2016/05/30

160529川崎1-0磐田(J1 #14)

川崎1-0磐田(等々力)

前週の新潟戦(J1 #13)はスコアレスドロー。
暫定首位のままだが、2試合消化が少ない浦和と勝ち点2差。
なので、浦和が2勝することを考えれば実質で勝ち点4差の2位。
試合数が同じ鹿島も、勝ち点1差に迫ってきている。

先発は新潟戦とまったく同じ。
水曜日の仙台戦(YNC GL #6)は、新潟戦の先発11人全員がベンチかベンチ外。

サブは、新潟戦から2人変更。
仙台戦で2ゴールと活躍した大塚とケガから復帰した井川が入る。
そして長谷川と橋本がベンチ外となった。
なお、U23代表の大島と原川は、この試合まで離脱している。

J2で2シーズンを過ごした磐田との対戦は2013年以来。
ここまで5勝5分4敗の7位で、健闘している昇格シーズン。
第7節から欠場していた元イングランド代表FWジェイ(8)が復帰して先発。

6月第1週の代表ウィークは、ソンリョンが韓国代表に招集。
日本代表には小林と初代表の大島が招集された。
磐田からはMF小林祐希(4)が初代表。

■1st half
両チームともコンパクトな陣形を保つ。
磐田はセカンドボールを拾って川崎よりボールを長く持てていた。
バイタルからサイドまで展開するが、PA近くには入れなかった。

川崎の最終ラインはプレスが来ても落ち着いていた。
ボールはボランチまで入るものの、その先がなかなかつなげない。
前線へのパスコースが切られ、サイドにもスペースがなかった。
FWの動き出しに向かって長いパスを出すが、オフサイドが多い。

2ボランチが森谷とネット、トップ下が中村でスタート。
パスがつながらないとみて、15分すぎには中村とネットの2ボランチに変更。
右サイドに移った森谷は、早くも38分に大塚と交代となった。

どちらのチームにも決定機は多くなく、前半は互角。

■2nd half
後半、川崎がボールを長く持って押し込む。
大塚が顔を出してボランチからのパスを受けて、スペースを広げる。
ネットが前にボールをつなぎ、中村がロングパスを供給する。

エウシーニョが右サイドで何度もフリーになって、小林とのパス交換で崩す。
登里と車屋の左サイドも含め、サイドから中央へのショートパスでPAに入り込んだ。

磐田の攻撃はFWアダイウトン(15)やジェイが中心のカウンター。
いい形でボールを奪えても、攻める人数が足りずにすぐに囲まれた。

川崎が決定機を多く作り出してもゴールがない中、88分。
左サイドから中に切れ込んだ中野が、右サイドの大久保に展開。
大久保のパスに走り込んだエウシーニョが右から早いクロスを入れると、DF小川大貴(24)がOG。
背後に小林が迫り、小川にとって選択肢がない状況で、仕方がなかった。

■summary
川崎はPA近くでショートパスをつないで攻めた。
シュートはブロックされていたが、最後にゴールが生まれた。
守備ではボランチが前掛かりとなる中、谷口とエドゥアルドがカウンターを防いだ。
新潟戦よりもいいゲームをすることができた。

磐田はそれほどプレスを掛けてこなかった。
引いて守って中央を固めたが、サイド攻撃で体力を奪われた。
前半はコンパクトに保てていたが、後半は間延びして一方的に攻撃された。
攻撃はカウンターだけで、シュートも少なく迫力はなかった。
スコアレスでの勝ち点1を狙ったが、最後に失点してしまった。

勝ち点3を積み重ね、ドローだった浦和と勝ち点4差となった。
2試合消化が少ない浦和との実質での勝ち点差を少し詰めることができた。
鹿島は勝利したため、勝ち点1差のまま2位で追走されている。

代表ウィークに開催されるYNC第7節は試合がない。
2週間空いて、大島と原川がU23代表から戻ってくる。
J1リーグの1stステージは残り3試合。
ベストを尽くして勝ち点を積んでいきたい。

■goal
88OwnGoal

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 プレー機会が少なかった。56分、小林祐希のミドルをパンチング。
エウシーニョ(18) 6.5 右サイドからえぐって好機を演出した。最後にOGを誘う早いクロス。
谷口彰悟(5) 6.5 43分、59分とセットプレーから惜しいヘッド。守備もパス出しも良かった。
エドゥアルド(23) 6.0 12分、ジェイを倒してイエロー。早い時間のイエローだったが、守り切った。
車屋紳太郎(20) 6.0 スペースなく窮屈だったが、突破するとPAに迫ってチャンスを作った。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 パスを受けて縦を鋭く狙う。球離れが早く、守備も効いていた。
森谷賢太郎(19) 5.5 位置取り悪くボールに絡めず。右サイドに移って38分で交代。
中村憲剛(14) 6.5 トップ下ではマークがきつかったが、ボランチで自由を得てロングボールを繰り出した。
小林悠(11) 6.5 ゴールは決められなかったが、ポストプレーで違いを見せ、右サイドから崩した。
登里享平(2) 6.0 前半はボールに触れなかったが、後半、攻撃で徐々に良さを出した。
大久保嘉人(13) 6.0 7分にGK八田直樹(1)との1対1を決められず。何度もシュートを放った。

■sub
38(19)大塚翔平(27) 6.5 磐田の選手の間に立ってボールをもらう。移籍後J1リーグ初出場だったが、周囲と調和した。
84(2)中野嘉大(22) 6.0 短い時間だったが、ドリブルで守備を引き連れて混乱させた。
90+4(27)武岡優斗(17) 5.5 終了間際に投入され、相手ボールを追い回した。

■bench
新井章太(30) 井川祐輔(4) 狩野健太(25) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 6.5 大塚の投入でゲームを動かした。ただ、最後の交代は大塚ではなく小林か大久保とすべき。

■referee
木村博之 5.5 川崎1枚、磐田3枚のイエローは厳しすぎた。80分、線審が磐田のバックパスをオフサイドと判定。

2016/05/26

160525川崎2-1仙台(YNC GL #6)

川崎2-1仙台(等々力)

2週連続で水曜日開催のヤマザキナビスコカップ。
川崎は第7節の試合がないため、グループリーグ最終戦となる。
YNCは5試合で1勝2分2敗。
勝ち点を大きく落としてきたため、突破の可能性はほとんど残っていない。

土曜日のアウェイ新潟戦(J1 #13)から先発11人全員を変更。
先週の鳥栖戦(YNC GL #5)の先発からは、新井、谷口、エドゥアルド、車屋、森谷が外れている。
新たに安藤、井川、板倉、田坂、大塚が先発する。
板倉はJ3リーグ2試合にJ22選抜として出場したが、川崎では初出場。
安藤も2014シーズンに湘南から復帰してから初出場。
そして大塚は初先発。福岡戦(YNC GL #2)では途中出場している。

仙台はYNCで首位。
第7節にも試合を残しているため、有利な状況。
川崎に7年間(うち3年間は期限付移籍で他チームへ)在籍したMF杉浦恭平(19)が先発する。

■1st half
川崎はパスワークがスムース。
仙台がコースを切っても、サイドに安易に逃げずにボールをつなぐ。
ワンタッチが多く、縦に素早く展開してチャンスを作った。

長谷川と三好がドリブルで突き進み、大塚が中央で2人を支える。
仙台の最終ラインは背走しながらの対応が多く、カウンターが有効だった。
ボランチに入った橋本が低い位置からパスを供給していた。

仙台はFWウイルソン(9)を中心に攻撃を仕掛ける。
多くのCKを獲得し、FKやロングスローも含めセットプレーでチャンスを作る。

30分ごろから、仙台の守備が機能するようになる。
川崎のボールホルダーを早く囲んでボールを奪取していた。

その中で43分。左サイドに流れた橋本が中央の大塚に正確なパス。
大塚はトラップが長くなったが2人のDFに付かれながらもシュート。
GK関憲太郎(21)は反対側に動いてしまい、止めることができなかった。

■2nd half
後半も川崎はボールを奪って早い攻撃を仕掛ける。
48分、三好のスルーパスを大塚が受けてGK関との1対1。
キックフェイントを交えてのループで、落ち着いてゴール。

2点差となったが、川崎は時間を使うことなく次のゴールを目指す。
仙台も川崎も選手交代を行うが、決め手がない。
仙台が押し込みながらも、少しずつ時間が進んでいく。

84分、新潟が押し込んで、DF蜂須賀孝治(4)が右からクロスを入れる。
PA内に戻って守備をしていた中野がハンドの判定。
中野が膝で触ったボールが浮いて手に当たったもので、判定は厳しかった。
FWハモン・ロペス(20)がPKを決める。

89分、ハモン・ロペスのミドルシュートを安藤がパンチングする。
しかし、同点ゴールは生まれなかった。

■summary
サブ組が躍動して、面白いサッカーを見せてくれた。
最終ラインやボランチがサイドに簡単に逃げず、縦に早くゴールを目指した。

詰まった日程でターンオーバーを行いながら結果を出した。
井川がケガから復帰して、64分までプレー。
板倉はフル出場。ボールコントロールが良く、守備でも身長を活かしたプレー。
2ゴールの大塚や橋本など、この試合で活躍した選手をJ1リーグで起用したい。

YNCは2勝2分2敗。暫定でまさかの首位。
第7節の3試合の結果がうまく揃えば、2位でGLを突破できる。
可能性は低く、完全に他力なので、期待しないで結果を待ちたい。
(第7節で2チームに抜かれ3位、GL敗退となった。)

■goal
43,46大塚翔平(27)
85PKハモン・ロペス(20)

■judge
安藤駿介(24) 7.0 38分、56分、89分とビッグセーブを披露。勝利に導いた。
武岡優斗(17) 5.5 そつなく守ったが、スピードが遅く、ボールタッチも荒かった。
井川祐輔(4) 6.5 中央で守備陣を統率した。64分、自らアピールして交代。少し心配。
板倉滉(28) 6.5 ウィルソンに手を焼きながら抑えた。トラップも跳ねず、パスも正確。
橋本晃司(7) 6.5 パス交換の中心として機能した。フリーになる動きが秀逸だった。
狩野健太(25) 6.0 勝っている状況を踏まえ、バランスを崩しすぎずカウンターに備えた。
田坂祐介(6) 6.0 パスコースを作るためサイドに大きく開いた。囲まれてもボールを失わなかった。
中野嘉大(22) 5.5 ハンドでPKを与えた。ドリブルの仕掛けは少なかった。
三好康児(26) 6.0 思い切り良くシュートを放ったが、ゴールは決まらなかった。
大塚翔平(27) 7.5 2ゴール以外にも10分、28分と決定機を迎えた。守備でも走った。
長谷川竜也(16) 6.0 トラップは大きかったがドリブルで前に進む。

■sub
64(4)エドゥアルド(23) 6.0 井川に変わって3バックの真ん中で強く守った。出場時間が長くなった。
75(7)谷口彰悟(5) 6.0 ボランチに入って、素早い判断で逡巡なくパスを出した。
86(16)車屋紳太郎(20) 5.5 本職らしく仙台の右サイドからの攻撃を抑えた。

■bench
高木駿(29) 登里享平(2) 森谷賢太郎(19) 小林悠(11)

■coach
風間八宏 6.5 内容を伴って結果を出した。主力組を休ませることができた。

■referee
バルトシュ・フランコフスキ 5.0 軽い接触をファウルと判定。たびたびプレーを止めた。仙台よりの判定が多かった。

2016/05/23

160521新潟0-0川崎(J1 #13)

新潟0-0川崎(デンカビッグスワンスタジアム)

ヤマザキナビスコカップ鳥栖戦(YNC GL #5)から中2日。
アウェイが続き、鳥栖から川崎、そして新潟に移動。
ビッグスワンでは、前月のYNC新潟戦(YNC GL #3)で、0-5で大勝している。

前週のJ1リーグ神戸戦(J1 #12)から、U23代表の大島とケガの奈良が外れる。
先発に入るのは、CB谷口、ボランチ森谷。
中2日のYNC鳥栖戦から続けて先発するのは、車屋、エドゥアルド、谷口、森谷の4人。
ネット、小林は短い時間ながらも鳥栖戦で途中出場している。

新潟はJ1リーグでは12位。
G大阪、浦和とスコアレスドローが続いている。
水曜日のYNCでは、柏に勝利した。

■1st half
試合開始から川崎の時間帯が続く。
新潟のプレスをワンタッチパスで抜けていく。
密集した右サイドをエウシーニョ、小林に中村が絡み、崩していった。
小林は7分にポストに当てるなど、多くの決定機を迎えるが決められない。

新潟はラインを下げずにプレスを続ける。
15分を過ぎると、川崎のパスに慣れてくる。
PAへの侵入が少なくなり、シュートを打たせない。
パスをカットすると、素早いカウンターを仕掛ける。
スペースを広く使いながらチャンスを作っていた。

■2nd half
後半も新潟はコンパクトな陣形を保つ。
川崎はボールを持てるが、アイデアが乏しく崩し切ることができない。
ただ、ボールを失ってからのプレスは早く、何度も攻撃を繰り返した。

新潟は前半と同じくカウンター主体。
MFレオ・シルバ(8)のボール奪取から縦に攻め込む。

後半途中で森谷を右サイドに出して、中村をボランチに入れる。
攻撃は良くなったが、バイタルの守備が緩くなる。
新潟のカウンターを中盤で止めることができなくなった。

時間が進むと新潟が大きな決定機を作るが、ソンリョンが立ちはだかった。
69分のDF舞行龍ジェームズ(4)、90分のMF伊藤優汰(17)のシュートをスーパーセーブ。
さらに87分、FW指宿洋史(11)との1対1ではコースを消してミスを誘った。

■summary
ボールを持って攻撃する時間が長かったが、ゴールは入らなかった。
特に小林は再三チャンスがあったが、神戸戦に続いて決められなかった。

大島不在の中、森谷がボランチに入った。
YNC鳥栖戦で森谷はフル出場しているため、動きが少なかった。
この試合で起用するなら、鳥栖戦は途中交代させておくべきだった。

新潟は最後までしっかり走って、バイタルを締めていた。
GK守田達弥(21)もシュートをはじき、無失点に貢献。
組織的な守備からカウンターを仕掛けた。
レオ・シルバを中心に決定機をたくさん作るが、ソンリョンが踏みとどまる。
勝ち点1を得ることができた。

決定機の質と量でいえば、新潟が上回っていた。
スコアレスドローだったのは、両チームの守備が良かったから。

暫定首位は守ったが、ACLがあるため浦和は今節試合なし。
浦和より2試合消化が多く、勝ち点差は2。
前節は浦和が新潟とドローで、勝ち点差を詰めることができたが、同じように新潟とドロー。
勝ち点差は元に戻った。

次は水曜日、中3日のYNCの仙台戦。
YNCはグループリーグ突破の可能性はほとんどない。
最終ラインも含め、フレッシュな顔触れを揃えたい。

■goal

■judge
ソンリョン(1) 7.5 セットプレーとカウンターからの決定機を何度も止めた。
エウシーニョ(18) 6.5 細かいタッチのドリブルでプレスを抜ける。クロスの精度は低かった。
谷口彰悟(5) 6.0 クリアミスもあったが、カウンターを食い止めた。73分、森谷へスルーパス。
エドゥアルド(23) 6.0 ピンチを招くこともあったが、安定して守った。18分、CKをヘッドでシュート。
車屋紳太郎(20) 5.5 左サイドから高い位置取りで攻撃参加したが、徐々に封じられる。
ネット(21) 6.0 ボールを受ける動きと献身的な守備が光った。パスミスもあり。
森谷賢太郎(19) 5.5 動きが少なく、ポジションの修正が遅かった。前後半1本ずつミドルシュート。
中村憲剛(14) 5.5 ロングボールが思うように通らなかった。後半、ボランチに入ったがバイタルを空けた。
小林悠(11) 6.5 素晴らしいトラップを見せたが、神戸戦と同じようにゴールが決まらなかった。
登里享平(2) 5.5 7分、小林へスルーパス。中央に絞ってもスペースは埋められていた。
大久保嘉人(13) 6.0 9分、オーバーヘッドシュート。守備でもよく走ってボールホルダーを追いかけた。

■sub
70(2)中野嘉大(22) 6.0 低くて速いクロスをゴール前に供給。今シーズンで一番良かったか。
80(19)田坂祐介(6) 5.5 ロングボールが行き交う展開となっていて、活躍できなかった。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 橋本晃司(7) 長谷川竜也(16) 三好康児(26)

■coach
風間八宏 5.5 ゴールは生まれず。中途半端なターンオーバーの結果、勝ち点を失った。3枚目の交代枠を余らせた。

■referee
荒木友輔 5.5 悪くないジャッジ。イエローの基準では少しばらつきが見られた。

2016/05/19

160518鳥栖1-1川崎(YNC GL #5)

鳥栖1-1川崎(ベストアメニティスタジアム)

ヤマザキナビスコカップの第5節。
柏戦(YNC GL #4)から4週間ぶりのYNCとなる。
YNCはここまで1勝1分2敗、Bグループの4位。
グループリーグ突破の可能性は低くなっている。

土曜日の神戸戦(J1 #12)から続けての先発はエドゥアルド、車屋の2人。
9人が新たな選手となり、ボランチより前はすべてフレッシュな顔触れ。
4人の最終ラインは、神戸戦で途中出場した谷口を含めて3人が先発する。
右SBには武岡が入り、エウシーニョはベンチスタート。
DFは奈良、井川、小宮山が離脱中。
あとはベンチに入った板倉だけで、層が薄くなっている。

鳥栖は1試合消化が少ないが、1分2敗で最下位。
下位に沈むチーム同士の対戦となった。

■1st half
鳥栖は緩やかなプレスをかけるが、川崎はショートパスでくぐりぬける。
ボールを長く握って、ボランチの森谷が前を向く。
サイドも使いながら、ワンタッチパスで崩していった。

レギュラー組に比べれば、パス交換はもどかしい。
ボランチの橋本はパスを出す前にフェイントを挟むため、タイミングが遅れる。
狩野も周囲とスピードが合わず、パス、トラップが少しずつずれていた。

16分、PA内に入った三好がシュート。
DFキム・ミンヒョク(5)に当たって入ったため、三好の初ゴールではなくオウンゴール。

鳥栖は攻め手が少ない。
30分過ぎからは押し込むが、PAの外側でボールを回すだけ。
川崎の最終ラインは崩れなかった。
MF楠神順平(19)がドリブルでアクセントを付けたが、ゴールに迫れない。

■2nd half
後半開始から、長谷川を下げて田坂を投入。
前半とは異なり、鳥栖のプレスが効き始める。
川崎はサイドに追い込まれ、複数で囲まれてボールを奪われる。
パスがつながらないため、最終ラインを押し上げる時間がなくなる。
鳥栖は連続して攻撃を仕掛ける。
58分、楠神が中央からシュートを放つが、わずかに左に外れる。

直後の58分にはネットを投入。
少しコンパクトになったものの、タメを作れず、前に急いで運んではボールを失っていた。
谷口やボランチのパスミスも目立ち始める。

72分、DF磯崎敬太(3)が左サイドからクロス。
車屋を振り切ってフリーになったFW富山貴光(18)がヘッドで決めて同点。

鳥栖の選手は、子どもの生まれた富山のためにゆりかごダンスを披露。
しかし、鳥栖にとってもYNCの予選突破のためには勝利が必要な状況。
勝ち越しゴールを狙うべき貴重な時間を、ダンスに費消したのは残念だった。

75分には小林を投入。
お互いに疲労からスペースが大きく空いてくる。
カウンターの応酬となるが、ゴールは決まらずドローに終わった。

■summary
両チームともクオリティは高くなく、低調な内容。
川崎はミスパスが目立ち、チャンスは作るものの、シュートは少なかった。
鳥栖もショートカウンターを仕掛けたが、攻撃に迫力がなかった。

しかし、YNCの意義はここにある。
お互いターンオーバーしながら、いかに戦うか。
出場機会が少ない選手の組み合わせで、ベストを尽くす。
どちらかといえば川崎の方が押していたが、結果は引き分け。

次は中2日でJ1リーグ新潟戦。
またアウェイなので鳥栖から川崎、そして新潟まで移動する。

レギュラー組を起用したのはもったいない。
途中出場の小林とネットは休ませたかった。
新潟戦でボランチに入ると思われる森谷についても、出場時間を限定したかった。

逆に、途中交代した長谷川、橋本、狩野はフル出場させるべき。
ベンチの板倉も起用したかった。
もしこれで負けたとしても、詰まった日程の中なので、支持できる。

YNCは第5節を終えて1勝2分2敗でBグループの5位。
残り1試合に勝っても勝率5割に達するだけ。
グループリーグ敗退は決まっていないが、ほぼ可能性はなくなった。

■goal
72富山貴光(18)
16OwnGoal

■judge
新井章太(30) 5.5 ほとんどプレー機会がなかったが、キック精度が低い。失点はチャンスがなかった。
武岡優斗(17) 5.5 ケガからの復帰戦。後半、足が止まった。74分、ミスパスから決定機を与える。
谷口彰悟(5) 5.5 武岡のフォローで右サイドに吊り出された。後半、危険なパスミスを重ねた。
エドゥアルド(23) 6.5 鳥栖の攻撃を機能させなかった。3分、FW池田圭(22)に抜かれるが自分でフォロー。
車屋紳太郎(20) 5.5 失点シーンで富山のマークを外す。果敢な攻撃参加を何度も見せた。
森谷賢太郎(19) 6.0 中盤で細かく動いた。CBからボールをもらって前を向いた。
橋本晃司(7) 5.5 51分、股抜きで三好にスルーパス。37分にイエローをもらい、途中交代となった。
長谷川竜也(16) 5.5 13分、シュートでCKを獲得する。ボールにもっと触りたかった。
狩野健太(25) 5.0 周囲とのパスの呼吸が合わず、ミスパスでピンチを招いた。
中野嘉大(22) 5.5 後半、パスを出せる場面でも積極的にシュートを打った。
三好康児(26) 6.0 ドリブルで守備をすりぬける。ゴールは惜しくもOGとなり、初ゴールとならなかった。

■sub
46(16)田坂祐介(6) 5.0 あまり動けなかった。54分、谷口のミスパスを挽回するためイエローをもらう。
58(7)エドゥアルド・ネット(21) 6.0 下がってボールをもらって素早くさばいた。
75(25)小林悠(11) 6.0 前線でボールを呼び込んでうまくトラップ。しかし、シュートができなかった。

■bench
安藤駿介(24) 登里享平(2) エウシーニョ(18) 板倉滉(28)

■coach
風間八宏 5.0 途中で主力を投入しながらも、結果を出せなかった。

■referee
岡宏道 6.0 少し流しすぎた場面もあったが、偏りなく裁いた。

2016/05/15

160514川崎3-1神戸(J1 #12)

川崎3-1神戸(等々力)

柏戦(J1 #11)に勝ち、中5日で神戸戦。
15時キックオフ。ピッチは陽射しが強く、少しだけ風がある。

柏戦で契約上出場できなかったエドゥアルドが先発復帰。
前半だけで交代した三好が先発から外れて、ベンチ外となる。
ケガで離脱していた武岡と田坂がベンチに復帰。
代わりに原川と狩野がベンチ外となった。

神戸はJ1リーグで1試合消化が少なく暫定で7位。
しかし、U23代表DF岩波拓也(5)がイエロー3枚で出場停止。
FWペドロ・ジュニオール(7)とFWレアンドロ(11)もケガで欠場。
主力選手を欠いて川崎戦に臨む。

■1st half
神戸は1分、MF渡邉千真(19)がシュートする。
しかし、すぐに川崎がペースを掴む。
ボランチが前を向いてパスをつなぎ、プレスを剥がしていく。
特に大島は短いドリブルで相手を抜き去って、チャンスを作った。

神戸は背後から足を狙ったタックルを繰り返す。
12分にDF伊野波雅彦(39)、27分に田中英雄(17)にイエローが出される。
攻撃はFW増山朝陽(20)と渡邉を狙ったロングボール。
GKキム・スンギュ(18)のキック精度は高かったが、中盤が押し上げられない。

45+1分、奈良がボールを奪いにいって相手と交錯。
プレー続行できず、谷口と交代する。
そのファウルからの渡邉のFK。
壁に入っていた中村が頭でクリアにいき、コースが変わってゴール。
ほとんどチャンスのなかった神戸がセットプレーを決めて先制した。

■2nd half
神戸はそのまま逃げ切りたかったが、すぐに同点とされる。
56分、右サイドからPA内に侵入した小林をMF三原雅俊(24)が抱えこんで倒してPK。
ゴール前に味方DFが残っていただけに、必要ないPKだった。
PKを大久保が落ち着いて決める。

続いて63分。中央から登里が切れ込み、ループでラストパス。
DFラインを抜け出した大久保が、GKの頭上を越えるループで逆転する。

神戸は前半と同様、有効な攻撃ができないまま、70分。
ファウルの笛が鳴った後、三原がボールを蹴ってしまう。
2枚目のイエローで退場となり、10人となった。

川崎は一方的に攻撃を仕掛けるが、追加点は奪えない。
ようやく90分、田坂からのスルーパスで抜け出したエウシーニョがゴール。
2点差となって試合を終えた。

■summary
神戸は主力の欠場が響き、ほとんど攻撃できなかった。
シュートは渡邉の2本。前半に打っただけ。
後半はシュートもなく、守備に追われた。
ボールを持っても、センターラインを越えるのが精一杯。
同点とされ、さらに逆転されても、前に出てくることがなかった。

川崎は不用意な失点があったものの、後半3点を挙げて勝利した。
ネットと大島の位置関係が良く、神戸の疲弊を誘った。
中村と登里がボランチの近くで動いて、スペースを作った。
小林が数多くの決定機を迎えたが、シュートをことごとく外した。
もしどれかを決めていれば、楽にゲームを進めることができた。

途中交代した奈良は、左脛骨骨折で復帰まで4ヶ月程度の見込み。
8月のオリンピックにも出場できない。
また、大島と原川はU23代表で2週間、チームを離れる。
ヤマザキナビスコカップ2試合とJ1リーグ2試合に出場できない。

前節まで首位の浦和は新潟とスコアレスドロー。
勝ち点差1で暫定首位となった。
浦和は1試合消化が少ないので、勝ち点3を加えて計算すれば、2位のまま。

次は中3日、ヤマザキナビスコカップの鳥栖戦。
柏戦(YNC GL #4)に負けて、2位になるのは厳しい状況。
大きくターンオーバーしておきたい。

■goal
57PK,63大久保嘉人(13) 90エウシーニョ(18)
45+3渡邉千真(19)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 5.5 失点はチャンスなし。プレー機会がほとんどなかった。
エウシーニョ(18) 6.5 39分、小林へ完璧なクロス。最後に美しいループで試合を決めた。
奈良竜樹(3) 6.5 強気でラインを上げた。17分に小林へロングパスを通す。ケガで交代。
エドゥアルド(23) 6.0 安定していたが、19分、飛び込んで渡邉に抜かれ、決定機を与えた。
車屋紳太郎(20) 6.0 54分、大久保へクロスを供給。後半、時間が進むと積極的に攻め上がった。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 繰り返して動いてボールを受ける。パスも判断が早かった。
大島僚太(16) 7.0 ゴールに向かうパスを多く出す。ドリブルも冴える。守備でもカウンターを防ぐ。
中村憲剛(14) 6.0 パスミスが目に付く。周囲をフリーにするために動き続けた。
小林悠(11) 7.0 ことごとく外したが、数多くの決定機を生んだ。早い時間帯にPKをもらって同点に追い付く。
登里享平(2) 6.5 63分にアシスト。67分にはGKと1対1となるが、ギリギリでセーブされた。
大久保嘉人(13) 7.0 2ゴール。67分、登里にラストパスを供給し、さらにミドルシュートを放った。

■sub
45+2(3)谷口彰悟(5) 6.0 スクランブルで右CBに入る。53分、小林へスルーパス。ミスはいつもより少なかった。
82(2)中野嘉大(22) 6.0 中央でドリブルを仕掛ける。1人少ない相手に効果的だった。
88(11)田坂祐介(6) 6.5 短い出場時間で、エウシーニョのゴールをアシスト。

■bench
新井章太(30) 武岡優斗(17) 橋本晃司(7) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 7.0 1点は失ったものの、終始攻め続けて完勝に導いた。

■referee
家本政明 5.0 PKの判定は妥当。ただ、三原の2枚目のイエローは出すべきでなかった。

2016/05/09

160508柏1-3川崎(J1 #11)

柏1-3川崎(日立台)

前節仙台戦(J1 #10)に引き分けて中3日。
1試合消化が少ない浦和と勝ち点1差(実質では4差)の2位。

13時キックオフ。
風はなく、屋根がない日立台は晴れて暑い。
ピッチにはたくさん水を撒いていた。

先発は仙台戦から3人が変わる。
柏からレンタル中のエドゥアルドは契約上出場できず、車屋が左CBに入る。
また、谷口、森谷がベンチスタート。
ネットが鳥栖戦(J1 #6)以来2度目の先発で、三好はJ1リーグ初先発。

柏はYNC2試合を含めて7連勝中で、J1リーグ4位。
直近の3試合はいずれも2対0で勝利している。
最後に失点したのは、4月20日のYNC川崎戦(YNC GL #4)。
ネットのヘディングでの同点ゴールまで遡る。

■1st half
柏はプレスに来るが、ボールを奪えない。
前線から中盤まで連動して追っても、ドリブルでパスコースを作られる。
川崎はゆっくりしたパスでプレスを誘っては、ダイレクトで外す。
個の力で少しずつ柏を剥がしていった。

ネットと大島のボランチがフリーでボールを持つ。
右SBの増嶋竜也(5)の位置取りが中途半端で、三好と登里に崩された。

15分、PA内からの増嶋のクリアをネットが拾う。
そのままドリブルで持ち込み、シュートフェイクでDF中山雄太(29)を滑らせる。
次のタイミングでは増嶋が寄せたが、中山が抜かれたので詰め切れない。
ゴール右隅に美しいゴールを決めた。

まったく攻撃できなかった柏は30分。
DF山中亮輔(6)のFKを、DF中谷進之介(4)が低い体勢からヘディングでゴール。
中谷はオフサイドのようにも見えたが、副審の旗は上がらなかった。
なお、この副審は、続く32分にもラインをまたいだロングスローを見逃している。

川崎は終始押し込んだが、セットプレーで同点に追い付かれた。
柏はプレスが効かず、全体的に間延びした状態を強いられ、守勢に立った。

■2nd half
後半開始から三好を交代させる。
谷口を左SBに入れて、登里を1列上げる。
仙台戦では交代策が奏功しなかったが、この試合では成功した。

48分、谷口が上がって左からクロス。
PA内中央で登里がフリーで待ち構えるが、滑ってしまう。
倒れてスルーした形となり、エウシーニョがシュートするがDFに当たった。

52分、中村がPA内に向かって縦にスルーパス。
エウシーニョがライン際で追い付いてマイナスのクロスを上げる。
ゴール前中央でフリーの大久保が頭で流し込んでゴール。
柏は完全に崩されていたものの、大久保のマークに誰も行かずに失点した。

続いて55分。
カウンターから中村が左サイドの大久保にパス。
大久保は2人のDFを引き付けてから、右サイドの小林に浮き球でパス。
小林がダイレクトで芸術的なボレーをゴールに突き刺した。
中央にいた中山は、マークに行かずに小林をフリーにしてしまった。

59分、柏は増嶋に代えてMF茨田陽生(8)を投入する。
ボールをもらうために下がっていたMF大谷秀和(7)の役割を茨田が担う。
大谷が前でプレーする機会が増えて、チャンスを作りだした。

2点差となって、川崎はペースを落とす。
両ボランチにマークが付くようになり、ボールをもらう動きが鈍る。
柏のプレスが効きはじめ、蹴らされることが多くなった。
ラインを上げられずに自陣に押し込まれたが、そのまま逃げ切った。

■summary
柏は全体的にプレスが緩かった。
気温が高く、走り続けることは難しく、川崎に翻弄された。
それでも茨田が入ると改善しただけに、2点差までベンチが動かなかったことが悔やまれる。
また、YNCで決勝ゴールを決めたMF武富孝介(15)が欠場したことも川崎に有利に働いた。

川崎はネットが積極的にボールを受けた。
持ちすぎることも少なく、シンプルに次のプレーにつなげていた。
大島はほとんどボールを奪われず、前に向かってボールを出せていた。
エドゥアルドの欠場も、車屋が十分に補った。

前半、セットプレーで同点とされたが、後半、たたみ込んで突き放した。
2点差での勝利という結果は、内容に見合ったものだった。

首位の浦和も勝ったため勝ち点差は同じまま。
次節は中5日でホーム神戸戦。
暑くなってきたため、きちっとコンディションを整えたい。

■goal
30中谷進之介(4)
15エドゥアルド・ネット(21) 52大久保嘉人(13) 55小林悠(11)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 59分、ゴール前の混戦でディエゴ・オリヴェイラ(11)のシュートを止めた。プレー機会は少なかった。
エウシーニョ(18) 6.5 積極的に攻撃に参加した。52分、完璧なクロスでアシスト。
奈良竜樹(3) 7.0 対人の強さを発揮し、ハイボールも対処。守備の中心となって奮闘した。
車屋紳太郎(20) 6.5 スピードを生かしてディエゴ・オリヴェイラをマーク。破綻なく守り切った。
登里享平(2) 6.0 左サイドで何度もいい形でボールを持ったが、クロスの精度を欠いた。
エドゥアルド・ネット(21) 6.5 何度も動き直してボールを受ける。15分、J1初ゴールを美しく決める。
大島僚太(16) 6.5 プレスを軽々とかわしてチャンスを作った。3分のミドルシュートはGK中村航輔(23)に弾き出される。
中村憲剛(14) 6.5 2点目3点目の起点となるパスを出した。74分のイエローは軽率。
小林悠(11) 6.5 55分のボレーは素晴らしい弾道だった。85分、PA内まで戻って守備。
三好康児(26) 5.5 J1リーグ初先発。30分までは良かったが、その後ミスが目立った。前半で交代。
大久保嘉人(13) 7.0 1ゴール1アシスト。DFとの駆け引きでフリーになるのが早かった。

■sub
46(26)谷口彰悟(5) 5.0 左SBに入る。62分にMF伊東純也(14)に1対1で抜かれるなど不安定だった。
77(2)森谷賢太郎(19) 5.5 短い時間だったが、走ってプレスをかけて時間を稼いだ。
90+4(13)原川力(15) 5.5 ケガからの復帰戦。ほとんどプレーに関与しなかった。

■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 中野嘉大(22) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 7.0 仙台戦の停滞感を選手起用で払拭させた。特にネットと車屋が良かった。

■referee
佐藤隆治 6.0 的確なジャッジで好ゲームを導いた。イエローの判断はブレが見られた。

2016/05/05

160504川崎1-1仙台(J1 #10)

川崎1-1仙台(等々力)

ガンバ戦(J1 #9)に勝って中4日で仙台戦。
ゴールデンウィークの水曜日の開催となる。

午前中は雨が強く降っていたが、午後はくっきり晴れた。
気温は高いが、風が強い。14時キックオフ。

先発にはガンバ戦で出場停止だったエウシーニョが復帰。
車屋がベンチに入り、残りの10人は変わらない。
登里が右SBから本来の左SBに戻った。

ベンチからは長谷川が外れたが、他の6人は同じ。
2戦続けてほぼ同じメンバー構成となる。

仙台は2勝1分6敗の暫定16位、中3日。
2年前に川崎に所属していたMF金久保順(14)が先発。
FWウィルソン(9)はベンチスタート。

■1st half
仙台はバランス良くプレスをかけてくる。
川崎がショートパスをつないでも、窮屈だった。
その代わり、1列飛び越える長いパスは有効。
小林、大久保が何度も最終ラインから飛び出してボールを呼び込む。
大島が10分に大久保、14分に小林へスルーパスを狙うが、トラップがうまくいかない。

25分あたりまで、川崎がボールを長く持って、左右に動かす。
PA内に入ると仙台が粘り強く守るので、なかなかシュートできなかった。

逆に25分過ぎからは、仙台がパスを回すようになる。
ミドルシュートを積極的に打ってきたが、危ないシーンは少なかった。

36分、中村がループパスを小林に出し、シュートを決めるがオフサイド。
44分には大久保のシュートをGK八反勇治(1)がはじき、中村が詰めるが、これもオフサイド。
どちらもラインをわずかに出ていたので、線審の判定は妥当だった。

■2nd half
後半開始から、3人のポジションを変更する。
ボランチの谷口が右SBに回り、エウシーニョが1列上がって、中村がボランチに入る。
前半、ある程度機能していたが、もっと良くするために積極的に動いた。

ただ、この結果、逆にバランスを崩してしまって仙台がボールを持つ。
川崎は谷口がサイドに出たためセカンドボールが拾えなくなる。
仙台はサイドを有効に使いながら、攻勢を強めた。

前半の攻撃時、谷口がアンカーとしてCBの間に落ちていた。
CBが広がってスペースを埋めていたが、後半になるとボランチは下がらない。
そのため、高く位置取る両SBが空けたスペースが大きく広がる。

仙台はボールを奪うと、FWハモン・ロペス(20)が左サイドに流れる。
奈良が対応するためサイドに引き出され、中央を空けてしまっていた。

54分、63分、65分と立て続けに決定機を作られ、70分。
ハモン・ロペスが左サイドから攻め、いったん川崎がクリア。
しかし、混戦からFW野沢拓也(8)のクロスをフリーのMF富田晋伍(17)がヘッドで決める。
守備陣がボールに集まったところで、誰もいないゴール前にクロスを上げられた。

73分、右サイドからドリブルでPA内に侵入した大島が直接シュート。
角度はなかったが、六反の頭上を抜いた素晴らしいゴールで同点に追い付く。

その後、両チームともにペースを落とした。
気温が高く、疲労で動きが鈍くなり、ミスも多くなった。

■summary
後半、仙台は多くの決定機を生んだ。
負けてもおかしくない内容だったが、大島の個人技で追い付いた。

ポジション変更で左サイドの守備が機能しなくなったため、失速した。
後半も前半と同じようにやり続ければよかったと思われる。
悪くない状況だったが、動いたことが裏目に出てしまった。
また、交代で入った選手も三好は良かったが、車屋、中野はいまひとつだった。

首位の浦和は、ACLの影響で第10節を6月15日に行う。
勝利すれば暫定で首位に戻ることができる状況だったが、ドローに終わった。

残念だが、次はエドゥアルドが契約上出場できない柏戦。
柏は調子を上げているが、なんとか勝利したい。

■goal
73大島僚太(16)
70富田晋伍(17)

■judge
チョン・ソンリョン(1) 6.0 17分、野沢の長距離FKをパンチング。31分、MF金久保順(14)と接触するがボールを離さず。
エウシーニョ(18) 5.5 上がった背後のスペースを狙われた。後半、1列上がってまたSBに戻る。
奈良竜樹(3) 6.0 危なげなかった。後半、左サイドの対応のため吊り出されて中央を空ける。
エドゥアルド(23) 6.0 60分、金久保が完全に抜け出したところを倒す。チームを助けるイエロー。
登里享平(2) 6.0 左サイドでボールを呼んでPA付近までドリブルで進む。クロスは味方に合わせられず。
谷口彰悟(5) 5.5 ボールロストがあったがまずまず。後半、右SBに回ると仙台に狙われた。
大島僚太(16) 6.5 ゴラッソで勝ち点1をもたらした。前を向いてパスを出し、ドリブルで抜いた。
中村憲剛(14) 5.0 パスミスが目立った。自由にプレーさせるためにボランチより1列前でプレーさせたい。
小林悠(11) 5.5 最終ラインの背後への動き出しが目立ったが、ゴールは生み出せなかった。
森谷賢太郎(19) 5.5 6分にミドルシュート。ボランチを助けていた。交代は早かった。
大久保嘉人(13) 5.5 上下に動いてラストパスも供給した。マークが厳しくシュートが少なかった。

■sub
54(19)車屋紳太郎(20) 5.0 左SBに入って登里を1列上げる。攻撃で機能しなかった。
65(5)三好康児(26) 6.0 68分、90分と積極的にシュートを放つ。2本とも入らなかったがCKを得る。
86(2)中野嘉大(22) 5.0 ボールには触ったが、特に見せ場を作れなかった。

■bench
新井章太(30) エドゥアルド・ネット(21) 橋本晃司(7) 狩野健太(25)

■coach
風間八宏 5.0 後半のポジションチェンジで失速させた。車屋、中野の投入は局面を変えられなかった。

■referee
上田益也 6.0 必要なファウルはしっかりとっていたが、全体的には抑制されていた。