2019/04/29

190428神戸1-2川崎(J1 #9)

神戸1-2川崎(ノエビアスタジアム神戸, 14:00KO, 25,929人)

ドローに終わった蔚山現代戦(ACL GL #4)から中4日。
ノエビアスタジアムの神戸戦は、奇しくも昨年(2018 J1 #11)と同日の開催。


 神戸ゴール裏のコレオ。
 赤黒のチェック柄に、白いハート。

天候はくもりで、時々陽が射した。
暑くもなく寒くもなく、ちょうど良い気候。


先発は、蔚山現代戦から3人を変更する。
舞行龍、長谷川、知念が新たに先発する。
先発から外れた奈良、中村、家長は、いずれもベンチ外。

ベンチには、ジェジエウ、下田、宮代が入る。
宮代は昨年の磐田戦(2018 J1 #34)以来、2度目のベンチ入り。
先発するとの報道があった脇坂は、前日練習で負傷したためベンチ外。

神戸はJ1リーグで、3勝1分4敗の11位。
水曜日にルヴァンカップを戦っていて、中3日。

4月17日にリージョ監督が辞任し、吉田孝行が監督に就任。
吉田新監督はリージョの前任者でもあり、再登板となる。

昨シーズンの対戦は、川崎の2戦2勝だった。
 180428神戸1-2川崎(J1 #11)
 181020川崎5-3神戸(J1 #30)

■1st half
立ち上がりから、神戸は川崎のボールホルダーを素早く囲む。
ボールを奪うと、MFイエニスタ(8)を中心にパスを展開する。
12分、西大伍(22)のクロスから、古橋亨梧(16)が戻して山口蛍(5)がミドル。

ただ、神戸のプレスはこのあたりで緩んでしまう。
15分、齋藤学が獲得したFKを、馬渡が右ポストを叩いて直接ゴール。
PA右側からのFKで、右足で右ポストを狙い、GKキム・スンギュ(18)の逆を突いた。

大島と田中碧が自由にボールを持ってプレーする。
長谷川、齋藤学の両翼が、ドリブルで仕掛けて押し込んでいく。

37分、ショートカウンターを仕掛ける。
齋藤学がCBダンクレー(33)を引き寄せて、知念へスルーパス。
知念のシュートはGKキム・スンギュが止めたが、小林が押し込んだ。

■2nd half
後半は左サイドの長谷川を中心に攻めていく。
59分から61分にかけて、4本連続の馬渡のCKで時間を使っていく。

68分、神戸がセルジ・サンペール(6)を下げて三田啓貴(14)を投入。
すると三田が豊富な運動量で中盤を支え、神戸の圧力が強まった。
川崎はカウンターを仕掛けるものの、自陣深くまで押し込まれていく。

72分、78分に郷家友太(27)がシュート。
80分には西のクロスをダビド・ビジャ(7)が合わせる。

そして82分。イエニスタが右サイドから柔らかい絶妙なクロス。
ソンリョンが弾いたものの、郷家が拾って戻したところを古橋がゴール。
両CBも含め、川崎の守備は完全に崩されてしまった。

神戸はさらに攻勢を強める。
川崎は押し込まれ、ボールを奪っても大きく蹴るだけとなった。
苦しい状況だったが、なんとか耐えることができた。

■summary
神戸はボランチのサンペールの出来が良くなかった。
サンペールはパスを出してもポジションを修正せず、中盤で浮いてしまう。
そのため、山口蛍やイエニスタが川崎のプレスに苦しむこととなった。

68分に投入された三田は、フレッシュで運動量も多かった。
前にパスを入れては、味方との間合いを詰め、献身的に走って貢献した。

川崎は押される展開となったが、ベンチは動かないまま。
82分に失点してから、山村、鈴木を相次いで投入した。
神戸に追い付かれることはなかったが、後手の采配となった。


川崎は選手層の厚さを見せた。
中村、家長、脇坂が欠場し、パサーを2列目に置けない状況だった。
そのため、ドリブラーの齋藤学と長谷川を左右に配置する。

配球の多くを大島に頼らざるを得なかった。
神戸に厳しくマークされつつも、大島は決定的な仕事をこなした。
知念と小林の好調FWにも助けられた。
多くの負傷者を抱えつつ、悪くない内容で良い結果を出した。


次は中4日でホーム仙台戦(J1 #10)。
新たに奈良も離脱し、守田、車屋も戻っていない。
ケガ人の復帰を待ちつつ、勝ち点を積み重ねたい。

■goal
82古橋亨梧(16)
15馬渡和彰(17) 37小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 安定したキャッチで勝利に貢献。失点場面はパンチングが弱かった。
馬渡和彰(17) 6.5 プレースキックを担当。15分、右ポストに当てるFKで先制ゴール。
舞行龍(29) 6.0 右CBで出場。ビジャに自由を与えなかった。近くへのパスを工夫したい。
谷口彰悟(5) 6.0 背後を突かれずに守った。無理にパスをつながず、安全なクリアを選ぶ。
登里享平(2) 6.0 西のサイド攻撃を封じる。サイドに張り、気持ち良く長谷川を走らせた。
田中碧(25) 6.5 イエニスタに臆さず身体をぶつける。69分、決定的なヘッドはGK正面。
大島僚太(10) 7.0 プレスを一手に引き受けるが、それでも圧倒的に試合を支配した。
齋藤学(19) 6.5 右サイドから中央にドリブルで切れ込む。37分、知念へスルーパス。
長谷川竜也(16) 6.5 仕掛けてもロストが少なく、神戸を押し込む。34分、ループシュート。
小林悠(11) 6.0 37分、知念のシュートのこぼれ球を押し込む。ゴール量産を期待したい。
知念慶(20) 6.0 ハイボールに競り勝った。ダンクレーを苦にせず、縦パスを受けた。

■sub
83(20)山村和也(34) 6.0 トップ下で前線から果敢にボールを追う。逃げ切りに寄与した。
89(19)鈴木雄斗(27) 5.5 右ウィングに入る。90分、ドリブルするが囲まれて奪われた。
90+4(16)下田北斗(22) 5.5 左コーナー近くで時間を使う。すぐに試合は終わった。

■bench
新井章太(21) ジェジエウ(4) 宮代大聖(30) ダミアン(9)

■coach
鬼木達 5.5 負傷者が相次ぎながらも良い結果を出した。終盤の交代は遅くなった。

■referee
松尾一 5.0 判断が一貫せず、弱い接触でもファウルを取る。リスタートの位置を直しすぎ。

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2019/04/24

190423川崎2-2蔚山現代(ACL GL #4)

川崎2-2蔚山現代(等々力, 19:00KO, 9,812人)

鳥栖戦(J1 #7)湘南戦(J1 #8)に連勝して中3日。
2週間ぶりのACLは、ここまで3試合で1勝2敗。
前節のアウェイの蔚山現代戦(ACL GL #3)は、ロスタイムの失点で敗れた。
ホームで迎える蔚山現代戦は、勝利が必要な試合となっている。


先発は、湘南戦から3人を変更した。
齋藤学と、ケガから復帰する中村、谷口が先発。
先発から外れた知念はベンチスタート、舞行龍、阿部はベンチ外となった。

長谷川はイエローカード2枚累積による出場停止で、ベンチから外れた。


蔚山現代はグループリーグ2勝1分で首位に立っている。

■1st half
川崎がボールを持つと、蔚山現代はブロックを敷いた。
ピッチの1/4くらいまで下がるため、攻めるためのスペースは少なかった。

8分、CKの流れから、大島の強いパスを小林が素晴らしいトラップ。
トラップしてから即座のシュートで、力強くファーを抜いて先制する。

蔚山現代は単純なロングボールで攻めてくる。
1トップのジュニオール・ネグラン(9)が奈良と競り、セカンドボールを狙った。

17分、シン・ジノ(10)のCK。
PAの中央で軽く触られ、パク・ヨンウ(19)が蹴り込んで同点となる。
田中碧がパク・ヨンウのマークを外し、フリーにしてしまう。

31分には馬渡のスローインを奪われてカウンターを受ける。
ネグランが中央から攻め込み、谷口をきれいに抜いてゴール。
あっさりと2点を失って、逆転を許した。

■2nd half
後半開始から知念を投入し、小林との2トップに移行。
左サイドから齋藤学が何度もドリブルを仕掛けていく。
55分の中村、62分の知念のシュートでゴールに迫る。

蔚山現代はカウンターを仕掛けつつ、クリーンに時間を使う。
シンプルな攻めだが、川崎がプレスを掛けてもボールを失わなかった。

73分に脇坂、79分にダミアンを入れて、得点を狙う。
脇坂はセットプレーでいいボールを入れ、ダミアンは前へ強く突進した。
82分、小林のミドルをGKがはじき、ダミアンと知念が同時に押し込んで同点となる。

勝ち越しを狙って、次々にゴールに迫っていくが、ゴールは決まらない。
90+2分、CKからの小林のシュートは、ニアポストを叩いた。

■summary
蔚山現代は個のキープ力が高く、簡単なミスが少なかった。
攻撃はシンプルで回数も少なかったが、2点を決めた。

川崎が終始攻め込んだが、ドローに終わった。
追いかける展開となり、18本のシュートを放った。
内容では蔚山現代を圧倒したが、結果は出せなかった。


 MOMに選ばれた齋藤学。

先発を3人代えたが、チームの力は落ちることがなかった。
最近の好調を支えた阿部が欠場したが、齋藤学が十分な働きを見せた。
選手層の厚さを強く感じることができた。


ACLは4試合を終えて1勝1分2敗の勝ち点4、GL3位。
次は、勝ち点5でGL2位の上海上港とホームで対戦(ACL GL #5)する。
GL突破の可能性は残っているため、ぜひ勝利したい。

J1リーグは中4日でアウェイ神戸戦(J1 #9)を迎える。
しっかり試合を支配して、勝ち点を重ねていきたい。

■goal
8小林悠(11) 82知念慶(20) 
17パク・ヨンウ(19) 31ジュニオール・ネグラン(9)

■judge
ソンリョン(1) 5.5 安定したキャッチングを見せる。2失点は止めるのは難しかった。
馬渡和彰(17) 5.5 スルーパスを受けクロスを入れた。攻め上がったスペースを使われる。
奈良竜樹(3) 6.0 ロングボールを最初に競り合う。57分、75分とカウンターを止めた。
谷口彰悟(5) 5.0 ケガからの復帰戦。31分、ネグランに抜き去られて2失点目を喫した。
登里享平(2) 5.5 齋藤学を手厚くサポートした。55分、中村へスルーパスを入れる。
田中碧(25) 5.0 動きが少なかった。もっと前にパスを出したい。1失点目はマークを外す。
大島僚太(10) 6.0 プレスを受けても素早く動き、正確にプレーした。1アシスト。
家長昭博(41) 5.5 疲労からか運動量少なく、73分に交代。34分、48分にシュート。
中村憲剛(14) 5.0 ケガからの復帰戦。55分に決定機を迎える。単純なパスミスもあった。
齋藤学(19) 6.0 ドリブルで何度も仕掛け、左サイドで躍動。ゴールには直結しなかった。
小林悠(11) 6.5 8分、今シーズン初ゴール。90+2分のシュートはニアポストに当てる。

■sub
HT(25)知念慶(20) 6.0 1ゴール。さらに62分、90分、90+6分と多くシュートを放った。
73(41)脇坂泰斗(28) 6.0 担当したプレースキックでチャンスを演出。90+2分にミドル。
79(14)ダミアン(9) 6.0 ゴールを目指す。82分、知念と同時に同点ゴールを蹴り込む。

■bench
新井章太(21) 鈴木雄斗(27) カイオ(44) 山村和也(34) 

■coach
鬼木達 6.0 選手を入れ替えながらも、良い内容を保った。齋藤学の起用が成功した。

■referee
アンマール・アルジネイビ 5.0 ファウルの基準が不明確。4枚のイエローカードを提示したが、出しすぎだった。

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2019/04/20

190419川崎2-0湘南(J1 #8)

川崎2-0湘南(等々力, 19:00KO, 19,556人)

内容は良くはなかったものの、鳥栖戦(J1 #7)に勝利。
勝ち点を10として、J1リーグ8位に上がっている。

中4日で迎えるホームの湘南戦。
次週火曜日にACLを控えるため、金曜日の開催。
J1リーグで5試合目のホームで、すでに3回目の金曜日となった。


先発は、鳥栖戦から1人だけ変更する。
ボランチに田中碧を入れて、下田はベンチ外となった。
ベンチには、カイオと脇坂が入り、ジェジエウが外れる。

負傷中の中村、守田、谷口、車屋は引き続きベンチ外。


湘南は、J1リーグで3勝1分3敗の9位。
昨年の対戦は天皇杯を含めて3試合。1勝2分だった。
 180302川崎1-1湘南(J1 #2)
 180822川崎3-1湘南(天皇杯 R16)
 180926湘南0-0川崎(J1 #18)

■1st half
湘南は、5バックを思い切って高く保つ。
コンパクトな陣形を敷いて待ち構え、プレスは控え目だった。

川崎のボランチは、ボールを長く持ってパスコースを探す。
そのタイミングで、小林と知念がオフサイドラインからの裏抜けを狙った。

21分、大島のループパスを最前線に上がっていた馬渡が胸で落とす。
緩く落ちてきたところを、阿部の美しいダイレクトボレーで先制。

次いで39分。奈良の長いスルーパスで、知念が抜け出す。
GK秋元陽太(1)との1対1となり、落ち着いてワンタッチゴールを決めた。

湘南はCBフレイレ(3)から攻撃をスタート。
ダイレクトパスを繰り返すことで、ゴールを目指した。
ただ、バックパスも多く、チャンスは少なかった。

■2nd half
後半も川崎がゆっくりとボールを持った。
湘南は4バックにして中盤を厚くするが、攻め手は少なかった。

70分に阿部を下げ、長谷川を入れると、左サイドの守備が緩んでしまう。
登里1人では防ぐことができず、湘南に押し込まれてしまう。
湘南のセットプレーが多くなり、74分、フレイレがヘッドを放つ。

85分を過ぎると、湘南の攻勢は終わった。
川崎がカウンターを仕掛ける展開となって、長谷川のドリブルが活きた。
長谷川は87分、89分にシュート、88分、90+1分にクロスと立て続けに仕掛けた。

■summary
鳥栖戦とほぼ同じメンバーだったが、大きく改善した。
前半に2点を奪い、最後まで失点せずに試合を終えることができた。

湘南のプレスが少なかったため、良い内容となったともいえる。
CBだけでなく、ボランチにも余裕があったため、パスが回った。

この試合も、大島の素晴らしさは際立っていた。
視野が広く、高い技術で正確なパスを通していく。
家長と田中碧がしっかりと大島をサポートして、負担を減らした。


湘南はコンパクトに守ったが、5バックの背後のスペースを狙われる。
最終ラインの裏に抜け出されてもオフサイドを取れず、チャンスを与えた。

13分、舞行龍との接触で武富孝介(39)が交代したことは誤算。
1トップの山﨑凌吾(11)、シャドーの梅崎司(7)の存在感も薄かった。
ただ、速攻だけでなく、パスをつないで崩そうという意図は感じられた。
今後、どれだけクオリティを上げていくか、楽しみなところ。


次は中3日の蔚山現代戦(ACL GL #4)。
GLはここまで1勝2敗で、勝利することが必要な状況。
日程は詰まっているが、グループリーグ突破のために結果を出したい。

■goal
21阿部浩之(8) 37知念慶(20) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 74分のフレイレのヘッド、78分の松田天馬(18)のミドルをセーブ。
馬渡和彰(17) 6.0 杉岡大暉(5)を制して攻め込む。29分のFKは壁に当てる。1アシスト。
奈良竜樹(3) 6.5 機を見てタックルを仕掛け、守備を牽引。知念へのパスで1アシスト。
舞行龍(29) 6.0 1トップの山崎にボールを入れさせなかった。パスも安定していた。
登里享平(2) 6.0 サイドに張ってプレー。82分、インターセプトから長距離をドリブル。
田中碧(25) 6.0 大島や家長と適切な距離を保った。3分、ボールを奪い、知念へスルーパス。
大島僚太(10) 7.0 少ない動きでフリーになっていた。有効なパスコースを正確に突いた。
家長昭博(41) 6.5 ボランチの近くに下り、ショートパスの交換から攻撃を組み立てた。
阿部浩之(8) 7.0 的確な位置取りで湘南の攻撃を封じた。コントロールボレーで先制ゴール。
小林悠(11) 6.0 2トップ。最終ラインとの駆け引きを繰り広げる。ゴールはあと一歩か。
知念慶(20) 6.5 37分、GKとの1対1を制して追加点。4分、83分にもシュートを放った。

■sub
64(17)鈴木雄斗(27) 5.5 右SBに入り、慎重にプレー。66分、無闇にドリブルしてロスト。
70(8)長谷川竜也(16) 5.5 守備で周囲に負担を与えた。85分以降、ドリブルで仕掛けた。
85(20)脇坂泰斗(28) 5.0 J1リーグでのデビュー戦。バックパスが多く、消極的だった。

■bench
新井章太(21) カイオ(44) 山村和也(34) ダミアン(9) 

■coach
鬼木達 6.0 2トップで湘南の5バックを攻略した。将来を見据えた脇坂の投入も適切だった。

■referee
家本政明 6.5 抑制されていて一貫したジャッジ。どちらのチームにも偏りがなかった。

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■おまけ

 ソンリョン(1)がJ1リーグ100試合出場。
  2016年29試合。

  2017年33試合。
  2018年31試合。
  2019年7試合。
  鳥栖戦で達成して、今日が101試合目。
 ガーナミルクチョコレート100個贈呈。

2019/04/15

190414鳥栖0-1川崎(J1 #7)

鳥栖0-1川崎(駅前不動産スタジアム, 14:00KO, 14,463人)

水曜日に蔚山現代戦(ACL GL #3)で敗戦を喫して中3日。
ACLと同じように調子が上がらないJ1リーグ第7節は、アウェイで鳥栖と対戦。

昨年までのベストアメニティスタジアムが、駅前不動産スタジアムとなった。
ネーミングライツの常とはいえ、名前が変わることは少ない方が良い。


先発は、蔚山現代戦から7人を変更する。
奈良、登里、下田、阿部、知念が新たに先発。
さらに、ケガから復帰した馬渡と大島も先発に戻った。

舞行龍ジェームズは、川崎でのJ1リーグ初出場。
移籍3年目で、カップ戦には出場していたので意外なところ。

蔚山現代戦で負傷した谷口と車屋はベンチ外となった。
中村、守田も引き続き負傷により離脱中。

ベンチには、初めてジェジエウが入った。


鳥栖は、J1リーグで1勝1分4敗で17位。
ルイス・カレーラスが新監督に就いている。

昨年の対戦成績は、川崎の1勝1分だった。
 180425鳥栖0-2川崎(J1 #10)
 180815川崎0-0鳥栖(J1 #22)

■1st half
鳥栖は豊富な運動量でプレスを仕掛ける。
全員が愚直に動き続けて、川崎のパスコースを消した。

金崎夢生(44)がロングボールに競り勝ってポイントを作る。
5分、31分に金崎がゴールに迫り、39分に松岡大起(41)がヘッドを放った。
ゴールは決まらなかったが、前半を通じて優勢を保った。

川崎は主軸が欠場している影響が大きかった。
舞行龍と奈良の2CBのパスが不安定で、すぐに囲まれて逃げ道がなかった。
難しいパスを選択せざるを得ず、簡単にボールを失った。

知念の1トップから、27分ごろに小林との2トップに移行する。
しかし、システムを変えてもチャンスは作れなかった。

■2nd half
前半とは一転して、鳥栖のプレスが緩んだ。
川崎がダイレクトプレーを増やし、不用意なボールロストが減った。

51分、大島がロングボールを知念に入れる。
知念はDF藤田優人(35)にファウル気味に競り勝ち、ドリブルでPA内へ進む。
GK大久保択生(1)のファーサイドを鋭く抜き、素晴らしいゴールで先制する。

鳥栖の反撃はセットプレーが中心。
65分、小野裕二(40)のFKを高橋祐治(3)がヘッドで合わせる。
89分、三丸拡(2)のFKはバーに当たった。

川崎は鈴木、田中碧、山村を投入し、守備の強度を高めていく。
阿部や家長も最後まで鳥栖のボールを追い回し、攻撃させなかった。

■summary
蔚山現代戦と同じように、谷口の不在は大きかった。
舞行龍は奮闘していたが、金崎の強さに苦しみ、パスも遅くなった。
奈良も苦し紛れに縦パスを入れてしまい、ボールを失ってカウンターを浴びた。
ただ、後半は2人とも改善し、チームに余裕をもたらすことができた。

知念のゴールで勝ち点3を得ることができた。
しかし、チームとしての内容は良くはなかった。


鳥栖は前半のうちにゴールを奪いたかった。
金崎の個人技は素晴らしかったが、それだけで勝利するのは難しい。
イサック・クエンカ(7)や原川力(4)が前を向いても、崩せなかった。

連動して川崎を追い込むプレスは良かったが、90分は続けられない。
後半は失速してしまっただけに、休むべき時間帯をしっかり作りたい。


次は中4日で湘南戦(J1 #8)。
ケガ人も出ているが、下田や舞行龍が支えてくれている。
内容は良くなくとも、勝ち点を積み上げていきたい。

■goal
51知念慶(20) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 5分、金崎との1対1をセーブ。時間を使いながら味方を落ち着かせた。
馬渡和彰(17) 6.0 右サイドで積極的に仕掛けた。41分、カットインから左足シュート。
奈良竜樹(3) 6.5 9分、余裕のない縦パスを入れて奪われる。24分、31分と金崎を止める。
舞行龍(29) 5.5 金崎の強さに劣勢だったが、後半は抑えた。ダイレクトパスも良かった。
登里享平(2) 5.5 左からのクロスは不発。71分、押し込まれた局面でファウルをもらう。
下田北斗(22) 6.0 工夫した位置取りでボールを受ける。46分、不用意なボールロスト。
大島僚太(10) 6.5 高い技術でプレスを無力化する。正確なロングボールを展開した。
小林悠(11) 5.0 2トップでも右サイドでもボールに触れなかった。30分、CKからシュート。
家長昭博(41) 6.0 90+2分、ドリブルで抜きまくる。直後のCKで、遅延行為でイエロー。
阿部浩之(8) 6.5 最後までスプリントを続け、ボールを追った。鳥栖の組み立てを封じた。
知念慶(20) 6.5 素晴らしいゴールで勝利を導いた。もっともっとチャンスに絡みたい。

■sub
71(17)鈴木雄斗(27) 5.5 78分には失敗したが、次の79分のクロスでチャンスを作った。
73(22)田中碧(25) 6.0 ボランチで守備を引き締める役割を果たした。パスもつないだ。
88(20)山村和也(34) 6.0 逃げ切るミッションを完遂。遮二無二ボールを追い掛けた。

■bench
新井章太(21) ジェジエウ(4) 長谷川竜也(16) ダミアン(9)

■coach
鬼木達 6.0 下田、舞行龍の起用に成功。逃げ切るために3人の交代を適切に使った。

■referee
東城穣 5.0 一貫しないジャッジ。イエローを連鎖的に出した。ただ、どちらかのチームに偏ることはなかった。

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■おまけ

JR鳥栖駅のコンコース。
歓迎のフラッグが掲げられていました。

2019/04/11

190410蔚山現代1-0川崎(ACL GL #3)

蔚山現代1-0川崎(蔚山文殊フットボールスタジアム, 20:00KO, 2,688人)

ドローに終わったC大阪戦(J1 #6)から中4日。
4週間ぶりのACLは、アウェイで蔚山現代と対戦する。


先発は、C大阪戦から7人を変更し、大きなターンオーバーを行う。
新たにマギーニョ、マイケル、車屋、カイオ、長谷川、小林、ダミアンが先発する。
連続して出場するのは、ソンリョン、谷口、田中碧、家長の4人のみ。

ベンチには、新たに下田、山村が入る。
C大阪戦の先発組は、奈良、登里、知念がベンチスタートに控える。


蔚山現代とは、2014年、2018年のACLでも同じグループリーグに入っている。
去年の対戦は、川崎の1分1敗だった。
 180220蔚山現代2-1川崎(ACL GL #2)
 180418川崎2-2蔚山現代(ACL GL #6)

■1st half
川崎が立ち上がりからペースを握る。
右サイドの家長や、左サイドの長谷川が仕掛けていく。
田中とカイオの2ボランチへのプレスが弱く、ボールが動いた。

9分に長谷川がミドル、41分に家長がフリーでシュートを放つ。
マギーニョも8分、16分と、クロスのタイミングで思い切ったシュート。
ただ、2トップのダミアンと小林には、ボールが届かなかった。

28分、カウンターをスライディングで防いだ谷口にアクシデント。
左膝を痛め、一度は立ち上がったものの、負傷交代となった。

急遽、奈良が右CBに入り、舞行龍が左CBに移動する。
谷口がいなくなって、パスは回らないが、徐々に慣れていった。
45+1分、小林の右クロスをダミアンがヘッドで合わせた。

■2nd half
蔚山現代がボールを保持すると、なかなか奪えない。
2人3人で囲んでも逃げられて、セカンドボールも拾われる。
マイボールとなっても、苦しいパスを選択し、ボールを失った。

カイオの運動量が落ち始め、中盤を埋め切れなくなる。
交代策を講じるべきだったが、ベンチは動かなかった。

86分、小林の横パスを長谷川がダイレクトボレー。
素晴らしい軌道だったが、GKオ・スンフン(21)が弾き出した。

お互いに決め手を欠き、ドローが見えてきた90+1分。
右サイドからキム・テファン(23)がシンプルなクロスを入れる。
PA内で舞行龍を振り切ったキム・スアン(29)が、キャッチ体制のソンリョンの目前で触り、ニアサイドにゴール。
ソンリョンは先に触るためにパンチングを選択すべきだった。

■summary
先発を7人入れ替えても、ある程度チームは機能した。
押し込んで決定機を作っていたが、ゴールを決めることはできなかった。

後半は蔚山現代が攻める時間が長くなった。
ただ、サイドは突かれても、PA内は崩されなかった。
うまく時間をコントロールしていたが、最後に失点を喫した。
舞行龍とソンリョンの2つのミスが重なり、大きな敗戦となった。

内容的にも、妥当な範囲の結末といえる。
ただ、結果は出なくとも、悲観するような内容ではなかった。

川崎で初先発のカイオは、田中碧とボランチを組み、まずまずの出来。
谷口の負傷交代でバランスを失っても、徐々に落ち着くことができた。

機能しなかった2トップを最後まで残した采配には疑問が残った。
終盤、カイオの足が止まっていたが、交代枠を残したまま。
ボランチに下田か山村を入れ、再度押し戻したかった。


アウェイで勝ち点を持ち帰ることができなかった。
ACLのグループリーグは、3試合1勝2敗と厳しい状況。
ただ、GL突破の可能性は残っている。
2週間後のホーム蔚山現代戦(ACL GL #4)には勝利したい。

■goal
90+1キム・スアン(29)

■judge
ソンリョン(1) 5.0 28分に1対1をストップ、54分にセーブ。失点はプレーの選択ミス。
マギーニョ(26) 5.5 FC東京戦(J1 #1)以来の出場。上下動を繰り返し、シュートも積極的。
舞行龍(29) 5.0 ダイレクトパスで組み立てる。キム・スアンに振り切られて失点した。
谷口彰悟(5) 6.0 28分、左膝を痛めて交代。あらためて存在の大きさを感じさせた。
車屋紳太郎(7) 5.5 縦への突破は少なかったが、ボールを失わず、安心して見ていられた。
カイオ(44) 5.5 川崎での初先発。周囲と合わないこともあったが、精力的に動き出していた。
田中碧(25) 6.0 連戦の疲れは感じさせたが、カイオをサポートしつつ、溌剌とプレー。
家長昭博(41) 5.5 キープすることはできたが、次のスプリントに勢いがなかった。
長谷川竜也(16) 6.0 9分にカットインからシュート。86分のシュートは好セーブに阻まれた。
小林悠(11) 4.5 ボールに触れず。45分+1分にダミアン、86分に長谷川へクロスを入れる。
ダミアン(9) 4.5 ハイボールには強かったが、ポストでは失いがち。パスが入らなかった。

■sub
34(5)奈良竜樹(3) 5.5 谷口の負傷による突然の出場。うまくリズムに乗った。
70(7)登里享平(2) 5.0 車屋との交代だったが、サイドを攻められて守備に追われた。
90+2(16)知念慶(20) 5.5 失点後に投入される。ボールを追ったが、時間が限られた。

■bench
新井章太(21) 下田北斗(22) 山村和也(34) 脇坂泰斗(28)

■coach
鬼木達 4.5 ターンオーバーは評価できる。積極的な交代ができず、最後に失点した。

■referee
トゥルキ・アルフダイル 5.5 軽いイエローがあったが、全体として判定は安定していた。

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2019/04/06

190405川崎1-1C大阪(J1 #6)

川崎1-1C大阪(等々力, 19:00KO, 21,494人)

松本戦(J1 #5)でJ1リーグ初勝利を挙げて中4日。
ここまで5試合を終え、1勝3分1敗で勝ち点6、10位となっている。
第6節のC大阪戦は、次週ACLが組まれているため、金曜日の開催となった。

先発、ベンチともに松本戦から変更なし。
知念は、ダミアンと小林を制して、続けて先発。
松本戦で体調不良で途中交代した奈良も先発する。

川崎デビューを飾ったカイオ、J1初ベンチだった脇坂も松本戦に続いてベンチ入り。
なお、今年セレッソから移籍してきた山村はベンチ外となった。


セレッソは、昨年まで東京V(J2)監督を務めたミゲル・アンヘル・ロティーナを新監督に招聘。
ここまでJ1リーグは、勝ち点6の12位。
札幌(J1)から獲得した川崎U-18出身のFW都倉賢(9)が先発する。

川崎との対戦は、一昨年のルヴァンカップ決勝から公式戦4連勝中。
 171104C大阪2-0川崎(YLC Final)
 180210川崎2-3C大阪(FXSC)
 180411川崎1-2C大阪(J1 #7)
 181110C大阪2-1川崎(J1 #32)★

■1st half
立ち上がりは川崎がペースを掴む。
ボランチの2人と右サイドの家長で攻めていく。
セレッソを押し込んで、素早いプレスバックも効いた。

セレッソはポジションを崩さない守備で迎える。
カウンターを狙って、少ない人数で早く攻めていく。

22分、柿谷曜一朗(8)がドリブルで中央に運んでロングシュート。
早いタイミングのキックで、ゴール左隅に決めた。
トップにいた清武弘嗣(10)がおとりとなり、守田の寄せを遅らせる。
知念が治療のためピッチ外に出ていた時間帯で、数的有利をうまく使われた。

先制したセレッソはゆったりとプレー。
ボールを持つと、フィールドを広く使った。
選手間の距離を大きく保ち、川崎のプレスを集中させなかった。

■2nd half
後半開始から川崎がギアを上げて、攻め込んでいく。
49分、家長の右クロスを田中碧が落とし、知念が豪快に同点ゴール。

その後もパスをつなぎ、セレッソを自陣深く押し込んでいく。
56分、奈良の縦パスで知念が決定機を迎えるが、GKキム・ジンヒョン(21)がブロック。
家長と鈴木が右サイドでパス交換を続けながら、崩していった。

セレッソは守りながらも、都倉を使ってカウンターを狙う。
ただ、谷口のカヴァーが上手く、チャンスを作れない。
79分、FKの流れから柿谷が決定的なシュートを放った。

川崎は74分に小林、80分に長谷川を投入して勝利を目指す。
74分、82分と小林がシュートを狙った。
最後まで押し込みながらも、ドローに終わった。

■summary
セレッソを押し込みつつ、ゴールを目指す良い内容だった。
崩しの多様性やミドルシュートは少なかったものの、知念を筆頭として決定機を作った。
ドローは物足りない結果とはいえ、セレッソ戦の連敗を4で止めることができた。

奈良は守備も良かったが、攻撃でも大きく貢献した。
56分の知念、82分の小林と、奈良の縦パスがそのままシュートに結びつく。
サイドチェンジも正確で、ロングボールで攻撃の起点となった。


 同点ゴールの知念慶(20)。
 試合後のインタビュー。

セレッソは守るだけではなく、きちっと攻めてきた。
ボランチのソウザ(11)が中心となり、清武と柿谷が高い技術を見せる。
都倉は孤立気味だったものの、カウンターで脅威を与えていた。
後半は動きが鈍り、川崎の攻勢を許すが、1失点でとどめた。


次は中4日でアウェイの蔚山現代戦(ACL GL #3)。
ドロー以上の結果が欲しいところだが、同じ先発を2試合続けている。
今後のスケジュールを睨み、車屋、小林、ダミアンなどフレッシュな選手を起用したい。

■goal
49知念慶(20)
22柿谷曜一朗(8)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 20分のデサバト(6)のシュート、43分のCKからの混戦を防いだ。
鈴木雄斗(27) 6.0 右サイドで組み立てに参加する。もっと積極的に仕掛けていきたい。
奈良竜樹(3) 7.0 正確なロングボールを供給して、決定機を作った。守備も安定していた。
谷口彰悟(5) 6.5 スペースを埋めてカウンターを防ぐ。ハイボールの競り合いも制した。
登里享平(2) 5.5 66分、PA内に入り込んでクロス。落ち着いたプレーでバランスを保つ。
守田英正(6) 5.5 局面を打開するロングパスを狙う。柿谷のゴールシーンは寄せが甘かった。
田中碧(25) 6.0 パスコースを作るため動き続ける。シンプルにつないだ。1アシスト。
家長昭博(41) 6.5 右サイドでポイントを作る。じわじわとセレッソを押し込んだ。
中村憲剛(14) 5.5 運動量が少なかった。決定機を作れず、セットプレーも不発だった。
阿部浩之(8) 5.5 守備では効いていたが、ボールを受ける回数が少なかった。38分にミドル。
知念慶(20) 7.0 ポストプレーから力強いドリブルで前に進みチャンスを作る。1ゴール。

■sub
74(20)小林悠(11) 6.0 投入直後の74分に左足で、82分にターンからシュートを放つ。
80(14)長谷川竜也(16) 5.5 左のサイドライン際でボールを待つ。ドリブルを狙った。
88(8)ダミアン(9) 5.5 短い時間だったが、中央でクロスボールを競った。

■bench
新井章太(21) 車屋紳太郎(7) カイオ(44) 脇坂泰斗(28)

■coach
鬼木達 5.5 好調の知念は交代せずに残したかった。交代のタイミングが遅かった。

■referee
西村雄一 5.5 的確に試合をコントロールしたが、少しセレッソ有利な判定となった。

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■おまけ
試合が終わり、両チームの選手が引き上げたあと。
セレッソのゴール裏から、川崎に移籍した山村和也(34)のチャントが響いた。
しばらく経って、山村がゴール裏に挨拶に向かうと、再びのチャントで迎えられた。
素晴らしい光景でした。


 山村和也(34)。
 今日はベンチ外だった。

 セレッソのゴール裏での挨拶。
 多くの人が21時05分まで山村を待っていた。