2021/06/30

210629北京0-7川崎(ACL GL #2)

北京FC0-7川崎(ロコモティフ・スタジアム, 21:00KO(01:00JST(+1day), 0人)

幸先良く勝ったACL初戦の大邱戦(ACL GL #1)から中2日。
 6連戦の2試合目となるGL第2節は、北京FCとの対戦。
 スタジアムは、大邱戦と同じロコモティフ・スタジアム。

日本時間では火曜日の深夜1時キックオフ。
 生観戦するには厳しい時間帯となった。


先発は、大邱戦から6人が変わる。
 新たに山村、車屋、橘田、遠野、小林悠、長谷川が先発する。
 続けて先発するのは、GKソンリョン、山根、谷口、脇坂、旗手の5人。
 外れたジェジエウ、家長、ダミアン、三笘はベンチへ、登里、シミッチはベンチ外となった。
 連戦が続く日程を踏まえて、ターンオーバーを行っている。

ベンチには、新たにゼインと神谷が入った。


北京FCは、2020年の国内リーグ3位でACLの出場権を獲得。
 前年までは北京中赫国安とのチーム名で活動していた。

グループリーグ第1節は、ユナイテッド・シティFCと引き分けた。
 国内リーグが中断されておらず、ACLと同時開催されているため、主力が不在。
 U21チーム主体のメンバーがタシケントに派遣されている。
 背番号も先発GKグオ・チュエンボ(25)が最も若く、他は30番台以上となっている。

■1st half
立ち上がり、北京FCが勢い良くプレー。
 パスやトラップの技術もあって、プレスを仕掛けてきた。

川崎は少し北京の勢いに戸惑いつつ、先手を奪う。
 7分、遠野の右クロスを長谷川がフリーで合わせて先制ゴール。
 8分、アンカー谷口のスルーパスに抜け出した小林悠がシュート。
  GKが弾いたところを小林悠が動かして、こぼれ球を橘田が蹴り込んで2点差となる。

2点差となってからは、北京にミスが出始める。
川崎はじっくりと2CBとアンカー谷口から細かいパスを入れていく。
左サイドの長谷川が、ライン際でボールを受けて攻めていった。
12分と28分に長谷川、21分に車屋と山根、27分に旗手がシュート。

41分、脇坂のスルーパスで遠野が抜け出す。
 GKとの1対1をふわっと制し、3点目を決めた。

■2nd half
後半も川崎が圧倒していく。
47分、長谷川のパスを受けた橘田が倒されて、PKを獲得する。
 このPKを知念が強く蹴り込んで、4点目。
5点目は51分、脇坂の左CKを、山村が低い姿勢のヘッドで入れる。
6点目は56分、脇坂が中央から無回転ミドルでゴール。
7点目は59分、ゼインの右クロスを、知念が高いヘッドで決めた。

圧巻のゴールラッシュとなったが、残り30分間はノーゴール。
とはいえ、62分の車屋、68分の橘田、69分の知念。
74分の遠野、86分と90分の神谷と、決定的なシュートを量産した。

■summary
北京は最初は川崎に立ち向かってきた。
 しかし、7分と8分に2ゴールを許すと、その後は何もできなくなる。

ACLに出場するレベルのチームではなかった。
 ユース主体のチームを派遣するくらいなら、棄権すべきだったかもしれない。
 ただ、大差となってもラフプレーに走らなかったことは、良かった。

チャンスは、8分のドワン・ドージー(69)、14分のリ・ボーシー(31)のシュートくらい。
 あとは攻められっぱなしで、GKグォ・チェンボ(25)のセーブ機会が多くなった。


川崎は早い時間に2ゴールを奪って試合を決めた。
 その後も追加点を着実に奪い、大差で勝利。
 大邱戦の先発3トップ(家長、ダミアン、三笘)を休ませることができた。

イサカ・ゼインと神谷が長くプレーできたことも、収穫といえる。
 大差となっていたが、2人とも積極的にサイドから仕掛けた。

懸念を挙げれば、30分に接触して左膝を痛めた小林悠の状態。
 大事をとっての交代であれば良いが、心配といえる。

次戦は中2日でユナイテッド・シティFC戦(ACL GL #3)。
 しっかりコンディションを整えて、試合に臨みたい。

■goal
7長谷川竜也(16) 8橘田健人(22) 41遠野大弥(19) 47PK,59知念慶(20) 51山村和也(28) 56脇坂泰斗(8) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 8分、14分にシュートストップ。特に後半は、プレー機会が少なかった。
山根視来(13) 6.0 21分にロングシュート。44分、45+1分に右クロス。早目に交代できた。
山村和也(28) 6.5 RCBで慌てず落ち着いてプレー。51分、CKからヘッドで今季初ゴール。
車屋紳太郎(7) 6.5 LCB。ドリブルも交えて組み立てる。21分、62分とミドルシュート。
旗手玲央(47) 6.0 LSB。崩されることなく、しっかりと守った。27、52分にシュート。
谷口彰悟(5) 6.5 アンカーで前半のみ出場する。余裕があった。8分、小林悠へスルーパス。
脇坂泰斗(8) 6.5 1ゴール。41分、61分にアシスト。細かいタッチでバイタルから抜け出す。
橘田健人(22) 7.0 豊富な運動量でチームを攻守に支えた。8分にゴール。47分、PKを奪取。
遠野大弥(19) 6.5 1ゴール1アシスト。右クロスや中央に入ってからの決定機が多かった。
小林悠(11) 6.0 8分の決定機はGKに止められた。27分、PA内で受ける。左ヒザを痛め交代。
長谷川竜也(16) 6.5 左サイドで幅をとる。先制ゴール。12分、28分、88分にシュート。

■sub
34(11)知念慶(20) 6.5 緊急出場だったが2ゴール。40分、43分、45分、69分にシュート。
HT(5)塚川孝輝(3) 6.0 アンカーでシンプルにつないでいく。73分、脇坂の右CKをヘッド。
54(13)ゼイン(15) 6.0 RSBで自信を持ってプレー。遠野と組んで、右サイドから攻めた。
54(47)神谷凱士(26) 6.0 LSBで出場する。61分、86分にシュート。90分に惜しい決定機。
76(8)大島僚太(10) 5.5 点差もあり緩やかにプレー。それでも想定できないパスを出した。

■bench
丹野研太(27) ジェジエウ(4) 家長昭博(41) ダミアン(9) 三笘薫(18) 

■coach
鬼木達 6.5 最小限のターンオーバーをしつつ、大勝した。交代策も適切だった。

■referee
マスード・ツファイエリエ(SYR) 6.0 接触プレーにやや厳しかったが、適切だった。PK判定も妥当。

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2021/06/27

210626川崎3-2大邱(ACL GL #1)

川崎3-2大邱FC(ロコモティフ・スタジアム, 21:00KO(01:00JST(+1day), 0人)

2年ぶりに出場するACL(Asia Champions League)。
 グループリーグは4チームの2回戦総当たりで、6試合を戦う。
 例年のホーム&アウェイではなく、ウズベキスタンのタシケントで集中開催される。
 大きなロコモティフ・スタジアムだが、残念ながら無観客開催。
 6月26日から7月11日まで、中2日で6試合を消化する厳しい日程。

川崎のグループIには、大邱FC(KOR)、北京FC(CHN)、ユナイテッド・シティFC(PHI)が入る。
 東アジアには5つのグループがあり、上位8チームがトーナメントに進む。

ACLのグループリーグでは、VARは導入されていない。
 ベンチ入りは10人まで可能で、選手交代は5人まで。

今シーズンから8年間、DAZNがACLの独占放映権を獲得した。
 日本テレビ系列のCS放送に変わって、Jリーグと同じくインターネット配信される。


天皇杯長野戦(天皇杯 R32)からは中16日。
 代表に選出されていた山根、谷口、旗手、三笘が戻り、フルメンバーで遠征に臨む。
 ただし、田中碧(25)は移籍を前提とした調整のため、チームに帯同していない。


先発は、長野戦から4人が変わる。
 代表組の山根、谷口、旗手、三笘が先発に復帰する。
 外れた車屋、長谷川はベンチ、ゼイン、小塚はベンチ外となった。

代表ウィーク前の鹿島戦(J1 #17)と比べると、田中碧が外れ、脇坂が入っている。

ベンチ入りは10人だが、オーソドックスな顔触れとなった。
 大島僚太が、元日のガンバ大阪戦(2020 天皇杯 Final)以来のメンバー入りを果たした。



大邱FCは、韓国の第4代表としてACLに出場。
 川崎とは初めての対戦となる。
 日本人の西翼(44)が、ボランチで先発する。

■1st half
大邱は自陣に深く引いて守り、カウンターを仕掛ける。
 プレスも弱めで川崎にボールを持たせ、ゴール前で攻撃を止めた。

川崎は2CBがハーフラインよりも前に出て、押し込む。
 中盤でも大邱が寄せてこないため、するするとゴールに近づいていく。
 5分と6分に家長、5分に三笘がシュートするが、先に失点してしまう。 

8分、大邱が左サイドのスペースを使ってカウンター。
 FWセシーニャ(11)が左クロスを入れると、シミッチのクリアが小さくなる。
 ボールは弱く転がり、ファン・スンミン(20)がミドルシュートを決めた。

29分にも、カウンターからセシーニャが右クロス。
 ジェジエウがFWエジガル(9)を手で押して、PKを与えてしまう。
 しかし、エジガルのPKをGKソンリョンが弾き出し、追加点を許さない。

31分、三笘がドリブルして中央からシュート。
40分、ジェジエウが縦パスをふわっとダミアンに入れる。
 ダミアンがDFを背負いながらボールを浮かせ、オーバーヘッドで同点とする。
 何度も同じプレーを見ていても、衝撃的で鮮烈なゴールだった。

■2nd half
47分、イ・グノ(22)の右クロスをセシーニャがヘッドでゴール。
 CKの流れから、左右に動かされて、GKソンリョンのニアサイドを破られた。

再びリードを許した川崎は、すぐに逆襲に転じる。
51分、旗手が入れた縦パスを受けて、三笘が縦にドリブルしてクロスを入れる。
 DFに当たったボールをダミアンが蹴り込んで、再度同点に追い付いた。

さらに55分、脇坂の左CKが中央から右に流れる。
 シミッチが後ろに倒れながらゴールに蹴り込んで、逆転に成功。

63分、脇坂に代えて大島を入れ、2ボランチに移行する。
65分にはイ・グノを抑えるため、LSBに車屋を投入する。
 前に出てくる大邱に対抗して、バイタルやサイドを埋めていく。

エジガルがハイボールに強く、川崎のファウルが多くなった。
 与えたFKをゴール前に入れられては、辛抱強く跳ね返す。
 65分のセシーニャ、73分のエジガルとシュートされるが、逃げ切った。

■summary
大邱はプレスを仕掛けず、引いて守った。
 最終ラインに5バックを揃えて、密集することでゴールを塞いだ。
 川崎に自由を与えながら、カウンターを狙った。

FWエジガルは、ジェジエウを背負いながらハイボールを受けた。
 味方が押し上げる時間を作り、守備の時間を減らしていた。

カウンターも切れ味が鋭かった。
 川崎の背後の大きなスペースを使って、少ない人数でチャンスを作る。
 結果は残念だったが、2ゴールを決めたことは素晴らしかった。



川崎は苦しみながら、勝利することができた。
 リスク管理が上手くいかず、2失点を喫してしまう。
 厳しい展開となったが、ダミアンの2ゴールとシミッチの決勝ゴールで逆転。 
 シミッチの隣に大島、次いで山村を置いて2ボランチを組み、逃げ切った。

ジェジエウ、旗手、登里の3人がイエローカードをもらった。
 さらに主力組のプレー時間が長くなったことは、今後の不安材料。
 それでもGL初戦の勝ち点3は、大きな戦果となった。

次は中2日、北京FC戦(ACL GL #2)。
 北京FCは、並行開催される国内リーグに主力を残している。
 U21チーム主体のメンバーとなっているため、しっかりと勝利したい。

■goal
40,51ダミアン(9) 55シミッチ(6) 
8ファン・スンミン(20) 47セシーニャ(11)

■judge
ソンリョン(1) 8.0 29分、エジガルのPKをストップ。65分、セシーニャの決定機を止めた。
山根視来(13) 5.5 攻め上がった背後のスペースを使われる。90+2分、ゴール前に走り込む。
ジェジエウ(4) 4.5 28分にPK、36分と46分にFKを与えるなど、不安定だった。1アシスト。
谷口彰悟(5) 6.0 登里とジェジエウをカバーしながら耐えていった。32分、左CKをヘッド。
登里享平(2) 5.0 左から攻めるスペースが足りなかった。後半、イ・グノの攻勢に苦しむ。
シミッチ(6) 5.5 55分、川崎での初ゴールが決勝点。8分、28分と致命的なミスを繰り返す。
脇坂泰斗(8) 6.0 CKから再三チャンスを作り、55分に決勝ゴールを生む。58分、シュート。
旗手玲央(47) 6.0 ボールを持って運ぶ。45+1分、イエロー。88分、GK1対1のシュート。
家長昭博(41) 5.5 5分、6分にシュート。58分には右クロス。フル出場も目立たなかった。
ダミアン(9) 7.5 40分、51分と2度の同点ゴールでチームを救う。ポストプレーも強かった。
三笘薫(18) 6.0 5分、31分にシュート。51分、左サイドをドリブルで崩し、ゴールを呼ぶ。

■sub
63(8)大島僚太(10) 5.5 復帰戦。ボランチに入り、72分、82分とダミアンへパスを入れる。
65(2)車屋紳太郎(7) 6.0 LSBでイ・グノを抑える。69分、2人に囲まれつつドリブルする。
87(18)山村和也(28) 6.0 右ボランチで出場。シミッチと並び、ハイボールを跳ね返す。

■bench
丹野研太(27) 塚川孝輝(3) 橘田健人(22) 長谷川竜也(16) 遠野大弥(19) 小林悠(11) 知念慶(20)

■coach
鬼木達 6.0 主力組を起用し、リードされても慌てず勝ち切った。交代枠を2つ残した。

■referee
アハメド・アルカフ(OMA) 6.5 コンタクトに厳しく吹いて、両チームを落ち着かせた。PK判定も難しかったが、的確だった。

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2021/06/10

210609川崎1(4PK3)1長野(天皇杯 R64)

川崎1(4PK3)長野(等々力, 18:00KO, 4,508人/5,000人)

横浜FC戦(J1 #21)から中6日。
 代表ウィークの水曜日、第101回天皇杯は例年通り2回戦から始まる。
 昨年の第100回大会では、準決勝からの出場で初優勝を飾った。

天皇杯なのでVARはなく、審判団は通常の4人制。
 神奈川県に発令されているまん延防止措置の影響で、平日18時キックオフとなった。
 観客数も5,000人に制限されている。
 映像配信も用意されておらず、観戦のハードルは高い。

山根と谷口がフル代表に、田中碧、旗手、三笘がU24代表に参加中。
 横浜FC戦に続いて、この5選手が不在となる。


先発は、横浜FC戦から2人が変わる。
 新たにダミアン、小塚が入り、小林悠と橘田がベンチスタートとなる。
 天皇杯2回戦だが、日程的には余裕があるため、主力を並べる。

ベンチには、新たに山村と宮城天が入り、神谷と知念が外れた。
 山村は、3月18日に左大腿二頭筋を肉離れして以来の復帰。
 宮城天は、川崎で初めてのメンバー入りを果たした。


対戦相手は、長野県代表のAC長野パルセイロ(J3)。
 J3リーグでは、12位(15チーム)となっている。

日曜日のアウェイ今治戦(J3 #10)から中3日の日程。
 今治戦から9選手を入れ替えて、大きくターンオーバーしている。
 天皇杯1回戦は、新潟県代表の新潟医療福祉大学FC(北信越1部)に勝利した。

■1st half
長野は精力的にプレスを仕掛けてくる。
 1トップの榊翔太(11)が先導して、全体的にパスコースを消した。

川崎はプレスに苦しんで、パスを回すことができない。
 背後を狙う動きが少なく、正面からプレスを受けてしまう。
 特にジェジエウが狙われて、最後はロングボールを蹴らされた。

42分、長野は左サイドから中央の榊に入れ、さらに右の藤山智史(8)にパス。
 バイタルでの寄せが甘く、藤山のゴラッソミドルで先制ゴールを許した。

川崎の攻撃は、左からのクロスボールがメイン。
 長谷川が32分、41分、44分、車屋が38分に左クロスを入れる。
 単調な攻撃となり、ゴール前を固める長野を崩せなかった。

■2nd half
後半スタート直後、長野がチャンスを作る。
 47分、森川裕基(16)が決定的なシュート。
 49分、CKから藤森亮志(25)、川田拳登(29)が続けてシュートする。

その後は、川崎が1点を追って攻める展開となった。
 後半開始から入った橘田が、何度も動き直して撹乱する。
 長野のプレスを剥がしながら、バイタルを支配していく。

59分のシミッチ、66分と72分の車屋、69分のダミアン、79分の小林悠とシュート。
 長野は運動量が落ちて、ゴール前に釘付けとなる。
 それでもGK田中謙吾(1)のビッグセーブなどで、耐えていく。
 特に89分、塚川のヘッドを弾いたGK田中のセーブは素晴らしかった。

しかし90+1分。
 ゴール前の混戦から橘田のミドルが決まって、終了間際に同点となった。

■extra time
延長では家長がアンカーに入った。
 ボールを持って、マークを引き寄せてからパスを出した。
 途中出場の塚川や遠野、そして宮城天がスプリントを繰り返し、チャンスを作る。

92分に宮城天と小林悠、96分にダミアンがシュート。
 決定機を量産するが、GK田中のセーブなどで決められない。
114分に遠野、116分にジェジエウ、117分と119分に家長がシュート。
 最後はアンカーの山村をCBに落とし、ジェジエウをFWに置く。
 攻め続けたがゴールは入らず、120分が終わった。

■penalty shootout
GKソンリョンが、2人目の水谷拓磨(7)、3人目の東浩史(10)のシュートを止めた。
 長野のGK田中も4人目の遠野を止めたが、川崎が勝ち抜けた。

長野 ○藤山智史(8) ×水谷拓磨(7) ×東浩史(10) ○山本龍平(33) ○吉村弦(20)
川崎 ○小林悠(11) ○山村和也(28) ○車屋紳太郎(7) ×遠野大弥(19) ○家長昭博(41)

■summary
長野は素晴らしいサッカーを披露した。
 川崎が横にパスするタイミングで、ボールホルダーへ鋭く寄せる。
 連動してパスコースを消し、バックパスそしてロングキックに追い込んだ。

後半、運動量が落ちると、ラインを下げてゴール前を固める。
 少人数のカウンターで押し上げを図りつつ、追加点を狙った。

後半ロスタイムに失点したが、延長も無失点で切り抜ける。
 GK田中が躍動。セーブを繰り返して、味方を鼓舞した。

あからさまに時間稼ぎをすることもなく、正々堂々と戦った。
 敗者とはなったが、賞賛に値するプレーだった。


GK田中謙吾(1)。
 ビッグセーブを連発しました。

川崎は積極性に欠け、苦しんだ。
 プレスバックも緩く遅く、複数人で囲むことができなかった。
 消耗を避けるためか、攻守ともに運動量が少なかった。
サイドを1対1で突破されて、クロスを上げられる。
 特に前半は、良いプレーができていなかった。

イサカ・ゼインは、横浜FC戦に続いて2試合目の先発。
 ハイボールを競るタイミングが悪く、先にジャンプしてもボールに触れない。
 今日は厳しい内容だったが、明らかになった課題をこれから改善したい。

 宮城天は、川崎での初出場を飾った。
 左FWに入り、姿勢良くボールを持って、ゴールを目指した。
 ビハインドの状況で、いきなり結果を求められたが、期待に応えた。

天皇杯の初戦を際どく突破することができた。
 次は、ウズベキスタンで集中開催されるACLのグループリーグ。
 6月26日の大邱FC戦(ACL GL #1)から、中2日での6連戦となる。
 コンディションを整えて、長距離遠征に向かいたい。

■goal
90+1橘田健人(22) 
42藤山智史(8)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 42分の失点は1歩も動けなかった。PKを2本止めて、勝利に貢献した。
ゼイン(15) 4.5 ハイボールに触ることができず、1対1でも負けた。右クロスも精度を欠く。
ジェジエウ(4) 6.0 パスコースを消され苦しむ。23分、ブロック。86分、117分にシュート。
車屋紳太郎(7) 6.5 38分、左クロス。66分、ヘッドでバーに当て、72分にロングシュート。
登里享平(2) 5.0 狭いエリアに押し込まれて窮屈だった。47分、71分にサイドを突破される。
シミッチ(6) 5.5 ロングパスを繰り出して局面の打開を図った。59分、ループシュート。
脇坂泰斗(8) 5.5 CKを担当。28分、ミドル。37分、FKを壁に当てる。45分、スルーパス。
小塚和季(17) 5.0 そつはなかったが、怖さがない。前を向いて驚きのあるパスを出したい。
家長昭博(41) 6.5 延長ではアンカーで差配。76分、90+6分、117分、119分にシュート。
ダミアン(9) 6.0 強いポストプレー。多くのシュートを放つ。96分の決定機は決められず。
長谷川竜也(16) 6.0 前半から正確な左クロスを上げ続けた。74分、右クロスをヘッド。

■sub
HT(17)橘田健人(22) 7.5 敗退の危機を救う。90+1分に同点ゴール。RSBでもまずまず。
65(15)小林悠(11) 6.0 92分、107分にシュート。96分、右クロスをダミアンに届ける。
79(8)遠野大弥(19) 5.5 CK担当。92分、シャツを引っ張られても前に進む。PKを外す。
79(6)塚川孝輝(3) 5.5 89分、登里の左クロスをヘッド。素早い出足から細かく動いた。
85(16)宮城天(24) 6.0 川崎でのデビュー戦。左サイドから92分、104分にシュート。
95(9)山村和也(28) 5.5 アンカーに入り、最後は右CBに移動。ACL前に復帰を果たす。

■bench
丹野研太(27) 

■coach
鬼木達 5.5 停滞した前半から、交代策でペースを掴む。際どかったが勝利を収めた。

■referee
先立圭吾 6.5 抑制が効いたジャッジ。J1リーグの主審経験はまだないが、今後が楽しみ。

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2021/06/03

210602横浜FC0-2川崎(J1 #21)

横浜FC0-2川崎(ニッパツ三ツ沢球技場, 19:00KO, 4,855人/5,000人)

ロスタイムの小林悠のゴールで勝った鹿島戦(J1 #17)から中2日。
 ACL前の最後のJ1リーグは、アウェイの横浜FC戦。
 横浜FCとは11日前にも等々力で対戦(J1 #15)している。

5月31日、横浜FCの2選手が新型コロナウイルスの陽性と判定された。
 これを受け、開催されることが決まったのは当日の15時30分。
 開催に向けて尽力してくれたすべての関係者に感謝したい。

川崎からは、フル代表に山根と谷口、U24代表に田中碧、旗手、三笘を派遣。
 今日の横浜FC戦と次の長野戦(天皇杯 R64)に、5人は出場できない。 


先発は、横浜FC戦から6人を変更する。
 新たにイサカ・ゼイン、車屋、脇坂、橘田、小林悠、長谷川が先発する。
  イサカ・ゼインは、大卒2年目で初めての出場となる。
 代表組の山根、谷口、田中碧、旗手、三笘はベンチ外、ダミアンがベンチに回った。

ベンチには、新たに神谷、塚川、小塚が入る。
 神谷もゼインと同じく大卒2年目で、初のメンバー入り。


横浜FCはJ1リーグで1勝4分12敗の最下位20位で、川崎と同じ中2日。
 4選手が新型コロナウイルスの陽性と判定され、1選手が濃厚接触者となった。
 選手名は非公表だが、大きな影響があるものと思われる。
 また、川崎からレンタル中のマギーニョ(3)は契約上出場できない。

11日前の対戦では、川崎が勝っている。
 210522川崎3-1横浜FC(J1 #15)

■1st half
川崎がじっくりと押し込んでいく。
 横浜FCのプレスは緩く、シミッチが余裕を持って前に展開する。
 CB車屋からも、強いパスが中央と左サイドに振り分けられた。

15分、小林悠の落としから長谷川がゴール。
 しかし、VARでオフサイドと判定され、取り消された。

39分、家長の右クロスを、DF伊野波雅彦(19)がヘッドでクリア。
 低い姿勢のクリアは近くの味方に当たり、戻ったところを小林悠が先制ゴール。
43分、45+2分にも小林悠に決定機が生まれている。

横浜FCは縦に蹴り込んでくる。
 しかし、車屋、ジェジエウ、シミッチの壁を越えられない。
 FWジャーメイン良(14)もFW渡邉千真(39)も孤立していた。

■2nd half
後半は横浜FCがペースを握る。
 川崎の運動量が落ちはじめ、シミッチの脇のスペースを使われる。
 51分、高橋秀人(4)の縦パスからジャーメイン良がシュート。
 59分、小川慶治朗(13)がロングシュートを狙った。

川崎は少し押されていたが、67分。
 中盤で拾った脇坂が、右足アウトサイドで左サイドの長谷川にロングパス。
 そのまま長谷川はPA内まで持ち込み、左クロスを小林悠が押し込んだ。

72分、横浜FCは中村俊輔(10)、クレーベ(9)、伊藤翔(16)の3人を投入。
 中村のロングキックで組み立てるが、チャンスは作れなかった。

■summary
横浜FCは、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触者の5選手が欠場。
 そのうち3選手は直前の離脱で、練習時間もほとんどなかった。
 攻撃が機能せず、2失点を喫したことも状況を考えれば仕方ないかもしれない。

ボランチの高橋秀人(4)の大きな声がピッチに響き続けた。
 2点差となっても意気消沈することなく、最後まで戦った。
 ゲームが終わると、力なくピッチにしゃがみ込む。
 抱き起こされてバックスタンドに向かう姿は、痛々しくも美しかった。


高橋秀人(4)。
 試合後、力なくしゃがみ込みました。

登里享平(2)がゲームキャプテン。
 公式戦で初めてとのことです。

川崎は代表参加の5選手を欠きながらも勝利した。
山根のいないRSBには、イサカ・ゼインを起用。
 最初は緊張していたが、徐々に思い切りの良いプレーを見せる。
 強い体幹を活かした守備も破綻せず、まずまずのデビュー戦。

極めて短い時間だったが、神谷凱人もデビューした。
 大卒2年目で第1歩を踏み出した2人の飛躍を期待したい。

このところの課題は、後半の落ち込みにある。
 72分に塚川を入れて、2ボランチにすることで対処した。
 夏場には体力的にも厳しくなるので、1つのオプションとしたいところ。

次は中6日でJ3のAC長野パルセイロ戦(天皇杯 R64)。
 前年の天皇杯王者として、しっかりと勝っていきたい。

■goal
39,67小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 仕事は少なかった。安定したクロス処理。82分、スルーパスをクリア。
ゼイン(15) 6.0 プロ初出場。初めは硬かったが、徐々に慣れた。27分、左CKをヘッド。
ジェジエウ(4) 6.5 スピードを活かして広範囲をカバー。78分、クレーベとの1対1を制する。
車屋紳太郎(7) 7.0 中と外を使い分けながらパスを繰り出す。90+1分、PA内からシュート。
登里享平(2) 6.0 ゲームキャプテン。87分、ダミアンへロングボール。90分、シュート。
シミッチ(6) 6.5 中央でパスを引き出し、ロングパスを狙った。61分、イエローをもらう。
脇坂泰斗(8) 6.0 20分、27分のFKを直接狙った。67分、曲げるパスを長谷川に届ける。
橘田健人(22) 6.0 シミッチの脇でボールに触る。12分、ボレーシュート。縦パスはずれた。
家長昭博(41) 6.5 中2日でフル出場。右サイドでキープしながら、試合を落ち着かせた。
小林悠(11) 7.5 39分、67分の2ゴールで勝利を呼び込む。43分、45+2分にもシュート。
長谷川竜也(16) 6.0 1アシスト。15分のゴールは僅かにオフサイド。69分、シュート。

■sub
72(22)塚川孝輝(3) 6.0 細かく動いてパス交換に参加。90+1分のヘッドはポストに当たる。
77(11)ダミアン(9) 6.0 85分、ボレーシュート。87分、独走したがラストタッチが流れた。
77(16)遠野大弥(19) 5.5 左サイドで受けて縦に持ち運ぶ。もっとチャンスに絡みたい。
90+3(2)神谷凱人(26) 5.5 短時間ながらLSBでプロ初出場。ヘディングで1つタッチした。
90+3(8)小塚和季(17) 5.5 神谷とともに出場。15秒あまりで、プレー機会はなかった。

■bench
丹野研太(27) 知念慶(20)

■coach
鬼木達 6.5 RSBにゼインを起用しつつ、勝利した。もう少し早く神谷を入れたかった。

■referee
笠原寛貴 5.5 コンタクトプレーに厳しかったものの、悪くはなかった。

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