2019/02/24

190223川崎0-0FC東京(J1 #1)

川崎0-0FC東京(等々力, 14:00KO, 23,113人)

浦和とのFuji Xerox Super Cup(FXSC)を制し、中6日。
いよいよ、2019年のJ1リーグ開幕を迎える。
第33回多摩川クラシコは、初めての開幕開催。



先発は、FXSCと同じ11人。
ベンチも同じ7人となり、変化がなかった。



FC東京は、2018シーズンJ1リーグ6位。
春先は好調で2位に付けていたが、その後調子を落とした。
川崎との対戦は、お互いにアウェイを制して1勝1敗だった。
 180505川崎0-2FC東京(J1 #13)
 181124FC東京0-2川崎(J1 #33)
川崎U-10出身の久保建英(15)が右MFで先発する。

■1st half
FC東京は2トップの永井謙佑(11)とディエゴ・オリヴェイラ(9)が強くプレスを掛ける。
後方の選手も連動して上がって、川崎にスペースを与えなかった。

しかし、川崎はプレスをくぐり、押し込んでいく。
中央はしっかりと固められているため、サイドを使う。
ボランチには時間があったが、その先を崩すことはできなかった。

FC東京の攻撃は、単純なロングボール。
20分を過ぎると上空の風が強まって、ボールが流される。
ルーズボールを永井とディエゴが拾い、攻め込んでいった。
川崎のファウルが多くなり、41分には久保の右FKがポストを叩いた。

■2nd half
マギーニョが狙われて、囲まれてボールを奪われる。
FC東京はマギーニョの背後を突いて、チャンスを作った。

54分、バックパスを中村が拾って決定機を作る。
さらにマギーニョを馬渡に変え、川崎が右サイドから攻勢に出た。

馬渡は高い位置でボールを呼び込み、FC東京の守備を押し下げる。
57分、59分、60分、62分と小林がシュートを放つ。
特に57分は、大島、中村と縦パスが2本つながった美しい決定機だった。
ただ、GK林彰洋(33)が立ちはだかり、ゴールは生まれない。

その後は川崎の勢いが落ち、膠着状態となる。
齋藤学、知念を投入するが、局面は変えられない。
FC東京のプレスも続き、川崎はボールを蹴り出すだけとなった。

79分、奈良がディエゴに深いタックルでイエローを受ける。
奈良は動揺してしまい、落ち着かないプレーが続く。
89分にもナ・サンホ(17)のカウンターを足を高く上げて止めた。
警告は出なかったものの、2枚目のイエローに値した。

(190226追記)
奈良のプレーについて、Jリーグジャッジリプレイで取り上げられた。
上川徹氏(JFA審判委員会トップレフェリーグループシニアマネジャー)の見解が示された。
 89分の足上げはノーカードが妥当で、正しい判定。
 79分のディエゴへのタックルは、レッドに近いイエローで、正しい判定。
 2つのプレーとも、誤審ではないとされた。

■summary
FC東京は、FXSCの川崎の戦い方を研究していた。
曖昧なポジションをとる新戦力のマギーニョの背後を突く。
ダミアンのポストプレーもトラップが大きく、早く寄せて奪っていった。

FC東京の久保は素晴らしかった。
車屋に苦しめられるかと思ったが、逆に攻守に圧倒した。
ボールの持ち方、タッチの柔らかさで見せ場を作った。
後半になると消えていたので、良い時間を延ばすのが課題。



川崎は押し込む時間も作りながらもスコアレス。
ゴールはなかったがチャンスは多く、悲観することはない。

マギーニョ、奈良、車屋と最終ラインが不安定だった。
途中交代はマギーニョだけだったが、3人とも下げてもよい内容だった。
ただ、悪いなりに失点しなかったことは評価できる。

J1リーグの開幕はドロー発進となった。
次は中5日で鹿島戦(J1 #2)。
課題を修正し、選手を入れ替えながら、しっかり仕留めたい。

■goal


■judge
ソンリョン(1) 6.0 39分、久保のスルーパスを飛び出してクリア。危な気なかった。
マギーニョ(26) 4.5 ボールを失ってばかりだった。フィットするのはまだこれからか。
奈良竜樹(3) 4.5 79分にイエローを受けると、混乱してパフォーマンスを大きく落とす。
谷口彰悟(5) 5.5 周囲が崩される中にあって、孤軍奮闘した。37分、永井に競り負ける。
車屋紳太郎(7) 5.0 久保に苦められる。39分、ドリブルで仕掛けたが久保に奪われた。
守田英正(6) 6.0 サイドへのロングボールを交えながら、余裕を持って前に配球した。
大島僚太(10) 6.0 安易にサイドは使わずに、縦パスを狭いスペースに入れていった。
小林悠(11) 6.5 ゴールは奪えなかったものの、右サイドから多くの決定機を作った。
中村憲剛(14) 5.5 57分、小林にラストパスを供給。66分にはイエローを受けた。
家長昭博(41) 5.5 局所的には効いていたが、スプリントも少なく、目立たなかった。
ダミアン(9) 5.0 中央でマークを引き寄せる。ただ、ポストプレーは不発だった。

■sub 
55(26)馬渡和彰(17) 6.5 鮮烈に右サイドから仕掛け、決定機を産み出した。
73(9)齋藤学(19) 5.5 左サイドでボールを受け、ドリブルで圧力を掛けた。
81(14)知念慶(20) 5.5 ポストプレーの強さは見せたが、すぐに囲まれてしまった。

■bench
新井章太(21) 登里享平(2) 田中碧(25) 阿部浩之(8)

■coach
鬼木達 6.0 馬渡の投入で息を吹き返す。これから川崎対策をどう打ち破るかが課題。

■referee
村上伸次 5.0 5枚のイエローは妥当。ただ、89分、奈良に2枚目のイエローを出すべき。

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T-Pablow氏(BAD HOP)。
 川崎区出身。 
 始球式に登場。

2019/02/16

190216川崎1-0浦和(FXSC)★

川崎1-0浦和(埼玉スタジアム, 13:35KO, 52,587人)

2019シーズンの最初の公式戦はFUJI XEROX SUPER CUP。
J1リーグを連覇したことで、2年連続2回目の出場。

C大阪に敗れた昨年(2018 FXSC)は2月の2週目。
中2日で上海上港戦(ACL GL #1)を控えていた。

今年は2月の3週目の開催となった。
FC東京戦(J1 #1)までは中6日で余裕がある日程。

FXSCは、5人まで交代が可能なルール。
ただ、交代回数は3回(加えてハーフタイムも可)に制限される。


先発は昨年の主力組をベースに、新戦力2人が加わった。
1トップに新加入のレアンドロ・ダミアンが入る。
移籍したエウシーニョに代わる右SBには、新加入のマギーニョ。
小林は右WG、家長は左WGで出場し、阿部がベンチスタート。

ベンチには、新加入の馬渡が入った。


対戦相手は天皇杯を制した浦和。
昨シーズンは、J1リーグでダブルを許している。
ホーム(J1 #12)アウェイ(J1 #19)ともに、2点を失って無得点だった。

■1st half
新戦力のダミアンを積極的に使っていく。
ダミアンはポストプレーやハイボールで個の強さを見せる。
がっちり守りを固められていてもチャンスを生んだ。

もちろん、今までと同じようにパスもゆったりと回す。
浦和が5バックで固めているため、両SBの前にはスペースが少ない。
ボランチの大島と守田には浦和2トップ、興梠慎三(30)と杉本健勇(14)が付く。
ただ、プレスは緩いためパスコースが多く、中央から縦に攻めた。

30分、ダミアンがドリブルからラストパスを出し、小林がシュート。
32分、中村のFKから車屋がつなぎ、谷口が決めたがオフサイド。
38分、小林の右クロスにダミアンが頭で合わせるが、これもオフサイド。
前半、ゴールは決まらなかったが、ワンタッチを交えてゴールに迫った。

浦和はブロックを組んで守ってきた。
攻撃ではつなぐ意識はあるものの、川崎のプレスが強く、思うように運べない。
ロングボールを蹴らされて回収され、守備の時間が長くなった。


マスコット総選挙のトップ3。
 ベガッ太(3位)
 ヴィヴィくん(2位)
 グランパスくん(優勝・連覇)

■2nd half
前半は控え目だったマギーニョと車屋が前に出ていく。
浦和は対峙する宇賀神友弥(3)と橋岡大樹(27)が孤立していて、押し込まれた。
バイタルでもスライドが遅れ、川崎に自由なプレーを許してしまう。

49分、マギーニョのパスからダミアンがシュート。
50分、ダミアンのパスから小林が中央でミドル。
次々に浦和ゴールに迫っていき、52分。
家長のふわっとした左クロスをダミアンが頭で落とす。
ゴール前で中村が競り合って、こぼれたところをダミアンがゴール。
高く上がったボールがバウンドした瞬間を、ボレーで合わせる難しいシュート。
ダミアンは躊躇することなく、簡単そうに決めた。

失点してからも、浦和は反撃に出てこない。
川崎のプレスでボールを奪われて、カウンターを浴びた。
スペースが空き始めると、投入された齋藤や知念が仕掛けていった。

■summary
浦和はいったん陣形が崩されると、修復が遅くなった。
攻撃も機能せず、セットプレーでチャンスを作るのが精一杯。
主導権を握られたまま、試合を終えた。

ただ、浦和はコンディションを整えている段階のように思えた。
明らかに動きが重く、スプリントも少なかった。
だとすると、今日の結果を悲観する必要はないかもしれない。


川崎は順調な仕上がりを見せた。
新加入のダミアン、マギーニョが先発し、馬渡が途中出場。
連携や相互理解はまだまだだが、これからの期待は膨らむ。

前線からのプレスが面白いように効いていた。
ダミアンは献身的にスプリントを繰り返し、ボールを追った。
遅攻になっても、ダミアンのポストプレーで中央から崩していった。
攻撃されることも少なく、危なげなく勝利することができた。

★cup winner
2度目の出場のFUJI XEROX SUPER CUPで、初優勝。
1試合制の大会とはいえ、素晴らしいこと。
この経験を活かし、カップ戦のタイトルを獲得してほしい。


■goal
52ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 仕事は少なかった。56分、柏木陽介(10)のFKをキャッチ。
マギーニョ(26) 6.0 初出場。右からクロスを上げ、細かいドリブルで縦に進んだ。
奈良竜樹(3) 7.0 鉄壁な守り。35分、ボレーシュート。75分、齋藤に縦パスを供給。
谷口彰悟(5) 6.0 守備もパスも良かったが、35分にクリアミス、67分にボールロスト。
車屋紳太郎(7) 6.5 前半は抑え気味だったが、後半、積極的に上がって攻撃に参加した。
守田英正(6) 6.5 トラップからのターンで前に進む。16分、カウンターからシュート。
大島僚太(10) 6.5 自分は動かずに周囲を使った。前線の受け手を狙ってパスを入れる。
小林悠(11) 6.5 ダミアンの周囲で衛星的な動き。30分、50分とミドルシュート。
中村憲剛(14) 6.0 自由に動いて浦和の守りのバランスを崩す。セットプレーを担当。
家長昭博(41) 6.5 13分、何度もチャージを受けながらもドリブル。78分にシュート。
ダミアン(9) 7.0 初出場。激しいプレスを仕掛け、決勝ゴール。才能の一端を見せた。

■sub
70(26)馬渡和彰(17) 5.5 初出場。トラップもパスもまずまず。87分、ロングシュート。
70(14)齋藤学(19) 6.0 ボールを持つと切れ味鋭いドリブルで仕掛けていった。
79(6)田中碧(25) 6.0 83分、浦和のダイレクトパスからの攻撃を止めた。
79(9)知念慶(20) 6.0 ポストをこなす。89分、トラップから1人抜いてシュート。
88(11)阿部浩之(8) 5.5 右WGに入る。走ってスペースを埋める。

■bench
新井章太(21) 登里享平(2)

■coach
鬼木達 6.5 内容で圧倒し、きちっと結果を出す。交代はやや遅かったか。

■referee
家本政明 6.5 素晴らしいジャッジ。ストレスの少ない試合を作った。

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FXSCと川崎のエンブレムに、チャンピオンの文字。

家長昭博(41)と守田英正(6)。
FXSCのメダルを掛けています。