間を作った。
脇坂泰斗(28) 6.0 ゴールを目指して積極的なプレー。ドリブルやクロスで攻め続けた。
阿部浩之(8) 6.0 クレバーな動きで攻守に活躍。41分、ネットにイエローを与えた。
小林悠(11) 5.5 背後に抜け出した。11分、39分と2つのゴールがVARでオフサイド判定。

■sub
65(28)長谷川竜也(16) 5.5 逃げ切りを図る展開で、守備に傾注する。仕掛けは少ない。
74(11)ダミアン(9) 6.5 81分、下田のFKを高い打点のヘッドでゴール。プレスを先導。
86(8)三笘薫(32) 5.0 公式戦デビュー。3回、ボールをもらったがロストが多かった。

■bench
ソンリョン(1) マギーニョ(26) 中村憲剛(14) 知念慶(20)

■coach
鬼木達 6.0 良い結果を出す。脇坂と小林を下げて停滞を起こした。三笘を起用。

■referee
松尾一 6.0 ストレスが少ないジャッジ。慣れないVARを副審とともに正しく運用した。

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2019/09/05

190904川崎2-0名古屋(YLC QF #1)

川崎2-0名古屋(等々力, 19:00KO, 14,719人)

厳しい敗戦となったC大阪戦(J1 #25)から中2日。
代表ウィークとなって、YBCルヴァンカップ(YLC)が開催される。
YLCはACL出場のためシードされていて、準々決勝が初戦。

日本におけるVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入初戦。
 2019シーズンは、YLC準々決勝以降に適用される。

名古屋との対戦となり、第1戦は等々力でのホームゲーム。


先発は、C大阪戦から7人と大きく変える。
GK新井、馬渡、山村、長谷川、脇坂、知念、ダミアンが先発する。
ベンチには、GK安藤、特別指定の三笘薫が入った。

田中碧はU22日本代表に選出されて不在。
ただ、YLCには21歳以下の選手を1名以上先発させるルールがある。
対象となる田中碧が代表に選ばれているため、適用は免除された。


名古屋とは、J1リーグで2試合を終えて1分1敗。 
 190517川崎1-1名古屋(J1 #12)
 190810名古屋3-0川崎(J1 #22)
YLCのルールにより、18歳のDF藤井陽也(34)が先発する。

■1st half
川崎は名古屋の高い最終ラインの背後を狙っていく。
ボランチやCBからのロングボールでチャンスを量産する。
1分に知念、3分にダミアン、11分に長谷川が抜け出した。
15分には、車屋のパスで知念が抜け出し、GKを制して先制ゴールを決める。
17分に知念、18分にダミアン、26分に脇坂が決定機を迎えた。

名古屋は防戦一方だったが、31分に藤井陽也を下げてFWジョー(7)を投入。
(YLCでは、21歳以下の選手を「先発」させれば良いので、早い時間での藤井の交代は可能)
エドゥアルド・ネット(21)とシミッチ(8)が、ゆっくりとパスを回す。
リズムを取り戻して、ボール保持の時間が長くなった。

■2nd half
川崎は45分、46分の守田、60分の下田と危険なミスが続いた。
名古屋は中央のジョーを目掛けて、左右からクロスを入れる。
正確なクロスが多かったが、谷口がジョーに身体を寄せて自由を与えない。

厳しい時間が続いていたが、61分。
名古屋の左CKのクリアを拾ったダミアンが、ドリブルで独走。
ラストパスに斜めに走り込んだ脇坂が、ダイレクトで貴重な追加点を決めた。

2点差となって、名古屋の攻勢も落ち着いた。
川崎は頑張ってコンパクトさを保ちながら、逃げ切った。

■summary
名古屋は練習の鳥かごのようなボール回しを披露。
ただ、パスでは崩せず、最後はジョーの頭を狙ってきた。
攻撃パターンが少なく、川崎にとって守りやすかった。

戻りながらの守備で崩されることが多かった。
前半、多くの決定機を与える。
1失点だけだったのが不思議なほど。
ラインを高く保つが、その裏に知念や長谷川に走り込まれる。
彼らを狙った意図のあるロングボールを入れられて、オフサイドも取れなかった。


川崎はターンオーバーしながらも、良い内容となった。
ボールを持ちすぎず、速攻を織り交ぜていく。
もちろん失敗もあったが、停滞感なく、楽しく観ることができた。

2トップのダミアンと知念が良い関係性を築く。
どちらかが前に走り出せば、もう一方が距離を置いて追いかける。
長谷川も大きなスペースを使って、左サイドにボールを呼んだ。

後半、名古屋に主導権を握られる時間帯もあった。
ミスでボールを失い、最終ラインを上げられず、苦しかった。
ただ、谷口と山村がジョーを抑え込み、中盤でもゆとりを与えなかった。

失点せず、2点のリードで中3日の第2戦を迎える。
上手に時間を使って、しっかり勝ち上がりたい。

■goal
15知念慶(20) 61脇坂泰斗(28) 

■judge
新井章太(21) 6.0 61分には中谷進之介(20)、65分にはジョーのヘッドを防いだ。
馬渡和彰(17) 6.0 スペースを狙って走り込む。37分、66分、70分とクロスを入れる。
山村和也(34) 7.0 ハイボールを強く跳ね返し、ジョーを封じる。パスの起点になった。
谷口彰悟(5) 6.5 身体を当ててジョーに自由を与えなかった。74分、知念にラストパス。
車屋紳太郎(7) 6.5 少し内側で受け、3分、16分とロングボールを通す。1アシスト。
下田北斗(22) 6.0 パスを散らしていく。60分、バックパスを奪われて決定機を与える。
守田英正(6) 6.0 サイドへのロングボールを供給する。70分、奪ってからボレーシュート。
脇坂泰斗(28) 6.5 14分、26分にシュート。61分、難しいコースを打ち抜いて追加点。
長谷川竜也(16) 6.5 11分、決定機で倒されてFK獲得。スペースを突いてボールを呼ぶ。
知念慶(20) 7.0 1分、16分、74分に決定的シュート。ネットをしつこくマーク。1ゴール。
ダミアン(9) 6.5 1アシスト。3分、18分にも決定機があったが、ゴールを決められず。

■sub
78(28)阿部浩之(8) 5.5 右サイドのスペースを埋め、ボールを持てば有効に時間を使った。
78(20)小林悠(11) 5.5 86分、右の馬渡にロングボールを出し、その戻りを強烈なボレー。
90+2(16)家長昭博(41) 5.5 時間が短く、プレー機会は少なかった。

■bench
安藤駿介(24) マギーニョ(26) ジェジエウ(4) 三笘薫(32)

■coach
鬼木達 6.5 ターンオーバーを行いながら、結果を出す。最後は三笘薫を起用したかった。

■referee
村上伸次 6.0 VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)導入初戦にあっても、混乱せず、適切なジャッジだった。

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■おまけ

知念慶(20)。
お子さんの誕生を、自分のゴールと揺りかごで祝いました。

2019/09/02

190901C大阪2-1川崎(J1 #25)

C大阪2-1川崎(ヤンマースタジアム長居, 18:00KO, 27,201人)

清水戦(J1 #23)に引き分け、中7日でセレッソ大阪戦。
J1リーグで5試合勝利がない状況が続いている。
9月に入って少し和らいだとはいえ、暑さの残る長居スタジアム。


先発は、清水戦から2人変更。
新たに家長、小林が入り、ダミアンがベンチスタート。
齋藤学は清水戦で負傷したため、6~8週間の離脱となった。

ベンチからは知念が外れ、田中碧が入った。


C大阪はJ1リーグで11勝4分9敗で6位。
等々力での対戦(J1 #6)は、ドローだった。

■1st half
開始早々の2分、セレッソの左CK。
ソンリョンが触ったボールを、DF瀬古歩夢(15)が押し込んで先制。

いきなりの失点だったが、川崎はボールを回していく。
13分、家長のシンプルな右クロスを、小林とGKキム・ジンヒョン(21)が競りあう。
こぼれたボールを、阿部が素晴らしいボレーで同点に追いついた。

マギーニョが右ワイドに張って、ボールを呼び込んで家長と絡む。
中央からも、下田と守田がトリッキーなパスで攻めていった。
44分、車屋が鋭い左クロスを入れて決定機を作る。
長く押し込むことはできたが、ゴールは1つだけだった。

■2nd half
後半開始から、セレッソが攻勢を仕掛ける。
川崎のパスコースをプレスで封じて、高い位置で奪って速攻を狙う。
52分、右サイド深くからMFレアンドロ・デサパト(6)がクロス。
PA内でフリーとなったFW鈴木孝司(18)がヘッドで決めた。

川崎はなかなか見せ場を作れない。
左サイドに長谷川を入れてクロスを狙うが、スペースを埋められる。
逆に右サイドは家長が交代したため、マギーニョを活かせなくなった。

運動量が先に落ちてしまい、セカンドボールはセレッソ優位となる。
カウンターを仕掛けられ、決定的なピンチを招く。
82分、84分とMF田中亜土夢(32)がシュートを放った。

ダミアンを入れて2トップにしていたが、放り込みは遅かった。
ゴールは遠く、セレッソがクリーンに時間を費やした。

■summary
セレッソが数少ないチャンスを活かした。
1点目も2点目も、いったん中立となったボールを拾ってのゴール。

川崎にボールを持たれても、崩れることがなかった。
サイドに振られても、全体でスライドしてスペースを埋め続ける。
ロティーナ監督らしい、ポジションを固める美しい守備だった。


川崎は攻め手が見つからないまま、敗戦を喫した。
59分、家長を下げたことで、右サイドの優位性を失ってしまう。
66分、中村に代えてダミアンを入れて2トップとしたが、パサー不在。
脇坂は流動性を生むことができたが、周囲の足は止まっていた。
ロスタイムになっても急ぐことなく、淡々とタイムアップを迎えた。

残念な結果となり、内容も伴わなかった。
楽しく崩しながらゴールを攻略する姿を取り戻したい。

ボールを失うことを怖れて、安全なパスを選ぶことが増えている。
どこでスピードを上げて、勝負するタイトなパスを入れていくのか。
時間はかかっても、少しずつ戦術を改善しなくてはならない。

次は中2日でルヴァンカップ名古屋戦(YLC QF #1)を迎える。
名古屋は中4日なので、日程的にも不利な状況。
厳しいところだが、タイトルへの道筋を何とか残したい。

■goal
2瀬古歩夢(15) 52鈴木孝司(18)
13阿部浩之(8) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 2点は防げなかったが、82分、84分と田中亜土夢の決定機を止めた。
マギーニョ(26) 5.5 判断早くクロスやシュートを狙う。52分、カウンターをクリアした。
ジェジエウ(4) 5.5 スピードでカウンターを防ぐ。FWブルーノ・メンデス(20)を封じた。
谷口彰悟(5) 4.5 52分、プレゼントパスでピンチを招く。54分、鈴木孝司に外されて失点。
車屋紳太郎(7) 5.0 後半、左サイドを狙われてクロスを許した。76分、強烈なミドル。
下田北斗(22) 5.0 動いても相手に隠れがちだった。80分、脇坂へスルーパスを通した。
守田英正(6) 5.5 ボールを吸い寄せる守備と細かいタッチを見せる。右SBでは消極的。
家長昭博(41) 5.5 右サイドで時間を作りながら押し込んだ。13分、クロスでアシスト。
中村憲剛(14) 4.5 ミスが目立つ。スルーパスを狙っても、近くの相手に引っ掛けた。
阿部浩之(8) 6.0 難しい状況で技巧的な同点ゴールを決める。守備ではスペースを埋める。
小林悠(11) 5.0 ハイボールで競り負ける。78分のヘッドはバー。ポストプレーは良かった。

■sub
59(41)長谷川竜也(16) 6.0 カットインやクロスで仕掛けた。攻撃の多くを担っていた。
66(14)ダミアン(9) 5.0 2トップに入るが、厳しくマークされる。90+3分、CKをヘッド。
73(26)脇坂泰斗(28) 5.5 ボランチに入る。精力的に動いて前線でギャップを作った。 

■bench
新井章太(21) 馬渡和彰(17) 田中碧(25) 山村和也(34)

■coach
鬼木達 4.5 采配に迷いが感じられる。結果も出せず。自信を取り戻してほしい。

■referee
池内明彦 4.5 いつものように不可解なジャッジが続く。判定が一貫しなかった。

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