2018/08/27

180825川崎1-0仙台(J1 #24)

川崎1-0仙台(等々力, 19:00KO, 23,816人)

陽が落ちても蒸し暑く、風もない等々力。
芝も荒れていて厳しい環境。

湘南戦(天皇杯 R16)から中2日。
ただし、湘南戦ではターンオーバーを実施した。
主力組が出場した広島戦(J1 #23)から見ると、中5日となる。



先発は広島戦と同じ。
J1リーグでは、5戦連続で先発が固定している。
そのうち、守田、登里、大島が湘南戦で途中出場した。

ベンチには湘南戦の先発7人が回った。
残りの4人、奈良、武岡、長谷川、赤﨑はベンチ外となった。














仙台はJ1リーグで10勝5分8敗の8位。
ユアテックでのアウェイ(J1 #8)は、スコアレスドロー。
川崎から期限付移籍中の板倉滉(4)は、契約上出場できない。
ただ、日程的にもU-21代表でアジア大会に参加中で、出場できなかった。

■1st half
立ち上がりから川崎がボールを握る。
しかし、10分。
西村拓真(30)が谷口からボールを奪い、そのままシュート。
仙台は関口訓充(40)とともに、西村が中心となって仕掛けた。

川崎は攻め急がず、ゆっくりパスをつなぐ。
簡単なミスもあったが、中距離の縦パスを入れる。
小林がポストプレーでボールを受け、阿部と家長がワイドに張る。
27分には小林、45+2分には阿部のシュートがポストを叩いた。
バランス良く守る仙台を揺さぶって、ゴールに迫った。

■2nd half
川崎は同じように縦パスで緩急を付けて攻めていく。
55分、GKシュミット・ダニエル(1)が中村のプレスを受けてロングボールを蹴る。
ヘディングで登里が戻したボールを、大岩一貴(27)がトラップミス。
ボールはオフサイドポジションに残る中村の足元に流れ、先制ゴール。

川崎は暑さもあって、じっくりとプレー。
仙台のプレスも厳しくはなかったが、相次ぐパスミスでボールを失う。
中盤が緩んでできたスペースを使ったが、カウンターに迫力がなかった。

仙台はサイドからのクロスで反撃。
78分にはハーフナー・マイク(41)を投入し、PA内で混戦に持ち込む。
バイタルも使いながら、72分、90+1分に奥埜博亮(7)がシュート。
ただ、深くブロックを組んで守る川崎を崩せなかった。

■summary
両チームともパスやトラップのミスが目立った。
後半はスペースを埋められず、間延びしてしまった。

ただ、原因は暑すぎたため。
いつものプレーができなくても仕方がなかった。
奮闘していた大岩のミスで決勝点が生まれたが、責めるのは酷といえる。
そして、GKを外してゴールを決めた中村は素晴らしかった。














仙台は今シーズン11ゴールを決めている西村が攻撃を牽引した。
谷口と競り合って、多くのチャンスを作った。
去年の等々力(2017 J1 #29)でも活躍したが、大きく成長している。
(9月1日、CSKAモスクワ(RUS)への完全移籍が発表された。川崎戦が仙台での最後の試合となった。)

また、GKシュミット・ダニエルも美技を披露。
中央大学時代、3年間川崎の特別指定選手であったが、良い活躍を見せてくれた。

次は中6日でガンバ大阪戦。
消耗は大きいが、しっかり休み、首位の広島を追いかけたい。

■goal
55中村憲剛(14) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 10分、西村のシュートをストップ。仕事は少なかった。
エウシーニョ(18) 6.0 上下動を珍しく控え、関口をケアした。最後まで守り切った。
谷口彰悟(5) 6.5  西村と激しい勝負を繰り広げる。ラインを上げず割り切って守ることも。
車屋紳太郎(7) 6.5 しっかり守りながら、48分と51分にドリブルで持ち上がって攻撃参加。
登里享平(2) 6.0 28分にスルーパス、46分にヒールパスを供給。後半は押し込まれる。
大島僚太(10) 6.0 正確なロングボールを出し、素早い縦パスでスピードを一気に上げた。
守田英正(25) 6.0 湘南戦で45分出場し、キレを欠いた。ミスもあったが、十分な働き。
家長昭博(41) 6.5 いったんプレーを溜めて周囲を待つ。鋭いドリブルからクロスを上げた。
中村憲剛(14) 7.0 流動的なポジション。GKへのプレスから決勝ゴールが生まれた。
阿部浩之(8) 6.5 45+2分、46分、48分、52分とシュート多数。精力的に戻って守った。
小林悠(11) 7.0 27分、81分に決定的なシュート。多くのパターンでゴールに迫った。

■sub
73(14)齋藤学(37) 6.0 90+5分、カウンターから決定機を迎えたが、GKに防がれた。
81(8)鈴木雄斗(27) 5.5 右サイドに入り、プレスに参加した。
90+1(11)知念慶(20) 6.0 時間が短く、プレー機会は少なかった。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 下田北斗(22) 田坂祐介(6) 

■coach
鬼木達 6.5 厳しい気候でも勝利に導く。交代も含め選手起用の固定化が進む。

■referee
木村博之 6.0 的確なジャッジ。試合を妨げることがなかった。

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2018/08/23

180822川崎3-1湘南(天皇杯 R16)

川崎3-1湘南(等々力, 19:00KO, 8,553人)

首位攻防の広島戦(J1 #23)を制して中2日。
 天皇杯4回戦がミッドウィークに開催される。

4回戦までの開催地は、カテゴリー下位チームのホーム優先。
 ただ、同じJ1の湘南との対戦。
 川崎がトーナメントで上に位置するため、等々力で開催される。

3回戦は水戸と対戦(天皇杯 R32)。PKで勝利している。














先発は広島戦から11人全員を変更。
 広島戦でベンチ入りした7選手はすべて先発。
ベンチには、新たに安藤、エドゥを新たに入れる。
 残りのベンチ5人は、広島戦の先発がベンチに回った。














湘南はJ1リーグで7勝5分10敗の12位。
 日程は同じ中2日で、10人の先発を変更している。
 3月の等々力での対戦(J1 #2)は、1-1のドロー。
 7月にも対戦予定(J1 #18)だったが、台風で9月に延期されている。

■1st half
川崎はスタートからプレスをかけていく。
 知念と赤﨑がボールを追い、最終ラインも高く押し上げる。

湘南はチャンスを作れなかったが、15分。
 左サイドから鈴木国友(27)がシンプルにクロスを入れる。
 中央の小川慶治朗(50)が、頭でうまく合わせて先制する。

川崎は31分に齋藤と赤﨑が、33分に知念がPA内でシュート。
 しかし、GK富居大樹(21)が素晴らしい反応を見せて防がれた。

■2nd half
後半開始から武岡に代えて守田を投入。
 すると守田はたった1人で、試合をがらっと変えてみせた。
 ボランチに入り、簡単にさばくだけで、湘南のプレスを無力化する。
 ぎりぎりまで相手を呼び込んで、切っているはずのパスコースに出していく。
 周囲に余裕を与えることで、チームを躍動させた。

47分、下田のFKから岡崎亮平(3)のオウンゴールですぐに同点。
さらに54分、鈴木からの縦パスを受けた齋藤が、左サイドから強引なシュート。
角度はなかったが、GK富居に当てながらも勝ち越しのゴールを決めた。

68分には湘南が攻め込むが、新井が3本連続でシュートを止める。
 いずれも至近距離からのシュートで、素晴らしい反応を見せた。

87分には知念がPKを獲得し、自ら決めた。

■summary
湘南は手数をかけずにクロスを入れ、先制に成功した。
 いつものような激しいプレスではなく、5バックでブロックを組んで守る。
 ただ、54分に逆転を許しても、ペースを上げることができなかった。

逆に川崎は激しくプレスを仕掛けた。
 ボールを奪ってチャンスを作ったが、失点後に失速してしまう。
 下田と田坂のボランチが、パスを回すことができなくなる。
 武岡にもパスミスが多く、右サイドで形を作れなかった。














後半、守田の投入で息を吹き返し、見事に3点を奪うことができた。
 守田の出場時間は少し長くなったが、チームを甦らせる活躍だった。
 赤﨑と知念の2トップ、齋藤と長谷川の両ウィングも持ち味を出した。
 レギュラー陣に比べ、内容的には少し差があったが、見事に結果を出した。

次は中2日で仙台戦(J1 #24)。
 今日のターンオーバーを活かして、勝ち点を積み上げたい。

■goal
47OwnGoal 54齋藤学(37) 87PK知念慶(20) 
15小川慶治朗(50)

■judge
新井章太(30) 6.0 59分、パンチが小さくなる。68分、圧巻の3本連続ストップを見せた。
武岡優斗(17) 4.5 フリーの状態でパスミスを繰り返した。38分には1対1で抜きされれる。
舞行龍(29) 6.0 右CB。ハイボールにうまく対応する。パスには少しぎこちなさを感じた。
奈良竜樹(3) 6.5 いつもとは反対の左CBに入る。積極的にラインを押し上げていった。
鈴木雄斗(27) 6.5 左SBから右ウィングでプレー。1アシスト。90分、GKとの1対1を外した。
下田北斗(22) 6.0 同点ゴールを導くFKを蹴った。後半は球離れが早くスムースになった。
田坂祐介(6) 5.5 ボランチと右SBでプレー。29分、鈴木国友に奪われて決定機を与えた。
長谷川竜也(16) 6.0 中央のFW2人を狙ってクロスを入れた。4分、知念へラストパス。
齋藤学(37) 6.5 移籍後初ゴールが決勝点。楽しそうにドリブルして、シュートした。
知念慶(20) 6.5 強い体幹で仕掛ける。微妙な判定だったが、PKを獲得して1ゴール。
赤﨑秀平(9) 6.0 プレスを先導。31分、38分、48分、55分など、強烈なシュートを放つ。

■sub
HT(17)守田英正(25) 8.0 全体を俯瞰して立ち位置を決め、パスを通す。試合を支配した。
77(16)登里享平(2) 5.5 左SBに入って、守備に徹してリードを保った。
88(22)大島僚太(10) 5.5 89分、齋藤のラストパスをゴール前で触れなかった。

■bench
安藤駿介(24) エドゥ(23) 家長昭博(41) 小林悠(11) 

■coach
鬼木達 7.5 完全なターンオーバーを実施し、守田の投入で試合をひっくり返した。

■referee
今村義朗 6.0 手を使うプレーは確実にファウルと判定。知念のPKは微妙だった。

73,100views

2018/08/20

180819広島1-2川崎(J1 #23)

広島1-2川崎(エディオンスタジアム広島, 19:00KO, 14,211人)

スコアレスドローに終わった鳥栖戦(J1 #22)から中3日。
J1リーグで2位に浮上し、首位の広島との対戦を迎える。
勝ち点9差(未消化1試合)と大きいが、大事な試合。

日曜日の夜の遠距離アウェイは、現地観戦の条件は厳しくなる。
1位2位の直接対決だが、観客数は14,211人と多くなかった。














先発は、4試合連続で同じ顔ぶれ。
ベンチからは森谷が外れ、田坂が入った。















広島は好調を維持し、首位に立つ。
等々力での対戦(J1 #5)は、広島がパトリック(39)のゴールで勝っている。

■1st half
広島はパトリックと渡大生(20)がプレスをかける。
中盤と連動しながら、素早く強くボールホルダーに寄せる。
川崎の最終ラインとボランチに、余裕を与えなかった。

そして川崎がハーフラインを越えると、ブロックを組む。
清水戦(J1 #21)や鳥栖戦のようにはスムースな攻撃はできなかった。
45+1分、前半唯一のCKから車屋がバーに当てた。

広島はパトリックへのロングボール主体の攻撃。
37分にはパトリックが惜しいヘッドを放つ。
43分には渡がGKとの1対1となったが、ソンリョンに当てた。

極めて上質な前半。
両チームとも素晴らしく、時間が過ぎるのが早かった。

■2nd half
先制点は56分。
 右サイドから柴﨑晃誠(30)がクロスを入れる。
 パトリックがエウシーニョと谷口の2人に挟まれながらも、ヘッドで決める。
 クロスも体勢も完璧ではなかったが、素晴らしい決定力だった。

先制後の広島は足が止まり、フォアチェックできなくなる。
 川崎が押し込み、ゴール前を固めるブロックを揺さぶっていく。
 63分、守田のループパスで抜け出したエウシーニョが右からクロス。
 中央の小林が流し込み、完全に崩しきって同点とした。

同点となっても、落ち着いて攻めていく。
 76分、家長が右サイドを破り、クロスを千葉和彦(5)がハンド。
 必死に追いかけた千葉に余裕はなかったが、手を上げるべきではなかった。
 GK林卓人(1)に触られつつも、小林がPKを決めた。

■summary
広島は守備を固めつつ、パトリックを使った。
 圧倒的なパワーを活かして、優位な局面もあった。
 先制したものの、その後はみるみる動きが落ちて、逆転を許した。

パトリック個人に攻撃を頼りすぎな面がある。
 中盤で青山敏弘(6)や稲垣祥(15)が縦に攻略するパターンが増えると、観ていて楽しくなると思う。
 途中出場した川辺駿(36)を最初から起用すれば、守備に不安はあっても攻撃的に出れる。















川崎はプレスに苦しみながら、それでも逃げずにパスをつないだ。
 ショートパスを繰り返して、徐々に広島の体力を奪っていった。
 無理に攻め急がずに、たとえボールロストしても素早く守ることができる体勢を保つ。
 先制ゴールは許しても、面白いように縦横にパスを散らして攻略した。

守備ではロングボールに手を焼きつつ、崩されなかった。
 バランスを保ち、パスコースを切り、広島のパスミスを誘った。

首位攻防戦は素晴らしい攻防が繰り広げられた。
 紙一重の内容で、見応えのあるゲームだった。

ただ、これでも勝ち点は6差。
 じっくりと追いかけていくしかない。
 引き続き、内容を追い求め、結果を出したい。

次戦は中2日で湘南戦(天皇杯R16)。
 天皇杯は大事なタイトルだが、次の仙台戦(J1 #24)も中2日でやってくる。
 しっかりターンオーバーして、主力を休ませたい。

■goal
57パトリック(39)
63, 78PK小林悠(11)

■judge
ソンリョン(1) 6.5 43分、渡との1対1をブロック。安定してハイボールをキャッチする。
エウシーニョ(18) 6.5 右サイドで佐々木翔(19)を崩す。1アシスト。上がると背後を狙われた。
谷口彰悟(5) 6.0 パトリックと渡り合う。斜めのパスを入れて攻撃の起点になる。
車屋紳太郎(7) 6.5 35分にロングシュート、45+1分にCKをバーに当てる。CBだが前への意識が強い。
登里享平(2) 6.0 71分、ドリブルで中央突破してからシュート。サイドからも仕掛けたい。
大島僚太(10) 6.0 周りを動かして、次のプレーに備えて選択肢を増やした。動きは少なかった。
守田英正(25) 6.5 トリッキーな縦パスを入れてはリズムを変えた。ボールを狩る守備も万全。
家長昭博(41) 7.0 終盤にサイドで憎らしいまでに圧巻のキープ力を見せる。76分、PKを獲得。
中村憲剛(14) 6.0 ボランチ横に下がってボールを受ける。全体を落ち着かせながら、組み立てた。
阿部浩之(8) 6.5 自在に動いて、楔のパスを受けては散らした。スペースを埋める守備も鉄壁。
小林悠(11) 7.0 多くのシュートを放ち、攻撃を牽引。2ゴール。PKはGK林に触られてギリギリだった。

■sub
85(14)知念慶(20) 6.0 前線からの強いプレスと高いキープ力で時間を使った。
88(8)鈴木雄斗(27) 5.5 右サイドで守備ブロックに入った。
90+4(11)田坂祐介(6) 5.5 時間が短く、プレー機会は少なかった。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 舞行龍(29) 齋藤学(37)

■coach
鬼木達 6.5 連戦を踏まえたプランで勝利を呼んだ。交代は遅くなった。

■referee
福島孝一郎 5.0 アドバンテージをとらず、プレーが中断しがち。PKは妥当。

72,800views

2018/08/16

180815川崎0-0鳥栖(J1 #22)

川崎0-0鳥栖(等々力, 19:00KO, 24,390人)

清水戦(J1 #21)から中3日。
平日ナイターだが、お盆期間でチケットは完売。
「2018川崎の車窓から~東急グループフェスタ~」が開催され、陸送された上田電鉄(元東急)7200系が展示された。














横浜FM戦(J1 #20)から3試合連続で同じ先発、同じベンチ。
日程が詰まってくるだけに、クオリティの低下が心配される。














鳥栖はJ1リーグで15位。
4月25日のアウェイ(J1 #10)での対戦は、0-2で川崎が勝っている。

中断期間に獲得したフェルナンド・トーレス(9)と金崎夢生(44)が先発。
豊田陽平(11)も期限付き移籍していた蔚山現代から戻り、ベンチ入り。
川崎は今年のACLで蔚山現代と2度対戦し、豊田も出場していた。















■1st half
立ち上がりは両チームともにボールを保持できない。
しかし、10分すぎからは、川崎がペースをつかんだ。

鳥栖がプレスに来る前に、ダイレクトでパスをつなぐ。
サイド攻撃はいつもより少なめで、中央から縦パスを入れて崩していった。
27分の小林、41分の阿部と決定機は作ったが、GK権田修一(20)が防いだ。

鳥栖の攻撃はトーレスと金崎にロングボールを入れるだけ。
2人へのサポートも少なく、防戦一方だった。

■2nd half
後半も、前半と同じように川崎が押し込む。
ショートパスをじれずにつなぎ、穴を探しては縦パスを狙った。
鳥栖の守備を前後左右に動かして、その逆を突いた。

押し上げられなくなった鳥栖は、徐々に自陣に引きこもる。
トーレスと金崎も守備に戻ることが多くなり、ほとんど攻撃ができない。
中盤も空いて、セカンドボールが拾えず、川崎の波状攻撃を許した。

しかし、後半もGK権田が立ちはだかった。
61分のエウシーニョ、80分の小林、89分の知念、90+4分の鈴木など、多くの決定的なシュートを防ぎ続けた。
87分には大島のラストパスから齋藤が決定機を迎えるが、シュートは枠を外した。

■summary
圧倒的にボールを保持して、多様なパターンで攻めた。
美しいパスワークから決定機を量産したが、ゴールだけが決まらない。
内容は素晴らしかったが、残念ながら結果は出なかった。

中3日だったが、疲労はそれほど感じなかった。
特に大島と守田は、前後に入れ替わって交代で休みをとっていた。
体力を温存しながら、最後までしっかりプレーできていた。

鳥栖はチャンスを作れない展開だったが、耐えて勝ち点1を得た。
マッシモ・フィッカデンティ監督らしい負けないサッカーだった。
トーレスと金崎は素晴らしい選手だが、2人だけで攻撃するのは難しい。
もっとチーム全体で押し上げて、2人をサポートする戦術も採り入れてほしい。














次は中3日、首位の広島戦(J1 #23)。
勝ち点差は9(消化は1試合少ない)と大きいので、よい結果を出して、差を詰めたい。

■goal

■judge
ソンリョン(1) 6.0 45分、原川力(4)のFKをパンチング。プレー機会は少なかった。
エウシーニョ(18) 6.5 鳥栖に背後を突かれるおそれが少なく、比重を攻撃に置いた。
谷口彰悟(5) 7.0 高いラインを保ちながら、攻撃の起点となるパスを供給した。
車屋紳太郎(7) 6.5 トーレスにしっかりと対応する。38分、ロングシュート。
登里享平(2) 6.0 バランス良く攻め上がる。守備では小野裕二(40)をミスなく抑えた。
大島僚太(10) 6.5 動きは少なかったが、要所で効いた。62分、ロングシュート。
守田英正(25) 6.5 全体に目配りしつつ、果敢に高い位置まで攻め上がった。
家長昭博(41) 6.0 細かいパスワークに参加して、急がずに中盤でポイントを作る。
中村憲剛(14) 7.0 意表を突くパスで攻撃を牽引した。ミドルシュートも多く放つ。
阿部浩之(8) 6.0 左サイドから多くのチャンスに絡む。41分の決定機は決めたかった。
小林悠(11) 6.5 最終ラインとの駆け引きを制し、シュートチャンスをたくさん作った。

■sub
81(14)鈴木雄斗(27) 6.0 縦への推進力を見せ、積極的にシュート。トラップは大きい。
81(8)齋藤学(37) 6.0 87分の決定機を外してしまう。仕掛ける質は高まってきた。
88(41)知念慶(20) 6.0 89分にターンから、90+5分にはFKからシュートを放った。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 舞行龍(29) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 5.5 交代策も良かったが、勝てなかった。起用する選手が固定化している。 

■referee
佐藤隆治 5.5 川崎の接触プレーに厳しすぎたものの、妥当な判定だった。

72,600views

2018/08/12

180811清水1-2川崎(J1 #21)

清水1-2川崎(IAIスタジアム日本平, 18:00KO, 18,129人)

雨が降って気温が下がり、風もあっていくぶん涼しい日本平。
18時キックオフで、明るい状態からプレーがはじまった。














川崎の先発は横浜FM戦(J1 #20)と同じ。
2試合続けて奈良がベンチ外となり、車屋がCBに入る。
ベンチも顔ぶれが変わらない。














清水はJ1リーグで、8勝3分8敗の10位。
等々力での対戦(J1 #15)は、川崎が3-0で勝利している。
7月に加入したFWドウグラス(49)が先発する。

■1st half
1分、中村のスルーパスから小林が決定機を迎えるが、GK六反勇治(13)に防がれる。
余裕がありすぎて、GKにシュートを当ててしまうのは浦和戦(J1 #19)のよう。

清水はカウンターで仕掛けてくる。
5分、車屋の縦パスをカットして、ミッチェル・デューク(19)がドリブルしてクロス。
中央のドウグラスが素晴らしいトラップで、車屋を置き去りにして先制。

早い時間帯でリードを許したが、川崎がボールを握る。
ピッチ全体を俯瞰して、スペースを使いながら美しい攻撃を続けた。

32分、中村から右サイドのエウシーニョへ大きくサイドチェンジ。
エウシーニョはダイレクトでクロスを入れ、大きくジャンプした小林が同点ゴール。

清水は引いて守り、デュークとドウグラス頼みのカウンター。
ただ、43分、肝心のドウグラスが交代してしまった。

■2nd half
後半も引き続き、川崎が圧倒する。
49分の小林、52分のエウシーニョ、52分の谷口、56分の阿部、63分の中村など、多くのシュートを放つ。左右からのクロスボールも多く、ほとんどミスなく攻め続けた。

64分、阿部が縦パスを小林に入れて、DFを背負いつつ走り込んできた大島にドロップ。
大島が右足ダイレクトでゴールに蹴り込み、逆転に成功する。

ここから清水が逆襲に転じる。
いったん奪われても、素早いプレスでボールを回収する。
ゴール前に選手を並べて、アーリークロスを入れた。
74分の北川航也(23)のシュートなど、いい時間が続いた。

川崎は76分に鈴木、77分に齋藤を投入して巻き返す。
自陣でボールを回すことができるようになり、齋藤の左からの仕掛けで時間を使った。

■summary
ゴールは少なかったが、よい攻撃を続けることができた。
両SBの登里とエウシーニョに余裕があって、スピードをコントロール。
縦にサイドを突破するだけでなく、中央に横パスをつないで組み立てた。

64分に大島のゴールで逆転してからは、15分ほど厳しい時間が続いた。
清水のシンプルな攻撃で体制を崩され、クリアするのが精一杯となる。
失点しなかったのは良かったが、なるべくパスをつなぎたい。

首位広島に勝ち点9差、2位FC東京に勝ち点1差の3位。
1試合消化が少ないが、引き続き2チームを追いかけたい。















清水はプレスをかけず、川崎に自由にプレーさせた。
決定機をあれだけ作られていては、勝機は少ない。
真夏の試合できついとは思うが、ボールホルダーとの距離をもっと詰めたい。

ゴールやトラップも含めて、ドウグラスが素晴らしかった。
1トップで谷口と車屋に挟まれながら、背後を狙った。
デュークのスピードと組み合わせて、カウンター攻撃に最適。
43分での交代は残念だったが、今後の活躍が期待できる。














試合終了後、西部洋平(1)とハグする小林悠。
武岡優斗も笑顔で駆け寄った。

■goal
5ドウグラス(49)
32小林悠(11) 64大島僚太(10) 

■judge
ソンリョン(1) 5.5 プレー機会が限られた。ドウグラスのゴールは触ってはいた。
エウシーニョ(18) 6.5 右サイドを攻め続け、多くのクロスを入れる。32分、アシスト。
谷口彰悟(5) 7.0 縦にボールを入れられても、食い止め続けた。52分、CKをボレー。
車屋紳太郎(7) 5.0 5分、パスとマークの2重ミスで失点。挽回するが、51分にもパスミス。
登里享平(2) 6.5 カウンターを警戒し、慎重にプレー。後半、村田和哉(11)を抑えた。
大島僚太(10) 7.0 動かずに相手を剥がしてフリーに。決勝ゴール。83分にもミドル。
守田英正(25) 6.5 ボールを持ってからの判断が早くなりつつある。司令塔として働く。
家長昭博(41) 7.0 加速するドリブルからクロスを入れる。最後までボールを追い続ける。
中村憲剛(14) 6.5 19分、63分にミドルを放った。ミスも散見されたが、試合を動かした。
阿部浩之(8) 6.5 56分、一直線の左足ミドル。危険を察知して献身的にスペースを埋める。
小林悠(11) 7.5 攻撃を牽引して1ゴール1アシスト。1分、GKとの1対1でGKに当てる。

■sub
76(14)鈴木雄斗(27) 5.5 86分、1対1でファウルを受ける。プレスで時間を進めた。
77(8)齋藤学(37) 6.0 押し込まれる展開で、ドリブルを3度仕掛けてゴールを目指した。
90+3(11)知念慶(20) 5.5 時間が短く、プレー機会はほとんどなかった。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 舞行龍(29) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 6.5 的確な交代でリードを守る。もっと多くの選手を起用したい。

■referee
松尾一 6.0 接触プレーに厳しく、バランス良く裁いた。

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2018/08/06

180805川崎2-0横浜FM(J1 #20)

川崎2-0横浜FM(等々力, 19:00OK, 23,033人)

J1リーグ4連勝の後、浦和戦(J1 #19)に負けて中3日。
日曜日の19時キックオフで、風は少しあるものの、暑く厳しい気候。














先発は浦和戦から2人が変わる。
奈良と長谷川がベンチ外となり、登里と阿部が先発する。
CBは谷口と車屋が組み、登里が左SBに入る。
1トップには阿部、2列目には右から小林、中村、家長が並ぶ。
ベンチには、新たに舞行龍が入る。














横浜Fマリノスは、J1リーグで5勝5分8敗の13位。
日産での対戦(J1 #6)は、1-1のドローだった。

■1st half
マリノスはプレッシングで、大島と守田に自由を与えない。
サイドを攻めてクロスを入れてきたが、ゴール前の選手には合わなかった。
多く獲得したCKから、12分には中澤佑二(22)がヘッドを放つ。

24分の飲水タイムで、川崎は前線の組み合わせを変える。
小林を1トップ、右に家長、中央に中村、左に阿部に配置。
それまではマリノスのプレスに苦しんでいたが、スムーズな攻撃が始まった。

28分、右サイドから家長が2人を抜き去ってシュート。

さらに34分。守田が縦パスを入れて家長を走らせる。
家長はマリノスの最終ラインを置き去りにして、完璧なクロスから小林がゴール。

先制後も40分に小林のヘッド、38分、44分に阿部のシュートなど、ゴールに迫った。

■2nd half













後半開始から、再びマリノスはプレスを掛けてきた。
ボールホルダーに素早く寄せられ、ロングボールを蹴らされる。
セカンドボールも拾えなくなって、マリノスの時間が続く。

59分にはオリヴィエ・ブマル(20)と山中亮輔(24)を左サイドに投入。
フレッシュな2人に対面するエウシーニョは、上がれなくなった。

しかし、これだけ暑い中では、強いプレスは長く続けられない。
川崎はしっかりビルドアップして、71分に中村が縦にラストパスを入れる。
小林が1トラップでCBを抜き、GKとの1対1を冷静に制してゴール。

このあと、マリノスは2点を追って攻めてきた。
川崎は武岡と鈴木を右サイドに投入して、耐えていく。
ゴール前で危ない場面も作られたが、ゴールを割らせなかった。

■summary
浦和戦で決定機を外しまくった小林が、2ゴールを決めた。
マリノスの強いプレスに苦しみ、中盤でのパスワークは良くなかった。
体力を温存してチャンスを待ち、プレスが緩むとゴールを奪った。
2点リードしてからは、無理して攻めずにマリノスにボールを持たせた。

マリノスは、右CBドゥシャン(2)がボールの出し手となる。
最終ラインをしっかり押し上げて、ボールを大事につなぐ。
クロスの精度は低かったが、サイドを使った攻撃も面白かった。

次は清水戦(J1 #21)。
1週間後だが、その後はミッドウィークの試合が2週続く。
守田が3枚目のイエローカードを受けたこともあり、多くの選手を起用したい。
中村や家長なども適宜休ませながら、結果を残していきたい。

■goal
34,71小林悠(11) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 クロスやスルーパスにしっかり対応。浴びたシュートは少なかった。
エウシーニョ(18) 6.0 攻め上がりを自制しつつ、遠藤渓太(11)やブマルの攻撃を抑える。
谷口彰悟(5) 6.5 ラインを押し上げて守り切った。31分、遠藤のカウンターを止める。
車屋紳太郎(7) 6.5 左CBから正確なパスを出した。サイドから2回、攻め上がった。
登里享平(2) 6.5 左サイドのスペースでパスを呼び込む。守備でも隙がなかった。
大島僚太(10) 6.0 プレスを受けてボールタッチは少なかった。56分、ロングシュート。
守田英正(25) 6.5 34分にスルーパスで先制点を演出。低い位置でのロストもあった。
家長昭博(41) 6.5 28分に2人を抜き去り、34分にアシスト。終盤も強いプレスを掛ける。
中村憲剛(14) 6.5 前からボールを追い、44分にGKのパスをカット。2点目をアシスト。
阿部浩之(8) 6.0 左に回ってチャンスが多くなった。攻撃を遅らせる守備も光った。
小林悠(11) 7.0 2ゴールは簡単だったが、きちんと決めた。14分にも決定機があった。

■sub
72(18)武岡優斗(17) 5.5 しっかり右サイドを守る。90+3分にブマルに独走を許す。
77(14)鈴木雄斗(27) 5.5 80分、1人でロングカウンター。シュートはできなかった。
85(8)齋藤学(37) 5.5 攻撃する機会は少なかった。87分、インターセプトして上がる。

■bench
新井章太(30) 舞行龍(29) 森谷賢太郎(19) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 登里の先発起用、24分の前線のポジションチェンジで快勝に導いた。

■referee
上田益也 6.0 ストレスを感じさせなかった。ただ、流すべきところでプレーを止めがち。

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2018/08/02

180801浦和2-0川崎(J1 #19)

浦和2-0川崎(埼玉スタジアム, 19:00KO, 28,215人)

台風12号の影響で湘南戦(J1 #18)が開催中止(延期)となった。
 湘南戦があれば中3日だったが、長崎戦(J1 #17)から中9日と間隔が空いた。

長崎戦の先発から阿部がケガで外れ、左のWGには長谷川が入った。
 ベンチには森谷、齋藤が入り、下田が外れた。

浦和はJ1リーグ9位。
 第18節では首位の広島に勝ち、中3日。
 等々力での対戦(J1 #12)は、浦和が0-2で勝利している。

■1st half
川崎も浦和もボールを持つと相手をハーフコートまで押し込む。
 ただ、どちらかといえば、川崎がボールを持つ時間が長かった。

7分、浦和のショートカウンター。
 LSB車屋が上がって空いた右サイドに武藤雄樹(9)が走り込む。
 釣り出されたCB谷口が判断を誤り、武藤に抜け出されてからのクロス。
 CB奈良とRSBエウシーニョも戻り切れず、フリーの興梠慎三(30)がループでゴール。

失点した川崎は、15分あたりから立ち直る。
 押し込みながら、左、右、中央のスペースを使い分けて攻めていく。
 31分、37分と抜け出した小林悠が決定機を迎えたが、GK西川周作(1)が止めた。

■2nd half
浦和は5バック2ボランチで自陣を固める。
 暑い気候を踏まえて、プレスは控えめとして、体力を温存した。

川崎はパススピードを早めて、ボールを失ってもプレスを続ける。
 66分には小林悠がGKと1対1となったが、前半と同じように西川が防いだ。

浦和は押し上げが少なくなり、ロングボールをFWに当てるのみ。
 川崎は鈴木、知念、齋藤を次々に投入するが、局面を打開できなかった。
 かえって中村とエウシーニョが下がったことで、攻め手がなくなってしまう。
 ロスタイムには鈴木がPKを与え、2点目を失った。

■summary
小林悠は素晴らしい動きを見せて、31分、37分、66分と決定機を迎える。
 いずれも西川に防がれたが、あまりにもシュートが簡単すぎたのかもしれない。
 逆に西川は、小林の動きを最後まで見切って、シュートを身体に当てた。
 素晴らしいセーブを何度も見せてくれた。勝利の立役者といえる。

小林悠はクロスボールからも、18分、45+1分、85分にヘディングシュート。
 多くのチャンスがありながら、残念ながらゴールを決められなかった。

ボランチの守田と大島は、お互いを確認しつつ、補完的なポジションをとる。
 一方が動いて攻め上がると、一方が斜め後ろに下がって控える。
 後半になっても守田の動きが落ちることなく、バランスを保ち続けた。

今年のJ1リーグは、浦和に2敗のダブルを喫した。
 とはいえ、結果は出なかったが、多彩な攻撃パターンから決定機を作り出した。
 今後とも良い内容を維持し、勝ち点も積んでいきたい。

■goal
7興梠慎三(30) 90+1PKファブリシオ(12)

■judge
ソンリョン(1) 6.0 86分、森脇良太(46)のシュートをストップ。失点は仕方がない。
エウシーニョ(18) 5.5 ドリブルで相手を呼び寄せて、攻撃にアクセントを加えた。
奈良竜樹(3) 5.5 ロングボールを跳ね返す。37分の小林へのラストパスなど、パスも及第点。
谷口彰悟(5) 5.0 7分、対応を逡巡して武藤の突破を許す。これ以外は良く守っていた。
車屋紳太郎(7) 5.5 短い間合いで対峙しても、後ろに戻さずに仕掛けていった。
大島僚太(10) 6.0 積極的に縦にパスを入れ、ロングシュートも狙う。ミスが少なかった。
守田英正(25) 6.0 フリーになってパスを受ける。55分の強烈なミドルはGK正面だった。
家長昭博(41) 5.5 キープ力を生かせなかった。58分のミドルはわずかにゴール右。
中村憲剛(14) 6.0 前からプレスを仕掛ける。よく追いかけ、よく走っていた。
長谷川竜也(16) 5.0 相手が5バックでスペースが少なかった。守備も戻りが遅かった。
小林悠(11) 6.5 秀逸な動きで数多くの決定機を迎える。ゴールは決められなかった。

■sub
57(16)鈴木雄斗(27) 4.5 ミスで攻撃を止めた。90+2分、レイトタックルでPKを与える。
70(14)知念慶(20) 5.5 82分、守田の縦パスをトラップしてそのままミドル。
78(18)齋藤学(37) 5.0 森脇のマークが厳しく、パスを受けられなかった。

■bench
新井章太(30) 登里享平(2) 武岡優斗(17) 森谷賢太郎(19)

■coach
鬼木達 5.5 内容は良かったが、結果を出せなかった。交代も奏功しなかった。

■referee
荒木友輔 6.5 丁寧かつバランスよく裁いた。

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