新潟1-2川崎(デンカビッグスワンスタジアム, 19:00KO, 22,573人)
前節名古屋戦(J1 #28)で6点取って大勝し、2連勝で迎える新潟戦。
谷口や小林の体調不良が報道されていたが、甲府戦(J1 #27)から3試合連続で同じ先発。
ベンチは名古屋戦から船山が外れて、車屋が入った。
大島はJ22選抜に招集され、23日の町田戦(J3 #30)に出場。
出場は前半のみだったが、中2日となる。
高卒5年目の大島は、J3で初出場。
オリンピック代表の強化のためとはいえ、J1で91試合出場しているので、微妙な選出。
高卒1年目の三好と板倉が何度か選ばれているが、J22選抜は彼らのためのものにすべき。
新潟とは4月のホームゲーム(J1 #4)で、杉本、レナト、そして大久保の2ゴールで4-1で勝利。
2月には、等々力の新メインスタンド竣工直前にテストマッチ(TM #1, TM #2)も行った。
昨年のアウェイは3-0(2014 J1 #27)。いいところなく敗れている。
■1st half
川崎は手数をかけすぎない早い攻撃を見せる。
ボールを失っても、プレスバックを仕掛け新潟に蹴らせてボールを回収する。
しかし、6分。
DF前野貴徳(5)から左サイドのMF山本康裕(23)に出されたロングボール。
マークしていた武岡が、ドリブルする山本を離してしまいミドルを打たれる。
小宮山に当たってコースが変わってゴール。
決定的な場面ではなかったが、早い時間に失点する。
その後も新潟の攻撃はロングボール中心。
FW指宿洋史(11)がトラップから何度かいいシュートを放った。
攻撃に人数をかけずに、守りではパスコースを消してくる。
起点となる谷口をマークして、2枚のボランチもしっかりマークする。
川崎はボールはつながるものの、シュートチャンスが作れない。
MFレオ・シルバ(8)の素晴らしい守備にも苦しむ。
ただ、20分過ぎから新潟のマークが徐々に遅れてくる。
最終ラインからパスがつながり、ペナルティエリアに近づけるようになる。
■2nd half
後半、さらに川崎は圧力を強めていく。
ただ、左サイドからの攻撃が抑えられて、いい形が作れない。
新潟も守備に頑張って、なんとか破綻するのを食い止める。
63分、小林が最終ラインの裏に走り出す。
中村から出された強いパスを美しくトラップして、GKとの1対1をループで制して同点。
新潟は完全に小林にマークを剥がされ、中村もフリーにしていた。
斜めから見ていると、小林はオフサイドにも見えた。
スカパーでも横からの映像がなかったが、前野が残っていたのかもしれない。
同点とされてから、新潟のプレスが目に見えて緩くなる。
74分、バイタルでボールを持った大島からエウシーニョにスルーパス。
エウシーニョが中央の小林に折り返して、ダイレクトでゴール。
流れるような攻撃で、完全に崩し切った。
リードされてから、新潟が再びプレスをかけてくる。
川崎のボールのつなぎが乱れ、最後は指宿を目掛けたパワープレイ。
90+1分の山本のシュートなど、危ない場面も作られるが、なんとか逃げ切った。
■summary
新潟の川崎対策に手を焼いたが、勝ち切った。
シュートまで持ち込めない時間が続いたが、小林の個人技で同点する。
続いてパスワークから逆転に成功した。
9月は天皇杯を含めて4戦4勝。
4戦1分3敗だった8月とは対照的な戦績。
低調な8月であれば勝てなかったと思うが、しっかりと押し切った。
J1リーグは残り5試合。
年間3位まで勝ち点6差の5位に付けている。
足踏みすることが多いシーズンだが、ケガ人が少ない今は上を目指したい。
新潟は、柳下正明監督の独特さがよく出ている。
イエローをもらったMF平松宗(34)を前半39分に交代させるなど、厳しい采配。
守ってロングボールという戦術で、勝ち点を得る可能性は少なくなかった。
レオ・シルバはいつものように素晴らしく、プレーも態度も見るべき価値があった。
■goal
6山本康裕(23)
63,74小林悠(11)
■judge
新井章太(30) 6.0 プレー機会は少なかったが、適確なリスタートでリズムを作った。
武岡優斗(17) 5.5 失点シーンでは粘れなかった。指宿とのマッチアップは抑えきった。
谷口彰悟(5) 6.5 ロングボールを遮断し、味方にボールをつなげた。パスは少なかった。
小宮山尊信(8) 6.0 守備に比重をかけて攻撃は抑え気味。左サイドの攻撃が停滞した。
大島僚太(16) 6.0 2点目につながるスルーパス。横パスや1対1の守備でミスが出ていた。
中村憲剛(14) 6.5 左足の強いパスで1点目をアシスト。守りでは前まで追いかけすぎた。
エウシーニョ(18) 6.5 上下動を繰り返し、中盤にアクセントを付ける。2点目をアシスト。
中野嘉大(22) 5.5 小宮山のフォローが少なく左サイドで孤立。パスを受けられなかった。
小林悠(11) 7.5 1点目は抜け出し、トラップ、シュートと個人技が詰まった美しいゴール。
大久保嘉人(13) 5.5 シュートを打てなかった。ファウルのアピールも効果が少なかった。
田坂祐介(35) 6.0 低い位置でボールに触っていた。前線ではボールを失うことが多かった。
■sub
63(22)杉本健勇(9) 5.5 65分、いいタイミングでミドル。ただ、浮かせてしまった。
86(11)井川祐輔(4) 6.0 パワープレイに対応する。しっかりとゲームを終わらせた。
90+3(35)車屋紳太郎(20) 5.5 時間が短く、相手ボールを追っただけとなった。
■bench
西部洋平(21) 山本真希(6) マイア(10) 森谷賢太郎(19)
■coach
風間八宏 6.5 先制される展開でも我慢して打開した。交代枠を3つとも使った。
■referee
扇谷健司 6.5 判定にブレが見られず、ゲームをうまくコントロールした。