アウェイ清水戦(J1 #18)から中3日。
ACLから帰国して、14日間のバブル方式が継続する中の天皇杯3回戦。
東京オリンピックによる中断前の最後の試合となる。
2回戦は長野(J3)にPKで勝ち(天皇杯 R64)、3回戦は千葉(J2)と対戦する。
スタジアムは、下位カテゴリーの千葉のホーム、フクダ電子アリーナ。
清水戦の当日、川崎の選手1名が新型コロナウイルスに感染した。
氏名は公表されていないが、千葉戦には出場できない。
また、三笘と旗手がオリンピック代表に招集されている。
先発は、清水戦から3人を変えてきた。
新たに車屋、橘田、遠野が入り、谷口、大島、宮城天がベンチスタート。
中3日の連戦だが、小幅なターンオーバーとなる。
ベンチには長谷川が入り、小塚が外れた。
千葉は、J2リーグで8勝8分7敗の10位。
日程は、川崎と同じく中3日となる。
天皇杯2回戦は、同じくJ2の大宮に勝っている。
川崎との対戦は、5年前の等々力での天皇杯以来となる。
160922川崎4-1千葉(天皇杯 R32)
2013-19年の7年間、川崎に所属したGK新井章太(1)はベンチスタート。
2015年に所属したFW船山貴之(10)は、先発する。
■1st half
千葉は1トップのFWサウダーニャ(40)がシミッチに付く。
自陣に深く5バック4ボランチで構えて、バランスを保つ。
川崎は2CBに余裕があり、根気良くパス交換を続ける。
千葉を押し込みながら、要所でスピードを上げてゴールを目指す。
橘田と遠野のランニングからチャンスを作っていく。
10分にダミアン、12分と16分に遠野、30分に脇坂、37分にシミッチがシュート。
千葉は多くのシュートを浴びたが、決定機は許さなかった。
攻撃はほとんどできなかったが、それでも守り抜いた。
21分、安田理大(33)の右クロスで山根のオウンゴールを誘うが、ファウルと判定。
45分、サウダーニャがジェジエウを抜いて独走するが、イエローで止められた。
■2nd half
川崎が引き続き攻めていくが、53分。
左サイドの見木友哉(39)が、PA内の船山にパスを入れる。
船山の折り返しを見木がシュートすると、ジェジエウに当たりながら先制ゴール。
千載一遇のチャンスを活かして千葉がリードしたが、58分。
登里のスルーパスでPA内に走り込んだ橘田が、小林祐介(5)に倒される。
60分、獲得したPKを、家長がGK鈴木椋大(23)の逆に蹴って同点とする。
その後も川崎がじっくりと押し込んでいく。
シミッチがバイタルでフリーとなって、ラストパスを狙った。
79分、ドロップボールをFW櫻川ソロモン(40)がバックパス。
GK鈴木がキャッチしてしまい、PA内での間接FKとなる。
しかし、なぜか千葉の選手がレフェリーに抗議して、時間が止まった。
最後は川崎が自らチャンスを放棄し、間接FKをGK鈴木に戻す決着となった。
フェアプレーの範囲を超えた行為といえる。
■extra time
延長に入ると、川崎が多くのCKを獲得する。
95分、谷口が左CKをヘッドするが、惜しくもクリアされた。
97分、CKを繰り返し蹴っていた大島が、右内転筋を負傷。
歩いてピッチを出たが、最後は担架で運ばれて交代した。
川崎は動きが少なくなり、パスコースを作れない。
知念は味方との距離が遠く、ポストプレーを収められない。
アンカーに入った谷口も、セカンドボールを拾えなかった。
千葉はシンプルにロングボールを蹴り込む。
108分、福満隆貴(16)の落としから、田口泰士(4)がミドル。
チャンスは相変わらず少なかったが、川崎にボール保持の回数では対抗できていた。
宮城天が102分、105分に右サイドからチャンス作る。
116分に山村、119分に宮城天がシュートするが、決まらなかった。
■penalty shootout
千葉の3人目、岩崎悠人(8)が外してしまう。
川崎は4人連続でPKを決め、千葉の5人目。
GKソンリョンが熊谷アンドリュー(18)のシュートを止め、川崎が勝った。
千葉 ○櫻川ソロモン(40) ○矢田旭(20) ×岩崎悠人(8) ○福満隆貴(16)
×熊谷アンドリュー(18)
川崎 ○知念慶(20) ○山村和也(28) ○長谷川竜也(16) ○車屋紳太郎(7)
■summary
千葉は、ほとんどの時間で守っていた。
プレスを仕掛けず、5バックでブロックを組み、むやみに体力を失わない。
川崎に押し込まれても、決定的なシュートを許さなかった。
最後まで破綻することなく、守り続けたことは素晴らしかった。
攻撃はロングボールが頼りで、チャンスは少なかった。
先制することはできたが、2度目の幸運は訪れなかった。
PKを外してしまった岩崎悠人(8)を温かく出迎えるチャン・ミンギュ(15)、櫻川ソロモン(40)、安田理大(33)。 |
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山村和也(28)、丹野研太(27)、尹晶煥監督。 2017年にセレッソ大阪でルヴァンと天皇杯の2冠を獲得したメンバーです。 |
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GK新井章太(1)と船山貴之(10)。川崎ゴール裏にあいさつに来てくれました。新井は出場しませんでしたが、船山は1アシスト。 |
川崎は清水戦に続き、押し込みながらも疲労が見えた。
ゴールを決めることができず、厳しい展開となった。
ピッチ状態も悪く、暑い環境で中3日と、ACLの影響も残っていたと思われる。
97分に負傷した大島が、少しでも軽傷であることを祈りたい。
6ヶ月間離脱し、ACLで復帰を果たしたばかり。
大島以外にも負傷や移籍で選手が欠けている状況で、今後に不安が残る。
東京オリンピックのため、中断期間を迎える。
次の大分戦(J1 #23)までは中19日となる。
帰国後14日間のバブル方式も、7月27日で終わる。
コンディションを整えて、8月の連戦に向かいたい。
■goal
60PK家長昭博(41)
53見木友哉(39)
■judge
ソンリョン(1) 7.0 42分、田口のシュートをキャッチ。安定したキック。PK戦で1本止める。
山根視来(13) 5.5 21分、ファウル判定がなければOGとなるヘッド。クロスは合わなかった。
ジェジエウ(4) 6.5 45分、抜け出されてイエロー。最後までスピードを落とすことなく守る。
車屋紳太郎(7) 6.5 多彩なパスで起点となる。サウダーニャと櫻川にパワーで負けなかった。
登里享平(2) 6.0 機を見て攻め上がり、56分、69分にシュート。58分、橘田へスルーパス。
シミッチ(6) 6.5 ハイボールを回収。ロングパスを織り交ぜて組み立てる。37分、シュート。
脇坂泰斗(8) 5.5 ボールに数多く触ったが、打開できず。セットプレーを何度も蹴り込む。
橘田健人(22) 6.5 ギャップで受けて前を向いた。58分、登里のスルーパスからPKを獲得。
家長昭博(41) 6.0 ペース配分を考え、120分間、落ち着いたプレー。60分、PKを決める。
ダミアン(9) 5.5 10分、シュート。トラップが流れがちで、ポストプレーは低調だった。
遠野大弥(19) 6.0 積極的に12分、16分とシュート。33分、プレスで千葉の攻撃を止める。
■sub
HT(19)長谷川竜也(16) 6.0 左で受けて仕掛ける。52分、シュート。延長になると目立たず。
71(8)大島僚太(10) 5.5 セットプレーを蹴り続け、右足を痛めて交代。見せ場はなかった。
71(6)谷口彰悟(5) 5.5 アンカーで出場。動きが少なく、CBに負荷を掛ける。95分、ヘッド。
88(22)宮城天(24) 6.5 疲弊したチームの中で右FWで奮闘した。97分、119分にシュート。
90+6(9)知念慶(20) 5.5 93分、クロスをヘッド。111分、115分にポストプレーをロスト。
99(10)山村和也(28) 6.0 細かいタッチで時間を作る。114分にヘッド、119分にシュート。
■bench
丹野研太(27)
■coach
鬼木達 6.0 圧倒的に押し込みながらもゴールを奪えず、辛勝となった。交代策はベスト。
■referee
清水勇人 5.0 コンタクトが少ない展開で、まずまず。ただ、79分のバックパスで混乱を生む。
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