2025シーズン公式戦初戦は、ACLEのアウェイ浦項スティーラーズ戦。
長谷部茂利監督が、初めて指揮を執ることとなった。
秋春制のACLEは、2024年9月から全8戦の東地区グループリーグが始まって、浦項戦は7戦目。
2024年12月4日の山東泰山戦(ACLE GL #6)から中断期間を挟み、2か月ぶりの再開。
ACLEグループリーグは、ここまで4勝2敗の勝ち点12で、4位。
東地区の12チーム中、上位8位までがラウンド16に進出できる。
現在9位の上海申花は勝ち点7で、ラウンド16進出はほぼ手中にある。
ACLEは、同大会内での背番号変更はできない。
そのため、春秋制のJリーグなどと背番号が異なる選手が出る。
例えば、山本悠樹は2025年から背番号6番に変更したが、2024年当時の77番で出場する。
新加入の伊藤達哉は、遠野大弥が17番でACLEに出場済なので、37番を着用する。
U-20代表に参加中の大関と土屋は不在。
神田も選出されているが、この試合まで帯同してU-20代表に合流する。
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先発は、昨シーズンを継続する形の4-2-3-1となった。
そして、新加入の伊藤達哉が右ウィングで先発する。
GKには山口、RSBには佐々木旭が入っている。
ベンチ入りは、ACLEのため12人。
家長や、新卒加入の神橋と野田はベンチ外となった。
浦項は、2023年のコリアカップ優勝・Kリーグ2位でACLEに出場。
ACLEグループリーグは、ここまで3勝3敗の勝ち点9、5位となっている。
川崎とは、2009年のACLグループリーグ以来16年ぶりの対戦。
2009年はアウェイ浦項でドロー、ホーム等々力で浦項が勝ち、浦項の1勝1分だった。
■1st half
浦項は、2トップにボランチ1枚が加わってプレスを加える。
両ウィングがSBをきっちり抑えて、川崎の2CBのパスコースを消す。
ボランチに渡せないようにして、ロングボールを蹴らせた。
ビルドアップでは、GKファン・インジェ(21)と2CBでボールを回す。
川崎のプレスラインは低めで、余裕のあったGKが持つ時間が長くなった。
お互いに相手の出方を待つ静かな立ち上がりで、膠着状態が続く。
30分を過ぎると、浦項のプレスが緩まる。
FW1人がプレスに出ても周囲が連動せず、スペースが空く。
川崎のCBはボランチにパスを出せるようになって、前進していく。
36分、脇坂が左サイドのスペースへ大きく展開する。
パスを受けたマルシーニョは、カットインからシュート。
そして38分。
RSB佐々木旭が中央に持ち上がると、山本を経由して山田新から右の伊藤達哉に展開。
伊藤達哉のシンプルな右クロスを、ゴール前に駆け上がった山田新が先制ヘッドを決めた。
43分、CBジョナサン・アスプロポタミティス(5)が2枚目のイエロー。
1点リードされた浦項が、数的不利となった。
■2nd half
浦項は、選手を早めに入れ替えながら同点を狙う。
後半から1トップに入ったイ・ホジェ(33)がプレスを頑張った。
60分から続けて3本のCKを蹴る。
65分、イ・ホジェが縦に突破し、イォ・ジュンウォン(2)がミドル。
三浦がクリアしたボールを、さらにオベルダン(8)がミドルを狙った。
71分、川崎がようやく浦項を突き放す。
右サイドの高い位置で佐々木旭が奪取して、ゴール前に運ぶ。
CBを背負った山田新が落とすと、脇坂が優しく蹴り込んだ。
2点差となり、浦項に勝ち点を得る望みは薄くなった。
さらに河原とエリソンが追加点を決めて、大勝した。
■summary
浦項は、GKからビルドアップを図ったが、CBから先につなげない。
強引に打開しようとはせず、GKへのバックパスを繰り返す。
川崎がGKまで寄せなかったので、ポゼッションはできても攻撃できなかった。
最初は良かったプレスも、長くは続けられなかった。
川崎の中盤にスペースを与えるとすぐにゴールに迫られて、38分に失点。
43分にアスプロポタミティスが退場したこともあり、難しいゲームとなった。
数的不利ながら後半、攻勢に出たが、同点ゴールは奪えなかった。
川崎は、長谷部茂利監督の初戦を、勝利で飾った。
シーズンオフの移籍が少なかったこともあり、2024シーズンの骨格を維持した。
少しずつチームを変革するスタイルなので、選手の戸惑いは少ないと思われる。
数的有利かつ大量リードの展開となり、慎重になりすぎることなく選手を交代した。
伊藤達哉は、右ウィングでのデビュー戦で、先制アシスト。
ピッチはあまり良くなかったが、独特のタッチのドリブルで存在感を見せた。
ゾーン・ディフェンスを採用した守備は、整備が進みつつある。
プレスも個に頼るだけでなく、全体が連動しながら動き出すようになった。
ゴール前を崩されても、短時間で体勢を立て直すことができていた。
数的有利だったことも大きいが、今後、失点を減らす可能性を感じることができた。
次は、中3日でJ1リーグ開幕戦となるホーム名古屋戦(J1 #1)。
厳しい日程が始まるが、選手を入れ替えながら勝利したい。
■goal
38山田新(20) 71脇坂泰斗(14) 75河原創(19) 88エリソン(9)
■judge
山口瑠伊(98) 5.5 仕事は少な目。78分、シュートをキャッチ。90+5分、プレスを受けロスト。
佐々木旭(5) 6.5 RSB。8分、12分に突破を許す。71分、ボール奪取から運んでゴールを生む。
高井幸大(2) 6.5 14分、前に出てカット。63分にCKを、90+3分にはFKをゴール前でクリア。
丸山祐市(35) 7.0 最終ラインをしっかり統率した。13分、19分にロングボール。1アシスト。
三浦颯太(13) 6.5 左サイドを駆け上がりクロスを入れる。65分、ゴール前でシュートクリア。
橘田健人(8) 6.0 ゾーンでも個の守備力を活かした。31分、イエローを受けたため前半で交代。
山本悠樹(77) 6.5 CB丸山の脇に下りて組み立てる。64分、山田新へラストパス。1アシスト。
脇坂泰斗(14) 6.5 53分、65分にシュート。1ゴール。守備では2トップ型で山田新と並んだ。
伊藤達哉(37) 6.5 狭いエリアでも細かなドリブルで抜け出す。正確な右クロスで先制アシスト。
マルシーニョ(23) 6.0 19分、PA内左から1人抜いてクロス。36分、カットインからシュート。
山田新(20) 7.0 飛び上がり頭で叩いて1ゴール。50分、ロングシュート。ポストで1アシスト。
■sub
HT(8)河原創(19) 6.5 55分、マルシーニョへスルーパス。75分、チップキックで1ゴール。
77(37)山内日向汰(26) 5.5 トップ下で出場。83分、GKにプレス。85分、ドリブルでFK獲得。
77(14)ヴェロン(28) 5.5 右ウィング。86分、山内とパス交換するもロスト。プレスは良かった。
81(20)エリソン(9) 6.0 84分、左からシュート。88分、コースは甘くなったがヘッドでゴール。
86(23)宮城天(24) 5.5 左ウィング。87分、三浦へスルーパス。90+1分、ドリブルもロスト。
■bench
ソンリョン(1) 安藤駿介(21) VW際(31) 田邉秀斗(15) 車屋紳太郎(7) アイダル(44) 神田奏真(32)
■coach
長谷部茂利 6.5 采配初戦で良い面を多く見せて大勝。今季への期待感を高めた。
■referee
ムハンマド・ナサルディン(MAS) 6.5 軽い接触は流しつつ、危険なプレーには即座にイエローを提示した。
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AT+3+5