2023/09/30

230929川崎2-3新潟(J1 #29)

川崎2-3新潟(等々力, 19:00KO, 17,557人)

国立競技場での湘南戦(J1 #28)から中4日。
 翌週火曜日にACLがあるので前倒しされて、金曜日19時のキックオフ。
 この新潟戦からの4試合は、ホーム等々力開催が連続する。


先発は、湘南戦から8人変更と大きく入れ替わる。
 続けて先発するのは、GKソンリョン、山根、脇坂の3人のみ。

湘南戦で負傷交代した車屋と佐々木旭はベンチ外。
 大南もベンチ外となっていて、CBは山村と田邉が組む。

ベンチには新たに高井が入り、家長が外れた。


新潟は、J1リーグで8勝9分11敗の14位。
 昇格初年度で、ほぼ残留を手中にしている。

川崎との対戦では、J1リーグは新潟が、天皇杯はPK戦で川崎が勝った。
 230311新潟1-0川崎(J1 #4)
 230830新潟2(3PK4)2川崎(天皇杯 QF)

■1st half
新潟は、GK小島亨介(1)から組み立てる。
 2CB千葉和彦(35)とトーマス・デン(3)がフリーで前を向く。
 ボランチの秋山裕紀(6)と高宇洋(8)に預けてから、サイドに展開する。
川崎の3トップは、プレスを仕掛けず、ボールを持たせた。
 新潟はパスのスピードを上げる必要がなく、ミスが少なかった。

6分、LSB堀米悠斗(31)の左クロスを長谷川巧(32)がヘッド。
 決定的だったがGKソンリョンが弾くと、さらに秋山がミドル。
21分、RSB新井直人(2)の右クロスから、鈴木孝司(9)がシュート。

川崎はほとんどボールを持てなかった。
 そんな状況の26分、CKのクリアボールを拾った遠野がロングシュート。
 GK小島が弾いたところに、シミッチが詰めて押し込んで先制する。

30分、新潟がすぐ同点とする。
 三戸舜介(14)の強烈なロングシュートが右ポストを叩く。
 跳ね返ったボールを鈴木孝司がゴールに流し込んだ。

その後も新潟の時間帯が続いた。
 プレスバックも鋭く、川崎にボールを持たせなかった。

■2nd half
ハーフタイムで、川崎は小林悠とゴミスを交代する。
 投入された瀬川と山田新は、新潟の2CBに寄せていく。
 新潟のパス回しは少し窮屈になるものの、攻撃を止めるまでは至らない。
57分、長谷川の右クロスを星雄次(19)がヘッド。
58分、三戸が左サイドからミドルシュート。
立て続けにチャンスを作って、59分。
 左CKの流れから、高木善朗(33)がクロスを入れる。
 ファーサイドの新井が、美しいダイレクトボレーを決めた。

川崎は3バックに移行するが、チャンスは作れないまま。
 それでも74分、瀬川が右サイドからPA内の山田新にパスを入れる。
 山田新が抜きにかかったところで、渡邊泰基(15)に倒されてPKを獲得。
 このPKを山田新が決めて、2-2の同点とすることができた。

しかし、新潟は再びゴラッソを沈めてみせた。
 川崎のプレスを抜け出すと、左サイドの太田修介(11)に展開する。
 瀬川が全力で戻ったものの、太田が切り返してミドルシュートを決めた。

■summary
新潟は、ビルドアップをしっかり続けた。
 前半は川崎のプレスがなく、ゆったりパスを出し入れする。
 中央からサイドにボールを動かしながら、ゴール前に入れていった。

後半、川崎がボールを奪いにくれば、攻撃のスピードを上げた。
 密集エリアから抜け出して、背後の広いスペースを使っていった。
 新井も太田のゴールも素晴らしく、内容に見合った結果となった。

J1リーグ14位なのが理解できないほどの完勝劇となった。
 松橋力蔵監督が築いたサッカーは、観る価値があると思われる。


川崎はターンオーバーしたこともあって、良くなかった。
 2CB山村と田邉からのパスコースを用意できず、ボールを運べない。
 アンカーのシミッチは、鈴木と高木の2人に挟まれてしまう。
 脇坂が受けるために下がると、前線まで遠くなって、上手く中継できなかった。

複数人で新潟のボールホルダーを囲んでも、ボールを奪えない。
 突破を許してしまうと、カウンターとなって数的不利での対応となった。
 GKソンリョンの好セーブがなければ、3失点で済まなかったと思われる。
 とはいえ、ターンオーバーするならば、GKには上福元を起用すべきだった。

チャンスは少なかったが、ゴールを2つ決めて、僅差で終えることができた。
 内容は惨敗だったので、0-3で敗れたC大阪戦(J1 #26)と同じ結果もありえた。
 しかし、C大阪戦と同じくターンオーバーを選択したので、仕方ないといえる。

次は、中3日で蔚山現代戦(ACL GL #2)。
 グループステージ突破のために、極めて重要となる。
 内容はともかく、結果を出したい。

■goal
23シミッチ(6) 76PK山田新(20) 
30鈴木孝司(9) 59新井直人(2) 80太田修介(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 3失点はノーチャンス。6分の長谷川、58分と90+4分の三戸と決定機を阻止。
山根視来(13) 5.5 プレスが厳しく前に運べなかった。19分、三戸に抜かれてファウルで止める。
山村和也(31) 5.0 苦しみながらビルドアップ。90+4分、太田のシュートをライン上でクリア。
田邉秀斗(15) 5.0 10分、CKをヘッド。38分、パスミスして決定機を与える。プレーは積極的。
登里享平(2) 5.0 守備の時間が続いた。72分、74分、90+3分に左クロス。90+6分、イエロー。
シミッチ(6) 5.5 今シーズン初ゴール。組み立てを担ったが、鈴木と高木のプレスで封じられる。
脇坂泰斗(14) 5.0 25分、自陣からドリブルで局面を打開。ACLを控えているため、早めの交代。
遠野大弥(17) 5.5 23分、53分、72分にシュート。22分、25分に右の小林悠へとパスを届ける。
小林悠(11) 5.0 25分、シュート。41分、シミッチのロングパスを受けるが、シュートはできず。
ゴミス(18) 4.5 ポストプレーは成功しなかった。新潟2CBにプレスを仕掛けず、自由を与えた。
マルシーニョ(23) 5.0 36分、3人相手にドリブル突破を図る。47分、GKとCBにプレスに出る。

■sub
HT(11)瀬川祐輔(30) 6.0 53分、遠野へ右クロス。74分、山田新へパス。守備で素早く戻った。
HT(18)山田新(20) 6.0 74分、PKを奪取して、自ら決めた。67分、シミッチのクロスをヘッド。
66(14)橘田健人(8) 5.5 87分、長倉幹樹(27)を止めてイエロー。サイドに動いてパスを受ける。
66(23)ダミアン(9) 4.0 90+3分、登里のクロスをヘッド。90+5分、デンと揉め、時間を空費。
79(17)瀬古樹(16) 5.5 90分、自ら獲得したFKを蹴る。90+1分に右CK、90+8分にFKを担当。

■bench
上福元直人(99) 高井幸大(29) 

■coach
鬼木達 5.5 ターンオーバーしながら、ベストは尽くす。脇坂、マルシーニョを早く交代させる。

■referee
岡部拓人 5.5 必ずしも悪くはなかったが、ジャッジと立ち位置の不安定さを感じさせた。

206,100views
AT+1+8

2023/09/26

230924湘南0-2川崎(J1 #28)

湘南0-2川崎(国立競技場, 16:00KO, 54,243人)

アウェイのジョホール戦(ACL GL #1)から中4日。
 マレーシアへの往復フライトを含んで、中3日と中4日の連戦が続く。

湘南は、24年ぶりの国立競技場開催とのこと。
 過去最多の観客数48,640人を超えるべく、「刻め。神奈川ダービー」として集客を図る。

川崎にとって、J1リーグ2度目の(新)国立競技場。
 5月12日のFC東京戦(J1 #13)は、負けている。


先発は、ジョホール戦から4人が変わる。
 新たに佐々木旭、瀬川、ダミアン、山田新が先発する。
 登里、家長、ゴミス、マルシーニョがベンチに回った。


湘南は、J1リーグ4勝9分14敗で、J2降格圏の18位。
 J1残留圏の17位横浜FCとは、勝ち点1差となっている。
 川崎に在籍経験のあるGK馬渡洋樹(21)が先発する。

今シーズンはYLCでも対戦があって、川崎の1勝2分。
 230304川崎1-1湘南(J1 #3)
 230326川崎0-0湘南(YLC GL #2)
 230618湘南2-3川崎(YLC GL #6)

■1st half
川崎は大南、車屋、佐々木旭の3バックとして、ロングボールを使う。
 2トップのダミアンと山田新が並んで競って、中盤のスペースを広げていく。

11分、ダミアンが山根のロングボールを頑張って収める。
 瀬古を経由して、脇坂が左の山田新へ素晴らしいスルーパス。
 山田新は、GK1対1からファーを撃ち抜いて先制ゴールを決めた。
13分にも、脇坂のスルーパスから、ダミアンがシュート。

15分、佐々木旭が石原広教(3)の右クロスをブロック。
 左ハムストリングを痛め、少しプレーを続けるが、自ら座り込んで交代する。
 急遽、登里が左ウィングバックに投入され、3バックを継続する。
 瀬川が右ウイングバックに回り、3バックは山根、大南、車屋が組んだ。

34分、ダミアンのヒールパスで瀬川が左ポケットに入り込む。
 シュートの際、小野瀬康介(88)がファウルしたとVARで判定されて、PKが与えられる。
38分、ダミアンが蹴ったPKは、GK馬渡が見事に止める。
 しかし、GK馬渡はキックの前にゴールラインを出ていて、VARでPKはやり直し。
 ダミアンが2度目のPKを今度は決めて、今シーズン初ゴールとなった。

湘南は攻め口が見当たらない。
 縦パスを入れても、川崎の3バックの網にかかった。

■2nd half
湘南はアンカーに田中聡(5)を投入して、反撃を目指す。
 田中聡が左右に散らし、クロスや縦パスを試みるが崩しきれない。
 川崎はボールを持たれても、ゴール前を3バックで締める。

68分、車屋の踏ん張った足が、ピッチで滑ってしまう。
 左膝が伸びてしまって、そのまま立ち上がれなくなった。
 ベンチに守備的な選手は残っていなかったが、3バックは継続。
 登里を左CBに、橘田を左ウイングバックに配置する。

3バックのうち2人が負傷交代するアクシデント。
 しかし、残った大南が、山根と登里を支えていく。
 GKソンリョンもパンチングで最後の砦となった。

湘南は深く川崎を押し込んで、ゴールを目指した。
 65分と72分には、杉岡大暉(2)がシュート。
 ただ、ブロックの内側を攻略することはできなかった。
 ミドルシュートは精度に欠け、ゴール前で川崎が身体を張ってクリアした。

川崎は劣勢の中、マルシーニョが縦に走っていく。
 76分、脇坂のスルーパスからGK馬渡をかわしてシュート。
 しかし、キム・ミンテ(47)がゴール寸前でクリアした。
 77分、82分、90分、90+6分にもドリブルを仕掛けた。

■summary
湘南は、54,243人と過去最多の観客数を記録した。
 両チームOB5人のPK対決や、湘南乃風のライブなど、祝祭感が強かった。
 国立競技場で神奈川ダービーを開催する意義は大きかったと思われる。

結果として、前半の2失点が大きく響いた。
 11分、13分とハイラインの背後を狙われて決定機を作られる。
 川崎の3バックに戸惑っていて、PK判定は不運だったが、2失点は妥当だった。

追う立場となった後半は互角に渡り合った。
 ただ、ボールは持てても決定機は作れず、ゴールは奪えなかった。


川崎は佐々木旭と車屋が負傷交代し、3バックの構成が次々に入れ替わる。
 しかし、選手の配置を工夫しながら、最後まで崩されることがなかった。
 終盤は橘田、脇坂、シミッチはもちろんのこと、家長までも守備で踏ん張った。

3バックで、シンプルにロングボールを2トップに入れた。
 自陣からのビルドアップを控えて、湘南のプレスを無効化する。
 山田新とダミアンは、DFを背負いながらロングボールを収めた。
 ボールが頭上を越えながらも、脇坂や瀬古が2トップの落としからスルーパスを狙った。

勝利したが、佐々木旭と車屋の負傷は気になる。
 次は中4日で新潟戦(J1 #29)。
 大事なACLと天皇杯が控えているので、怪我のないようにプレーしたい。

■goal
11山田新(20) 39PKダミアン(9) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 44分、ミドルパスを相手に渡す。65分、杉岡のFKを弾く。飛び出しは遅め。
大南拓磨(3) 7.0 相次ぐ負傷交代がありつつも最終ラインを支えてくれた。88分、自陣でロスト。
車屋紳太郎(7) 6.5 31分、登里へ縦パス。54分、右クロスをブロック。68分、左膝負傷で交代。
佐々木旭(5) 5.5 15分、石原広教(3)のクロスを止めて左ハムを負傷。17分に倒れ込んで交代。
橘田健人(8) 6.0 ピッチを駆け回り、ピンチの芽を摘みまくった。86分、ゴミスにラストパス。
山根視来(13) 6.5 CBとしてまったく問題なくプレー。クロスボールを気迫で競り合ってクリア。
瀬川祐輔(30) 6.5 34分、PKを獲得する。89分、湘南のクイックCKを見逃さずに素早く詰めた。
脇坂泰斗(14) 6.5 1アシスト。13分、42分、76分にもスルーパスを入れる。トラップが冴えた。
瀬古樹(16) 6.0 48分、ボレー。59分、小野瀬から奪うとすかさず山田新へラストパスを狙う。
山田新(20) 6.5 ダイレクトでファーを撃ち抜いて先制ゴール。ポストプレーでも踏ん張った。
ダミアン(9) 6.0 PKで待望のシーズン初ゴール。13分、決定的シュート。ヒールで2点に絡む。

■sub
20(5)登里享平(2) 6.5 左ウィングで緊急出場。31分、48分にCKを獲得。72分からLCBに入る。
67(16)シミッチ(6) 6.0 押し込まれた状況でも、ボールホルダーを追いかけてチームを助けた。
67(20)家長昭博(41) 6.0 休むことなく守った。90+1分、CKからのボレーは右ポストを叩く。
72(9)ゴミス(18) 5.5 87分、クリアボールを拾いFK獲得。90+1分、橘田のパスからシュート。
72(7)マルシーニョ(23) 6.5 76分、完璧なシュートもDFにクリアされる。ドリブルが驚異的。

■bench
上福元直人(99) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 7.0 湘南対策の3バックで勝利を得た。CBのアクシデントにも上手く対応した。

■referee
木村博之 6.0 スムーズなジャッジ。PK判定ではVARに助けられた。

205,600views
AT+6+6

2023/09/20

230919ジョホール0-1川崎(ACL GL #1)

ジョホール0-1川崎(スルタン・イブラヒム・スタジアム, 20:00KO(21:00JST)KO, 24,597人)

3年連続10回目の出場となるAFCチャンピオンズ・リーグ(ACL)。
 今回からACLは秋春制となり、9月から12月にかけてグループステージを行う。
 来年2月からノックアウトステージ、5月に決勝戦を行うこととなった。

2021年、2022年のグループステージは集中開催だったが、ホーム&アウェイに戻る。
 外国人枠が3から5に拡大され、AFC枠1はそのまま継続される。
  川崎に在籍する外国人6人(AFC枠はソンリョン)は、同時に出場できる。
 ベンチ入りの人数も、10人から12人に拡大されている。

2023/24のグループステージ第1節は、ジョホール・ダルル・タクジムとアウェイで対戦。
 FC東京戦(J1 #27)の終了後、チームはマレーシアに移動。
 長距離フライトを含んだ中3日の日程となる。


先発は、FC東京戦とまったく同じ11人となった。

ACLのベンチ入りは、12人まで可能(J1リーグは7人)。
 上福元と早坂のGK2人とフィールドプレイヤーが10人。
 外れたのはGK安藤、田邉、松長根、大関、名願と、負傷中のジェジエウ、大島。


ジョホール・ダルル・タクジムは、2022年のマレーシア・スーパーリーグ優勝。
 先発するFWヘベルチ(37)は、かつて草津(現群馬)、C大阪、仙台でプレーした。
 かつて福岡でプレーした邦本宜裕は、おそらくは外国人枠のため、ベンチ外。
  AFC枠では、オーストラリア国籍のCBシェーン・ローリー(14)が先発している。

2022年のACLグループステージも川崎と同じリーグで、川崎の1勝1分だった。
 220421川崎0-0ジョホール(ACL GL #3)
 220424ジョホール0-5川崎(ACL GL #4)

■1st half
ジョホールはプレスを仕掛けず、ゆったりした立ち上がり。
 川崎もペースを上げずにじっくり組み立てて、様子を伺っていく。
 14分、脇坂の左CKを家長がボレーシュート。

最初はミスが多かったジョホールは、15分を過ぎるとボールを持てるようになる。
 右サイドのアリフ・アイマン(42)が、登里に向かって仕掛けていく。
 17分、フアン・ムニス(20)の左FKを、ベルグソン(9)がヘッド。
 21分、ヘベルチ(37)がミドルシュート。
 22分、アリフ・アイマンがスルーパスに抜け出すが、GKソンリョンが飛び出して止める。
 24分、素早い右スローインからのベルグソンのシュートはわずかに左。

31分、マルシーニョがCBから奪ってそのまま独走。
 GK1対1からループを狙うが、GKシハン・ハズミ(33)が頭に当ててクリアする。

45分、右サイドでパス交換してから家長がクロスを入れる。
 PA内に走り込んだ瀬古樹がヘッドで逸らし、待ち受けたマルシーニョがオーバーヘッド。
 GKシハン・ハズミは家長のクロスに飛び出していて、無人のゴールに決まった。

■2nd half
後半もお互いに静かなプレーが続く展開となった。
 47分と65分にマルシーニョが決定機を迎えたが、決められない。

47分、アリフ・アイマンが登里を抜き去って独走する。
 しかし、1対1のシュートをGKソンリョンが見事に弾いた。

68分、ゴミスとマルシーニョを交代させて、守りに入る。
 このあたりから中盤にスペースが空いてくる。
 ダミアンがプレスを仕掛けても、周囲と連動できなかった。

84分、山村とシミッチを投入して3バックに移行。
 自陣に引き籠って、マイボールを遠くに蹴り出していく。
 ファウルも多く取られたが、PA内を固めて逃げ切った。

■summary
ジョホールは、ベルグソンにボールを集めた。
 アリフ・アイマンの右からの仕掛けも頼もしかった。

失点したのは、家長のクロスボールから。
 山根、脇坂とのパス交換で陣形を崩されて、PA内が混乱してしまった。

試合終盤になると、川崎をハーフコートに押し込んで長く攻めた。
 残念ながらゴールは生まれなかったが、悪くないゲームだった。


川崎は、圧倒することはできなかったが、勝利した。
 マルシーニョのゴールでの1-0勝利は、FC東京戦とまったく同じ。
 短期決戦でもあるACLグループリーグは、結果が大事。
 ドローでも十分といえるアウェイ初戦で、価値ある勝利となった。

終盤、ジョホールの攻撃を許したのは少し気になるところ。
 3バックは鉄壁だったものの、ボールを持ちながら時間を使いたい。
 中3日で長距離移動があったので、体力的には仕方がないかもしれない。

次はマレーシアから帰国して、中4日で湘南戦(J1 #28)。
 遠征の疲労を踏まえながら、ターンオーバーして勝利したい。

■goal
45マルシーニョ(23) 

■judge
ソンリョン(1) 7.0 32分、ベルグソンのシュート、47分、アリフ・アイマンの決定機をセーブ。
山根視来(13) 6.0 2分、8分、29分と右クロス。71分、ベルグソンの強烈なシュートをブロック。
大南拓磨(3) 7.5 ラストパスを読んで何度も防ぐ。41分、ベルグソンのヘッドをライン上クリア。
車屋紳太郎(7) 6.0 75分、理解できないイエローをもらうが、アウェイの大歓声に崩れなかった。
登里享平(2) 5.5 アリフ・アイマンの抜け出しを止められず。58分、左クロスをゴミスに入れる。
橘田健人(8) 6.0 1アンカーで中盤の大きなエリアを担う。80分、カウンターを止めてイエロー。
脇坂泰斗(14) 6.0 7分、ミドル。60分、FKを直接狙う。65分、マルシーニョへ完璧なクロス。
瀬古樹(16) 6.0 ボール奪取からPAに上がって1アシスト。61分、大南のロングパスをシュート。
家長昭博(41) 6.0 14分、ボレー。45分、ゴールを生む右クロス。キープして多くのFKを獲得。
ゴミス(18) 6.0 小刻みな上下動を続けて、ジョホールを押し下げる。ポストプレーで貢献した。
マルシーニョ(23) 7.0 華麗なオーバーヘッドを決めた。31分、47分、65分にも決定的シュート。

■sub
68(23)瀬川祐輔(30) 6.0 67分、左クロス。押される展開の中、ボールの唯一の受け手となった。
68(18)ダミアン(9) 5.0 プレスに出るも単発だった。90+3分、右コーナー付近でキープを狙う。
74(2)佐々木旭(5) 6.0 アリフ・アイマンの突破を許さなかった。84分、左サイドを持ち上がる。
83(41)山村和也(31) 6.0 3バックの中央に入り、バランスを保つ。90+2分、左クロスをクリア。
83(16)シミッチ(6) 6.0 86分、瀬川へロングボール。90+5分、ファウルを受けて時間を使った。

■bench
上福元直人(99) 早坂勇希(22) 高井幸大(29) 遠野大弥(17) 小林悠(11) 宮代大聖(33) 山田新(20) 

■coach
鬼木達 6.0 体力的に厳しかったが、見事に勝利した。特に佐々木の投入は的確だった。

■referee
アブドゥルラフマン・アルジャシム(QAT) 5.0 途中まで良かったが、試合終盤はジョホール寄りとなる。イエロー6枚(ジョホール3、川崎3)を乱発。

205,300views
AT+5+5

2023/09/16

230915川崎1-0FC東京(J1 #27)

川崎1-0FC東京(等々力, 19:00KO, 20,284人)

C大阪戦(J1 #26)から代表ウィークを挟んで中12日。
 天皇杯は勝ち上がっているものの、J1リーグ戦は6戦未勝利(2分4敗)。

第42回多摩川クラシコは、金曜日の開催。
 来週のACLのためで、横浜FM、甲府、浦和も同じく金曜日開催。

フル代表の選出はなかったが、高井幸大がU-22代表のU23アジアカップ予選に参加。
 高井は、9月9日(日本時間10日)のパレスチナ戦にフル出場。
 帰国直後となったため、ベンチ外となった。
(第2種登録では、土屋櫂大がU-17代表に参加。)


先発は、ターンオーバーしたC大阪戦から8人と大きく変わる。
 続けて先発するのは、大南、橘田、脇坂の3人となった。

その前の新潟戦(天皇杯 QF)から見れば、1人の先発変更。
 新たにバフェティンビ・ゴミス(18)が先発し、デビューを飾る。
  ゴミスは8月8日に契約合意し、8月15日に来日していた。
 先発から外れた宮代は、ベンチスタートとなった。


FC東京は、J1リーグ9勝6分11敗の10位。
 9位川崎と同じ勝敗で、得失点差で川崎を下回る。
 代表ウィークにYBCルヴァンカップ準々決勝2試合があり、中4日の日程。

アルベル・プッチ・オルトネダ前監督が6月14日に退任。
 6月16日に就任したピーター・クラモフスキー監督が指揮を執る。

GK野澤大志ブランドン(41)、木村誠二(47)、松木玖生(7)をU-22代表に派遣。
 3選手ともに直前の福岡戦(J1 #26)にフル出場しているが、今日は欠場する。
 代表ウィーク直後の金曜日開催は、川崎のACLに付き合うFC東京にとっては厳しい。

川崎に在籍した原川力(40)と塚川孝輝(35)、川崎U-18出身の仲川輝人(39)が先発する。
 原川力は、セレッソ大阪からレンタルで7月にFC東京に加入している。

国立競技場では、ホームのFC東京が勝った。
 230512FC東京2-1川崎(J1 #13)
 この試合も金曜日で、今年の多摩川クラシコはどちらも金曜日の開催となった。

■1st half
FC東京はコンパクトな陣形を保って守る。
 アンカー橘田に前を向かせず、川崎のビルドアップは難しくなった。

その中で、マルシーニョへのロングボールが有効だった。
 1分、27分、29分とスペースに蹴り込んで、一気にチャンスを作る。
 マルシーニョは、FC東京のRSB小泉慶(37)にスプリント勝負を仕掛け続けた。

FC東京は、渡邊凌磨(11)が積極的にシュートを狙う。
 6分、塚川の右クロスを胸トラップしてシュート。
 12分、続けて2本のミドルシュート。
 35分、アダイウトン(15)のロングボールで抜け出してシュート。

川崎は39分、脇坂の左CKを家長がヘッド。
 山根に当たってゴールに入ったが、オフサイドだった。

■2nd half
後半になると、FC東京の守りが緩んでくる。
 橘田や脇坂に余裕が生まれ、左右に散らしていった。
 特に左のマルシーニョと登里にボールを預けると、多くの選択肢を作った。

54分、登里のダイレクトパスを中央で脇坂が受ける。
 脇坂は詰めてきた東慶悟(10)を外して、左のマルシーニョへつなぐ。
 マルシーニョは相対する森重真人(3)を抜いて、先制ゴールを決めた。

ビハインドとなったFC東京だが、川崎がボールを持つ時間が続く。
 選手交代しても改善できなかったが、カウンターを仕掛けた。
 59分の仲川、90+4分のペロッチ(22)の決定機は、GKソンリョンがセーブした。

川崎はゴミスと交代したダミアンが、ロングボールの受け手となる。
 慌てることなく時間を使って、逃げ切った。

■summary
FC東京は必ずしも良い内容ではなかった。
 シンプルなクロスやミドルが多く、川崎の守備を崩せなかった。
 個人の仕掛けはあっても、周囲との絡みが少なく、単発にとどまった。

それでも、カウンターから決定機はいくつか作った。
 ゴールが決まっていれば、別の結果となったかもしれない。


川崎はJ1リーグで実に2か月ぶりの勝利となった。
 FC東京の低調さにも助けられたが、内容は悪くはなかった。

守備では3トップが中央を固めて、インサイドハーフが外側を守った。
 右サイドでは、脇坂が山根をサポートすることで、LSB長友佑都(5)を封じる。
 その反面、中央は少し脆くなったが、橘田が頑張って広い範囲をカバーした。

次は中3日、ジョホール・ダルル・タクジム戦(ACL GL #1)。
 いよいよACLが開幕する。アウェイだが、勝ち点を持ち帰りたい。

■goal
54マルシーニョ(23) 

■judge
ソンリョン(1) 7.0 6分、32分、59分、90+4分と止め続けて完封。正確なロングボールを蹴る。
山根視来(13) 6.5 20分、34分にシュート。守備で崩されず、45分、78分にインターセプト。
大南拓磨(3) 6.5 タイトな守備を続けながらビルドアップを担う。35分、渡邊に抜け出される。
車屋紳太郎(7) 6.0 11分にシュート。77分にFKをヘッド。87分、左ふくらはぎを攣らせて交代。
登里享平(2) 6.0 マルシーニョに広大なスペースを用意した。21分、48分にオーバーラップ。
橘田健人(8) 6.5 マークが緩むと前を向いた。71分、ロングシュート。守備で大きく貢献する。
脇坂泰斗(14) 6.5 38分、ゴミスのパスをシュート。1アシスト。CKとFKでチャンスを作った。
瀬古樹(16) 6.0 J1リーグ100試合出場。1分、19分、48分、62分、76分とシュートを多く狙う。
家長昭博(41) 5.5 守備で2度追いは難しい。18分、タックルで止める。59分、横パスをミス。
ゴミス(18) 6.0 デビュー戦。27分にターンからシュート。高さとポストプレーに期待したい。
マルシーニョ(23) 7.5 異次元の走りを見せて決勝ゴール。単純なクリアボールにも競り勝った。

■sub
62(18)ダミアン(9) 6.0 82分、83分とFKを獲得。猛然とプレスを仕掛けてチームを鼓舞した。
80(23)瀬川祐輔(30) 5.5 左FWに入って、ダミアンと並んでプレーする。82分、左クロス。
87(7)山村和也(31) 6.0 最終盤のCBという難しい役割を果たす。C大阪戦から見事に立ち直る。
87(16)遠野大弥(17) 5.5 左IH。89分、中央から右の脇坂に展開。90+3分、左クロスを入れる。
87(41)宮代大聖(33) 5.5 右FWに入って中央寄りでプレー。90分、ペロッチからボールを奪う。

■bench
上福元直人(99) シミッチ(6) 

■coach
鬼木達 6.0 久しぶりにJ1リーグで結果を出した。車屋のアクシデントにも的確に対応。

■referee
池内明彦 4.5 抑えが利かず、川崎1枚、FC東京6枚のイエロー祭り。川崎寄りに吹いた。

205,000views
AT+2+7

2023/09/10

230902C大阪3-0川崎(J1 #26)

C大阪3-0川崎(ヨドコウ桜スタジアム, 19:00KO, 18,789人)

延長PK戦となった新潟戦(天皇杯 QF)から、中2日のアウェイ連戦。
 チームは川崎に戻ることなく、8月31日に新潟から大阪に移動した。


先発は、大きなターンオーバーを施した。
 新たにGK上福元、高井、山村、田邉、瀬川、シミッチ、山田新、ダミアンの8人が先発。
  このうち新潟戦でメンバー外だったのは、高井、田邉、ダミアンの3人。
 連続して先発するのは、大南、橘田、脇坂の3人となる。
  大南は、新潟戦で120分間プレーしている。
 先発から外れ、ベンチ外となったのは、山根、車屋、宮代の3人。

小林悠と遠野の2人は、連続してベンチに入る。


セレッソ大阪は、J1リーグで13勝3分9敗の6位。
 すでに天皇杯は敗退していて、中6日と川崎より余裕ある日程。

等々力での対戦は、スコアレスドローだった。
 230318川崎0-0C大阪(J1 #5)

■1st half
川崎は高井、山村、田邉の3バックを採用する。
 山田新とダミアンの2トップ、ウィングバックには右に大南、左に瀬川が入る。

セレッソがパスコースを消しても、GK上福元を使いながらパスを回す。
 呼吸が合わないこともあったが、徐々に改善していく。
 8分、シミッチのインターセプトから、ダミアンがシュート。
 19分、山田新のシュートの跳ね返りを橘田がシュート。

飲水タイム後は、ラインを高く上げる川崎の時間が続いた。
 29分、瀬川の左クロスをゴール前の脇坂が合わせる。

セレッソは41分、香川真司(8)の右CKを進藤亮佑(3)が決定的なヘッド。
 GK上福元がジャンプしながらボールを弾いた。
 ここからセレッソのセットプレーが続いたが、川崎が凌いでいく。

お互いが持ち味を出し、面白い前半だった。

■2nd half
後半も川崎は悪くはなかった。
 ただ、体力差は明らかで、競り合いになると後手を踏んだ。
 セレッソの圧縮したプレスを受けると、ボールを運べない。

47分、ジョルディ・クルークス(11)が右クロス。
 レオ・セアラ(9)のシュートは、惜しくも右ポストを叩いた。

52分、クルークスが右クロスを入れる。
 山村がクリアできず、レオ・セアラの背後で飛んだ高井がオウンゴール。
 クルークスには瀬川が付いていたが、クロスを上げられた。

66分、セレッソはカウンターから右のクルークスに展開する。
 単純なボールが入ったが、山村のハンドによるPKで2点目を失った。

川崎は選手交代をしていくが、改善しなかった。
 ロスタイムにも山村がPKを与えて、3失点。
 1つでもゴールを奪おうとする気迫も出し切れず、試合を終えた。

■summary
セレッソは、川崎の3バックに戸惑っていた。
 それでも、体力的な優位を活かしながら対抗する。
 後半になるとクルークスが仕掛け、川崎の3バックとウィングバックの間を突いた。
 ゴールはOGとPK2つで、敵失によるものだったが、妥当な勝利だった。


川崎は天皇杯新潟戦を優先した結果とはいえ、0-3の惨敗となった。
 今のチームは、すべてのコンペティションに全力を注ぐことは難しい。
 日程的な不利を覆せなかった現実を受け入れるしかない。

3バックは、それなりに機能していた。
 ダミアンと山田新の2トップには力強さがあった。

山村和也にとっては、散々な結果となった。
 先制OGにも関与して、さらに2つのPKを与えてしまう。
 3バックを統率したが、74分に4バックに移行してもピッチに残った。
 すでに2失点に絡んでいたので、田邉を残しても良かったと思われる。

ベンチには、家長、小林悠、登里とベテランが揃った。
 宮代、山根、車屋はベンチ外だったが、彼らを選ぶべきだったかもしれない。
 ベンチ入りした瀬古樹の起用もなかったが、プレーを観たかった。

次は代表ウィークを挟んで、中12日でFC東京戦(J1 #27)。
 ACLの開幕も近づいているので、内容を向上させたい。

■goal
52OwnGoal 74PKレオ・セアラ(9) 90+2PK渡邉りょう(35)

■judge
上福元直人(99) 6.0 41分、進藤のヘッドを掻き出す。3失点とも止められなくとも仕方ない。
高井幸大(29) 5.0 右に出つつ組み立てる。オウンゴール。90+4分、トラップミスからイエロー。
山村和也(31) 3.0 先制ゴールに絡み、PKを2つ与える。ロングパスを交えてラインを上げる。
田邉秀斗(15) 5.5 21分、ミドル。トラップもパスも良かった。瀬川とのスペースを使われる。
大南拓磨(3) 6.0 攻撃時に高い位置を取る。疲労は否めなかったが、新潟戦に続いてフル出場。
瀬川祐輔(30) 5.0 16分、ロスト。29分、脇坂へラストパス。クルークスに背後を狙われていた。
シミッチ(6) 6.0 8分、ダミアンへラストパス。48分、ミドル。90+8分、決定機をカットする。
脇坂泰斗(14) 5.5 29分、最大の決定機を決められず。細かく丁寧なパスをつなぎ、前進する。
橘田健人(8) 5.5 斜めに走って崩す。19分、ダイレクトでシュート。ボール奪取を繰り返した。
山田新(20) 5.5 23分、ボール奪取してダミアンへ入れる。プレスもポストプレーも力強かった。
ダミアン(9) 5.5 8分、左からシュート。23分、鋭いミドルシュート。あと少しキレを戻したい。

■sub
74(9)小林悠(11) 5.5 83分、大南の右クロスをヘッド。90+6分、ワンタッチパスは長くなる。
74(15)登里享平(2) 5.5 76分、90+6分に左クロス。90+3分、ロストしたが戻ってカットする。
74(30)マルシーニョ(23) 5.5 81分、88分とスペースに走る。87分、左クロスを山村に入れる。
74(20)家長昭博(41) 5.0 79分に左クロス。ビハインドだったが、急がずゆったりとプレー。
84(8)遠野大弥(17) 5.0 88分、マルシーニョへスルーパス。90+5分、トラップ大きくロスト。

■bench
ソンリョン(1) 瀬古樹(16) 

■coach
鬼木達 5.0 敗戦はやむを得ないが、選手交代は効かず。瀬古樹を起用したかった。

■referee
川俣秀 6.0 PKは2つとも妥当な判定。リスタート位置の修正に過敏だった。

204,800views
AT+2+10