2019/08/26

190824川崎2-2清水(J1 #24)

川崎2-2清水(等々力, 19:00KO, 24,398人)

仙台戦(J1 #23)のドローから中6日。
天皇杯を含め3試合アウェイが続き、等々力は松本戦(J1 #21)以来3週間ぶり。


先発は、仙台戦から5人が変わる。
新たに出場停止明けの谷口とジェジエウ、そして守田、齋藤学、ダミアンが先発する。
先発を外れた登里、家長、田中碧はベンチ外、山村、小林はベンチスタート。


清水は、J1リーグで8勝4分11敗、14位。
アウェイでの対戦(J1 #11)は、0-4で川崎が勝った。

■1st half
スタートは清水が押し込んでいく。
3分、右クロスを松原后(25)がヘッド、続けて右足でシュート。
2本ともに至近距離だったが、GKソンリョンが防いだ。

10分あたりから、川崎が清水のプレスをかわし、縦に攻める。
14分、マギーニョのスルーパスで、PA右側に走り込んだ齋藤学がクロス。
ゴール前で待ち構えるダミアンが、力強く合わせて先制する。

先制後も川崎のペースが続く。
18、23分に齋藤学がシュート、21分にはマギーニョがGKと1対1となった。

清水はFWドウグラス(49)の強さを生かすが、チャンスは少ない。
それでも30分、ドウグラスが下田に倒されて得たFK。
ドウグラスはゴール右側を狙い、GKソンリョンのパンチが弱くなって同点となった。

32分、齋藤学がタックルを仕掛けて右足を負傷する。
(右膝内側側副靭帯損傷で全治6~8週間程度と8月30日に発表。)
アクシデントから、長谷川を投入することとなった。

■2nd half
後半も川崎が圧倒的に押し込んでいく。
左サイドにスペースを作り、車屋、長谷川、下田が絡んでいく。
中央では守田がドリブルで誘いながら縦にパスを入れた。
ダミアンもハイボールに強さを見せ、58分にはヒールリフト。

しかし、65分、谷口から守田への縦パスが弱く、奪われてカウンター。
ワンツーで抜け出したヘナト・アウグスト(22)が逆転ゴールを決めた。
ソンリョンが触ってポストに当てるが、戻ったボールをジェジエウが避けられず押し込んだ。

シンプルな失点を喫してしまっても、引き続き攻めていく。
69分に馬渡、78分に小林を投入した直後の79分。
中村の縦パスを馬渡が受け、さらに小林へスルーパス。
最初のボールタッチとなった小林が、難しいゴールを決めた。

■summary
清水は前半、高い最終ラインの背後を川崎に突かれた。
連動したプレスの囲みを突破されてしまい、スルーパスを狙われた。
後半は、自陣深く引いて守ることを選択し、シュートを許さない。
11本ものCKを川崎に与えたが、ことごとく高さで跳ね返した。

ドウグラスのFKと、ヘナト・アウグストのカウンターで2得点。
攻撃のチャンスは少なかったが、それをゴールに結びつけた。
勝ち点を得たのは悪くない結果といえる。


 2019川崎の車窓から。
  ~東急グループフェスタ~。
 選手紹介「熊本線直通 センセイ7号」。

川崎は、J1リーグで広島戦(J1 #16)からの5試合で3分2敗。
結果は出ていないが、内容はようやく上向いてきた。

立ち止まったまま、無難なパスを続けることが減った。
守備側が予測していないパスコースを突き、フリーランも増える。
マギーニョの効果で右サイドが活性化したことも大きい。
ドローは残念だが、今後に向けて評価できる内容だった。

次は中6日でC大阪戦(J1 #25)。
首位FC東京とは勝ち点8差で残り10試合。
厳しい状況だが、勝ち点を積み重ねていきたい。

■goal
14ダミアン(9) 79小林悠(11)
30ドウグラス(49) 65ヘナト・アウグスト(22)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 1失点目はパンチミス。3分の決定機を防ぎ、2失点目も止めてはいた。
マギーニョ(26) 6.0 スペースを使って攻め上がった。21分、独走してのシュートを外す。
ジェジエウ(4) 6.0 ドウグラスを谷口と挟み込んで封じた。90+7分にはCKをヘッド。
谷口彰悟(5) 4.5 65分、パスミスから失点を招く。1分、67分にもフリーの状況でミス。
車屋紳太郎(7) 5.5 クロスを何度も上げたが、精度を欠いた。7分、ドリブルで仕掛ける。
下田北斗(22) 6.0 ロングボールと縦パスを織り交ぜる。セットプレーは味方に合わず。
守田英正(6) 5.5 細かいタッチでパスコースを作った。51分、マギーニョとのワンツー。
齋藤学(19) 6.5 12分、18分、23分とシュートを狙う。14分にアシスト。残念な負傷交代。
中村憲剛(14) 6.0 18分、齋藤学にスルーパス。ボランチに下がるとロングボールを狙う。
阿部浩之(8) 6.0 42分、54分、90+4分とシュート。素早い判断で攻撃を組み立てた。
ダミアン(9) 6.0 1ゴール。12分、78分とヘッド。ドリブルやヒールリフトでも魅せた。

■sub
35(19)長谷川竜也(16) 6.0 40分、48分、50分と左から切れ込んでシュートを放った。
69(26)馬渡和彰(17) 6.0 スルーパスで1アシスト。73分、トラップが大きく奪われる。 
78(6)小林悠(11) 6.0 短い時間で素晴らしいゴールを決めた。89分、中央でポストプレー。

■bench
新井章太(21) 山村和也(34) 脇坂泰斗(28) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.0 結果は出せなかったが、少しずつ良い内容に戻ってきた。

■referee
荒木友輔 5.5 激しい接触があっても流しすぎ。適切にファウルをとりたい。

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2019/08/18

190817仙台2-2川崎(J1 #23)

仙台2-2川崎(ユアテックスタジアム仙台, 19:00KO, 17,860人)

水曜日の岡山戦(天皇杯 R32)から中2日。
 暑い日中から少しだけ涼しくなったユアテックスタジアム。
 名古屋戦(J1 #22)からのアウェイ3連戦の最後の試合となる。


先発は、名古屋戦から3人が変わる。
 新たにマギーニョ、下田、家長が先発する。
 脇坂がベンチスタートとなり、谷口とジェジエウはいずれも出場停止。
 そのため、CBは山村と車屋が組むこととなった。

大きくターンオーバーした岡山戦から見ると、9人が変更。
 連続して先発するのは下田と家長で、ともに120分プレーしている。


仙台は、J1リーグ14位。
 等々力での対戦(J1 #10)は川崎が3-1で勝っている。

■1st half
2分、ハイボールの競り合いで、家長が関口訓充(7)と接触する。
 家長の肘が当たって、関口は金正也(39)と交代することとなった。

15分、中村の右クロスを田中碧がヘッド。
 このあたりから、山村と車屋のCBと、周囲の関係性が整理され、ボールを握る。
 田中碧と下田へのプレスが弱く、多くのパスコースがある中から前を狙った。

右サイドからの攻撃も機能していた。
 家長がポイントを作り、衛星的にマギーニョが動き、中村も絡んだ。

23分、中村の横パスを田中碧が受けてPA内の阿部へラストパス。
 阿部がGKヤクブ・スウォビィク(24)の右下を抜いて先制ゴール。

30分すぎからは、左サイドも使っていった。
 長くボールを持って、仙台を深く押し込んで攻撃を続けた。

■2nd half
後半は、仙台の長沢駿(39)が躍動する。
 54分、縦のロングボールを単独で追い、山村と競り合いながら同点ゴール。
 さらに64分、CBの金正也が、田中碧をドリブルで抜き去ってスルーパス。
 長沢が最終ラインの裏に抜け出して、ワンタッチゴールを決めた。

72分にも長沢はロングボールで抜け出し、車屋に手で止められる。
 さらに82分、右CKに合わせて打点の高いヘッドを放った。

仙台は守備が改善されて、川崎のボランチに余裕を与えない。
 川崎は運動量が落ちたこともあり、仙台のプレスの逆を突けなくなった。

川崎は69分に長谷川、75分に齋藤学を投入してサイドから仕掛ける。
 79分、マギーニョの右クロスを長谷川がヘッドで決めて、同点となった。

■summary
仙台は押し込まれながらもロングボールに活路を見出した。
 長沢が素晴らしい活躍を見せ、勝ち点を得ることができた。

前半はプレスが緩く、川崎のボランチを自由にしてしまう。
 ただ、攻め込まれても決定機は多く許さず、1失点にとどめた。

後半になると、FWが深く下がって守ることで川崎のパスコースを消す。
 川崎の最終ラインを高く引きだして、大きなスペースを確保する。
 ボールを奪うと、ロングボールでスペースを使ってカウンターを仕掛けた。


川崎は急造のCBが長沢を止めることができなかった。
 ラインを高く上げていても、オフサイドを取ることができない。
 背後に走り込まれ、山村と車屋が2人で長沢を挟んでいても、ゴールに迫られた。

攻撃では、マギーニョが常に高い位置に進出。
 家長、中村とのコンビで右サイドを崩すことができた。
 そのおかげで、今シーズン左に偏りがちだった攻撃のバランスが改善した。
 右を意識させながら、中央からも左からも有効に攻めることができた。

勝ち点1は内容的にも妥当な結果といえる。
 ボール保持は長かったが、仙台の守備ブロックを崩せず、決定機は少なかった。

次は中6日でホーム清水戦(J1 #24)。
 休養をしっかり取り、良い内容を取り戻したい。

■goal
54,65長沢駿(39)
23阿部浩之(8) 79長谷川竜也(16) 

■judge
ソンリョン(1) 5.0 1点目は飛び出さず待ってしまった。88分、長沢のヘッドをキャッチ。
マギーニョ(26) 6.0 常に高く張った。ボールが来ないときは動き直したい。1アシスト。
山村和也(34) 5.0 54分、長沢へのロングボールを止められず失点。パスの起点となる。
車屋紳太郎(7) 5.0 長沢をファウル気味に止める。72分、イエロー。ラインを押し上げた。
登里享平(2) 5.5 19分、85分とクロス。ボールを落ち着かせる。35分、簡単に奪われる。
下田北斗(22) 6.5 中2日でも動き続けた。味方が押し込むと前線にも顔を出していった。
田中碧(25) 6.0 15分、ヘッド。1アシスト。64分、金正也に抜かれてラストパスを許す。
家長昭博(41) 6.0 19分、フリーでヘッド。右サイドで静かにキープして、組み立てた。
中村憲剛(14) 5.5 スペースへのパスで周りの選手を走らせる。15分、18分と右クロス。
阿部浩之(8) 6.0 23分、落ち着いて技巧的な先制ゴール。16分、30分にもシュート。
小林悠(11) 5.5 1トップで3バックに対峙。38分、51分にチャンスはあるが決められず。

■sub
69(41)長谷川竜也(16) 6.0 左クロスを入れ続ける。79分、大外から走り込んでゴール。
75(8)齋藤学(19) 5.5 右ウィングで精力的に仕掛けた。89分、下田のクロスをヘッド。
86(14)ダミアン(9) 5.5 86分にポストプレー。89分には強引な突破を仕掛けた。

■bench
新井章太(21) 馬渡和彰(17) 守田英正(6) 脇坂泰斗(28) 

■coach
鬼木達 5.0 先発は機能した。交代は細かな崩しを狙って脇坂を入れても良かったか。

■referee
中村太 5.5 判定の基準がはっきりしないこともあったが、全体的に悪くなかった。

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2019/08/15

190814川崎2-1岡山(天皇杯 R32)

川崎2-1岡山(シティライトスタジアム, 19:00KO, 11,017人)

完敗に終わった名古屋戦(J1 #22)から中3日。
天皇杯3回戦は、ファジアーノ岡山(J2)と対戦する。
台風10号が近づく中、岡山のホームでの開催となった。

2回戦の明治大学戦(天皇杯 R64)は、1-0で辛勝している。


先発は、名古屋戦から8人変更する。
続けて先発するのは、脇坂、谷口、ジェジエウの3人。
なお、谷口とジェジエウは、次の仙台戦(J1 #23)が出場停止となる。
GKに新井、右SBにマギーニョ、左SBに馬渡和彰が入る。
ボランチは下田と守田、1トップにはダミアンが起用された。


岡山はJ2リーグ9位。
天皇杯2回戦では、ジェフユナイテッド千葉(J2)に勝利した。
川崎U18出身、2年目のデューク・カルロス(34)がベンチ入り。
2011-14シーズンに川崎に在籍した田中裕介(8)は、ターンオーバーのためベンチ外だった。

■1st half
岡山は最終ラインを高く上げ、プレスは控え目ながらコンパクトに守る。
自陣に引きこもることなく、正々堂々と立ち向かってきた。

攻撃はサイドからのクロスが中心。
川崎のSBを釣り出して、空いたスペースを使った。
下口稚葉(31)が6分、10分と右サイドからクロスを入れる。
39分にも中野誠也(7)の右クロスがゴール前を抜けた。

川崎はボランチの下田、守田が配球していく。
岡山の最終ラインの背後のスペースにスルーパスを狙う。
右サイドのマギーニョも積極的に上がっていった。
中央からも齋藤学や脇坂が、細かなパスワークを駆使してゴールを目指した。
ダミアンも組み立てに参加しながら、7分、15分、35分とチャンスを迎えた。

■2nd half
46分、キックオフ直後に岡山が先制点を決める。
右サイドを崩し、下口の速いクロスボールを中野がゴール。

1点を追う川崎は攻勢を強めていく。
50分、脇坂のFKがゴールネットを直接揺らす。
しかし、壁の中で味方のファウルがあって、ノーゴールの判定となった。

54分には齋藤学の右クロスをダミアンが合わせる。
至近距離の強いヘッドだったが、GK金山隼樹(13)が防いだ。

岡山はゆったり時間を使いながら、カウンターを狙う。
しかし、徐々に川崎が圧力を高め、攻撃の時間が長く続く。

64分に知念、86分に阿部、87分と90+2分にダミアンがシュート。
最後はジェジエウも前線に上げて、パワープレイを仕掛ける。
苦しい時間だったが、90+3分、阿部の右クロスを知念が触り、ダミアンが決めた。

■extra time

延長に入ると、川崎のワンサイドゲームとなる。
98分に投入された山村がパスの中心となって、チームを動かしていく。

岡山は耐え凌ぎながら、なかなかボールを保てない。
96分、家長のクロスをダミアンがヘッドするもGK金山がキャッチ。
102分、家長がPA内で決定機を迎えたが、シュートは右に外れた。

延長後半も、引き続き川崎が決定機を量産する。
109分、下田のCKから混戦となり、何度も押し込もうとするが岡山がブロック。
112分、山村のスルーパスがPA内の家長に届き、シュート。

圧倒的に攻め続ける中、116分、車屋の左クロスが下口の手に当たってPKの判定。
118分、GK金山が左に飛んだ逆の右側に、家長が落ち着いてPKを決めた。

■summary
岡山はホームの応援を背に、素晴らしいプレーを見せた。
コンパクトな陣形を保ち、押し込まれるとブロックを形成する。
スムースに守備を切り替えながら、川崎の攻撃を防いだ。

攻撃はサイドを崩してからのクロスが中心。
前半にもいい形を作っていて、後半早々に中野がゴールを決めた。

先制してからは、川崎の攻撃に振り回される。
それでも後半ロスタイムに失点するまでは、プラン通りに試合を進めた。
延長に入ると一方的に攻められたが、全体的には良い内容だった。


川崎は追いかける展開となったが、良い攻撃はできていた。
ダミアンにロングボールを入れながら、両サイドに均等に散らした。
今シーズン、右サイドの攻撃は滞りがちだが、マギーニョが仕掛けることで改善した。

チャンスを量産しながらも追いつけなかったが、終了間際に同点ゴール。
延長は岡山を圧倒して、勝利することができた。


次は中2日で、3戦連続のアウェイとなる仙台戦(J1 #23)。
谷口とジェジエウが出場停止となり、CBに緊急事態が発生。
不動のレギュラー2人を欠き、山村、車屋、守田あたりでCBを組むこととなる。

さらに、天皇杯岡山戦で120分間のプレーを強いられた。
休養した選手主体で仙台戦に臨むが、続けて出場する選手も予想される。
厳しい状況だが、内容はともかく、勝利したい。

■goal
90+3ダミアン(9) 118PK家長昭博(41) 
46中野誠也(7)

■judge
新井章太(21) 5.5 攻撃の時間が長く、プレー機会が少なかった。キックが安定していた。
馬渡和彰(17) 5.5 サイドの守備では緩さも見えたが、積極的にクロスを入れていった。
ジェジエウ(4) 6.5 スピードで岡山のカウンターを抑えた。パワープレイにも参加した。
谷口彰悟(5) 6.5 疲れは否めなかったが、粘り強く守った。ダイレクトパスを配給する。
マギーニョ(26) 6.0 高い位置に上がり何度もクロスを入れた。30分、37分にシュート。
下田北斗(22) 6.5 前向きなパスを狙う。守備もよく走った。多くのセットプレーを担当。
守田英正(6) 6.0 少しずつボールを動かして相手を誘うプレーが復活。流動性を生んだ。
家長昭博(41) 6.0 ボールによく絡む。102分、112分と決定機。PKで決勝点を決めた。
脇坂泰斗(28) 5.5 50分、FKを沈めたが、ファウルの判定。もっとボールに触りたい。
齋藤学(19) 5.5 細かなタッチで中央からゴールを目指す。周囲とも良く連携していた。
ダミアン(9) 6.5 多くのチャンスを迎えたが、決められず。そして90+3分、同点ゴール。

■sub
61(28)知念慶(20) 6.0 同点ゴールに絡む。90+4分、左サイドから持ち込んでシュート。
67(19)阿部浩之(8) 6.5 正確なトラップとパスで攻め込む。守備でも走って引き締めた。
81(17)車屋紳太郎(7) 6.0 左SBで精力的にプレーする。116分、左クロスでPKを呼ぶ。
98(26)山村和也(34) 6.5 ボランチでパス交換の中心となる。113分、家長へスルーパス。

■bench
ソンリョン(1) 田中碧(25) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 6.5 良い内容でなんとか勝利することができた。交代カードも的確だった。

■referee
高山啓義 5.0 微妙な判定が続いたが、延長に入ると安定した。PK判定は妥当。

98,100views

2019/08/12

190810名古屋3-0川崎(J1 #22)

名古屋3-0川崎(豊田スタジアム, 19:00KO, 42,819人)

スコアレスドローに終わった松本戦(J1 #21)から中5日。
J1リーグでは2位だが、首位FC東京まで勝ち点6差となっている。


先発は、松本戦から4人が代わる。
山村、脇坂、阿部、小林悠が先発することとなった。
家長と齋藤学はベンチスタート、下田と知念はベンチ外となった。

大島が負傷から復帰する予定だったが、ウォーミングアップ中にまた負傷。
発表されていた先発が取り消され、山村がボランチに起用された。


名古屋はJ1リーグで7勝6分8敗の10位。
等々力での対戦(J1 #12)はドローだった。
J1リーグでは、この川崎戦から10試合、勝利がない。

■1st half
名古屋が早いプレスを仕掛けていった。
川崎のパスコースを消して、CBに蹴らせて回収する。

ボールを奪うと川崎のプレスを苦にせず、その逆を突いた。
フリーの味方にダイレクトでつなぎつつ、ロングボールも交える。
ジョーがハイボールを収めることで、攻めを続けた。

12分、ガブリエル・シャビエル(10)の右CKの跳ね返りを吉田豊(23)がダイレクトボレー。
ゴール前にいた和泉竜司(11)が頭で触れて、先制ゴールを決めた。

18分にはシャビエルが縦にドリブルを仕掛ける。
ルーレット・ターンでジェジエウを華麗に抜いてから、ラストパス。
フリーで受けた和泉がボールを動かして、空いたコースを打ち抜いた。

川崎は良いところはなかったが、2点差となって名古屋のプレスが弱まる。
脇坂、中村、阿部がショートパスをつなぎ、チャンスを作れるようになった。

■2nd half
後半開始から、脇坂に代えて齋藤学を投入する。
パスが回り始めていたところだったが、2点を追って勝負に出た。

名古屋はプレスをかわせなくなると、引いて守る。
体力を温存しながら、ジョー(7)を目掛けて速攻を狙う。
58分、エドゥアルド・ネット(21)がフリーでシュート。
さらに64分、左サイドを吉田豊が完全に崩してクロス。
フリーの前田直輝(25)が、トラップで時間を要しながらゴールを決めた。

3点を追って、川崎は前からボールを追い込んでいく。
しかし80分。齋藤学が吉田豊と小競り合いを起こす。
参入した谷口が吉田豊を突き、2枚目のイエローで退場となった。

1人少なくなって、試合は決まったが、ゴールを目指す。
その代償に体力を浪費し、85分、ジェジエウがイエローをもらった。

■summary
名古屋の1点目は運も味方したが、2点目と3点目は美しく崩したゴール。
キープ力に秀でた選手たちを揃え、川崎のプレスをかわしてチャンスを作った。
プレスで追い込まれても、ジョーへのロングボールで打開した。

守備では川崎の縦パスを狙い、インターセプトを繰り返す。
シミッチ(8)とネットのボランチが強力で、素晴らしかった。


 小林悠(11)を先頭に引き上げる。

川崎は最終ラインを高く維持して、プレスを掛けた。
しかし、体力が足りず、追い込みには緩さがあった。
切ったはずのパスコースを通されて、完全に抜き去られる。
動けないなら、ブロックを作ってスペースを消す守備とするべきだった。

攻撃は中盤での単純なミスパスが多く、リズムが生み出せない。
大島の突然の欠場が響いたが、それにしてもミスが多かった。
後半、脇坂と中村が下がると、パスの出し手がいなくなった。

齋藤学はプレーは悪くなかったが、80分に小競り合いを起こす。
そして谷口が2枚目のイエローで退場する。
吉田豊が先に齋藤学を小突いていたが、谷口の行為は擁護できない。


このあとは中3日で岡山戦(天皇杯 R32)。
その次も中2日で仙台戦(J1 #23)が続く。
仙台戦は退場した谷口、4枚目のイエローのジェジエウが出場停止となる。
フル稼働が続く最終ライン。
奈良の復帰前にさらに厳しい状況となった。

岡山戦は大きくターンオーバーする必要がある。
台風が近づいているのが心配だが、出場機会の少ない選手たちで結果を出してほしい。

■goal
11,18和泉竜司(11) 64前田直輝(25)

■judge
ソンリョン(1) 5.0 3失点ともに難しいゴール。2点目と3点目は触れただけに、止めたかった。
登里享平(2) 5.0 頑張ってはいたが、疲労が濃い。84分のヘッドはライン上でクリアされる。
ジェジエウ(4) 4.5 ハイボールでジョーに苦しんだ。18分、シャビエルに抜き去られる。
谷口彰悟(5) 3.0 80分、相手を小突き退場。弁解の余地はない。プレーにもミスが多かった。
車屋紳太郎(7) 5.0 37分、右から仕掛けたがカットされる。後半、左SB、CBと動いた。
田中碧(25) 5.5 崩すパスが出せなかった。後半、相次ぐ戦術変更の中で奮闘していた。
山村和也(34) 5.0 急遽の先発。バイタルに立ったが、トラップとパスに精度を欠く。
脇坂泰斗(28) 5.0 中央寄りでプレー。徐々にボールに絡んでいくが、前半のみで交代。
中村憲剛(14) 5.0 プレスもパスも悪くはなかった。運動量の少なさで周りに負担となる。
阿部浩之(8) 5.5 細かなパス交換で攻撃を支える。2分、45+2分、56分とシュート。
小林悠(11) 5.5 孤立したが、23分にはターンからシュート。55分、82分にはヘッド。

■sub
HT(28)齋藤学(19) 4.5 プレー自体は悪くなかった。80分、相手と揉めて時間を空費する。
59(34)ダミアン(9) 5.5 前線に張ってラインを下げる。正確なポストプレーで魅せた。
71(14)家長昭博(41) 5.5 走って疲弊したチームを鼓舞する。90+1分にドリブルでミス。

■bench
新井章太(21) 守田英正(6) 長谷川竜也(16)

■coach
鬼木達 4.0 采配のすべてが成功せず。10人になっても攻めたことにも疑問。

■referee
笠原寛貴 5.5 悪くなかった。谷口の2枚目のイエローは厳しかったが、妥当な範囲。

97,600views

■おまけ

鬼木達監督と風間八宏監督。
試合が終わったあと、2人だけでじっくり話し込んでました。

2019/08/04

190804川崎0-0松本(J1 #21)

川崎0-0松本(等々力, 19:00KO, 22,807人)

広島戦(J1 #16)の敗戦から中3日。
ホーム等々力に松本山雅を迎える。
夏らしく蒸し暑いコンディションとなった。


先発は、ターンオーバーした広島戦から5人を変更。
車屋、田中碧、中村、齋藤学、知念が新たに先発する。
広島戦の前の大分戦(J1 #20)から見ると、家長と知念の2人が変わっている。

先発を外れた選手はベンチに入ったが、馬渡和彰はベンチ外となった。


松本山雅はJ1リーグで16位。
中14日と間隔が空いていて、日程的に優位に立つ。
アルウィンでの対戦(J1 #5)は、0-2で川崎が勝っている。

■1st half
川崎がボールを持つ展開となった。
田中碧と下田が相手を引きつけてからパスを散らす。
両サイドを均等に使いながら、中央からの縦パスも狙う。

松本はセルジーニョ(8)を中心にカウンターを狙う。
パウリーニョ(14)の展開力や、田中隼磨(3)の右クロスで攻めてきた。
GKソンリョンの壁は破れなかったが、ゴールに迫ることができた。
低い位置の5バックで守りながらも、川崎のパスワークに走らされた。

川崎は押し込みつつも、松本の5バックを崩し切れない。
ラストパスが不正確となり、あと一歩で決定機を作れなかった。

■2nd half
後半も同じような展開となる。
ただ、先に運動量が落ちたのは川崎だった。
押し込むことはできても、松本のクリアボールを拾えない。

60分あたりで、右の家長と登里、左の齋藤学と車屋を入れ替える。
ダミアン、長谷川、小林悠を相次いで投入して前線の活性化を図る。
いろいろと手は尽くしたが、攻撃は改善しなかった。

松本もカウンターからチャンスを作っていく。
76分、田中隼磨の右クロスは、辛くも下田がクリアする。
86分、高橋諒(42)の左クロスに、阪野豊史(50)が飛び込んだ。

川崎は攻め手を見つけられずに、じれてしまった。
守備ブロックの外ではパスを回せたが、中央に攻め込むことができない。
精度の低いクロスボールを入れ、GK守田達弥(1)と5バックに防がれた。

■summary
松本は最後の最後まで、整然とした守備を続けた。
ボールを奪うと、大きなスペースを利用してカウンターを狙う。
少ない人数で攻めていても、無理なパスを狙わず、ボールを失わなかった。
どちらかといえば、試合をコントロールしていたのは松本だった。
川崎の攻撃の良さを消していく内容で、悪くない結果を得た。


川崎は広島戦のターンオーバーの失敗が響いた。
もちろん、1週間で3試合が組まれる日程上の不利は否めない。
前半、松本の選手を走らせていたが、それでも先に運動量が落ちてしまった。

そして松本の守備ブロックは、素晴らしかった。
中村と下田が縦パスを狙っても、あまりにもスペースがなかった。
クオリティの高いプレーもときおり見られたが、ゴールに迫れなかった。

首位FC東京とは勝ち点6差に広がった。
次の名古屋戦(J1 #22)は中6日。
コンディションを整えて、勝ち点を積み上げたい。

■goal


■judge
ソンリョン(1) 6.0 9分、54分のセルジーニョのFK、35分のパウリーニョのシュートを防ぐ。
登里享平(2) 5.0 右サイドで家長とペアになって攻め込む。後半は動けず、ミスが目立つ。
ジェジエウ(4) 6.5 ロングボールを処理し続けた。スピードはなかったが、無失点に抑える。
谷口彰悟(5) 6.5 高い位置まで持ち上がって攻撃参加する。44分、62分に左からクロス。
車屋紳太郎(7) 5.5 17分、左クロスを知念へ。右に回り、71分、84分にロングシュート。
下田北斗(22) 6.0 疲れはそれほど感じさせず、中盤を支える。攻撃的なパスを狙った。
田中碧(25) 6.0 休養十分で、フリーになる動きを続ける。57分、縦にドリブル突破。
家長昭博(41) 5.0 キープはできたが相手を抜けなかった。50分、カウンターでドリブル。
中村憲剛(14) 5.5 ボランチまで下りてボールをさばいた。31分、67分にロングシュート。
齋藤学(19) 5.5 3分、カットインからシュート。40分、56分にプレスを受けてロスト。
知念慶(20) 5.5 23分、強い体幹を活かしたドリブル。最終ラインの裏を狙い続けた。

■sub
62(20)ダミアン(9) 5.5 ゴール前に張り続ける。ポストプレーやクロスの受け皿となる。
74(19)長谷川竜也(16) 5.5 左ウィングに入る。86分、88分とアーリークロスを入れた。
77(22)小林悠(11) 5.5 鋭いターンでチャンスを作る。86分、長谷川のクロスに飛び込む。

■bench
新井章太(21) 守田英正(6) 山村和也(34) 阿部浩之(8)

■coach
鬼木達 4.5 ターンオーバーに失敗。ポジション変更や途中交代でも改善できなかった。

■referee
福島孝一郎 6.0 適切なジャッジ。ただ、前後半ともにロスタイムが短かった。

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