2019/11/30

191130川崎1-4横浜FM(J1 #33)

川崎1-4横浜FM(等々力, 14:00KO, 23,893人)

代表ウィークとACL決勝ウィークを挟み、3週間ぶりのJ1リーグ。
鹿島戦(J1 #31)から中20日で迎える首位横浜Fマリノス戦。

J1リーグは残り2節で、4位に立っている。
優勝の可能性はなくなったが、2位までの可能性は残る。
来シーズンのACL出場権のためにも、1つでも上の順位を狙いたい。


先発は、鹿島戦から1人変更。
GKにソンリョンが入り、新井はベンチ外となった。
ベンチにはGK安藤、ジェジエウが入り、奈良が外れた。


横浜FマリノスはJ1リーグ首位。
2位FC東京の結果によっては、この試合で優勝が決まる。
日産スタジアムでの対戦(J1 #3)はドローだった。

■1st half
マリノスは前線からの強いプレスを繰り返す。
川崎にボールを持たせず、サイドを使って攻めてきた。
そして8分、守田を抜き去ったマテウス(28)の左クロスを、仲川輝人(23)が合わせて先制。
その後も14分のエリキ(17)、28分の喜田拓也(8)とシュートチャンスを作る。

難しい状況だった川崎は、徐々にマリノスのプレスを抜けていく。
29分に大島のミドル、32分に守田の右クロスを小林がヘッド。
38分、田中碧のループパスを受けて脇坂がシュートと、ゴールに近づいた。

マリノスは押されつつも、川崎の背後のスペースを狙っていく。
43分に仲川、44分に松原と決定機を作ったが、GKソンリョンが止めた。

■2nd half
同点を狙って前に出る川崎は、バランスを崩してしまう。
悪いタイミングでボールを失うと、マリノスがすかさず速攻を仕掛けてきた。

49分、松原健(27)のスルーパスからエリキがゴール。
早い時間で2点差となって、川崎は長谷川、ダミアンを投入していく。
しかし、情勢を変えることができず、カウンターを浴び続ける。
69分、仲川の右クロスをエリキがきれいにヘッドで3点目。

試合は決まったが、その後はオープンな展開となり、1点ずつ取り合った。

■summary
マリノスは最後まで飽くことなく攻め続けた。
2人3人と連動して動きながら、パスコースを作り続ける。
1対1で恐れることなく仕掛け、4点を奪って圧勝した。

最終節で対戦を残す2位FC東京とは勝ち点3差。
得失点差も7差で、J1リーグの優勝をほぼ手中にした。
2年目のポステコグルー監督の美しいサッカーが成熟していている。
J1リーグ優勝に値するプレーを見せてくれた。


 いわてグルージャ盛岡(J3)も参加。

川崎はマリノスに圧倒されて惨敗を喫した。
プレスに苦しみ、ほとんどパスをつなげないまま8分に失点。
同点を狙って押し込んでも、後半、カウンターで失点を重ねた。
マリノスが仕掛ける時間帯を、きちっと凌ぐことができなかった。

川崎よりもマリノスの方が走っていたのも残念だった。
マリノスにも守備に不安はあったが、妥当な結果といえる。


次は中6日で札幌戦(J1 #34)。
今シーズン最後の試合を4位で迎える。
2位の可能性はなくなり、3位鹿島と勝ち点3差、5位C大阪と勝ち点1差。
ACL出場権を獲得するために、きちっと勝利して結果を待ちたい。

■goal
74ダミアン(9) 
8仲川輝人(23) 49,69エリキ(17) 89遠藤渓太(11)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 43分、44分に決定機をセーブする。リスタートの遅さが目に付いた。
守田英正(6) 4.5 8分にマテウスに振り切られてアシストされる。クロスやパスは良かった。
山村和也(34) 5.0 49分、2点目のスルーパスに触れず。エリキとの1対1は防げていた。
谷口彰悟(5) 4.0 5分、持ち上がってロスト。89分、エリキに奪われて4点目を与える。
車屋紳太郎(7) 5.5 25分には抜かれたが、仲川を抑えていた。51分、90分と左クロス。
田中碧(25) 4.5 フリーの状況からのパスにミスが目立った。カウンターを許してしまう。
大島僚太(10) 5.0 プレスが厳しく、効果的なパスを出せなかった。29分にミドル。
家長昭博(41) 5.5 後半、スペースが生まれて躍動。83分、カットインからシュート。
脇坂泰斗(28) 5.0 38分、田中碧のスルーパスからシュート。ボールに絡めなかった。
阿部浩之(8) 5.0 守備に追われてポジションが下がってしまう。34分、ロングシュート。
小林悠(11) 4.5 32分、守田の右クロスをヘッド。交代時に急がず、歩いていた。

■sub
54(28)長谷川竜也(16) 5.5 左サイドから仕掛ける。74分、左クロスでアシスト。
61(8)ダミアン(9) 6.0 高いヘッドで1ゴール。84分、きれいな動き出しでチャンスを作る。
79(11)知念慶(20) 5.5 86分、FKから強いシュート。90分、車屋のクロスをヘッド。

■bench
安藤駿介(24) 登里享平(2) ジェジエウ(4) 下田北斗(22)

■coach
鬼木達 5.5 劣勢の立ち上がりに手を打てなかった。2点差からの交代策は悪くはなかった。

■referee
西村雄一 6.0 落ち着いたジャッジで試合をコントロールした。負傷で前半のみで交代。
HT清水勇人 5.5 軽い接触は流した。84分、ダミアンを倒した畠中槙之輔(44)はノーカードだったが、DOGSO※でレッドが妥当か。

※DOGSO(Denying Obviously Goal Scoring Opportunity)

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2019/11/10

191109鹿島0-2川崎(J1 #31)

鹿島0-2川崎(カシマサッカースタジアム, 14:00KO, 23,195人)

ACL決勝のため変則日程となった浦和戦(J1 #32)から中3日。
広島戦(J1 #30)から続くACL組との3連戦の最後、鹿島戦。


先発は、浦和戦から3人変更する。
新たに大島、阿部、小林悠が先発する。

ベンチにダミアンが回り、マギーニョと齋藤学はベンチ外。
登里、知念がベンチ入りする。


鹿島はミッドウィークに試合がなく、中6日。
J1リーグ首位を走っている。
今季はルヴァンカップ準決勝を含めて3回対戦し、川崎の1勝2分。
 190301川崎1-1鹿島(J1 #2)
 191009川崎3-1鹿島(YLC SF #1)
 191013鹿島0-0川崎(YLC SF #2)

■1st half
川崎は中央でショートパスをつないでいく、
シュートは少ないが、PA近くまで攻め込んだ。

30分あたりから、川崎の運動量が落ちてくる。
パスコースを作る動きが減り、囲まれてボールを奪われた。
中盤でのプレスも緩み、鹿島の押し上げを許していく。

レオ・シルバ(4)が長短のボールを繰り出し、鹿島の攻撃をリード。
さらには川崎の安易なミスが続いてしまう。
38分、大島がゴール前でパスミスして伊藤翔(15)が決定的なシュート。
39分、守田がトラップミスをして奪われて、伊藤がシュート。

44分にはレオ・シルバの左クロスを山村が触り、ポストに当たった。

■2nd half
後半も鹿島が押し込む展開となる。
川崎が苦労してボールを確保しても、すぐに奪われてしまう。
鹿島がハーフコートで連続攻撃を仕掛け、ゴールに迫った。

51分、完全に崩して土居聖真(8)がセルジーニョ(8)にラストパス。
GK新井も引き出されて絶体絶命だったが、車屋がゴールライン上でクリア。
56分にはレオ・シルバの右クロスから、永木亮太(6)がシュート。

圧倒的に鹿島に押されながらも、62分。
家長が自ら得たFKを、山村がヘッドで合わせてゴール右に決めた。

失点した鹿島は前掛かりとなってバランスを崩す。
川崎がクリアボールをつないで、鹿島のプレスバックをかいくぐる。
56分に投入された長谷川を使って、カウンターを仕掛けた。

71分、GK新井のパンチングを阿部が囲まれつつ、左サイドの守田へ展開。
守田のロングボールから、小林がGKクォン・スンテ(1)との1対1からシュート。
左ポストに当たり戻ったボールを長谷川が押し込み、追加点を決めた。

■summary
鹿島は30分あたりから川崎を圧倒した。
後半も決定機を量産していたが、62分、セットプレーから失点してしまう。
その後は川崎のカウンターを許してしまい、勝つことができなかった。
先にゴールを奪っておきたかったところ。

内田篤人(2)が2失点に関与してしまう。
1点目は、山村の隣にいても身体を当てることなく傍観してしまう。
2点目は、こぼれ球を狙って走る長谷川を追うことがなかった。
技術は高いが、コンディションが悪く、ほとんど走らなかった。


川崎は厳しい時間帯を耐えて、セットプレーから先制点。
中3日なので仕方ないが、みるみる運動量を落としてしまった。
それでも良い結果を出し、3連勝を飾った。

次は3週間後、J1リーグ2位の横浜Fマリノス戦(J1 #33)。
首位FC東京(残り3試合)とは勝ち点5差で、4位の川崎は残り2試合。
優勝の可能性は極めて少ないが、少しでも勝ち点を積み上げたい。

■goal
62山村和也(34) 71長谷川竜也(16) 

■judge
新井章太(21) 6.5 積極的に前に出てボールに触る。86分、遠藤康(25)のFKをキャッチ。
守田英正(6) 6.0 39分、トラップミスから決定機を許す。71分、小林へロングフィード。
山村和也(34) 7.0 劣勢でも落ち着いて守り続ける。62分、高い打点のヘッドで先制点。
谷口彰悟(5) 6.5 ハイボールを伊藤と競って回収する。ラインを上げられずに苦しんだ。
車屋紳太郎(7) 6.0 51分、セルジーニョのシュートをライン上でクリア。65分、左クロス。
田中碧(25) 6.0 CBの間に落ちてさばく。動き出しは鈍かったが、最後まで走り切った。
大島僚太(10) 5.5 38分、パスが弱く決定機を与える。良い守備もあったが、ミスも多い。
家長昭博(41) 6.0 62分、FKでアシスト。10分、65分にも決定機。ブエノ(27)とやり合う。
脇坂泰斗(28) 5.5 序盤、多くのセットプレーを担当する。足が重く、消えてしまった。
阿部浩之(8) 6.5 何度もボールを追い直し、守備の強度を上げる。82分、知念へスルーパス。
小林悠(11) 6.0 71分、素晴らしいトラップからのシュートは左ポスト。鹿島のCBに苦しむ。

■sub
56(28)長谷川竜也(16) 6.5 広いスペースでボールを受ける。71分、ダメ押しゴール。
81(11)知念慶(20) 5.5 最前線からプレスを掛けた。84分、車屋のクロスをシュート。
90+3(8)登里享平(2) 5.5 右ウィングに入る。時間はほとんどなかった。

■bench
ソンリョン(1) 奈良竜樹(3) 下田北斗(22) ダミアン(9) 

■coach
鬼木達 6.5 圧倒されていたが、長谷川の投入によって盛り返すことができた。

■referee
飯田淳平 6.0 前半は流し気味。徐々に厳しくファウルをとって、試合を落ち着かせた。

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2019/11/06

191105浦和0-2川崎(J1 #32)

浦和0-2川崎(埼玉スタジアム, 18:30KO, 21,817人)

ぎりぎりで勝利した広島戦(J1 #30)から中2日。
浦和がアル・ヒラル(KSA)とのACL決勝を控え、第32節は繰り上げて開催される。
さらに、サウジアラビアへの飛行機の時間のため、18時30分キックオフ。
火曜日の早い時間に埼玉スタジアムに行くのは厳しいが、やむを得ない。


先発は、広島戦から6人を変更する。
広島戦では出場停止だった谷口、車屋、家長の3人が先発復帰。
さらに守田、齋藤学、ダミアンが新たに先発する。

広島戦の先発のうち、奈良、大島、阿部、小林はベンチスタート。
登里と中村(左前十字靭帯損傷)がベンチ外となった。

ベンチには新たに長谷川が入り、ジェジエウ、イサカ・ゼイン、知念が外れた。


浦和は先週金曜日の鹿島戦(J1 #30)から中3日。
先週火曜日には繰り上がった広島戦(J1 #31)があり、過密な日程。

ACL決勝を控え、先発8人を代える大きなターンオーバーを行う。
なお、大槻毅監督は鹿島戦で退場処分となり、ベンチ入り停止。
上野優作ヘッドコーチが指揮を執ることとなった。

J1リーグは9勝9分13敗で暫定11位(1試合多く消化済み)。
J1参入プレーオフ圏内の16位湘南まで勝ち点5差となっている。

■1st half
浦和は5バックで、自陣深く引いて守ってきた。
ボールホルダーとの間合いを詰めることも少なく、受動的な守り。

川崎は田中碧と守田がフリーでボールを動かしていく。
右のマギーニョと家長を多く使いながら、攻めていった。

28分、脇坂のミドルはGK西川周作(1)が素晴らしいセーブ。
続く脇坂のCKを、谷口がフリーでヘッドするがバーに当たった。

そして35分。守田が落としたボールを脇坂がターンしてミドル。
ゴール右隅に逃げていく弾道で、わずかにGK西川は届かなかった。

浦和はパスコースが少なく、川崎のプレスに苦しんだ。
32分、山中の左クロスからマルティノス(11)がチャンスを迎えた。
左サイドから山中亮輔(6)と汰木康也(24)がクロスを上げる。

■2nd half
浦和は後半、プレスを仕掛けてきた。
川崎はボールをつなげず、攻守の入れ替えが早くなる。
ゆっくりプレーできる局面でも、縦パスを入れてボールを失った。

浦和は49分、マルティノスのシュートがポスト内側に当たる。
その後もクロスボールやセットプレーで狙い、70分あたりから連続攻撃。
72分、74分と柏木陽介(10)のセットプレーから、ゴール前で混戦となった。

耐えていた川崎は78分、右サイドで家長が組み立てる。
スペースに入った守田が正確なクロスを届け、小林がヘッドで決めた。

■summary
浦和はACL決勝を控えて、主力を温存した。
前半は、静かなプレーで体力の消耗を避ける。
後半になると一転してプレッシングで勝負を掛けてきた。
2失点を喫して敗北したが、勝ち点を獲得する可能性はあった。

2点差となった79分、FW興梠慎三(30)を投入した采配は疑問。
無理にプレーさせる必要はなかったと思われる。
ともあれ、浦和にとって3度目のACLの獲得を期待したい。
(残念ながら、アル・ヒラル(KSA)に敗れて準優勝となった。)


川崎は厳しい日程ながら、勝ち点3を積み上げた。
脇坂のミドルも小林のヘッドも良い時間帯だった。
後半若干押されていたが、しっかりと逃げ切った。

連戦の田中碧と脇坂には疲労が見られた。
動きが少なく、良い時間ばかりではなかった。
ただ、広島戦で出場停止だった家長や谷口、車屋が補ってくれた。

次は中3日でアウェイ鹿島戦(J1 #31)。
鹿島はJ1リーグ首位で、中7日の日程となる。
選手を入れ換えながら、良い結果を出したい。

■goal
35脇坂泰斗(28) 78小林悠(11) 

■judge
新井章太(21) 6.0 積極的に前に出てクロスボールに対応。57分、柏木にプレゼントパス。
マギーニョ(26) 5.5 守備位置が不安定で、汰木と山中に狙われた。攻め上がりは良かった。
山村和也(34) 6.0 左右にパスを回しながら、縦パスも狙った。クロスボールを跳ね返した。
谷口彰悟(5) 6.5 28分、CKをヘッド。マルティネスへのロングボールに競り負けなかった。
車屋紳太郎(7) 6.0 仕掛けは少なかった。慎重に守ったが71分、ゴール近くでFKを与える。
守田英正(6) 6.0 小刻みなドリブルで浦和を動かす。後半、右SBに入った。2アシスト。
田中碧(25) 6.0 気の利いた配球を続けた。後半は動きが少なくなり、中盤を締められず。
家長昭博(41) 6.5 強い体幹を活かしボールキープ。サイドを制圧。23分、ボレーシュート。
脇坂泰斗(28) 6.5 28分のミドルに続き、35分に美しい先制ゴール。88分にもシュート。
齋藤学(19) 5.5 サイドだけではなく中央にも入り、裏抜けを狙う。クロスは精度が悪い。
ダミアン(9) 6.0 13分、16分、47分、54分とシュート。力強いプレスも効いていた。

■sub
HT(26)大島僚太(10) 5.0 浦和のプレスが強く、いつもよりもボールロストが多かった。
67(9)小林悠(11) 6.0 78分、守田の右クロスをゴール。劣勢のチームを救う。
89(28)阿部浩之(8) 5.5 短い時間だったが、左サイドのスペースを埋め、試合を終えた。

■bench
ソンリョン(1) 奈良竜樹(3) 下田北斗(22) 長谷川竜也(16)

■coach
鬼木達 6.0 浦和に押される時間もあったが、選手を入れ替えつつ勝ち点3を得た。

■referee
笠原寛貴 6.0 ぶれの少ない適切なジャッジ。試合の流れを妨げなかった。

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2019/11/03

191102川崎2-1広島(J1 #30)

川崎2-1広島(等々力, 15:05KO, 23,910人)

5度目の決勝(YLC Final)で、初めてのルヴァンカップを獲得した。
中6日で、残り5試合となったJ1リーグ広島戦を迎える。


 エンブレムの下に3つ目の★。
 ルヴァンカップを示しています。

先発は、ルヴァン決勝から4人変更。
CBに奈良、右SBにマギーニョ、トップ下に中村、1トップに小林が入った。

ベンチには、新たにジェジエウ、イサカ・ゼイン、齋藤学、知念が入る。
 ジェジエウは、9月5日の右内転筋肉離れ(全治6週間)からの復帰。
 イサカ・ゼインは、桐蔭横浜大学4年の特別指定選手。
 2020シーズンの加入が決まっていて、初めてのベンチ入り。

J1リーグの累積警告で、家長と車屋が出場停止。
ルヴァンカップ決勝で退場した谷口も出場停止となっている。


広島はJ1リーグで暫定4位(1試合多く消化済)。
6位の川崎とは勝ち点3差となっている。
2017年に川崎に在籍したハイネル(44)は、累積警告で出場停止。
アウェイでの対戦は、広島が勝っている。
 190731広島3-2川崎(J1 #16)

■1st half
キックオフから5分間、川崎が攻め込んだ。
3分、小林がロングシュート、4分、脇坂と阿部が続けてシュートする。

しかし、6分、山村が持ち上がってロストすると、川崎のターンは終わる。
広島が両サイドを広く使って攻めてきた。
左サイドからは、柏好文(18)が森島司(14)、佐々木翔(19)と組んで崩す。
マギーニョと脇坂だけでは数的不利になるため、大島が加勢して防いだ。

川崎は広島の早いプレスバックに苦しむ。
密集エリアを抜け出せば、背後に広がるスペースを使うことができた。

21分、中村が戻したところを田中碧がロングシュート。
無回転のボールが左ポストとGK大迫敬介(38)の背中に当たり、先制に成功する。

広島は38分、森島の左クロスからゴール前の混戦を作る。
43分、ドウグラス・ヴィエイラ(20)の右クロスをフリーの川辺駿(40)がシュート。
45+2分にもエミル・サロモンソン(3)の右クロスを青山敏弘(6)が頭で合わせた。

■2nd half
広島はレアンドロ・ペレイラ(39)を投入する。
ドウグラス・ヴィエイラの1トップから、2トップに布陣を変える。

両サイドから多くのクロスを入れて、セカンドボールを拾って攻撃を重ねた。
ただ、クロスは山村と奈良に跳ね返されてしまう。
ミドルシュートが少なく、攻撃のパターンが限られた。

82分、ミスから広島に同点ゴールが生まれる。
マギーニョのクリアボールが味方に届かない。
奈良に競り勝ったペレイラが、GK新井を抜いてあっさりとゴール。

厳しい状況となったが、これまで圧倒されていた川崎が反撃。
84分、阿部の左クロスから齋藤学がシュート。
DFがブロックして戻ったボールを、マギーニョが決めた。

■summary
広島は効果的なプレスで川崎の攻撃を許さなかった。
トラップにもパスにもミスが少なく、ボールを渡さない。
勝ちに値する内容で川崎を上回っていたが、結果は出なかった。
欲をいえば、もっとパスで崩して、川崎の守備を揺さぶりたかった。


川崎は良い内容ではなかったが、勝ち点3を得ることができた。
パスの選択が悪く、まったくボールを持てない。
家長、谷口、車屋が3人同時に不在となった影響は大きかった。
広島の攻撃が続き、最終ラインが深く押し下げられてしまう。
それでも山村と奈良を中心に、粘り強く守って、逃げ切った。

66分、中村憲剛が負傷交代。
倒れた直後に自らバツを出していた。
ケガの状況は厳しいと思われるが、軽傷であることを願う。
(11月3日、本人のブログで左前十字靭帯損傷で長期離脱することが発表された)

次は中2日でアウェイ浦和戦(J1 #32)。
ACLで浦和が決勝に進んだため、繰り上がって開催される。
その次も中3日で鹿島戦(J1 #31)が控えるため、選手を入れ替えながら勝利したい。

■goal
21田中碧(25) 84マギーニョ(26) 
82レアンドロ・ぺレイラ(39)

■judge
新井章太(21) 6.0 43分、川辺のシュートをセーブ。46分、ミスキックで決定機を許した。
マギーニョ(26) 6.0 82分、大きなミスで失点を招いたが、84分、決勝ゴールで挽回する。
奈良竜樹(3) 6.0 明確にクリアしてプレーを切った。縦パスを狙うが、ロストが目立った。
山村和也(34) 6.5 ロングボールを競り合った。攻め続けられる展開でも集中して守った。
登里享平(2) 5.5 守りに追われ、推進力を出せなかった。90分、副審への異議でイエロー。
田中碧(25) 6.0 鼻骨を骨折してフェイスガード着用。6分、10分とファウルでFKを与える。
大島僚太(10) 5.5 15分、脇坂へロングパス。29分、小林へスルーパス。60分で交代した。
脇坂泰斗(28) 5.5 4分、25分、44分とシュート。ボールをキープできず、守備に追われる。
中村憲剛(14) 5.0 トラップが大きく、パスは味方と呼吸が合わなかった。負傷して交代。
阿部浩之(8) 6.0 58分、カウンターからシュート。スプリントを繰り返し、守備で貢献。
小林悠(11) 5.0 パスを受けられず、プレー機会が限られた。後半は守備に追われていた。

■sub
60(10)下田北斗(22) 5.5 劣勢を挽回できなかったが、スペースを埋め、ボールを追った。
66(14)齋藤学(19) 6.0 76分、長いドリブルを仕掛ける。84分、フリーでシュート。
90+3(11)知念慶(20) 5.5 久しぶりの出場。プレスとボールキープで逃げ切った。

■bench
ソンリョン(1) ジェジエウ(4) イサカ・ゼイン(35) ダミアン(9) 

■coach
鬼木達 6.0 内容的には広島に及ばなかったが、貴重な勝ち点3を得た。

■referee
山本雄大 5.5 ちぐはぐな判定が少し見られたが、試合の結果に影響がなかった。

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