2015/09/27

150926新潟1-2川崎(J1 #29)

新潟1-2川崎(デンカビッグスワンスタジアム, 19:00KO, 22,573人)

前節名古屋戦(J1 #28)で6点取って大勝し、2連勝で迎える新潟戦。
谷口や小林の体調不良が報道されていたが、甲府戦(J1 #27)から3試合連続で同じ先発。
ベンチは名古屋戦から船山が外れて、車屋が入った。

大島はJ22選抜に招集され、23日の町田戦(J3 #30)に出場。
出場は前半のみだったが、中2日となる。
高卒5年目の大島は、J3で初出場。
オリンピック代表の強化のためとはいえ、J1で91試合出場しているので、微妙な選出。
高卒1年目の三好と板倉が何度か選ばれているが、J22選抜は彼らのためのものにすべき。

新潟とは4月のホームゲーム(J1 #4)で、杉本、レナト、そして大久保の2ゴールで4-1で勝利。
2月には、等々力の新メインスタンド竣工直前にテストマッチ(TM #1, TM #2)も行った。
昨年のアウェイは3-0(2014 J1 #27)。いいところなく敗れている。

■1st half
川崎は手数をかけすぎない早い攻撃を見せる。
ボールを失っても、プレスバックを仕掛け新潟に蹴らせてボールを回収する。

しかし、6分。
DF前野貴徳(5)から左サイドのMF山本康裕(23)に出されたロングボール。
マークしていた武岡が、ドリブルする山本を離してしまいミドルを打たれる。
小宮山に当たってコースが変わってゴール。
決定的な場面ではなかったが、早い時間に失点する。

その後も新潟の攻撃はロングボール中心。
FW指宿洋史(11)がトラップから何度かいいシュートを放った。
攻撃に人数をかけずに、守りではパスコースを消してくる。
起点となる谷口をマークして、2枚のボランチもしっかりマークする。

川崎はボールはつながるものの、シュートチャンスが作れない。
MFレオ・シルバ(8)の素晴らしい守備にも苦しむ。

ただ、20分過ぎから新潟のマークが徐々に遅れてくる。
最終ラインからパスがつながり、ペナルティエリアに近づけるようになる。

■2nd half
後半、さらに川崎は圧力を強めていく。
ただ、左サイドからの攻撃が抑えられて、いい形が作れない。
新潟も守備に頑張って、なんとか破綻するのを食い止める。

63分、小林が最終ラインの裏に走り出す。
中村から出された強いパスを美しくトラップして、GKとの1対1をループで制して同点。
新潟は完全に小林にマークを剥がされ、中村もフリーにしていた。
斜めから見ていると、小林はオフサイドにも見えた。
スカパーでも横からの映像がなかったが、前野が残っていたのかもしれない。

同点とされてから、新潟のプレスが目に見えて緩くなる。
74分、バイタルでボールを持った大島からエウシーニョにスルーパス。
エウシーニョが中央の小林に折り返して、ダイレクトでゴール。
流れるような攻撃で、完全に崩し切った。

リードされてから、新潟が再びプレスをかけてくる。
川崎のボールのつなぎが乱れ、最後は指宿を目掛けたパワープレイ。
90+1分の山本のシュートなど、危ない場面も作られるが、なんとか逃げ切った。

■summary
新潟の川崎対策に手を焼いたが、勝ち切った。
シュートまで持ち込めない時間が続いたが、小林の個人技で同点する。
続いてパスワークから逆転に成功した。

9月は天皇杯を含めて4戦4勝。
4戦1分3敗だった8月とは対照的な戦績。
低調な8月であれば勝てなかったと思うが、しっかりと押し切った。

J1リーグは残り5試合。
年間3位まで勝ち点6差の5位に付けている。
足踏みすることが多いシーズンだが、ケガ人が少ない今は上を目指したい。

新潟は、柳下正明監督の独特さがよく出ている。
イエローをもらったMF平松宗(34)を前半39分に交代させるなど、厳しい采配。
守ってロングボールという戦術で、勝ち点を得る可能性は少なくなかった。
レオ・シルバはいつものように素晴らしく、プレーも態度も見るべき価値があった。

■goal
6山本康裕(23)
63,74小林悠(11)

■judge
新井章太(30) 6.0 プレー機会は少なかったが、適確なリスタートでリズムを作った。
武岡優斗(17) 5.5 失点シーンでは粘れなかった。指宿とのマッチアップは抑えきった。
谷口彰悟(5) 6.5 ロングボールを遮断し、味方にボールをつなげた。パスは少なかった。
小宮山尊信(8) 6.0 守備に比重をかけて攻撃は抑え気味。左サイドの攻撃が停滞した。
大島僚太(16) 6.0 2点目につながるスルーパス。横パスや1対1の守備でミスが出ていた。
中村憲剛(14) 6.5 左足の強いパスで1点目をアシスト。守りでは前まで追いかけすぎた。
エウシーニョ(18) 6.5 上下動を繰り返し、中盤にアクセントを付ける。2点目をアシスト。
中野嘉大(22) 5.5 小宮山のフォローが少なく左サイドで孤立。パスを受けられなかった。
小林悠(11) 7.5 1点目は抜け出し、トラップ、シュートと個人技が詰まった美しいゴール。
大久保嘉人(13) 5.5 シュートを打てなかった。ファウルのアピールも効果が少なかった。
田坂祐介(35) 6.0 低い位置でボールに触っていた。前線ではボールを失うことが多かった。

■sub
63(22)杉本健勇(9) 5.5 65分、いいタイミングでミドル。ただ、浮かせてしまった。
86(11)井川祐輔(4) 6.0 パワープレイに対応する。しっかりとゲームを終わらせた。
90+3(35)車屋紳太郎(20) 5.5 時間が短く、相手ボールを追っただけとなった。

■bench
西部洋平(21) 山本真希(6) マイア(10) 森谷賢太郎(19) 

■coach
風間八宏 6.5 先制される展開でも我慢して打開した。交代枠を3つとも使った。

■referee
扇谷健司 6.5 判定にブレが見られず、ゲームをうまくコントロールした。

2015/09/20

150919川崎6-1名古屋(J1 #28)

川崎6-1名古屋(等々力, 19:00KO, 20,238人)

甲府戦(J1 #27)でJ1リーグ3連敗を止めて中6日の名古屋戦。

先発は甲府戦とまったく同じ。
機能しなかった中野も引き続き先発する。

名古屋とは、3月に等々力で負け(YNC GL #1)5月に豊田で勝っている(J1 #11)
3月の負けは痛く、結果的にナビスコで川崎は予選敗退し、名古屋は勝ち進んだ。
その名古屋は、ナビスコの準々決勝で、ガンバ大阪にPK戦で負けてしまった。
天皇杯でも2回戦でJ3の町田に負けていて、J1リーグでも連敗中。

■1st half
立ち上がりから川崎がペースを握る。
名古屋は引きながら最終ラインを固めてくる。
ただ、中盤のマークが緩く、大島と中村を捕まえられない。
川崎はボランチからFWに向かって縦に早い攻撃を仕掛けた。
12分、大久保が決定的なヘディングシュートを外すなど、ゴールは決まらないが、いい攻撃を続ける。

名古屋はカウンター主体の戦術だった。
守りに人数を割いているので、前線は個人の能力頼み。
FW川又堅碁(32)は活かせておらず、FW永井謙佑(11)のスピードだけが勝負どころ。
いい形を作れたのは20分すぎからの10分間程度。
22分のループシュート、24分のクロスなど、永井が孤軍奮闘する。

30分を過ぎると、再び川崎の時間となった。
35分、中村のクロスからのクリアボールを、小林がPA内で拾う。
マークに来たMF小川佳純(10)をフェイントで置き去りにしてゴール。
トラップからシュートまで美しい流れで、個人の力で局面を打開した。

名古屋の最終ラインは前半から疲弊してしまい、素早くマークできない。
43分には田坂、45分には大久保にバイタルからのミドルを連続で決められる。
どちらもきれいなゴールだったが、名古屋は寄せていなかった。

■2nd half
3点差となって、後半開始から名古屋は2人を交代する。
投入されたFW野田隆之介(9)は機能したが、川又を残したのは疑問。
前半に引き続き、プレスを効かることはできなかった。

川崎が面白いようにボールを回していく。
57分、大久保から田坂へのスルーパスが通る。
田坂からゴール前のエウシーニョにラストパスが供給されて4点目。

67分、今度は田坂から中野へのスルーパス。
中野がゴール前の大久保にラストパスを出して5点目。
前半の3点は個人技だったが、4点目、5点目は多くのパスで崩し切ってのゴール。

永井がケガで退場し、10人となった名古屋に1点を返される。
大島とエウシーニョがお見合いしてクリアできずに失点。
5点差だったので結果に影響はなかったが、集中力を切らしてしまった。

ロスタイム、カウンターから大久保が6点目を決め、ハットトリック。
杉本と大久保が抜け出して、DF牟田雄祐(3)だけが残る2対1の状況。
追走するべきDF竹内彬(2)は、ゆっくり戻るだけだった。
疲れているのは分かるが、せめて全力で走ってもらいたい。

■summary
名古屋は体力を温存する戦術だったが、中盤のマークが緩すぎた。
前線からチェックに行かなかったので、この結果は当然といえる。

降格圏は遠いものの、ケガ人が多く、苦しい状況。
攻撃も単発で厚みなく、守備も崩壊させられた。
後半途中で諦めて、気力も見せることなくやられ続けた。


川崎は田坂と小林の復帰が大きく、それぞれの個の力が融合した。
面白い攻撃が続き、これ以上ない内容で、これ以上ない結果となった。
この内容を続けることができれば、タイトルは確実に獲れる。
ただ、これを続けることができないのがこれまでの川崎。
失点シーンの集中力の欠如など、課題が残っている。

■goal
35小林悠(11) 43田坂祐介(35) 45,67,90+3大久保嘉人(13) 57エウシーニョ(18)
75田中マルクス闘莉王(4)

■judge
新井章太(30) 6.0 プレー機会は少なかった。リスタートのボール供給が安定していた。
武岡優斗(17) 6.5 永井のスピードに苦戦しながら守った。攻め上がりは抑え気味。
谷口彰悟(5) 7.0 ハイボールで川又に競り勝ち、安全に処理した。パス出しも良好。
小宮山尊信(8) 6.5 守備で安定していた。タイミング良く上がることで中野をサポート。
大島僚太(16) 7.0 ゴールに向かう意識が強く、ドリブル、パスも早くて積極的だった。
中村憲剛(14) 7.0 パスの技術が光った。前に出ていく必要もなく、スペースを埋める。
エウシーニョ(18) 6.5 4点目を決める。ボランチをサポートしながら前線にも顔を出す。
中野嘉大(22) 6.5 サイドや中央でドリブルを仕掛ける。大久保の2点目をアシスト。
小林悠(11) 7.5 素晴らしい個人技で先制ゴールを決める。良い状態に戻してきた。
大久保嘉人(13) 8.0 3ゴール。12分に決定機を外すが、高い技術で次々にゴールを奪う。
田坂祐介(35) 7.0 落ちてきて受けるポストプレーが的確だった。ゴールも美しかった。

■sub
65(11)杉本健勇(9) 6.5 4点差となってはいたが、好調さを見せた。最後にアシスト。
77(35)マイア(10) 5.5 CKを担当する。チームと連動するにはまだ時間が必要。
90+1(22)山本真希(6) 5.5 名古屋がやる気を失っていたが、ゲームをクローズ。

■bench
西部洋平(21) 井川祐輔(4) 森谷賢太郎(19) 船山貴之(15)

■coach
風間八宏 7.0 采配を振るう必要もない展開。交代枠もきっちり使い切る。

■referee
吉田寿光 7.0 ファウルの判断が的確。両チームに偏りのないジャッジだった。

2015/09/13

150912甲府1-3川崎(J1 #27)

甲府1-3川崎(山梨中銀スタジアム, 18:30KO, 11,069人)

3連敗のあと、代表ウィークによる2週間の中断を挟んでJ1リーグ再開。
この間、松江シティとの天皇杯2回戦(天皇杯 R64)で、1か月ぶりに勝利した。

甲府も天皇杯2回戦で、順天堂大学に3-2と勝っている。
ただ、順天堂大学のつなぐスタイルに押される時間帯もあった。

山梨中銀スタジアムは、風があって気温も低く、よい気象条件。
バックスタンドに座ったが、指定席も含めベンチシート。
席として割り当てられる間隔が狭く、隣の人との距離が近い。

川崎の先発は、天皇杯2回戦から森谷が外れて中野が入った。
このところ途中出場でピッチに立っていた中野はプロ初先発。

■1st half
川崎がやや攻勢で始まった3分。
エウシーニョのパスを受けた大久保が、PA手前からミドル。
わずかに左に外れたが、よいタイミングのシュートだった。

川崎は中央での縦パスを中心に攻め込む。
前に展開するタイミングが速く、PA内にも何度も入っていく。
エウシーニョや田坂がクサビとなって、パスがつながる。

甲府は5バック4ボランチのような形でブロックを築く。
ただ、中村、大島へのマークが甘く、バイタルにパスを入れられる。
攻撃はFWバレー(10)へのロングフィードが中心。

12分、右サイドで小林がフェイントしてターン。
DF阿部翔平(27)を抜いて、PAに右からドリブルで侵入してクロス。
GK河田晃兵(21)の手前に入った大久保が蹴り込み、先制点を上げる。

18分、甲府がすぐに同点に追いつく。
バレーのポストプレーから、PA内でFW阿部拓馬(9)がドリブル。
追いかける武岡が足を伸ばし、ボールに触れずに阿部拓馬を倒してPK。
阿部拓馬は単独だったので、焦ってクリアしなくてもよかっただけに残念。
このPKをバレーが決める。

その後、川崎は引き続き中央を使ったパスで攻撃し、甲府はカウンターを仕掛ける。
バレーはポストプレーの成功率が高く、谷口が抑え切れない。
谷口はバレーに手で倒されても笛がなく、難しい対応となっていた。

■2nd half
後半はエウシーニョをSBに下げて4バックとする。
谷口と武岡がCBとなって、守備のバランスが改善される。
中野も下がりすぎることがなくなって、ドリブルする機会が増える。
甲府は引き続きカウンター主体で、バレーと阿部拓馬だけの攻撃。

64分、小林が中央で倒されてFKを得る。
ノーファウルのように見え、甲府にとって厳しい判定。
中村が助走なしでゆっくりしたボールをPA内左に入れる。
谷口が中に折り返し、田坂が倒れながらボールをゴールに入れた。
笛が鳴っていたのにもかかわらず、甲府の選手は中村に虚を突かれ動けなかった。

リードしてから中野に代えて杉本を投入。
甲府は攻勢を強めるが、ボールを奪うと前線の杉本がボールをキープ。
いつもは防戦になると最終ラインがゴール前に張り付いてしまうが、杉本が作った時間で、全体を押し上げることに成功した。

最後に90分。PA内左ゴールライン際から、小林がマイナスのクロス。
走りこんできた杉本がゴールに蹴り込んで3点目。
ロスタイムは4分。危なげなくゲームを終えた。

■summary
甲府は守りを厚くして個人でカウンターを仕掛けた。
バレーのポストプレーが冴えて、チャンスは作ったが、迫力は少なかった。

川崎は左サイドの守りに弱さが見えたが、攻撃は良かった。
田坂、小林が復帰してボールの受け手が増え、大島が前に向かってパスを供給できるようになった。
トラップの技術が高く、いい時間帯にはしっかり攻撃できた。
後半、パスミスが散見されるようになったことは、もったいなかった。

中野は初先発となったが、貢献できなかった。
下がって守ると攻撃に絡めず、攻め上がると逆に空いたスペースを突かれた。
左CBの小宮山がカバーするエリアが広くなり、その結果、谷口にも負担がかかった。
ドリブルで仕掛けられず、いいところが少なかった。

ベンチメンバーが豪華となって、少しずつよい方向に向かっている。
船山ですら、与えられるチャンスが少なくなった。

甲府のサポーターが足早に去ったバックスタンド。
見渡す限り、どこにもゴミが置かれていなかった。
野次が多く、苦い思いで観戦していたが、試合後の美しいスタンドは素晴らしかった。

■goal
18PKバレー(10)
12大久保嘉人(13) 66田坂祐介(35) 90杉本健勇(9)

■judge
新井章太(30) 6.0 プレー機会は少な目。45分、MFマルキーニョス・パラナ(6)のシュートを止めた。
武岡優斗(17) 5.5 PKを不用意に与えてしまう。不安定だったが、徐々に持ち直した。
谷口彰悟(5) 7.0 ファウル判定が厳しく苦戦しながら、バレーとのマッチアップで孤軍奮闘。
小宮山尊信(8) 6.0 CBではポジションが今ひとつ。後半はSBに入ってバランスを保った。
大島僚太(16) 6.5 ドリブルやミドルも積極的だった。前への縦パスも怖れずに供給した。
中村憲剛(14) 6.5 ポジションを空けがちだったが、2点目につながるFKなど攻撃はさすが。
エウシーニョ(18) 6.5 トラップとドリブルで中盤に起点を作った。後半はSBに入る。
中野嘉大(22) 5.0 ドリブルが不発。守りに追われて中途半端なポジションとなった。
小林悠(11) 7.0 2アシスト。キレのある動きが戻ってきた。71分、GKと1対1となる。
大久保嘉人(13) 6.5 3分のミドルなど、良いシュートを放つ。12分にワンタッチゴール。
田坂祐介(35) 6.5 ボールを受けてパスを出す。1ゴール。34分、ボールを失ってイエロー。

■sub
65(22)杉本健勇(9) 6.5 ロングボールを収めて味方を助けた。久しぶりの1ゴール。
84(18)井川祐輔(4) 6.0 終盤に投入されて、最終ラインを固める。安定感を見せた。
90+3(11)森谷賢太郎(19) 5.5 時間は少なかったが、走って相手をタイトにマークした。

■bench
西部洋平(21) 橋本晃司(7) マイア(10) 船山貴之(15)

■coach
風間八宏 6.5 前半、左サイドから崩されていたが、後半は4バックにして修正した。

■referee
西村雄一 5.5 PKは妥当。ただ、谷口がファウルをもらえず、また64分の小林へのファウル判定など、微妙な判定が見られた。

2015/09/06

150905川崎3-0松江(天皇杯 R64)

川崎3-0松江(等々力, 19:00KO, 4,505人)

J1リーグは8月に4試合あったが、1分3敗。
7月29日の松本戦(J1 #22)以来、勝利から遠ざかっている。

今年の天皇杯は2回戦から出場。
5部相当の地域リーグ・中国リーグ所属の松江シティFCとの対戦。
2011年に米子北高校から川崎に加入したFW谷尾昂也(9)が所属している。

前節鹿島戦(J1 #26)から次節甲府戦(J1 #27)まで1週間ずつ空いている。
今年はACLもなく、ナビスコカップも予選リーグで終わり、日程には余裕がある。

鹿島戦からは、新井、井川、車屋、山本、マイア、杉本が外れる。
代わりに西部、武岡、小宮山、森谷、小林、田坂が先発する。
大幅に変わっているが、西部、田坂はケガからの復帰。
小林も鹿島戦では交代出場だったが、先発に復帰。
天皇杯2回戦だが、鹿島戦よりも豪華なメンバーとなった。

■1st half
松江は統制がとれた守り。
最終ラインを固め、全体で連動してプレスをかける。
ただ、攻撃は前に大きく蹴るだけ。すぐにボールを渡してしまう。

川崎は長い時間、ボールを持つが、PA内に入ることは少ない。
サイドにボールを展開して、高い位置まで運ぶ。
しかしスピードがないので、松江の守備ブロックを崩すことができなかった。

24分、小宮山が上がって、中央にボールを持ち込んで中村へ。
バイタルでフリーの大島にパスが入り、PA手前からミドルシュートを決めた。
大島は今シーズン公式戦初ゴール。
いつも吹かしたり、うまく当たらないが、コースを突いたよいシュートだった。

さらに37分。中村がFKをPA内に入れる。
クリアボールをトラップした小林がシュート。
GK船川航司朗(21)が止めたが、こぼれ球をエウシーニョがジャンピングボレー。
再び船川はボールに触ったが、ゴールに入った。

■2nd half
後半開始から、森谷に代わって中野が入る。

46分、谷尾がアウトサイドでトラップして、谷口を抜いてPA内に侵入。
谷口が後ろから手をかけて谷尾を倒すが、ファウルはなし。
完全に抜け出してGKと1対1だったので、PKが妥当だったように思える。

53分にもクロスを谷尾がヘッドでシュート。
わずかにバーを超えるが、松江は前半と違い、組み立てながらゴールに迫る。

55分、中野のドリブルから田坂がスルーパス。
完全に抜け出した小林のシュートをGK船川が弾くが、こぼれ球を大久保が3点目。
2点目に続き、船川はビッグセーブを見せたが、弾いたボールを同じように決められた。

この後、川崎の前線と中盤の距離が開き、松江がチャンスを作る。
松江のバランスの良いプレスにボールを失って、カウンターを浴びた。
守備でも選手同士の距離が遠く、難しい時間帯となる。
20分にアーリークロスからの谷尾のヘッドなど、危ないところもあった。

川崎にもたくさんの決定機が訪れるが、追加点は決まらなかった。

■summary
松江は正々堂々と立ち向かって、クオリティを示した。
個の力の差が大きく、3失点したものの、悪くはなかったと思う。
失点しない時間をもっと長く続けることができていれば、チャンスはあった。
去年のYSCC横浜(2014 天皇杯R64)戦のように、カテゴリーが違うチームとの対戦は楽しい。


試合後、インタビューを受ける谷尾昂也(9)。

川崎は後半の守りの失速が惜しいところ。
攻め続けてゴールは生まれたが、J1リーグでは停滞しそうな内容。
ただ、1か月ぶりに勝利した結果は良かった。
内容的にも田坂、小林が復帰して、前線の崩しに厚みが出た。

■goal
24大島僚太(16) 37エウシーニョ(18) 55大久保嘉人(13)

■judge
西部洋平(21) 6.0 5月2日のFC東京戦(J1 #9)以来の復帰。65分、DF砂川太志(20)のシュートを止める。
武岡優斗(17) 6.0 ハイボール、対人とも守備ではきっちり対処した。攻撃参加は今ひとつ。
谷口彰悟(5) 6.5 危なげなく守っていた。ボランチに早くパスを付けていた。
小宮山尊信(8) 6.5 バランス良くボールを呼び込んだ。守りもタイトにマークする。
大島僚太(16) 7.0 24分、ミドルシュートを決める。その後はパスも積極的に前に出した。
中村憲剛(14) 6.0 攻撃の中心だが、守りでは最前線まで追いかけてバランスを崩した。
エウシーニョ(18) 6.5 2点目は難しいボレーを決める。サイド攻撃もまずまずだった。
森谷賢太郎(19) 6.0 左サイドで田坂と組んで効いていた。前半のみで交代した。
小林悠(11) 6.5 オフサイドラインで駆け引き。2点目、3点目を生み出した。
大久保嘉人(13) 6.5 前半は下がり気味。後半1ゴールを含め、多くのチャンスに絡む。
田坂祐介(35) 6.5 復帰戦。前後に動いてパスコースを作る。後半、立て続けに決定機。

■sub
HT(19)中野嘉大(22) 6.0 51分にミドルシュート。左サイドに開いて、ドリブルを仕掛ける。
60(11)船山貴之(15) 5.5 チャンスはあったが、ゴールは決まらなかった。
83(35)マイア(10) 5.5 ドリブルを仕掛けたが効果的ではなかった。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 山本真希(6) 杉本健勇(9)

■coach
風間八宏 6.5 結果をしっかり出した。交代枠を適切に使い切った。

■referee
高山啓義 6.0 流し気味で良い判定。谷口が谷尾を倒したシーンはPKでも良かったか。