2019/10/14

191013鹿島0-0川崎(YLC SF #2)

鹿島0-0川崎(カシマサッカースタジアム, 19:00KO, 19,127人)

YBCルヴァンカップ準決勝は、等々力での第1戦(YLC SF #1)を3-1で勝利。
中3日で迎える第2戦は、カシマでのアウェイゲーム。

前日、台風19号が関東を直撃した。
そのため、15時から19時にキックオフ時間が変更された。
4時間の遅れは観客に大きな影響を与えるが、チケットの払戻しはなし。
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)も中止され、追加副審をゴール横に配することとなった。


先発は、第1戦から4人を変更する。
山村、中村、阿部、小林を先発させる。
第1戦で負傷交代の馬渡和彰はベンチ外で、新たにマギーニョがベンチに入る。

YLCのU21枠は、田中碧がU22日本代表に招集されたために免除される。


鹿島は第1戦から先発6人を変更した。
U21枠では、FW上田綺世(36)が連続して先発する。

鹿島が決勝進出するためには、2点差の勝利が最低条件。
さらに、アウェイゴール(1点)で川崎を上回ることも必要となる。
1点差の勝利では、川崎が勝ち抜ける。

■1st half
両チームともに静かな立ち上がりとなった。
鹿島は、第1戦のように最初からのスパートは見せなかった。
プレスも控え目にとどめ、失点のリスクを抑えてきた。

川崎はゆっくりと焦らずボールを回していく。
右サイドで登里と家長、左サイドで車屋と阿部が組み立てる。
13分と25分に下田、22分に中村、27分に家長がミドルシュート。
37分には阿部が抜け出して、GKクォン・スンテ(1)と1対1となった。

鹿島はパスコースを封じられ、ビルドアップが遅くなる。
土居聖真(8)や白崎凌兵(41)が下がって組み立てても、打開できない。
21分と38分に左SB小池裕太(26)がクロスを入れるが、チャンスは少なかった。

■2nd half
鹿島はHTに投入したFW伊藤翔(15)が上下左右に動き、揺さぶっていく。
川崎の運動量が落ちはじめたこともあって、PA近くでのプレーが増える。

川崎は52分に長谷川、57分に大島を投入する。
長谷川が左サイドでキープし、大島はパスで鹿島のプレスを破った。
この2人のおかげもあって、膠着状態に戻すことができた。

鹿島は64分、単独で攻めることができるFWレアンドロ(11)を投入。
守備をある程度割り切って、人数をかけて攻めてきた。
81分にはレアンドロがニアを狙うが、GK新井にキャッチされる。
チャンスを多く作ることができず、ゴールを奪えなかった。

■summary
鹿島は2点が必要だったが、攻める手立てを探せなかった。
ボランチの永木亮太(6)と名古新太郎(30)がボールを受けられない。
動き直しが少なく、小林悠と中村憲剛のチェックに封じられた。

前線の上田綺世は、山村と谷口に挟まれる時間が長かった。
背後を狙ったり、ポジションを工夫して動くことで、もっと貢献したかった。

守備では川崎のボールホルダーに強く寄せないため、ボールを奪えない。
川崎のアウェイゴールを避けたかったのは、理解できなくもない。
ただ、第1戦を終え、2点のビハインドの状況だった。
リスクを負ってでも、早い時間からゴールを求めたかった。


川崎は多くのチャンスを作りながら、ゴールを決められず。
37分の阿部、48分の小林、54分の守田、68分の大島のシュートをGKクォン・スンテが防ぐ。
クォン・スンテが素晴らしかったとはいえ、スコアレスは物足りない。

ただ、第1戦のリードを考えれば、ベストな内容で十分な結果。
鹿島に勢いを与えないまま、90分を費やして試合を終えた。

決勝はコンサドーレ札幌と、2週間後の10月26日に対戦する。
YLC(YNC)では、これまで4度決勝に挑んだ。
直近の2年前も含めて、4度すべてが準優勝だった。
気負うことなく、いつものプレーを見せてほしい。

その前には中5日でガンバ大阪戦(J1 #29)がある。
上向いてきた内容を保ちながら、良い結果を出したい。

■goal


■judge
新井章太(21) 6.0 81分、レアンドロのシュートを防ぐ。キャッチもキックも安定していた。
登里享平(2) 6.5 流れを制御しながら右サイドを守る。フリーで待ちパスコースを作った。
山村和也(34) 6.5 上田に仕事をさせず、ハイボールを競り続ける。11分、危険な横パス。
谷口彰悟(5) 7.0 カウンターやロングボールを華麗に防いだ。34分、58分にCKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 6.5 ライン沿いでプレー。53分、名古に突破される。64分、鋭いクロス。
下田北斗(22) 6.5 13分、25分とミドルシュート。周囲を上手くサポートして動かした。
守田英正(6) 7.0 トラップで相手を剥がす。54分、ミドル。67分、カウンターを防いだ。
家長昭博(41) 6.5 鋭いドリブルと仁王立ちキープで自由にプレー。89分、緩めのシュート。
中村憲剛(14) 6.0 最後までプレスを頑張った。88分、決定機を外す。パス精度は低め。
阿部浩之(8) 6.0 37分の決定機はGK正面。スペースを埋めるために走る。早めの交代。
小林悠(11) 6.5 48分、フリーでシュート。自陣まで欠かさず戻って、守備に参加した。

■sub
52(8)長谷川竜也(16) 6.5 62分、PA内でシュート。左サイドでキープして時間を使った。
57(22)大島僚太(10) 6.5 復帰2試合目。縦パスを入れていく。68分、ミドルシュート。
90+1(11)ダミアン(9) 5.5 1トップに入る。時間が短く、プレー機会は少なかった。

■bench
ソンリョン(1) マギーニョ(26) 脇坂泰斗(28) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 早めの選手交代で、鹿島に傾いた戦況を改善。完璧な内容で決勝に進んだ。

■referee
東城譲 5.0 ファウルの基準が一律でなかった。もっとスムーズに裁いてほしい。

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■おまけ

インタビューを受けて、遅れてアウェイゴール裏にやってきた中村憲剛(14)。サポーターにずっと手を振りながら帰っていきました。

大岩剛監督にあいさつに出向く山村和也(34)。
ホームゴール裏からはブーイング。握手が終わると素早くアウェイ側へ戻りました。