アウェイ札幌戦(J1 #29)での敗戦から中2日。
等々力に戻って、YBCルヴァンカップ(YLC)準々決勝第1戦の甲府戦。
酷暑のためか、等々力の芝は、剥がれた部分が目立った。
今年のYLCは、Jリーグの60クラブすべてが参加する。
予選リーグがなくなり、完全トーナメント形式となった。
準々決勝と準決勝は、ホーム&アウェイの2試合制。
アウェイゴール2倍ルールはなく、VARが適用される。
川崎、横浜FM、甲府の3チームは、準々決勝から出場する。
ACL2023-24でノックアウトステージに進出したことに伴うもの。
高井幸大は、フル代表に参加するため不在となる。
新たにGK山口、車屋、アイダル、河原、山本、瀬川、エリソン、遠野が先発する。
夏に加入した山口とアイダルは川崎での初出場、河原は初先発となった。
続けて先発する3人は、橘田、佐々木旭、脇坂の3人。
先発を外れた三浦、家長、山田新、マルシーニョの4人は、ベンチに回る。
GKソンリョン、VW際、大島、フル代表参加の高井の4人は、ベンチ外。
YLCは9人までベンチ入り可能で、J1リーグよりも2人多い。
新たにGK早坂、田邉、ヒカルド、ゴミスの4人が入り、小林悠が外れた。
昇格プレーオフ圏の6位まで勝ち点9差、降格圏の19位まで勝ち点12差。
昇降格圏のどちらからも、ある程度離れている。
2022年の天皇杯で優勝し、ACL2023-24の出場権を獲得。
ACLでノックアウトステージに進出したことで、YLCは川崎と同じく準々決勝が初戦となる。
鹿児島戦(J2 #29)から中3日の日程で、川崎より1日余裕がある。
先発11人のうち、9人が鹿児島戦と同じとなっている。
7月2日、篠田善之監督との契約を解除し、大塚真司が新監督となった。
大塚真司は、1997-2000年、川崎でプレー(1997-98年JFL、99年J2リーグ、2000年J1リーグ)。
5月23日にS級ライセンスを取得したばかりの監督就任となった。
2020-23年、川崎に所属した神谷凱士(29)はベンチ外。
川崎との対戦は、2017年8月27日(2017 J1 #24)以来、7年ぶり。
■1st half
甲府は1トップのアダイウトン(51)にロングボールを当てる。
6分、鳥海芳樹(10)の鋭いミドルシュートは、GK山口が弾き出す。
10分には関口正大(23)もロングシュートを放った。
プレスは強くなく、川崎のビルドアップには余裕があった。
RCB車屋は、LCBアイダルを飛ばして、LSB佐々木旭へのパスを多用する。
ボランチ河原は、常にスペースに動き続けてボールを引き出した。
甲府はゴール前で5バックを敷いて、攻撃を待ち受ける。
押し込んだ川崎は、立て続けにシュートしていく。
21分、佐々木旭がカットインからミドル。
22分、山本の左クロスをエリソンがヘッド。
23分、脇坂の落としを佐々木旭がシュート。
24分、遠野が倒れながらのボレーシュート。
そして27分、エリソンのシュートをGK渋谷飛翔(88)がセーブ。
遠野がこぼれ球を拾って脇坂に当て、戻されたボールを叩き付けて先制ゴールを決めた。
前につなげない状態が続いた甲府だったが、終盤にチャンスを作る。
38分、鳥海のミドルは、GK山口が触ってバーに当たる。
40分にも右サイドを抜け出した飯田貴敬(24)がシュート。
■2nd half
後半も川崎がペースを握る。
52分、ゴール前の混戦から脇坂がシュート。
53分、瀬川のラストパスを脇坂がシュート。
そして58分、山本のラストパスをエリソンがPA内で受ける。
細かなタッチからゴールを決めるが、VARでハンドと判定され、取り消された。
その後は、落ち着いた時間が続いた。
88分、山田新のミスパスからピーター・ウタカ(99)が決定機を迎えるが、GK山口とアイダルが守った。
■summary
甲府は、前後半ともに攻められる時間帯を作られた。
ただ、38分の鳥海、40分の飯田、88分のウタカと決定的な場面もあった。
前半に1失点したが、後半の失点はVARで取り消され、1点差で第2戦を迎える。
川崎の攻撃を耐え凌ぎ、悪くない結果で折り返すこととなった。
ホームでの第2戦は、先に失点して2点差となると厳しくなる。
第1戦のように守備を固めつつ、同点ゴールを狙ってくると思われる。
GK山口瑠伊は、川崎でのデビュー戦となった。
38分、鳥海のミドルをわずかに触り、コースを変えてバーに当てる。
88分のウタカの決定機は、素早く詰めることで時間を稼いだ。
GKソンリョンに似たプレースタイルで、最終ラインの混乱は少ないと思われる。
札幌戦で途中出場した河原創は、初の先発フル出場。
豊富な運動量を見せ、前に向かうパスを次々と繰り出した。
ボランチで大島と組んでのプレーも観てみたいところ。
セサル・アイダルもデビュー戦。
LCBで車屋と組んで、無失点で切り抜ける。
やや拙速となることもあったが、積極的に縦パスを入れていった。
ホームでの第1戦で勝利したことは、もちろん良い結果といえる。
ただ、1点差にとどまったため、中3日で迎える第2戦(YLC QF #2)には難しさが残る。
第1戦で休んだフレッシュなメンバーを戻し、準決勝に進みたい。
■goal
27遠野大弥(17)
■judge
山口瑠偉(98) 7.0 38分、88分と決定機を防ぐ。70分、90+7分のミドルも安定してキャッチ。
橘田健人(8) 6.0 RSB。14分、ミドル。74分からボランチ。77分、右ポケットからクロス。
車屋紳太郎(7) 6.0 RCB。ビルドアップで佐々木旭へのパスを多用。ロングボール攻撃を防ぐ。
アイダル(44) 6.0 LCB。71分、ロングシュート。88分、ウタカのシュートをライン上でクリア。
佐々木旭(5) 6.5 連戦の疲労を感じさせずプレー。LSBからRSBに回る。21分と23分にミドル。
河原創(19) 7.0 走り続けてボール奪取を繰り返し、即座に縦パスやドリブルでゴールを目指す。
山本悠樹(77) 5.5 柔らかなパスを供給する。61分、自陣でのロスト後に相手を倒してイエロー。
脇坂泰斗(14) 6.0 1アシスト。32分、52分、53分にシュート。ゴール近くで細かなパスを出す。
瀬川祐輔(30) 6.0 右FW。13分と66分のシュートはGK渋谷が止める。素早い判断での右クロス。
エリソン(9) 6.0 22分、ヘッド。38分、ロングシュート。58分のゴールはVARで取り消される。
遠野大弥(17) 6.5 左FW。決勝ゴール。24分にもボレー。90+4分、自陣に戻ってカバーする。
■sub
74(9c)山田新(20) 4.5 88分、バックパスをウタカに渡して決定機を与える。90+1分、キープ。
(c:脳振盪の疑いによる交代)
74(77)三浦颯太(13) 5.5 87分、ウタカを倒してFKを与える。90分、PA内で飯田をストップ。
74(14)家長昭博(41) 5.5 山田新と2トップを組む。76分、軽くジャンプしながらパスをつなぐ。
83(30)マルシーニョ(23) 5.5 80分、山田新へ左クロス。89分、甲府CKからのカウンター。
■bench
早坂勇希(22) 田邉秀斗(15) ヒカルド(6) 山内日向汰(26) ゴミス(18)
■coach
鬼木達 5.5 ターンオーバーしながら辛勝に持ち込む。交代枠を2つ残した。
■referee
山本雄大 6.0 ジャッジは明快。イエロー3枚は出しすぎ。抑制してほしい。
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AT+1+7