2021/12/30

211230シーズン回顧(2) 2021選手別平均採点

2021シーズン回顧(2) 2021選手別平均採点

2021シーズンの川崎フロンターレ。
 J1リーグを連覇して5年連続のタイトルを獲得。
 J1リーグのMVPと得点王、さらにはベストイレブン7名を輩出した。
1回目(前編)の各種ランキングに続いて、2回目(後編)は選手別の平均採点を見る。

53試合のプレー時間の合計は、5,273分。
 この時間には、前後半及び延長のロスタイムを含んでいる。
 ロスタイムは、フロンターレ公式サイトを参考に独自に算出。

exdrives における採点から、出場時間に照らし各選手の平均採点を計算した。

チーム全体の平均採点は、6.151点だった。
(2020年6.073点、2019年5.943点、2018年5.883点、2017年6.036点、2016年6.028点、2015年6.014点、2014年5.870点)。


2月20日、FUJI XEROX SUPER CUP優勝

GK、DF、MF、FWの4ポジション別に、出場時間順に並べた。
 ポジションは登録上のものでなく、実態に合わせている。
 2021シーズンは4-3-3だったので、サイドバックはDFに含めている。
  旗手玲央はLSBやFWでも出場したが、MFに含めている。
  遠野大弥については迷ったが、MFとした。
なお、移籍情報は随時更新していきます。

■goal keeper
チョン・ソンリョン(1) 47試合4690分出場 平均採点6.39 ベンチ0試合
 加入6年目。リスタートのキック能力が向上し、劣勢時のペース配分に気を配った。
 シーズン前半は攻撃される機会が少なく、ゴール前で見守るだけの試合が多かった。
 8月以降、被決定機が多くなると活躍が際立った。J1リーグ連覇に大きく貢献した。
 天皇杯2回戦長野戦(天皇杯 R64)3回戦千葉戦(天皇杯 R32)で、PK戦で勝利に導く。
丹野研太(27) 6試合583分出場 平均採点6.01 ベンチ47試合
 第2GKとして、全ての試合で控え続け、4月のソンリョン負傷時には4試合に登場。
 出場6試合で十分なパフォーマンスを見せてくれる。貴重な存在だった。
安藤駿介(21) 0試合0分出場 平均採点0 ベンチ7試合
 第3GKの立場が続いた。2017年から5年間、出場なし。
 丹野が出場した6試合と、ベンチ枠が10人のACL蔚山現代戦(ACL R16)でベンチに入り。
イ・キョンテ(40) 0試合0分出場 平均採点- ベンチ0試合
 (2021シーズン 岡山(J2)から2022年1月1日までの期限付き移籍)
 2020シーズンに続き、岡山からのレンタルとなった。
 出場もベンチ入りもなかった。ACLは外国人枠のため登録外。
 (2022シーズン 期限付き移籍満了、金海市庁FC(KOR)へ完全移籍)


11月7日の鳥栖戦(J1 #35)
 ガード・オブ・オナー(guard of honour)。駅前不動産スタジアム。

■defender
山根視来(13) 48試合4599分出場 平均採点6.03 ベンチ1試合
 ベストイレブン(2年連続2回目)。3月、日本代表に初選出され、出場を重ねる。
 不動のRSBとして右サイドに君臨した。多くのアシストを重ねる。
 連戦でパフォーマンスを落としても、わずかな休養だけで復活。
 代表で不在となるとき以外は、RSBの控えは必要なかった。
ジェジエウ(4) 43試合3650分出場 平均採点6.25 ベンチ3試合
 ベストイレブン(2年連続2回目)。離脱少なく最終ラインを支える。
 高さとスピードで守るだけでなく、攻撃でも縦パスやドリブルを仕掛けた。
 11月7日の鳥栖戦(J1 #35)で左膝前十字靭帯と内側側副靭帯を損傷。
 ブラジルに帰国して手術するため、来シーズンまで長期離脱が予想される。
谷口彰悟(5) 41試合3462分出場 平均採点6.17 ベンチ2試合
 ベストイレブン(2年連続3回目)。日本代表にコンスタントに選出される。
 左右どちらのCBでも安定していた。アンカーとしても出場機会を得た。
 8月18日の清水戦(天皇杯 R16)で負傷するが、離脱の影響は大きかった。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)での復帰前に、チームはルヴァンカップとACLに敗退。
登里享平(2) 38試合3387分出場 平均採点5.93 ベンチ2試合
 左鎖骨骨折から4月3日の大分戦(J1 #7)で復帰すると、LSBで先発を続ける。
 三笘薫、長谷川、マルシーニョ、宮城天と多くの左FWと組み、それぞれの特徴を活かす。
 味方のパスコースを確保する動きと、幅広いパターンのパスでチーム全体を動かした。
車屋紳太郎(7) 43試合2634分出場 平均採点6.34 ベンチ5試合
 LCBがメインとなったが、登里に代わりLSBで試合を締める役割もこなした。
 縦に持ち運ぶプレーも多く、鋭いパスで攻撃のスイッチを入れる。
 9月1日の浦和戦(YLC QF #1)で足を負傷し、1ヶ月間チームを離脱した。
山村和也(28) 31試合1757分出場 平均採点5.90 ベンチ2試合
 3月18日に左大腿二頭筋肉離れで離脱し、6月9日の長野戦(天皇杯 R64)で復帰。
 谷口、車屋が欠場していた9月を始め、安定したプレーを見せてくれる。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)で、投入直後に同点ゴールを決めた。
イサカ・ゼイン(15) 5試合344分出場 平均採点5.37 ベンチ5試合
 6月2日の横浜FC戦(J1 #21)で、大卒加入2年目で初出場を果たす。
 山根に代わるRSBを任されるが、守備のタスクを上手くこなせなかった。
 (2022シーズン 横浜FC(J2)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
神谷凱士(26) 3試合134分出場 平均採点5.65 ベンチ1試合
 ゼインと同じく、6月2日の横浜FC戦(J1 #21)で、大卒加入2年目で初出場。
 ACLでも2試合に出場し、LSBとLCBでプレー。
 (2022シーズン 藤枝(J3)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
田邉秀斗(30) 3試合111分出場 平均採点5.50 ベンチ1試合
 (2021シーズン 静岡学園高校から加入)
 7月11日の北京戦(ACL GL #6)でデビューを飾り、LSBで果敢に攻めた。
 浦和とのルヴァンカップ準々決勝2試合も、ミスはあったが臆さずに強気にプレー。

■midfielder
脇坂泰斗(8) 49試合3430分出場 平均採点6.06 ベンチ2試合
 ベストイレブン(初受賞)。3月、日本代表に初選出される。
 比較的早い交代が多かったが、田中碧移籍後はプレータイムを伸ばし、主力に定着。
 8番を2年間続けたが、磨かれた戦術眼に相応しい新たな番号を背負いたい。
旗手怜央(47) 38試合3361分出場 平均採点6.06 ベンチ0試合
 ベストイレブン(初受賞)。東京オリンピック日本代表。11月、フル代表に初選出。
 序盤はLSBでプレーし、登里復帰後はインサイドハーフに戻った。
 試合中に左FWにも入ることがあり、多くのポジションでプレーする。
 感情の高ぶりが激しく、試合後に号泣するシーンが多かった。
 (2022年1月 セルティック(SCO)へ完全移籍)
橘田健人(22) 43試合2955分出場 平均採点6.35 ベンチ4試合
 (2021シーズン 桐蔭横浜大学から加入)
 最初の公式戦G大阪戦(FXSC)から出番を得て、少しずつ経験を重ねた。
 7月2日のユナイテッド・シティ戦(ACL GL #3)でハットトリック。
 秋を迎えるとシミッチからポジションを奪い、アンカーで豊富な運動量を見せた。
ジョアン・シミッチ(6) 35試合2765分出場 平均採点6.14 ベンチ0試合
 (2021シーズン 名古屋(J1)から完全移籍で加入)
 アンカーでレギュラーを確保する。左足のロングキックやスルーパスで攻撃を差配する。
 身長を活かした強い守備が効いたが、両脇のスペースを使われる。右足も不得手だった。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)の先発を最後に、メンバー外が続いた。
田中碧(25) 21試合1876分出場 平均採点6.28 ベンチ0試合
 右インサイドハーフを主戦場として、ゴールをより意識して攻撃的にプレー。
 激しい運動量で守備のタスクもこなし、前半の快進撃の主役となった。
 5月30日の鹿島戦(J1 #17)を最後に、U-18から昇格後4年半で海外に旅立った。
 東京オリンピック日本代表(デュッセルドルフ移籍後)。
 (2022年6月 デュッセルドルフ(GER)へ2022年6月30日までの期限付き移籍)
遠野大弥(19) 38試合1492分出場 平均採点5.94 ベンチ9試合
 (2021シーズン 福岡(J2)への期限付き移籍から復帰)
 インサイドハーフやサイドFWでプレー。力強いシュートと決定力を見せる。
 J1リーグで6ゴール、ACLで1ゴール。セットプレーも担当した。
 シーズンを通じて、ボールを受ける動きや守備が整備されてきた。
塚川孝輝(3) 21試合582分出場 平均採点5.57 ベンチ4試合
 (2021シーズン 松本(J2)から完全移籍で加入)
 シミッチの交代要員として、アンカーでの出場を重ね、インサイドハーフでもプレー。
 身長を活かしたハイボール対応と、鋭いリアクションで中盤に活気をもたらした。
 2月20日のG大阪戦(FXSC)7月5日のユナイテッド・シティFC戦(ACL GL #4)と2回、脳震盪によって離脱。後者は9月14日の蔚山現代戦(ACL R16)まで復帰に2か月以上を要した。
大島僚太(10) 15試合574分出場 平均採点5.98 ベンチ1試合
 チーム始動直後に負傷して、6月26日の大邱FC戦(ACL GL #1)で復帰する。
 三笘薫と田中碧の移籍後のチームを支えるはずが、7月21日の千葉戦(天皇杯 R32)で再負傷。
 10月24日の清水戦(J1 #33)で復帰したが、年間の稼働期間はあまりにも短かった。
 とはいえ、出場すればチーム全体を変える力を見せた。
小塚和季(17) 12試合462分出場 平均採点5.72 ベンチ10試合
 (2021シーズン 大分(J1)から完全移籍で加入)
 少ないプレー時間だったが、天才的な輝きの片鱗を見せてくれた。
 動き直しと守備の強度が課題。大分戦(天皇杯 SF)のアシストは素晴らしかった。


9月29日の神戸戦(J1 #28)
 勝負の5連戦の4試合目でした。

■forward
家長昭博(41) 51試合3976分出場 平均採点6.11 ベンチ2試合
 ベストイレブン(2年連続3回目)。家長がいるところから、攻撃が始まった。
 開幕戦横浜FM(J1 #1)での2ゴールで、チームに良いスタートを切らせた。
 プレータイムもかなり長く、鬼木監督にとって欠かせない存在となっていた。
 35歳となって戻りは遅くなりがちで、RSB山根に負担を掛けていた。
レアンドロ・ダミアン(9) 48試合3450分出場 平均採点6.51 ベンチ5試合
 J1リーグMVP、得点王、ベストイレブン(いずれも初受賞)。
 加入3年目にしてブラジル代表の本領を発揮する。
 ゴラッソあり、決定力あり、多様なゴールパターンを見せ、アシストも多い。
 チェイスにも磨きがかかり、ケガも少なく、非の打ち所なく完璧だった。
小林悠(11) 42試合1837分出場 平均採点6.22 ベンチ1試合
 ダミアンの好調を受け、プレー時間は減らしたものの、J1リーグで10ゴール。
 右ウィングでは、かつての日本代表時代と同じく、窮屈さを感じさせた。
 福岡戦(J1 #26)に負けた次の札幌戦(J1 #27)で「フロンターレは死んでいない」と語る。
 G大阪戦(FXSC)鹿島戦(J1 #17)では、ロスタイム終了間際に決勝ゴールを決める。
三笘薫(18) 24試合1658分出場 平均採点6.34 ベンチ3試合
 東京オリンピック日本代表。戦術三笘として圧倒的にドリブルで切り裂いた。
 厳しいマークで封じられても、一瞬のきらめきでゴールやアシストの結果を出した。
 7月8日の大邱戦(ACL GL #5)でのプレーを最後に、川崎での1年半の活躍を終えた。
 (2021年8月 ブライトン(ENG)へ完全移籍、サンジロワーズ(BEL)へ期限付き移籍)
長谷川竜也(16) 30試合1443分出場 平均採点5.84 ベンチ6試合
 左FWで交代出場を重ね、クロスボールを入れていく。
 9月14日の蔚山現代戦(ACL R16)での交代出場以降、ベンチ外が続いてしまう。
 蔚山現代戦のPK失敗が、川崎でのラストプレーとなった。
 (2022シーズン 横浜FC(J2)へ完全移籍)
知念慶(20) 31試合1088分出場 平均採点6.11 ベンチ7試合
 (2021シーズン 大分(J1)への期限付き移籍から復帰)
 3番手のCFとして控え、プレー時間は短いながらも確かな痕跡を残す。
 ACLでは途中出場した北京戦(ACL GL #2)の2得点など、合計4ゴールを決めた。
 徳島戦(J1 #29)で2ゴール、湘南戦(J1 #30)で足を攣りながらもロスタイムに決勝ゴール。
マルシーニョ(23) 13試合869分出場 平均採点6.14 ベンチ1試合
 (2021年8月 重慶両江(CHN)から完全移籍で加入)
 8月13日に加入発表、入国後の隔離期間を経て8月30日に全体練習に合流する。
 9月18日の徳島戦(J1 #29)でデビューすると、左FWとして活躍する。
 決定力は今ひとつだが、スピードとドリブルで決定機を生み出した。
宮城天(24) 20試合834分出場 平均採点6.12 ベンチ4試合
 (2021シーズン 富山(J3)への期限付き移籍から復帰)
 6月9日の長野戦(天皇杯 R64)で、川崎でのデビュー。
 吸い付くようなトラップを武器に、三笘移籍後の左FWでプレー。
 9月22日の鹿島戦(J1 #32)の後半ロスタイム、決勝ミドルを叩き込む。


5月22日の横浜FC戦(J1 #15)
小林悠(11)のJ1リーグ300試合出場セレモニー。
 前節札幌戦(J1 #14)で達成。

(特別指定) ※出場なし
松井蓮之(31) 
 2月に加入内定、特別指定。法政大学4年生。姉は俳優の松井愛莉。
 (2022シーズン 新規加入)
早坂勇希(32)
 4月に加入内定、特別指定。桐蔭横浜大学4年生、川崎U-18出身。
 (2022シーズン 新規加入)

佐々木旭(流通経済大学4年生)は3月に加入内定。特別指定はなし。
永長鷹虎(興国高校3年生)は6月に加入内定。特別指定はなし。

(2種登録) ※出場なし
五十嵐太陽(33) 
 U-18の3年生。8月27日、U-18からの昇格と2種登録が発表された。
 (2022シーズン U-18から昇格)
高井幸大(34) 
 U-18の2年生。8月27日、2種登録が発表された。
 (2022シーズン プロ契約、2種登録)

■rental
マギーニョ
 (2021シーズン 横浜FC(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 契約満了)
原田虹輝
 (2021シーズン 鳥取(J3)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 長野(J3)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)
宮代大聖
 (2021シーズン 徳島(J1)へ2022年1月31日までの期限付き移籍)
 (2022シーズン 鳥栖(J1)へ2023年1月31日までの期限付き移籍)

■coach
鬼木達 平均採点6.15
 最も高い評価は7.5点で、湘南戦(J1 #30)だった。
 最も低い評価は4.5点で、鳥栖戦(J1 #35)だった。
 (2020年6.03、2019年5.81、2018年5.72、2017年6.12)

■referee
平均採点5.98
 (2020年5.90、2019年5.70、2018年5.71、2017年5.72、2016年5.69、2015年5.61)

166,800views