2021/06/10

210609川崎1(4PK3)1長野(天皇杯 R64)

川崎1(4PK3)長野(等々力, 18:00KO, 4,508人/5,000人)

横浜FC戦(J1 #21)から中6日。
 代表ウィークの水曜日、第101回天皇杯は例年通り2回戦から始まる。
 昨年の第100回大会では、準決勝からの出場で初優勝を飾った。

天皇杯なのでVARはなく、審判団は通常の4人制。
 神奈川県に発令されているまん延防止措置の影響で、平日18時キックオフとなった。
 観客数も5,000人に制限されている。
 映像配信も用意されておらず、観戦のハードルは高い。

山根と谷口がフル代表に、田中碧、旗手、三笘がU24代表に参加中。
 横浜FC戦に続いて、この5選手が不在となる。


先発は、横浜FC戦から2人が変わる。
 新たにダミアン、小塚が入り、小林悠と橘田がベンチスタートとなる。
 天皇杯2回戦だが、日程的には余裕があるため、主力を並べる。

ベンチには、新たに山村と宮城天が入り、神谷と知念が外れた。
 山村は、3月18日に左大腿二頭筋を肉離れして以来の復帰。
 宮城天は、川崎で初めてのメンバー入りを果たした。


対戦相手は、長野県代表のAC長野パルセイロ(J3)。
 J3リーグでは、12位(15チーム)となっている。

日曜日のアウェイ今治戦(J3 #10)から中3日の日程。
 今治戦から9選手を入れ替えて、大きくターンオーバーしている。
 天皇杯1回戦は、新潟県代表の新潟医療福祉大学FC(北信越1部)に勝利した。

■1st half
長野は精力的にプレスを仕掛けてくる。
 1トップの榊翔太(11)が先導して、全体的にパスコースを消した。

川崎はプレスに苦しんで、パスを回すことができない。
 背後を狙う動きが少なく、正面からプレスを受けてしまう。
 特にジェジエウが狙われて、最後はロングボールを蹴らされた。

42分、長野は左サイドから中央の榊に入れ、さらに右の藤山智史(8)にパス。
 バイタルでの寄せが甘く、藤山のゴラッソミドルで先制ゴールを許した。

川崎の攻撃は、左からのクロスボールがメイン。
 長谷川が32分、41分、44分、車屋が38分に左クロスを入れる。
 単調な攻撃となり、ゴール前を固める長野を崩せなかった。

■2nd half
後半スタート直後、長野がチャンスを作る。
 47分、森川裕基(16)が決定的なシュート。
 49分、CKから藤森亮志(25)、川田拳登(29)が続けてシュートする。

その後は、川崎が1点を追って攻める展開となった。
 後半開始から入った橘田が、何度も動き直して撹乱する。
 長野のプレスを剥がしながら、バイタルを支配していく。

59分のシミッチ、66分と72分の車屋、69分のダミアン、79分の小林悠とシュート。
 長野は運動量が落ちて、ゴール前に釘付けとなる。
 それでもGK田中謙吾(1)のビッグセーブなどで、耐えていく。
 特に89分、塚川のヘッドを弾いたGK田中のセーブは素晴らしかった。

しかし90+1分。
 ゴール前の混戦から橘田のミドルが決まって、終了間際に同点となった。

■extra time
延長では家長がアンカーに入った。
 ボールを持って、マークを引き寄せてからパスを出した。
 途中出場の塚川や遠野、そして宮城天がスプリントを繰り返し、チャンスを作る。

92分に宮城天と小林悠、96分にダミアンがシュート。
 決定機を量産するが、GK田中のセーブなどで決められない。
114分に遠野、116分にジェジエウ、117分と119分に家長がシュート。
 最後はアンカーの山村をCBに落とし、ジェジエウをFWに置く。
 攻め続けたがゴールは入らず、120分が終わった。

■penalty shootout
GKソンリョンが、2人目の水谷拓磨(7)、3人目の東浩史(10)のシュートを止めた。
 長野のGK田中も4人目の遠野を止めたが、川崎が勝ち抜けた。

長野 ○藤山智史(8) ×水谷拓磨(7) ×東浩史(10) ○山本龍平(33) ○吉村弦(20)
川崎 ○小林悠(11) ○山村和也(28) ○車屋紳太郎(7) ×遠野大弥(19) ○家長昭博(41)

■summary
長野は素晴らしいサッカーを披露した。
 川崎が横にパスするタイミングで、ボールホルダーへ鋭く寄せる。
 連動してパスコースを消し、バックパスそしてロングキックに追い込んだ。

後半、運動量が落ちると、ラインを下げてゴール前を固める。
 少人数のカウンターで押し上げを図りつつ、追加点を狙った。

後半ロスタイムに失点したが、延長も無失点で切り抜ける。
 GK田中が躍動。セーブを繰り返して、味方を鼓舞した。

あからさまに時間稼ぎをすることもなく、正々堂々と戦った。
 敗者とはなったが、賞賛に値するプレーだった。


GK田中謙吾(1)。
 ビッグセーブを連発しました。

川崎は積極性に欠け、苦しんだ。
 プレスバックも緩く遅く、複数人で囲むことができなかった。
 消耗を避けるためか、攻守ともに運動量が少なかった。
サイドを1対1で突破されて、クロスを上げられる。
 特に前半は、良いプレーができていなかった。

イサカ・ゼインは、横浜FC戦に続いて2試合目の先発。
 ハイボールを競るタイミングが悪く、先にジャンプしてもボールに触れない。
 今日は厳しい内容だったが、明らかになった課題をこれから改善したい。

 宮城天は、川崎での初出場を飾った。
 左FWに入り、姿勢良くボールを持って、ゴールを目指した。
 ビハインドの状況で、いきなり結果を求められたが、期待に応えた。

天皇杯の初戦を際どく突破することができた。
 次は、ウズベキスタンで集中開催されるACLのグループリーグ。
 6月26日の大邱FC戦(ACL GL #1)から、中2日での6連戦となる。
 コンディションを整えて、長距離遠征に向かいたい。

■goal
90+1橘田健人(22) 
42藤山智史(8)

■judge
ソンリョン(1) 7.0 42分の失点は1歩も動けなかった。PKを2本止めて、勝利に貢献した。
ゼイン(15) 4.5 ハイボールに触ることができず、1対1でも負けた。右クロスも精度を欠く。
ジェジエウ(4) 6.0 パスコースを消され苦しむ。23分、ブロック。86分、117分にシュート。
車屋紳太郎(7) 6.5 38分、左クロス。66分、ヘッドでバーに当て、72分にロングシュート。
登里享平(2) 5.0 狭いエリアに押し込まれて窮屈だった。47分、71分にサイドを突破される。
シミッチ(6) 5.5 ロングパスを繰り出して局面の打開を図った。59分、ループシュート。
脇坂泰斗(8) 5.5 CKを担当。28分、ミドル。37分、FKを壁に当てる。45分、スルーパス。
小塚和季(17) 5.0 そつはなかったが、怖さがない。前を向いて驚きのあるパスを出したい。
家長昭博(41) 6.5 延長ではアンカーで差配。76分、90+6分、117分、119分にシュート。
ダミアン(9) 6.0 強いポストプレー。多くのシュートを放つ。96分の決定機は決められず。
長谷川竜也(16) 6.0 前半から正確な左クロスを上げ続けた。74分、右クロスをヘッド。

■sub
HT(17)橘田健人(22) 7.5 敗退の危機を救う。90+1分に同点ゴール。RSBでもまずまず。
65(15)小林悠(11) 6.0 92分、107分にシュート。96分、右クロスをダミアンに届ける。
79(8)遠野大弥(19) 5.5 CK担当。92分、シャツを引っ張られても前に進む。PKを外す。
79(6)塚川孝輝(3) 5.5 89分、登里の左クロスをヘッド。素早い出足から細かく動いた。
85(16)宮城天(24) 6.0 川崎でのデビュー戦。左サイドから92分、104分にシュート。
95(9)山村和也(28) 5.5 アンカーに入り、最後は右CBに移動。ACL前に復帰を果たす。

■bench
丹野研太(27) 

■coach
鬼木達 5.5 停滞した前半から、交代策でペースを掴む。際どかったが勝利を収めた。

■referee
先立圭吾 6.5 抑制が効いたジャッジ。J1リーグの主審経験はまだないが、今後が楽しみ。

151,100views