2021/07/18

210717清水0-2川崎(J1 #18)

清水0-2川崎(IAIスタジアム日本平, 18:30KO, 9,015人/10,000人)

タシケントで集中開催されたACLグループリーグを、6戦6勝で終えた。
 最終戦北京FC戦(ACL GL #6)から、関西空港へのフライトを挟んで中5日。
 帰国後14日間はバブル方式となり、選手たちはホテルで隔離されている。

帰国後のPCR検査で、スタッフ2名の陽性が判明した。
 選手の感染は確認されていないが、チームでのトレーニングは休止した。
 前日のみの練習で、清水戦に臨むこととなった。


気温は下がったが、まだ明るい18時30分キックオフ。
 あと30分遅ければ、もっと快適にプレーできたと思われる。

J1リーグの試合は、6月2日の横浜FC戦(J1 #21)以来、1ヶ月半ぶり。
 この間、2位横浜Fマリノスが4連勝。
 勝ち点9差(横浜FMは1試合未消化)に迫られている。

東京オリンピックに向けた強化期間に入り、招集された三笘と旗手が不在。
 田中碧も招集されたが、デュッセルドルフ(GER)への移籍が発表されている。


先発は、大きくターンオーバーした北京FC戦(ACL GL #6)から10人が変わる。
 続けて先発するのはJ1リーグ初出場となる宮城天のみ。
主力が出場した大邱戦(ACL GL #5)から見ると、先発は3人変更。
 車屋、旗手、三笘が外れて、登里、大島、宮城天が先発する。

ベンチには、小塚が入っている。
 なお、長谷川はベンチ外となった。

J1リーグは、21試合を消化しているが、清水とは初対戦。
 この清水戦で、対戦相手となる19チームが一巡することとなる。


清水は、J1リーグで5勝8分8敗の暫定13位。
 今シーズンから、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督を招いた。
 日程は中6日で、海外遠征はないものの、川崎とほぼ同じ。
 成岡輝瑠(40)がトレーニングパートナーとしてオリンピック代表に参加している。

2020シーズンの対戦は、川崎の2勝1分だった。
 200216川崎5-1清水(YLC GL #1)
 200829川崎5-0清水(J1 #13)
 201205清水2-2川崎(J1 #31)

■1st half
清水は整備されたポジションを保ち、無駄なく守る。
 アンカーのシミッチを、チアゴ・サンタナ(9)と鈴木唯人(23)が挟み込む。
 緩めのプレスを掛けていくだけで、川崎のパスコースを封じた。

10分あたりから、川崎が押し込んでいく。
 宮城天と家長がサイドに張ることで、中央のスペースを生む。
 パスの出し入れで走らされ、清水の寄せが遅くなった。

17分、登里がスルーパスをダミアンに入れる。
 ダミアンはCB井林章(38)を置き去りにして、ゴールに向かう。
 シュートフェイクからの優しいラストパスを、脇坂が流し込んで先制ゴール。

その後も川崎が押し込んでいく。
 20分に脇坂、32分にシミッチがシュートする。

清水は川崎の中盤の弛みを狙って、チャンスを作る。
 29分、32分にチアゴ・サンタナ(9)、40分には鈴木唯人(23)がシュート。
 強固な守備陣形を築きながら、互角に戦っていた。

■2nd half
川崎が流れるような攻撃を続ける。
 ワンタッチパスでピッチの左右にボールを動かしていく。

50分、登里から脇坂に入ったところを竹内涼(6)が後ろからカット。
 突いたボールが抜け出した大島に届いて、ゴールを決められる。
 最後は竹内に触られたが、そこに至る崩しは素晴らしかった。

続けて51分、大島がターンからの切り返しで、清水DFを翻弄してシュート。
 55分にダミアン、56分に宮城天がシュートする。

清水は65分、河井陽介(17)と中山克広(11)を投入する。
 54分に入っていた滝裕太(26)とともに、縦に早く仕掛けていった。
 川崎はカウンターを止められず、ラインを下げていく。

68分、河井から中山へのスルーパスは、GKソンリョンが飛び出してクリア。
71分、鈴木とサンタナが続けてシュートするが、2本ともGKソンリョンが止めた。

川崎はボールを奪えず、自陣から押し上げることができない。
 清水の攻勢が続くが、谷口やジェジエウ、登里が粘り強くクリアしていった。

■summary
清水は厳密な陣形を構築することで、川崎の攻撃に対抗する。
 2CBからシミッチへのパスコースを消しながら、ロングボールを蹴らせた。
 ただ、1対1やワンツーパスで局面を突破されると、カバーが遅れた。
 結果として2失点してしまったが、悪くはなかった。

後半、押し込む時間が長くなった。
 個人の力に頼りながら、川崎のゴールを脅かした。
 1点を奪うことができていれば、勝ち点を得るチャンスはあったと思われる。



後半10分、プレーが止まったタイミングの宮城天(24)と大島僚太(10)。
大島がシンガードを直しながら、直立不動の天にアドバイスしていたのでしょう。

左FWで先発した宮城天は、素晴らしい活躍を見せた。
 トラップを浮かせることなく、果敢に縦へ仕掛けていった。
 長野戦(天皇杯 R64)も良かったが、J1清水相手でも同じようにプレーできた。
 三笘が五輪代表で抜け、長谷川が欠場したが、その穴を感じさせなかった。

2ゴールを奪って勝利したが、疲労感は否めなかった。
 後半、時間が進むにつれて動きが減り、劣勢となった。
 タシケント遠征、そしてバブル方式の影響も大きかったと思われる。
 今後、夏場の過密日程や海外遠征が続くので、コンディションの維持が重要となる。

次は中3日で千葉戦(天皇杯 R32)。
 引き続き帰国後14日間のバブル方式の期間内で、かつアウェイ開催となる。
 厳しい状況だが、しっかりと勝ち進みたい。

■goal
17脇坂泰斗(8) 50大島僚太(10) 

■judge
ソンリョン(1) 7.5 32分のシュート、62分、2本のシュートを止める。飛び出しも良かった。
山根視来(13) 6.0 19分、宮城天へロングボール。数的不利となりがちで、守備は苦労した。
ジェジエウ(4) 6.5 ロングボールを前線に入れる。48分、独走されたが追い掛けて止めた。
谷口彰悟(5) 6.0 コースを消され、縦パスを奪われる。終盤、崩されてもクリアし続けた。
登里享平(2) 6.5 4分、シュート。2ゴールともに起点となる。39分、原との1対1を止める。
シミッチ(6) 6.0 32分にミドル。2FWに挟まれてパスを受けられず。ボールに鋭く寄せた。
脇坂泰斗(8) 6.5 上手く動いてパスを呼び込む。17分、先制ゴール。20分、ロングシュート。
大島僚太(10) 7.0 国内での復帰戦。50分のゴールも、51分のシュートも素晴らしかった。
家長昭博(41) 6.0 自由な位置取りで撹乱する。56分に右クロス。74分、遠野へラストパス。
ダミアン(9) 6.5 プレスを仕掛けるが、勢いは続かなかった。1アシスト。55分、シュート。
宮城天(24) 6.5 J1デビューを飾る。美しいトラップから仕掛けた。11分、56分にシュート。

■sub
66(10)橘田健人(22) 6.0 プレスを繰り返して中盤を埋める。90+4分、知念へスルーパス。
66(24)遠野大弥(19) 5.5 74分、カウンターからシュート。76分、自陣でファウルをもらう。
81(2)車屋紳太郎(7) 6.5 88分、ドリブルで押し上げる。89分、中山と競ってマイボールに。
81(9)知念慶(20) 5.5 1トップに入り、プレスに出る。90+4分、決定機のトラップは流れた。
87(8)山村和也(28) 5.5 2ボランチに入る。清水の攻撃を遅らせて、試合を締めた。

■bench

丹野研太(27) 小塚和季(17) 

■coach
鬼木達 6.5 宮城天の起用に成功。疲労を踏まえた選手交代も適切だった。

■referee
今村義朗 6.5 明確で分かりやすかった。強い接触があると、しっかりファウルと判定した。

153,900views