2021/09/02

210901浦和1-1川崎(YLC QF #1)

浦和1-1川崎(浦和駒場スタジアム, 19:00KO, 4,629人/5,000人)

なんとか勝利できた札幌戦(J1 #27)から中3日。
 代表ウィークに入り、YBCルヴァンカップ(YLC)が開催される。
 今年はACL出場のためシードされて、YLCはこの準々決勝から登場する。

YLCの準々決勝は、ホーム&アウェイの2試合制。
 まずは浦和のホーム駒場で、第1戦を行うこととなった。


先発は、札幌戦から4人が変わる。
 新たにゼイン、シミッチ、家長、ダミアンが先発する。
 山村、小林悠、宮城天はベンチスタート、日本代表の山根はベンチ外となった。
ベンチには、新たに田邉が入った。


浦和は、J1リーグで13勝6分8敗の7位。
 YLCはGLを首位突破、プレーオフで神戸に勝って、準々決勝に進出。
 酒井宏樹(2)は日本代表に選出され、出場できない。
今季の対戦は、川崎が勝っている。
 210321浦和0-5川崎(J1 #6)

■1st half
浦和は前線でボールを追いつつ、中盤あたりでは引いて守る。
 ゴール前にバランス良くきれいなラインを敷いた。

攻撃は、GK鈴木彩艶(12)からショートパスをつなぐ。
 ピッチに広く散らばった選手がフリーになって、ボールを待ち受ける。
 家長の戻りが遅い左サイドに人数を掛けて、RSBゼインを狙って崩した。
 28分、関根貴大(41)の右クロスを明本考浩(15)がロングシュート。

31分、ジェジエウが左太ももの付け根を痛め、山村がCBに入る。
すると35分、シミッチのバックパスが短く、山村がボールを奪われる。
 江坂仁(33)のラストパスを関根が蹴り込んで、浦和が先制。

川崎はRSBに橘田を落として、守備の安定を図る。
 左FWとなったゼインは44分、登里のラストパスから決定的なシュートを打った。

■2nd half
川崎はハーフタイムから小林悠と小塚を投入する。
 噛み合わせが整って、脇坂のドリブルを武器に押し込んでいく。
 52分には脇坂、58分には小塚がシュートした。

68分、小塚の左クロスをPA内で小林悠がフリック。
 ボールを追った脇坂より先に、GK鈴木彩艶がクリアした何気ないシーン。
 しかし、VARが介入して、柴戸海(29)が脇坂を倒していたとしてPKの判定。
72分、家長が真ん中にPKを決めて、同点に追い付いた。

76分、江坂と大久保智明(21)のカウンターは、車屋が上手く対応する。
 しかし、車屋はこのプレーで足を負傷して交代し、登里がCBに回り、LSBに田邉を投入する。
 急造の最終ラインはぎこちなく、浦和の攻勢を許した。

81分、田中達也(11)のスルーパスから江坂が決定機を迎えるが、GKソンリョンがセーブ。
90+3分、大久保のFKを江坂がヘッド、そして田中がミドル。
90+5分、大久保のFKを岩波拓也(4)がヘッド、さらにCKを明本がヘッド。
辛くも川崎が耐え切り、第1戦はドローとなった。

■summary
浦和はダイレクトパスを織り交ぜて前進した。
 デザインされたパスワークで、川崎のプレスを抜けていく。
 慌ててクロスを入れることもなく、じっくりとチャンスを狙った。

先制点は、投入直後の山村のミスによるところが大きかった。
 ただ、しっかりとプレスを掛けていたことで、チャンスを生んだ。
逆に失点はアンラッキーなものといえる。
 正当なPK判定だが、VARがなければ見逃されたものと思われる。


川崎は2人のCBジェジエウと車屋がどちらも負傷交代。
 山村と登里が代役となったが、突然のことで厳しかった。
 ただ、シュートは少なかったが、攻撃はある程度、機能していた。
 勝つべきだったとはいえないが、アウェイゴールも1つあって、悪くないドロー。

日本代表に招集された山根に代えて、RSBでイサカ・ゼインが先発出場。
 守備ではボールホルダーに寄りすぎてしまい、簡単に突破を許した。
 パスワークにも効果的に参加できておらず、今ひとつだった。
 前半途中から左FWに動いたのは、おそらく鬼木監督の苦肉の策。
 とはいえ、44分の決定的なシュートは素晴らしかった。

田邉秀斗は、ACL北京戦(ACL GL #6)に続いて2度目の公式戦出場。
 出場時間は短かったが、負傷者が多い時期にチャンスを得た。

次は中3日、等々力での第2戦。
 6月9日の長野戦(天皇杯 R64)以来、3ヶ月ぶりの等々力での試合となる。
 新たにジェジエウと車屋が負傷したため、タフな状況が続く。
 それでも、準決勝に駒をしっかりと進めたい。

■goal
35関根貴大(41)
72PK家長昭博(41) 

■judge
ソンリョン(1) 6.5 43分、バックパスの処理をミス。81分、江坂の決定機を見事に止めた。
ゼイン(15) 4.5 8分、イエローをもらう。RSBでは散々だったが、左FWで44分にシュート。
ジェジエウ(4) 6.0 21分、左クロスをクリア。右サイドをサポートしていたが、負傷交代。
車屋紳太郎(7) 6.5 慎重に粘り強く守る。76分、カウンターを止めた際に足を痛めて交代。
登里享平(2) 6.0 44分、ゼインへラストパス。51分、左クロス。最後はCBで逃げ切った。
シミッチ(6) 5.0 35分、弱いバックパスから失点。劣勢の時間帯も、チームを下支えする。
脇坂泰斗(8) 6.0 縦へのドリブルで崩した。52分、決定的なシュート。67分、PKを獲得。
橘田健人(22) 6.0 9分、中央でフリック。RSBに移動すると、守備は明らかに安定した。
家長昭博(41) 5.5 42分、決定機に入れられず。72分、ゴール中央にゆったりPKを決める。
ダミアン(9) 5.5 42分、ルーレットから家長へラストパス。43分、CKのこぼれをシュート。
遠野大弥(19) 5.5 13分、27分と左クロス。14分、左サイドで粘って、CKを獲得する。

■sub
31(4)山村和也(28) 5.0 投入直後の35分、クリアミスから失点。その後はきちっと守った。
HT(19)小塚和季(17) 5.5 58分にシュート。90分、中央でロストし、イエローで止める。
HT(15)小林悠(11) 5.5 右FWでパスを引き出す。51分、右クロス。ハイボールを競った。
80(7)田邉秀斗(30) 5.5 LSBで出場する。82分、ドリブル。86分、左アーリークロス。
80(8)宮城天(24) 5.5 左FWに入る。守備に追われる時間帯で、見せ場はなかった。

■bench
丹野研太(27) 知念慶(20) 

■coach
鬼木達 6.5 ゼインや田邉も起用し、負傷者が続出する展開でも、ドローで切り抜けた。

■referee
西村雄一 6.0 VARによるPK判定は妥当。接触プレーはもう少し流したいか。

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