2021/12/30

211230シーズン回顧(2) 2021選手別平均採点

2021シーズン回顧(2) 2021選手別平均採点

2021シーズンの川崎フロンターレ。
 J1リーグを連覇して5年連続のタイトルを獲得。
 J1リーグのMVPと得点王、さらにはベストイレブン7名を輩出した。
1回目(前編)の各種ランキングに続いて、2回目(後編)は選手別の平均採点を見る。

53試合のプレー時間の合計は、5,273分。
 この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。

exdrives における採点から、出場時間に照らし各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.151点だった。
(2020年6.073点、2019年5.943点、2018年5.883点、2017年6.036点、2016年6.028点、2015年6.014点、2014年5.870点)。


2月20日、FUJI XEROX SUPER CUP優勝

GK、DF、MF、FWの4ポジション別に、出場時間順に並べた。
 ポジションは登録上のものでなく、実態に合わせている。
 2021シーズンは4-3-3だったので、サイドバックはDFに含めている。
  旗手玲央はLSBやFWでも出場したが、MFに含めている。
  遠野大弥については迷ったが、MFとした。
なお、移籍情報は随時更新していきます。

■goal keeper
チョン・ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
 加入6年目。リスタートのキック能力が向上し、劣勢時のペース配分に気を配った。
 シーズン前半は攻撃される機会が少なく、ゴール前で見守るだけの試合が多かった。
 8月以降、被決定機が多くなると活躍が際立った。J1リーグ連覇に大きく貢献した。
 天皇杯2回戦長野戦(天皇杯 R64)3回戦千葉戦(天皇杯 R32)で、PK戦で勝利に導く。
丹野研太(27) 6試合583分出場 平均採点6.01 ベンチ47試合
 第2GKとして、全ての試合で控え続け、4月のソンリョン負傷時には4試合に登場。
 出場6試合で十分なパフォーマンスを見せてくれる。貴重な存在だった。
安藤駿介(21) 0試合0分出場 平均採点0 ベンチ7試合
 第3GKの立場が続いた。2017年から5年間、出場なし。
 丹野が出場した6試合と、ベンチ枠が10人のACL蔚山現代戦(ACL R16)でベンチに入り。
イ・キョンテ(40) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2021シーズン 岡山(J2)から2022年1月1日までの期限付き移籍)
 2020シーズンに続き、岡山からのレンタルとなった。
 出場もベンチ入りもなかった。ACLは外国人枠のため登録外。
 (2022シーズン 期限付き移籍満了、金海市庁FC(KOR)へ完全移籍)


11月7日の鳥栖戦(J1 #35)
 ガード・オブ・オナー(guard of honour)。駅前不動産スタジアム。

■defender
山根視来(13) 48試合4599分出場 平均採点6.03 ベンチ1試合
 ベストイレブン(2年連続2回目)。3月、日本代表に初選出され、出場を重ねる。
 不動のRSBとして右サイドに君臨した。多くのアシストを重ねる。
 連戦でパフォーマンスを落としても、わずかな休養だけで復活。
 代表で不在となるとき以外は、RSBの控えは必要なかった。
ジェジエウ(4) 43試合3650分出場 平均採点6.25 ベンチ3試合
 ベストイレブン(2年連続2回目)。離脱少なく最終ラインを支える。
 高さとスピードで守るだけでなく、攻撃でも縦パスやドリブルを仕掛けた。
 11月7日の鳥栖戦(J1 #35)で左膝前十字靭帯と内側側副靭帯を損傷。
 ブラジルに帰国して手術するため、来シーズンまで長期離脱が予想される。
谷口彰悟(5) 41試合3462分出場 平均採点6.17 ベンチ2試合
 ベストイレブン(2年連続3回目)。日本代表にコンスタントに選出される。
 左右どちらのCBでも安定していた。アンカーとしても出場機会を得た。
 8月18日の清水戦(天皇杯 R16)で負傷するが、離脱の影響は大きかった。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)での復帰前に、チームはルヴァンカップとACLに敗退。
登里享平(2) 38試合3387分出場 平均採点5.93 ベンチ2試合
 左鎖骨骨折から4月3日の大分戦(J1 #7)で復帰すると、LSBで先発を続ける。
 三笘薫、長谷川、マルシーニョ、宮城天と多くの左FWと組み、それぞれの特徴を活かす。
 味方のパスコースを確保する動きと、幅広いパターンのパスでチーム全体を動かした。
車屋紳太郎(7) 43試合2634分出場 平均採点6.34 ベンチ5試合
 LCBがメインとなったが、登里に代わりLSBで試合を締める役割もこなした。
 縦に持ち運ぶプレーも多く、鋭いパスで攻撃のスイッチを入れる。
 9月1日の浦和戦(YLC QF #1)で足を負傷し、1ヶ月間チームを離脱した。
山村和也(28) 31試合1757分出場 平均採点5.90 ベンチ2試合
 3月18日に左大腿二頭筋肉離れで離脱し、6月9日の長野戦(天皇杯 R64)で復帰。
 谷口、車屋が欠場していた9月を始め、安定したプレーを見せてくれる。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)で、投入直後に同点ゴールを決めた。
イサカ・ゼイン(15) 5試合344分出場 平均採点5.37 ベンチ5試合
 6月2日の横浜FC戦(J1 #21)で、大卒加入2年目で初出場を果たす。
 山根に代わるRSBを任されるが、守備のタスクを上手くこなせなかった。
 (2022シーズン 横浜FC(J2)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
神谷凱士(26) 3試合134分出場 平均採点5.65 ベンチ1試合
 ゼインと同じく、6月2日の横浜FC戦(J1 #21)で、大卒加入2年目で初出場。
 ACLでも2試合に出場し、LSBとLCBでプレー。
 (2022シーズン 藤枝(J3)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
田邉秀斗(30) 3試合111分出場 平均採点5.50 ベンチ1試合
 (2021シーズン 静岡学園高校から加入)
 7月11日の北京戦(ACL GL #6)でデビューを飾り、LSBで果敢に攻めた。
 浦和とのルヴァンカップ準々決勝2試合も、ミスはあったが臆さずに強気にプレー。

■midfielder
脇坂泰斗(8) 49試合3430分出場 平均採点6.06 ベンチ2試合
 ベストイレブン(初受賞)。3月、日本代表に初選出される。
 比較的早い交代が多かったが、田中碧移籍後はプレータイムを伸ばし、主力に定着。
 8番を2年間続けたが、磨かれた戦術眼に相応しい新たな番号を背負いたい。
旗手怜央(47) 38試合3361分出場 平均採点6.06 ベンチ0試合
 ベストイレブン(初受賞)。東京オリンピック日本代表。11月、フル代表に初選出。
 序盤はLSBでプレーし、登里復帰後はインサイドハーフに戻った。
 試合中に左FWにも入ることがあり、多くのポジションでプレーする。
 感情の高ぶりが激しく、試合後に号泣するシーンが多かった。
 (2022年1月 セルティック(SCO)へ完全移籍)
橘田健人(22) 43試合2955分出場 平均採点6.35 ベンチ4試合
 (2021シーズン 桐蔭横浜大学から加入)
 最初の公式戦G大阪戦(FXSC)から出番を得て、少しずつ経験を重ねた。
 7月2日のユナイテッド・シティ戦(ACL GL #3)でハットトリック。
 秋を迎えるとシミッチからポジションを奪い、アンカーで豊富な運動量を見せた。
ジョアン・シミッチ(6) 35試合2765分出場 平均採点6.14 ベンチ0試合
 (2021シーズン 名古屋(J1)から完全移籍で加入)
 アンカーでレギュラーを確保する。左足のロングキックやスルーパスで攻撃を差配する。
 身長を活かした強い守備が効いたが、両脇のスペースを使われる。右足も不得手だった。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)の先発を最後に、メンバー外が続いた。
田中碧(25) 21試合1876分出場 平均採点6.28 ベンチ0試合
 右インサイドハーフを主戦場として、ゴールをより意識して攻撃的にプレー。
 激しい運動量で守備のタスクもこなし、前半の快進撃の主役となった。
 5月30日の鹿島戦(J1 #17)を最後に、U-18から昇格後4年半で海外に旅立った。
 東京オリンピック日本代表(デュッセルドルフ移籍後)。
 (2022年6月 デュッセルドルフ(GER)へ2022年6月30日までの期限付き移籍)
遠野大弥(19) 38試合1492分出場 平均採点5.94 ベンチ9試合
 (2021シーズン 福岡(J2)への期限付き移籍から復帰)
 インサイドハーフやサイドFWでプレー。力強いシュートと決定力を見せる。
 J1リーグで6ゴール、ACLで1ゴール。セットプレーも担当した。
 シーズンを通じて、ボールを受ける動きや守備が整備されてきた。
塚川孝輝(3) 21試合582分出場 平均採点5.57 ベンチ4試合
 (2021シーズン 松本(J2)から完全移籍で加入)
 シミッチの交代要員として、アンカーでの出場を重ね、インサイドハーフでもプレー。
 身長を活かしたハイボール対応と、鋭いリアクションで中盤に活気をもたらした。
 2月20日のG大阪戦(FXSC)7月5日のユナイテッド・シティFC戦(ACL GL #4)と2回、脳震盪によって離脱。後者は9月14日の蔚山現代戦(ACL R16)まで復帰に2か月以上を要した。
大島僚太(10) 15試合574分出場 平均採点5.98 ベンチ1試合
 チーム始動直後に負傷して、6月26日の大邱FC戦(ACL GL #1)で復帰する。
 三笘薫と田中碧の移籍後のチームを支えるはずが、7月21日の千葉戦(天皇杯 R32)で再負傷。
 10月24日の清水戦(J1 #33)で復帰したが、年間の稼働期間はあまりにも短かった。
 とはいえ、出場すればチーム全体を変える力を見せた。
小塚和季(17) 12試合462分出場 平均採点5.72 ベンチ10試合
 (2021シーズン 大分(J1)から完全移籍で加入)
 少ないプレー時間だったが、天才的な輝きの片鱗を見せてくれた。
 動き直しと守備の強度が課題。大分戦(天皇杯 SF)のアシストは素晴らしかった。


9月29日の神戸戦(J1 #28)
 勝負の5連戦の4試合目でした。

■forward
家長昭博(41) 51試合3976分出場 平均採点6.11 ベンチ2試合
 ベストイレブン(2年連続3回目)。家長がいるところから、攻撃が始まった。
 開幕戦横浜FM(J1 #1)での2ゴールで、チームに良いスタートを切らせた。
 プレータイムもかなり長く、鬼木監督にとって欠かせない存在となっていた。
 35歳となって戻りは遅くなりがちで、RSB山根に負担を掛けていた。
レアンドロ・ダミアン(9) 48試合3450分出場 平均採点6.51 ベンチ5試合
 J1リーグMVP、得点王、ベストイレブン(いずれも初受賞)。
 加入3年目にしてブラジル代表の本領を発揮する。
 ゴラッソあり、決定力あり、多様なゴールパターンを見せ、アシストも多い。
 チェイスにも磨きがかかり、ケガも少なく、非の打ち所なく完璧だった。
小林悠(11) 42試合1837分出場 平均採点6.22 ベンチ1試合
 ダミアンの好調を受け、プレー時間は減らしたものの、J1リーグで10ゴール。
 右ウィングでは、かつての日本代表時代と同じく、窮屈さを感じさせた。
 福岡戦(J1 #26)に負けた次の札幌戦(J1 #27)で「フロンターレは死んでいない」と語る。
 G大阪戦(FXSC)鹿島戦(J1 #17)では、ロスタイム終了間際に決勝ゴールを決める。
三笘薫(18) 24試合1658分出場 平均採点6.34 ベンチ3試合
 東京オリンピック日本代表。戦術三笘として圧倒的にドリブルで切り裂いた。
 厳しいマークで封じられても、一瞬のきらめきでゴールやアシストの結果を出した。
 7月8日の大邱戦(ACL GL #5)でのプレーを最後に、川崎での1年半の活躍を終えた。
 (2021年8月 ブライトン(ENG)へ完全移籍、サンジロワーズ(BEL)へ期限付き移籍)
長谷川竜也(16) 30試合1443分出場 平均採点5.84 ベンチ6試合
 左FWで交代出場を重ね、クロスボールを入れていく。
 9月14日の蔚山現代戦(ACL R16)での交代出場以降、ベンチ外が続いてしまう。
 蔚山現代戦のPK失敗が、川崎でのラストプレーとなった。
 (2022シーズン 横浜FC(J2)へ完全移籍)
知念慶(20) 31試合1088分出場 平均採点6.11 ベンチ7試合
 (2021シーズン 大分(J1)への期限付き移籍から復帰)
 3番手のCFとして控え、プレー時間は短いながらも確かな痕跡を残す。
 ACLでは途中出場した北京戦(ACL GL #2)の2得点など、合計4ゴールを決めた。
 徳島戦(J1 #29)で2ゴール、湘南戦(J1 #30)で足を攣りながらもロスタイムに決勝ゴール。
マルシーニョ(23) 13試合869分出場 平均採点6.14 ベンチ1試合
 (2021年8月 重慶両江(CHN)から完全移籍で加入)
 8月13日に加入発表、入国後の隔離期間を経て8月30日に全体練習に合流する。
 9月18日の徳島戦(J1 #29)でデビューすると、左FWとして活躍する。
 決定力は今ひとつだが、スピードとドリブルで決定機を生み出した。
宮城天(24) 20試合834分出場 平均採点6.12 ベンチ4試合
 (2021シーズン 富山(J3)への期限付き移籍から復帰)
 6月9日の長野戦(天皇杯 R64)で、川崎でのデビュー。
 吸い付くようなトラップを武器に、三笘移籍後の左FWでプレー。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)の後半ロスタイム、決勝ミドルを叩き込む。


5月22日の横浜FC戦(J1 #15)
小林悠(11)のJ1リーグ300試合出場セレモニー。
 前節札幌戦(J1 #14)で達成。

(特別指定) ※出場なし
松井蓮之(31) 
 2月に加入内定、特別指定。法政大学4年生。姉は俳優の松井愛莉。
 (2022シーズン 新規加入)
早坂勇希(32)
 4月に加入内定、特別指定。桐蔭横浜大学4年生、川崎U-18出身。
 (2022シーズン 新規加入)

佐々木旭(流通経済大学4年生)は3月に加入内定。特別指定はなし。
永長鷹虎(興国高校3年生)は6月に加入内定。特別指定はなし。

(2種登録) ※出場なし
五十嵐太陽(33) 
 U-18の3年生。8月27日、U-18からの昇格と2種登録が発表された。
 (2022シーズン U-18から昇格)
高井幸大(34) 
 U-18の2年生。8月27日、2種登録が発表された。
 (2022シーズン プロ契約、2種登録)

■rental
マギーニョ
 (2021シーズン 横浜FC(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 契約満了)
原田虹輝
 (2021シーズン 鳥取(J3)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 長野(J3)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
宮代大聖
 (2021シーズン 徳島(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 鳥栖(J1)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)

■coach
鬼木達 平均採点6.15
 最も高い評価は7.5点で、湘南戦(J1 #30)だった。
 最も低い評価は4.5点で、鳥栖戦(J1 #35)だった。
 (2020年6.03、2019年5.81、2018年5.72、2017年6.12)

■referee
平均採点5.98
 (2020年5.90、2019年5.70、2018年5.71、2017年5.72、2016年5.69、2015年5.61)

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2021/12/27

211227シーズン回顧(1) 2021ランキング

2021シーズン回顧(1) 2021ランキング

2021シーズンの川崎フロンターレを振り返る第1回目(前編)。
 J1リーグで優勝を飾り、6個目のタイトルを獲得した。
 2020シーズンに続き、新型コロナウイルスの大きな影響があった。
  観客数の制限が続き、7月には選手1名とスタッフ2名が感染した。

公式戦は53試合だった。
 J1リーグ38、ACL7、YBCルヴァンカップ2、天皇杯5、FXSC1。

2020年は41試合だったので、12試合の増。
 ACLとFXSCに出場し、J1リーグも4試合増えている。
 2019年は50試合、2018年は47試合、2017年は53試合だった。


浦和戦(J1 #34)でJ1リーグ優勝を決める。
4度目のシャーレを等々力で掲げた。

■J1リーグ 優勝★
 勝ち点92 38試合28勝8分2敗 得失点差+53
  2度目の2連覇で、通算4度目のJ1リーグ優勝となった。
  圧倒的だった2020シーズンとは異なり、夏場に2位横浜Fマリノスに詰められる。
   田中碧と三笘薫が移籍し、負傷者が増えた影響が大きかった。
   8月下旬からコンディションが落ち、ルヴァンカップとACLを失う。
   しかし、9月18日の徳島戦(J1 #29)からの5連戦を全勝して、優勝した。

  J1リーグ最少敗戦記録を2敗(以前は3敗:2020川崎)に更新。
   (なお、20チーム制だったため、試合数は増えている。)
  昨年から続くJ1リーグ無敗記録を、30試合(以前は21試合:2012-13大宮)に更新。
  J1リーグ開幕からの無敗記録を、25試合(以前は19試合:2015浦和)に更新した。

■アジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL) ベスト16
 グループステージIグループ 1位 6試合6勝 得失点差+24
 決勝トーナメント 1試合1分(PK戦1敗) 得失点差0
  GLを首位通過したが、蔚山現代戦(ACL R16)はPK戦で敗退した。

■YBCルヴァン・カップ(YLC) ベスト8
 2試合2分 得失点差0
  ベスト8から出場したルヴァンカップは、浦和に競り負ける。
  2試合ともにドローだったが、アウェイゴール差で敗退した。

■天皇杯 ベスト4
 5試合2勝3分(PK戦2勝1敗) 得失点差+3
  2回戦の長野戦(天皇杯 R64)3回戦の千葉戦(天皇杯 R32)と連続してPK勝利。
  準決勝大分戦(天皇杯 SF)はPK戦で敗退し、ベスト4となった。

■FUJI XEROX SUPER CUP 優勝★
 1試合1勝 得失点差+1
  G大阪に競り勝ち、3度目の出場で2度目の優勝を飾る。

5つの大会の合計では、53試合37勝14分(PK戦2勝2敗)2敗。
 負けたのは、8月25日の福岡戦(J1 #26)と、11月7日の鳥栖戦(J1 #35)だけ。
  福岡戦は、2020年11月21日の大分戦(2020 J1 #28)以来、9ヶ月ぶりの敗戦だった。
  この間、J1リーグ30試合無敗、公式戦42試合無敗を記録している。
 ACLと天皇杯はPK戦で、ルヴァンカップはアウェイゴール差で敗退した。

53試合のプレー時間の合計は、5,273分。
 この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。
 exdrives における採点から、出場時間に応じて各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.151点。
 exdrives をスタートした2014年以降、2020年を超えて最高の平均採点となった。

 過去のチーム全体の平均採点は次のとおり。
  2020年 6.073点 J1リーグ・天皇杯優勝
  2019年 5.943点 YBCルヴァンカップ優勝
  2018年 5.883点 J1リーグ優勝
  2017年 6.036点 J1リーグ優勝
  2016年 6.028点
  2015年 6.014点
  2014年 5.870点

■high player (season)
 1,000分以上出場した19選手で、シーズン平均採点が高かったのは次の選手。
  カッコ内は2020年、2019年の順位。
   在籍していない年は (-)、1,000分未満の出場の年は (x) とした。

 1,000分以上出場したのは、2020年は16選手(41試合)、2019年は22選手(50試合)。
  2021年は53試合で19選手で、2019年の22選手と比べ、選手起用は集中していた。

1位(5位, 4位) ダミアン(9) 48試合3450分出場 平均採点6.51 ベンチ5試合
2位(3位, 17位) ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
3位(-, -) 橘田健人(22) 43試合2955分出場 平均採点6.35 ベンチ4試合
4位(14位, 22位) 車屋紳太郎(7) 43試合2634分出場 平均採点6.342 ベンチ5試合
5位(1位, -) 三笘薫(18) 24試合1658分出場 平均採点6.336 ベンチ3試合


レアンドロ・ダミアン(9)。
 10月24日の清水戦(J1 #33)

 レアンドロ・ダミアンを最も高く評価した。
  インテルナシオナル(BRA)から加入3年目。J1リーグMVP、ベストイレブン、得点王。
  圧倒的な決定力だけでなく、精力的なプレッシングでチームを牽引した。
  ダミアンの平均採点6.51は、exdrives における史上最高点。
 2位ソンリョンの6.39、3位橘田の6.35も、例年であればMVPに値する。

 逆に平均採点が低かったのは、19位長谷川竜也、18位山村和也、17位登里享平。
 2020年に上位だった三笘薫は5位(1位)、守田英正はサンタクララ(POR)へ移籍(2位)、ソンリョンは2位(3位)。

 過去の exdrives におけるMVPは、次のとおり。
  2020年 三笘薫(18) 平均採点6.40
  2019年 ジェジエウ(4) 平均採点6.24。
  2018年 家長昭博(41) 平均採点6.25。
  2017年 ソンリョン(1) 平均採点6.32。
  2016年 小林悠(11) 平均採点6.30。
  2015年 大島僚太(16) 平均採点6.25 
  2014年 中村憲剛(14) 平均採点6.25。

■play time (season)
 53試合5,273分のうち、出場時間が長かったのは次の選手。
 カッコ内は2020年、2019年の順位。

1位(1位, 2位) ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
2位(2位, -) 山根視来(13) 48試合4599分出場 平均採点6.03 ベンチ1試合
3位(8位, 4位) 家長昭博(41) 51試合3976分出場 平均採点6.11 ベンチ2試合
4位(3位, 17位) ジェジエウ(4) 43試合3650分出場 平均採点6.25 ベンチ3試合
5位(4位, 1位) 谷口彰悟(5) 41試合3462分出場 平均採点6.17 ベンチ2試合


チョン・ソンリョン(1)。
 3月10日の徳島戦(J1 #3)

 ソンリョンが2年連続で出場時間1位。47試合でフル出場。
  第2第3腰椎横突起骨折で4月の4試合を欠場。このほか2試合欠場しただけだった。

 出場試合数で見ると、家長昭博が51試合、脇坂泰斗が49試合で多かった。
 ベンチ入り(出場なし)も含むメンバー入りは、全53試合だったのが3選手。
  ダミアン、丹野研太、家長昭博の3人で、ダミアンは3年連続でトップ。
 ベンチ入り(出場なし)は、丹野研太が47試合で、2年連続で最も多かった。

■high game
 各試合ごとに出場選手の採点を、出場時間に応じて平均した。
 平均採点が高かったのは、次の試合。

1位 210429名古屋0-4川崎(J1 #22) 平均採点6.66
 首位攻防2連戦の初戦に圧勝。堅守名古屋を完全に攻略して、4得点を決める。
2位 210708大邱1-3川崎(ACL GL #5) 平均採点6.52
 GL首位通過を決める。大邱をパス交換で深く押し込み、ダミアンがハットトリック。
3位 210516川崎2-0札幌(J1 #14) 平均採点6.51
 札幌のハードプレスに苦しみつつ、シミッチのミドルパスなど技術で打ち勝った。

 当時2位の名古屋を圧倒した首位攻防第1戦がベストゲーム。
 2位と3位は、圧勝ではなかったが、高い技術で相手を上回り勝利したもの。

■low game
 逆に平均採点が低かったのは、次の試合。

53位 211107鳥栖3-1川崎(J1 #35) 平均採点5.22
 優勝が決まった直後だったとはいえ、鳥栖に内容で上回られて3失点で惨敗。
52位 210825福岡1-0川崎(J1 #26) 平均採点5.56
 決定機を多く作ったが決め切れず、耐え凌いだ福岡のゴラッソで敗戦した。
51位 210821広島1-1川崎(J1 #25) 平均採点5.59
 風雨が強く、コンディションも悪かった。ダミアンのゴールで同点に追い付く。 

 今シーズンの2敗が、そのまま最下位から2つを占めた。
 8月下旬の広島戦(J1 #25)福岡戦(J1 #26)は、負傷離脱者が増え、疲労が色濃い時期だった。

■high player (each game)
 各試合の採点で、最も高かったのは8.5点。1回あった。

8.5 ダミアン(9) 210708大邱1-3川崎(ACL GL #5)
 34分、64分、87分にゴール。味方が作り出したチャンスを仕留めた。

 次に高かったのは8.0点。5回あった。

8.0 ダミアン(9) 210303川崎3-2C大阪(J1 #11)
 2ゴール1アシストの活躍。2度リードされる苦しい展開で、逆転勝利に導いた。
8.0 ダミアン(9) 210429名古屋0-4川崎(J1 #22)
 先制アシストに続き、ヘッドで2ゴール。完膚なきまでの圧勝を演出する。
8.0 ソンリョン(1) 210626川崎3-2大邱(ACL GL #1)
 1点をリードされた29分、PKをストップする。65分にも決定機を止める。
8.0 大島僚太(10) 210702川崎8-0ユナイテッド・シティ(ACL GL #3)
 前半だけの出場だったが、別格のプレーを見せる。1ゴール1アシスト。 
8.0 ソンリョン(1) 210929川崎3-1神戸(J1 #28)
 1失点後、神戸の決定的なシュートを止めまくる。逆転勝利につなげた。

 今シーズンのハットトリックは2回だった。
 大邱戦(ACL GL #5)のダミアン(採点8.5)と、ユナイテッド・シティ戦(ACL GL #3)の橘田健人(採点7.5)。

■low player (each game)
 各試合の採点で、最も低かったのは4.0点。1回だった。

4.0 旗手玲央(47) 211107鳥栖3-1川崎(J1 #35) 
 前半、LSBでプレーするが、攻守ともにバランスが悪く、中途半端だった。  

 今シーズンの退場はなかった。

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2021/12/21

211221移籍情報2021-2022(随時更新)

移籍情報2021-2022(随時更新)

2021-2022にかけて、選手やスタッフの移籍や契約更新の情報をまとめます。
 公式発表あるいはメディア報道をまとめたものです。

シーズン終了時に記事を書いて、随時新たな情報を加えていきます。

■■■ in (公式発表)■■■
■完全移籍加入
瀬古樹 横浜FC(J1→J2)から完全移籍加入
 2021年12月6日  スポニチ 完全移籍でほぼ合意。移籍金準備。
 2021年12月6日  ニッカン 獲得へ1歩リード。
 2021年12月23日 公式発表 完全移籍で加入。

高桑大二朗(GKコーチ) U-20日本代表GKコーチから就任
 2022年1月5日  公式発表 GKコーチに就任。

チャナティップ 札幌(J1)から完全移籍加入
 2022年1月7日  スポニチ 移籍金を含めて条件面で大筋合意。完全移籍で加入。
 2022年1月7日  デイリー クラブ間交渉で合意に向かっている。移籍金を払う完全移籍。
 2022年1月7日  三上大勝・札幌GM オンライン取材
 「クラブ間で合意し、選手と契約内容を詰めている。国内移籍で過去最高額の移籍金。
  12月23日に1回目の打診。28日に2回目のオファーがあり、30日に合意した。」
 2022年1月8日  スポニチ 移籍金は約5億円。
 2022年1月11日 公式発表 完全移籍で加入。

■新卒加入
松井蓮之(31) 法政大学から加入
 2021年2月25日  公式発表 加入内定、特別指定。

佐々木旭 流通経済大学から加入
 2021年3月31日  公式発表 加入内定。

早坂勇希(32) 桐蔭横浜大学から加入
 2021年4月30日  公式発表 加入内定、特別指定。

永長鷹虎 興国高校から加入
 2021年6月16日  公式発表 加入内定。

五十嵐太陽(33) U-18から昇格
 2021年8月27日  公式発表 昇格決定、2種登録。

■■■ in (報道ベース)■■■
■完全移籍オファー【破談】
宇佐美貴史 G大阪(J1)
 2021年12月13日 報知新聞 完全移籍へ正式オファー。
 2021年12月21日 デイリー 残留を決断。
 2021年12月21日 報知新聞 残留を決断。

■■■ out (公式発表) ■■■
■完全移籍・契約満了
三笘薫(18) ブライトン(ENG)へ完全移籍
 2021年8月10日 公式発表 完全移籍。

菊池新吉(GKコーチ) 広島(J1)へ完全移籍
 2021年12月5日  公式発表 双方合意の上、退任。
 2021年12月20日 公式発表 広島(J1)のGKコーチに就任。

長谷川竜也(16) 横浜FC(J1→J2)へ完全移籍
 2021年12月21日 スポニチ 完全移籍する。来季の契約を残す。
 2021年12月25日 公式発表 完全移籍。


2017年12月10日。
 J1リーグ優勝記念パレード。

旗手玲央(47) セルティック(SCO)へ完全移籍
 2021年9月14日  東京スポ  セルティック(SCO)が来年1月の獲得を狙っている。
 2021年11月27日 TheScotsman セルティック(SCO)が獲得に迫っている。
 2021年12月5日  報知新聞 セルティック(SCO)が移籍金2億円で獲得する。
 2021年12月5日  デイリー セルティック(SCO)がオファー、移籍金は設定金額に届かず。
 2021年12月13日 報知新聞 セルティック(SCO)へ移籍。クラブ間で大筋合意。
 2021年12月31日 スポニチ 移籍が決定的。年明けに日本を立つ。
 2021年12月31日 公式発表 完全移籍。


2019年12月7日。
 アウェイ札幌戦(J1 #34)の85分、川崎でのデビューを飾る。当時、順天堂大学4年生の特別指定。

■引退

■川崎からの期限付き移籍
田中碧(25) デュッセルドルフ(GER)へ期限付き移籍
 2021年6月28日 公式発表 期限付き移籍 2021年7月1日~2022年6月30日。

イサカ・ゼイン(15) 横浜FC(J1→J2)へ期限付き移籍
 2021年12月22日 スポニチ 1年間の期限付き移籍。
 2021年12月22日 ニッカン 期限付き移籍。
 2021年12月25日 公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

神谷凱士(26) 藤枝(J3)へ期限付き移籍
 2022年1月12日 公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

■川崎からの期限付き移籍満了・さらに期限付き移籍
宮代大聖 徳島(J1→J2)への期限付き移籍満了、鳥栖(J1)へ期限付き移籍
 2021年12月31日 公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

原田虹輝 鳥取(J3)への期限付き移籍満了、長野(J3)へ期限付き移籍
 2021年12月23日 公式発表 期限付き移籍から復帰。
 2022年1月7日  公式発表 期限付き移籍 2022年2月1日~2023年1月31日。

■川崎からの期限付き移籍満了・契約満了
マギーニョ 横浜FC(J1→J2)への期限付き移籍満了、契約満了
 2021年12月21日 公式発表 期限付き移籍満了、契約満了。

■川崎への期限付き移籍満了
イ・キョンテ(40) 岡山(J2)からの期限付き移籍満了、金海市庁FC(KOR)へ完全移籍
 2021年12年25日 公式発表 岡山(J2)からの期限付き移籍満了。金海市庁FC(KOR)へ完全移籍。

■■■ out (報道ベース) ■■■
■川崎からの期限付き移籍【破談】
シミッチ(6)
 2021年12月5日  報知新聞 FC東京(J1)がリストアップ。
 2021年12月5日  中日スポ FC東京(J1)が獲得決定的。
 2021年12月7日  報知新聞 FC東京(J1)が1年間の期限付き移籍で獲得。
 2022年1月8日  中日スポ 交渉は難航。一転して破談の可能性も。
 2022年1月12日 公式発表 川崎と契約更新。

■■■ renew (公式発表) ■■■
■契約更新
レアンドロ・ダミアン(9)
 2021年11月4日  スポニチ 来季も残留する。
 2021年11月25日 公式発表 来季の契約について合意。

鬼木達(監督)
 2021年12月17日 公式発表 来季の契約について合意。

チョン・ソンリョン(1)
 2021年12月29日 公式発表 来季の契約について合意。

ジェジエウ(4)
マルシーニョ(23)
 2021年12月31日 公式発表 来季の契約について合意。

シミッチ(6) (再掲)
 2022年1月12日 公式発表 来季の契約について合意。

登里享平(2) 
塚川孝輝(3) 
谷口彰悟(5) 
車屋紳太郎(7) 
脇坂泰斗(8) 
大島僚太(10) 
小林悠(11) 
山根視来(13) 
小塚和季(17) 
遠野大弥(19) 
知念慶(20) 
安藤駿介(21) 
橘田健人(22) 
宮城天(24) 
丹野研太(27) 
山村和也(28) 
田邉秀斗(30) 
家長昭博(41) 

 2022年1月12日 公式発表 18選手と来季の契約について合意。

寺田周平(コーチ)
戸田光洋(コーチ)
二階堂悠(コーチ)
吉田勇樹(コーチ)
篠田洋介(フィジカルコーチ)

 2022年1月12日 公式発表 5コーチと来季の契約について合意。

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2021/12/13

211212川崎1(4PK5)1大分(天皇杯 SF)

川崎1(4PK5)1大分(等々力, 14:00KO, 17,595人)

2021シーズンも、残すのは天皇杯のみとなった。
 J1リーグ最終節横浜Fマリノス戦(J1 #38)から、中7日の日程。
 準決勝は収容率100%の等々力で、大分トリニータと対戦する。
 全席使用する等々力は、コロナ禍前の2020年2月22日の鳥栖戦(2020 J1 #1)以来。


先発は、マリノス戦から2人が変わる。
 山村がRCBで、大島がIHで新たに先発し、旗手が左FWに回る。
 マルシーニョがベンチへ、マリノス戦で負傷した車屋はベンチ外となった。

ベンチには小塚と塚川が入り、宮城天が外れた。
 塚川は9月22日の鹿島戦(J1 #32)、小塚は10月2日のFC東京戦(J1 #31)以来のベンチ入り。
 負傷者が少ない時期にはベンチ外が続いていて、久しぶりのメンバー入りを果たした。


大分は、J1リーグ9勝8分21敗の19位。
 J2リーグへの降格と、片野坂知宏監督の退任が決まっている。
 増山朝陽(39)、呉屋大翔(33)、野嶽惇也(28)、梅崎司(27)は天皇杯登録外。
  いずれも夏に大分に加入し、前チームで天皇杯に出場しているため。
 刀根亮輔(41)は、天皇杯における累積警告のため、出場停止。

今シーズンの対戦は、川崎の2勝だった。
 210403川崎2-0大分(J1 #7)
 210809大分0-2川崎(J1 #23)

■1st half
大分はそれほどプレスを掛けず、撤退してゴール前を固めてきた。
 コンパクトでもなく、中盤やサイドにスペースが空いていて、川崎が攻めていく。
 特に大島がクリエイティブなプレーを披露して、観客を驚かせた。

ダミアンにボールが集まり、ダミアンが次々にシュートを狙う。
そして大分のGK高木駿(1)が、大活躍を見せた。
 25分の脇坂、27分の大島、45分の山村、45分の旗手のシュートを防いだ。

大分はほとんど攻撃できなかった。
 下田北斗(11)がタクトを振るうが、スルーパスはつながらない。

■2nd half
後半も川崎が圧倒的に押し込んでいく。
 CKやFKも数多く獲得して、脇坂が蹴り続ける。
 48分に山根、53分に脇坂、72分と79分にマルシーニョがシュート。
 75分にはダミアンがオーバヘッド。
 それでもGK高木駿が守るゴールを割ることはできなかった。

大分のチャンスはほとんどなく、耐え続ける。
 77分、GKソンリョンの処理ミスを奪い、下田北斗がシュートした。

■extra time
延長も同じような流れが続いた。
 選手交代を交えながら、川崎が攻め続ける。
100分、脇坂が強烈なミドルを放つが、GK高木駿がセーブ。
105分、家長のラストパスから小林悠が決定的なシュートを放つ。

スコアレスドローも色濃くなった113分。
 小塚の右クロスを小林悠が合わせ、川崎がようやくリードを奪った。
残りは7分とロスタイムだけ。
 あとは逃げ切るだけだった。
 しかし、遠野が負傷して数的不利となり、大分の逆襲を許してしまう。

120+1分、下田北斗が中盤からアーリークロス。
 前線に上がっていたCBエンリケ・トレヴィザン(14)が頭で合わせて、同点とされた。

■penalty shootout
川崎は、4人目の塚川が左ポストに当ててリードを許す。
大分の5人目、小林裕紀(6)は決めれば勝てる状況だったが、GKソンリョンが止める。
しかし、7人目の山根をGK高木駿が止めて、大分が決勝に進んだ。

大分 ○下田 北斗(11) ×長沢駿(20)  ○松本怜(7)   ○トレヴィザン(14)
   ×小林裕紀(6) ○三竿雄斗(3) ○町田也真人(8)
川崎 ○知念慶(20)   ×山村和也(28) ○小塚和季(17) ×塚川孝輝(3) 
   ○小林悠(11)  ○谷口彰悟(5) ×山根視来(13) 

■summary
大分は、狙いどおりのサッカーを120分間、続けた。
 113分に先制ゴールは許したものの、下田北斗の正確なキックで同点に追い付く。
 PK戦に持ち込んで勝利するというシナリオを完遂した。

多くのシュートを浴びながら、GK高木駿(1)が好セーブを続ける。
 PK戦では山村と山根の2本のPKを止め、勝利に導いた。

J2降格が決まっても、天皇杯に優勝すれば、ACLに出場できる。
 夢のある決勝進出であり、ぜひ、タイトルを獲得してほしい。


決勝進出が決まった直後の大分の選手たち。

泣き続ける旗手玲央(47)に寄り添う脇坂泰斗(8)。

川崎はGK高木駿の牙城を崩せなかった。
 中盤で圧倒的に支配することで、サイドを含めて攻撃を続ける。
 1トップのダミアンは厳しくマークされつつも、多くのシュートを放った。

延長での選手交代が奏功し、小塚のクロスを小林悠が決めてリード。
 120+1分の下田北斗のアーリークロスは、可能性が高いものではなかった。
 しかし、トレヴィザンが対峙する山村を制し、同点ゴールを決められた。


天皇杯は準決勝で大分に負け、2021シーズンが終わった。
 ACLの海外連戦や帰国後の隔離、等々力を使えない期間も長かった。
 8月に調子を落としながら、盛り返してJ1リーグのタイトルを獲得。
 ACLと天皇杯はPK戦で、YBCルヴァンカップはアウェイゴール数差で敗退した。
 いずれも紙一重だったが、今年のタイトルは1つにとどまった。

予定よりも1週間早いシーズンオフとなった。
 選手たちは身体をしっかり休めて、2022シーズンに向けて英気を養ってほしい。

■goal
113小林悠(11) 
120+1エンリケ・トレヴィザン(14)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 96分、渡邉新太(16)のシュートを弾く。PK戦では小林裕紀を止めた。
山根視来(13) 6.5 GKやCBのパスの受け皿となる。48分、105+3分、110分にシュート。
山村和也(28) 6.0 正確なパスで組み立てる。45分、ループシュート。失点は防げなかった。
谷口彰悟(5) 6.5 90+4分、脇坂のFKをヘッド。力強いクリアを続け、臆せず前につないだ。
登里享平(2) 6.0 守備の間を狙ってスルーパスを通す。44分、左クロスをダミアンに届ける。
橘田健人(22) 6.0 中盤でボールを奪う。ゴールに直接つながるプレーをもっと磨きたい。
脇坂泰斗(8) 6.5 25分、縦に進んでミドル。100分にもミドル。セットプレーを多く蹴る。
大島僚太(10) 6.5 27分、ボレーシュート。40分、ユニフォームを引っ張られ、報復する。
家長昭博(41) 6.0 左サイドに出張ることが多かった。51分と100分に脇坂のCKをヘッド。
ダミアン(9) 6.0 17分、18分、28分、44分と積極的にシュート。75分、オーバーヘッド。
旗手玲央(47) 6.0 45分、64分にシュート。左FWではサイドに張り、ドリブルを仕掛けた。

■sub
65(10)マルシーニョ(23) 6.0 79分、決定機。111分、115分にカットインからシュート。
82(47)知念慶(20) 5.5 1トップ、そして2トップの一角でプレー。120+5分にシュート。
82(9)小林悠(11) 6.5 113分、ワンタッチで先制ゴール。105分に決定的なシュート。
109(22)小塚和季(17) 6.0 113分、山根のパスでPA内に走り込み、右クロスで1アシスト。
109(8)塚川孝輝(3) 6.0 空中戦を制して、セカンドボールを回収。ダイナミックにプレー。
109(41)遠野大弥(19) 5.5 右サイドから中を狙う。117分、足を負傷し、ピッチ外に去る。

■bench
丹野研太(27) 

■coach
鬼木達 6.0 109分の3枚替えで先制点を奪う。ただ、PKが得意な選手が減ってしまった。

■referee
松尾一 6.5 判断基準が分かりやすく、抑制的なジャッジ。素晴らしかった。

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2021/12/04

211204横浜FM1-1川崎(J1 #38)

横浜FM1-1川崎(日産スタジアム, 14:00KO, 30,657人/36,164人)

2021シーズンのJ1リーグ最終節。
 G大阪戦(J1 #37)から中6日で、横浜Fマリノスとのアウェイゲーム。
 マリノスとは開幕戦(J1 #1)で戦ってから、9か月ぶりの対戦となる。

J1リーグの1位2位対決だが、すでに順位は確定している。
消化試合とはいえ、いくつかの記録がかかっている。
・22得点で並ぶレアンドロ・ダミアン(9)と前田大然(38)の得点王争い。
・総得点1位争い(川崎80点、マリノス81点)。
・最少敗戦記録(現在2敗。これまでの記録は2020年の川崎3敗)。

日産スタジアムは、50%収容でも30,000席超の巨大スタジアム。
 チケットは完売していて、コロナ禍にあって圧倒的な観客数となった。

今シーズン限りでの勇退を表明している家本政明が主審を務める。
 Jリーグ516試合目の主審となるこの試合がラストマッチとなった。


先発は、G大阪戦とまったく同じ11人。
 ベンチの7人も変わらない。
 C大阪戦(J1 #36)から3試合連続で同じ18人が並ぶ。


横浜Fマリノスは、J1リーグ2位。
 24勝7分6敗の勝ち点78で、例年なら優勝できるほどの好成績。
6月、アンジェ・ポステコグルー監督が退任。
 7月にケヴィン・マスカットが新監督に就任している。
CB畠中槙之輔は、左ハムストリング付着部損傷で手術して、長期離脱中。

開幕戦では、川崎が家長の2ゴールで勝っている。
 210226川崎2-0横浜FM(J1 #1)

■1st half
マリノスは3トップで、右FWのエウベル(7)がライン際で待ち受ける。
 川崎の選手間の距離を拡げ、縦にパスを入れて1列ずつ前進する。
 1人が長くボールを持つことなく、川崎のプレスが来る前にパスをつなぐ。
15分に前田大然(38)、17分、26分、29分にレオ・セアラ(9)がシュート。
26分、GK高丘陽平(1)のクリアボールから抜け出した前田がループを放った。

川崎は右サイドの大きなスペースを使っていく。
 家長にロングボールが入ると、チャンスとなった。
4分、24分にダミアンがシュート。
12分、山村のダイビングヘッドはGK高丘が弾いた。

■2nd half
後半開始から10分ほど、マリノスが攻勢を仕掛ける。
 川崎はボールを持てず、守備を強いられる。
ようやく54分、ダミアンの戻しから旗手がミドルシュート。

67分、インターセプトした山村が、右サイドの家長に展開する。
 家長が丁寧にクロスを上げると、ダミアンが高い打点でヘッド。
 GK手前に叩き付けたボールは浮き上がり、ゴール左隅に決まった。

1点を先制した直後の74分。
大島のハンドで与えたFKから、エウベルが左クロス。
 レオ・セアラのシュートは山村がブロックしたが、こぼれ球を前田大然が同点ゴール。

同点となっても、両チームは攻め続ける。
 78分、エウベルの右クロスは、ゴール前の前田にわずかに合わなかった。
 79分、ダミアンのラストパスから家長がシュート。
 89分、松原健(27)がミドルシュート。

 ロスタイムには川崎の攻勢が続いた。
 90+1分、遠野の右CKを谷口がヘッド。
 90+2分、知念の左クロスをダミアンがヘッド。
 90+5分、谷口のスルーパスで知念が抜け出してシュート。

■summary
どちらのチームも最後までゴールを目指した。
 1位2位対決にふさわしい、素晴らしい内容となった。
 観戦しているのが楽しく、幸せを感じるほど。

マリノスはプレスに臆することなく、GK高丘からパスをつなぐ。
 サイドに川崎の守備を引っ張り、中央のスペースを突いた。
 シンプルに次々にパスをつないで、少しずつ前進する。
 着実にPAに近づいて、ゴールを目指した。

後半になると中盤のスペースを埋められなくなる。
 コンパクトな陣形をもう少し長く保ちたかった。
 それでも川崎のゴールを1つにとどめ、ドローに持ち込んだ。


家本政明主審の引退セレモニー。
両チームのユニフォームが贈呈されます。

川崎は、マリノスの正確な攻撃に苦しんだ。
 車屋の負傷で、山村を急遽投入したが、最終ラインは破綻しなかった。
 SB山根と登里は数的不利を作られることも多かったが、粘り強く対応した。
 マリノスの攻撃が続いても最後の決定機は多く与えず、良く守った。

ダミアンは1ゴールを決めて、得点王となった。
 前田大然も仲良く1ゴール。23ゴールで得点王を分け合った。


今シーズンのJ1リーグが終了した。
 2017年、2018年、2020年に続く4度目の戴冠。そして2度目の連覇。
 38試合28勝8分2敗の勝ち点92。2位マリノスに勝ち点13差で優勝。
 昨年樹立したシーズン最少敗戦(3敗)を、4試合多いシーズンにあって2敗と更新。
 総得点81はマリノスに1つ及ばず2位だったが、総失点28、得失点差+53は1位。

次は中7日で天皇杯大分戦(天皇杯 SF)。
 車屋の負傷が心配だが、しっかり勝ち上がりたい。

■goal
74前田大然(38)
67ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 7.5 15分、81分と味方に当たり逆に飛ぶシュートを防ぐ。86分にもセーブ。
山根視来(13) 6.0 3分、前田を抜いて前に進む。66分、右クロス。前田のプレスに苦しんだ。
谷口彰悟(5) 6.5 厳しい局面に追い込まれても最後まで足を出す。90+1分、右CKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 5.5 6分、クロスを止めて右足を負傷。少しプレーを続けたが、11分に交代。
登里享平(2) 6.0 エウベルにライン際に引き出される。24分、ダミアンへ完璧なスルーパス。
橘田健人(22) 6.5 広大なスペースを走って埋め続ける。ルーズボールへの反応も早かった。
脇坂泰斗(8) 6.0 8分、ドリブルで突き進む。43分に右クロス。58分、中央からシュート。
旗手玲央(47) 5.5 パスが味方に合わなかった。12分、左クロス。41分、54分にボレー。
家長昭博(41) 6.5 1アシスト。プレスの穴を空けた。79分、決定機の左足シュートは外す。
ダミアン(9) 7.0 高い打点のヘッドで先制ゴール。24分、90+3分にも決定的なシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 RSB小池龍太(25)に孤立させられる。43分、ドリブルで仕掛ける。

■sub
11(7)山村和也(28) 6.5 緊急出場。12分、ヘッド。67分、ボール奪取から先制点を生んだ。
HT(23)大島僚太(10) 6.0 54分、ダミアンへラストパス。囲まれても悠然とパスを出した。
80(8)知念慶(20) 6.0 左FW。85分、90分にプレスからボールカット。90+5分、シュート。
87(47)小林悠(11) 5.0 プレー機会は少なかった。90+2分、前田のプレスを受けロスト。
87(22)遠野大弥(19) 5.5 インサイドハーフで出場。90+1分、右CKを谷口に届ける。

■bench
丹野研太(27) 宮城天(24) 

■coach
鬼木達 6.0 マリノスの攻勢を受け止めつつ、選手交代を活かして反撃に転じた。

■referee
家本政明 6.5 接触プレーを流し、過度なファウルは取らず、いつものように素晴らしかった。

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