YBCルヴァンカップは、浦和との準々決勝でアウェイゴール差で敗れた。
中8日で大会が変わり、ACLのラウンド16。
蔚山現代とのアウェイ戦は、無観客開催となった。
東地区5グループから8チームが勝ち上がるため、GL1位の川崎がアウェイに回る。
今年のACLトーナメントは、1試合制。
1試合だけなので選手の負荷は小さいが、コロナ禍での国際移動は変わらず厳しい。
なお、ラウンド16では、グループリーグと同じくVARは導入されていない。
先発は、浦和戦(YLC QF #2)から2人を変える。
新たに先発するのは、ケガ明けのジェジエウと日本代表から戻った山根の2人。
宮城天と田邉がベンチスタートとなる。
ベンチ入りは、10人まで可能なレギュレーション。
新たにGK安藤、ゼイン、塚川が入り、外国人枠でACL登録外のマルシーニョが外れる。
塚川は、7月5日のユナイテッド・シティ戦(ACL GL #4)以来の復帰となる。
蔚山現代は、川崎と同じくACLグループリーグ6連勝で首位通過。
前年2020年のACLでは優勝を飾っている。
川崎とは、2014、18、19年にACLのGLでホーム&アウェイで対戦。
通算では川崎の1勝2分3敗で、アウェイでは3敗だった。
■1st half
蔚山はプレスを呼び寄せてパスを出し、包囲を次々と突破する。
パスミスが少なく、ボールを途中で失うことがなかった。
ただ、ゴール前の崩しに工夫が少なく、単純なクロスが多かった。
23分、左クロスをFWオ・セフン(19)がフリーでヘッドする。
反対に、川崎は蔚山のプレスに苦しんだ。
最終ラインまで鋭く寄せられて、ロングボールを蹴らされた。
20分あたりで、橘田を下げて2ボランチに移行する。
蔚山がプレスの強度を落としたこともあって、少し落ち着いた。
右サイドで家長がキープして、周囲が動いていく。
45+1分に山根、45+2分、脇坂が深い位置からクロスを入れた。
■2nd half
前半とは異なって、川崎がペースを握る。
プレスを強く掛けることで、蔚山に自由を与えない。
セカンドボールの回収を含めて、優位に立つことができた。
46分と76分にダミアン、66分に脇坂がシュート。
シュート本数は少なかったが、ゴールには近づいた。
蔚山は運動量が落ちてしまい、ペースを失った。
動き出しが減ったため、パスコースが少なく、上手くつなげない。
68分にオ・セフンがミドル、82分にデイブ・ブルタイス(4)がロングシュート。
■extra time
延長に入ると、緻密なサッカーとはいえなくなる。
お互いに疲労が目立ち、積極的な攻撃を仕掛けられない。
セーフティに長いボールを蹴りつつ、ルーズボールを競った。
川崎はセットプレーからチャンスを生む。
91分、98分、105+1分に家長がフリーキック。
105+1分のFKはシミッチが折り返し、知念が決定的なヘッドを放った。
116分にはPA内に走り込んだ橘田が、知念の落としをシュート。
蔚山は108分と112分にイ・ドンジュン(11)がシュート。
120分、CKをFWキム・ジヒョン(9)がヘッドしたが、右ポストに当たった。
■penalty shootout
川崎が2人目の長谷川の失敗でリードを許す。
蔚山の2人目3人目が失敗したことで、川崎が逆転する。
しかし、4人目のシミッチ、5人目の家長が失敗し、PK戦で敗退した。
川崎 ○知念慶(20) ×長谷川竜也(16) ○遠野大弥(19)
×シミッチ(6) ×家長昭博(41)
蔚山 ○イ・チョンヨン(72) ×ウォン・ドゥジェ(16) ×イ・ドンジュン(11)
○ユン・イルロク(37) ○ユン・ビッカラム(10)
■summary
蔚山現代は、技術の高いプレーを見せてくれた。
川崎のプレスバックを受けても、慌てずダイレクトパスで抜け出していく。
パスもトラップも素晴らしく、ポジションの良さも光った。
後半は少し失速したが、川崎と互角に戦っていた。
川崎はゴールを決めることができなかった。
内容は悪くなかったが、決定機が少なかったことが原因といえる。
拮抗した展開で、素晴らしい熱戦だった。
残念ながらPK戦に負け、ACLラウンド16で敗退することとなった。
山村の負傷交代が気にかかるところ。
谷口と車屋に続いて離脱することとなれば、苦しい状況となる。
次は中3日でアウェイ徳島戦(J1 #29)。
YLCとACLの2つのタイトルを続けて失ったばかり。
それでも勝ち点をしっかりと獲得したい。
■goal
■judge
ソンリョン(1) 6.0 23分、オ・セフンの決定機を止める。120分、CKをパンチできなかった。
山根視来(13) 5.5 多くの右クロス。ボールロストが多かった。76分、ドリブルでPAに侵入。
ジェジエウ(4) 6.5 大きな動きでピンチを防ぐ。80分、FKをトラップするもシュートできず。
山村和也(28) 6.0 プレスに苦しみつつ組み立てる。36分、CKをヘッド。右足負傷で交代。
登里享平(2) 6.5 スピードで左サイドをがちっと守る。113分、長谷川へのロングパス。
シミッチ(6) 5.5 45分、小林悠へループパス。奮闘していたが、パスを奪われがちだった。
脇坂泰斗(8) 6.0 14分、45+1分、66分にシュート。59分、即時奪還してすぐに左クロス。
橘田健人(22) 6.5 ピッチを走り続けた。22分、右クロス。116分、PA内に入ってシュート。
家長昭博(41) 6.0 ボールキープしてラストパスを狙う。延長ではFKを蹴ってチャンスを作る。
ダミアン(9) 6.0 46分、76分、91分にシュート。プレスを仕掛け、ポストプレーをこなす。
小林悠(11) 6.0 左FWで先発。サイドライン際に張り出してプレー。1分、66分にシュート。
■sub
86(8)知念慶(20) 6.0 105+1分、決定的なヘッドを放つが、GKが止める。プレスも頑張る。
110(9)遠野大弥(19) 5.5 右FWに入る。押される時間帯で、プレー機会は少なかった。
110(11)長谷川竜也(16) 5.5 113分、登里のロングパスで抜け出して、左クロスを入れる。
111(28)塚川孝輝(3) 5.5 山村の負傷で左CBで出場。120+1分、ロングボールをクリア。
■bench
丹野研太(27) 安藤駿介(21) ゼイン(15) 田邉秀斗(30) 小塚和季(17) 宮城天(24)
■coach
鬼木達 5.5 善戦に導くことはできたが、交代策は効果的ではなかった。
■referee
モハンメド・アブドゥラ・ハッサン 6.5 シンプルかつ的確なジャッジを続けた。
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