2021シーズン最初の公式戦は、FUJI XEROX SUPER CUP。
J1リーグと天皇杯を制し、2年ぶり3度目の出場。
これまでの2回の出場は、1勝1敗だった。
180210川崎2-3C大阪(FXSC)
190216川崎1-0浦和(FXSC)★
先発は、天皇杯決勝から2人が変わる。
ケガの大島と、サンタクララ(POR)に移籍した守田が外れている。
インサイドハーフに脇坂、アンカーに新加入のジョアン・シミッチが入った。
ベンチには、新加入の遠野、橘田、塚川が入った。
対戦相手は、J1リーグ2位(天皇杯準優勝)のガンバ大阪。
2020シーズンは3回対戦して、川崎の3勝だった。
200801G大阪0-1川崎(J1 #8)
201125川崎5-0G大阪(J1 #29)★
210101川崎1-0G大阪(天皇杯 Final)★
■1st half
ガンバはFWパトリック(18)を中心にプレスを掛ける。
川崎は5分ほど戸惑っていたが、すぐに修正してボールを回していく。
新加入のシミッチの周りに田中碧、脇坂が動いてサポートする。
右サイドで家長を縦に走らせての攻撃も効いていた。
ガンバは4-3-3の新システム。
人数は足りていても、なかなかパスコースを探せない。
サイドからは仕掛けていたが、中央からは崩せなかった。
29分、田中碧が左サイドでポイントを作って、三笘へスルーパス。
三笘はGK東口順昭(1)を先に転ばせてから、先制ゴールを決めた。
32分にも山根のシュートのコースを変えて、三笘が2点目。
スタンドからはオフサイドのように見えたが、VARで確認してゴールが認められた。
その後も川崎がボールを持つ展開で、前半を終えた。
■2nd half
50分あたりから、ガンバの時間帯が続く。
川崎は中盤が間延びして、PA内でブロックを組んで守る。
自陣深くに押し下げられていて、ボールを奪ってもパスをつなげない。
ガンバのプレスバックの餌食になり、簡単にボールを失った。
60分、ゴール前でボールを動かされて、矢島慎也(21)がボレーでゴール。
66分には山根がハンドでPKを与え、パトリックに決められて同点とされた。
さらには70分、FWチアゴ・アウベス(32)がGK1対1の決定機を迎える。
72分、左CKを菅沼駿哉(13)がヘッドするなど、ガンバがチャンスを作った。
川崎は64分に塚川と橘田、72分に小林悠と長谷川、83分には遠野を投入。
さらには90+1分、脳震盪による追加交代枠で塚川に代えて車屋を入れる。
新戦力を多く起用しつつ、ゴールを狙っていった。
そして90+6分のラストプレー。
田中碧の縦パスを遠野が受けて、小林悠へスルーパス。
抜け出した小林悠が、GK東口のファーにゴールを決めた。
■summary
ガンバは前半、良いプレーが少なく2失点を喫した。
後半は巻き返して、厚みのある攻撃で同点に持ち込んだ。
勝負する時間帯できちっと得点することができ、悪くなかった。
インサイドハーフの井手口陽介(15)が効いていた。
常に厳しくボールに寄せていくことで、川崎の自由を奪っていた。
新システムの4-3-3は、仕上がっていない部分もあったと思われる。
それでも特に後半、今シーズンに期待を持てる内容を見せてくれた。
川崎もガンバと同じように、チームが成熟していない面があった。
後半、動きが少なくなって、コンパクトさを保てなかった。
ガンバに中盤を制圧されて、簡単に2点を失ったのは反省点といえる。
余裕のない展開となったが、新戦力を多く試すことができた。
シミッチは良いときのエドゥアルド・ネットのようなプレー。
献身的に動き続けてパスコースを作り、シンプルにさばいて縦パスを入れる。
田中碧や脇坂のフォローを受け、孤立することなくプレーしていた。
9分には右CKに合わせて決定的なヘッドを放つなど、高さも魅力的。
橘田、塚川、遠野にもチャンスを与えることができた。
これからのシーズンを見据えた良い采配だった。
★cup winner
3度目のFUJI XEROX SUPER CUPで、2度目の優勝を飾った。
次は中5日、J1リーグ開幕戦のホーム横浜Fマリノス戦(J1 #1)。
幸先良いシーズンの始まりとなった。
これからも期待していきたい。
■goal
29,32三笘薫(18) 90+6小林悠(11)
60矢島慎也(21) 67PKパトリック(18)
■judge
ソンリョン(1) 6.0 果敢に飛び出して処理した。90+6分、山本悠樹(29)のFKをキャッチ。
山根視来(13) 6.0 8分、家長を走らせるパス。1アシスト。66分、ハンドでPKを与える。
ジェジエウ(4) 6.5 19分、71分にシュートブロック。押される時間帯は少しバタついた。
谷口彰悟(5) 6.0 1分にパスミス。9分、CKのこぼれ球に詰める。90+1分、CKをヘッド。
旗手玲央(47) 5.5 本職ではないLSBで奮闘する。70分、チアゴ・アウベスに競り負けた。
シミッチ(6) 6.0 加入後初先発。中盤を支えていた。26分、41分に三笘へ縦パスを入れる。
脇坂泰斗(8) 5.5 狭いエリアでも高い技術で打開していった。田中碧と交互にCKを担当。
田中碧(25) 7.0 身体を寄せられても苦にせずボールを運ぶ。64分からはアンカーに入る。
家長昭博(41) 6.0 右サイドから鋭く飛び出す。18分、持ち込んでシュート。後半は沈黙。
ダミアン(9) 6.5 安定したポストプレーでポイントを作った。3分、28分にシュート。
三笘薫(18) 6.5 3分、6分にシュート。そして2ゴールの結果。ドリブルの仕掛けは不発。
■sub
64(8)橘田健人(22) 5.5 インサイドハーフでのデビュー戦。80分、85分、86分にクロス。
64(6)塚川孝輝(3) 5.5 82分、谷口のパスを受け小林悠へ入れる。90+1分に脳震盪で交代。
72(18)長谷川竜也(16) 5.5 75分、2本の左クロスを入れる。良さを出し切れなかった。
72(9)小林悠(11) 6.5 72分、90+2分にヘッド。90+6分、決勝ゴールを美しく決めた。
83(41)遠野大弥(19) 6.0 中央でプレー。90+2分、右クロス。90+6分、決勝アシスト。
90+1(3c)車屋紳太郎(7) 6.0 最終盤でLSBに入る。短い時間だが左サイドを落ち着かせた。
(塚川は脳振盪による交代。通常の交代とは別の取扱い。)
■bench
丹野研太(27)
■coach
鬼木達 6.0 新戦力を積極的に起用して勝利した。後半、押される時間で修正したかった。
■referee
荒木友輔 6.5 プレーの邪魔をしない素晴らしいジャッジ。山根のハンドを明確にPK判定。
■おまけ
バックスタンドに向けて手を上げる谷口彰悟(5)。 無造作にカップを持っています。 |
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賞金3千万円のボートを持つ登里享平(2)。 ベンチコートを脱いで、旗手玲央(47)に渡していました。 |
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