2021/12/04

211204横浜FM1-1川崎(J1 #38)

横浜FM1-1川崎(日産スタジアム, 14:00KO, 30,657人/36,164人)

2021シーズンのJ1リーグ最終節。
 G大阪戦(J1 #37)から中6日で、横浜Fマリノスとのアウェイゲーム。
 マリノスとは開幕戦(J1 #1)で戦ってから、9か月ぶりの対戦となる。

J1リーグの1位2位対決だが、すでに順位は確定している。
消化試合とはいえ、いくつかの記録がかかっている。
・22得点で並ぶレアンドロ・ダミアン(9)と前田大然(38)の得点王争い。
・総得点1位争い(川崎80点、マリノス81点)。
・最少敗戦記録(現在2敗。これまでの記録は2020年の川崎3敗)。

日産スタジアムは、50%収容でも30,000席超の巨大スタジアム。
 チケットは完売していて、コロナ禍にあって圧倒的な観客数となった。

今シーズン限りでの勇退を表明している家本政明が主審を務める。
 Jリーグ516試合目の主審となるこの試合がラストマッチとなった。


先発は、G大阪戦とまったく同じ11人。
 ベンチの7人も変わらない。
 C大阪戦(J1 #36)から3試合連続で同じ18人が並ぶ。


横浜Fマリノスは、J1リーグ2位。
 24勝7分6敗の勝ち点78で、例年なら優勝できるほどの好成績。
6月、アンジェ・ポステコグルー監督が退任。
 7月にケヴィン・マスカットが新監督に就任している。
CB畠中槙之輔は、左ハムストリング付着部損傷で手術して、長期離脱中。

開幕戦では、川崎が家長の2ゴールで勝っている。
 210226川崎2-0横浜FM(J1 #1)

■1st half
マリノスは3トップで、右FWのエウベル(7)がライン際で待ち受ける。
 川崎の選手間の距離を拡げ、縦にパスを入れて1列ずつ前進する。
 1人が長くボールを持つことなく、川崎のプレスが来る前にパスをつなぐ。
15分に前田大然(38)、17分、26分、29分にレオ・セアラ(9)がシュート。
26分、GK高丘陽平(1)のクリアボールから抜け出した前田がループを放った。

川崎は右サイドの大きなスペースを使っていく。
 家長にロングボールが入ると、チャンスとなった。
4分、24分にダミアンがシュート。
12分、山村のダイビングヘッドはGK高丘が弾いた。

■2nd half
後半開始から10分ほど、マリノスが攻勢を仕掛ける。
 川崎はボールを持てず、守備を強いられる。
ようやく54分、ダミアンの戻しから旗手がミドルシュート。

67分、インターセプトした山村が、右サイドの家長に展開する。
 家長が丁寧にクロスを上げると、ダミアンが高い打点でヘッド。
 GK手前に叩き付けたボールは浮き上がり、ゴール左隅に決まった。

1点を先制した直後の74分。
大島のハンドで与えたFKから、エウベルが左クロス。
 レオ・セアラのシュートは山村がブロックしたが、こぼれ球を前田大然が同点ゴール。

同点となっても、両チームは攻め続ける。
 78分、エウベルの右クロスは、ゴール前の前田にわずかに合わなかった。
 79分、ダミアンのラストパスから家長がシュート。
 89分、松原健(27)がミドルシュート。

 ロスタイムには川崎の攻勢が続いた。
 90+1分、遠野の右CKを谷口がヘッド。
 90+2分、知念の左クロスをダミアンがヘッド。
 90+5分、谷口のスルーパスで知念が抜け出してシュート。

■summary
どちらのチームも最後までゴールを目指した。
 1位2位対決にふさわしい、素晴らしい内容となった。
 観戦しているのが楽しく、幸せを感じるほど。

マリノスはプレスに臆することなく、GK高丘からパスをつなぐ。
 サイドに川崎の守備を引っ張り、中央のスペースを突いた。
 シンプルに次々にパスをつないで、少しずつ前進する。
 着実にPAに近づいて、ゴールを目指した。

後半になると中盤のスペースを埋められなくなる。
 コンパクトな陣形をもう少し長く保ちたかった。
 それでも川崎のゴールを1つにとどめ、ドローに持ち込んだ。


家本政明主審の引退セレモニー。
両チームのユニフォームが贈呈されます。

川崎は、マリノスの正確な攻撃に苦しんだ。
 車屋の負傷で、山村を急遽投入したが、最終ラインは破綻しなかった。
 SB山根と登里は数的不利を作られることも多かったが、粘り強く対応した。
 マリノスの攻撃が続いても最後の決定機は多く与えず、良く守った。

ダミアンは1ゴールを決めて、得点王となった。
 前田大然も仲良く1ゴール。23ゴールで得点王を分け合った。


今シーズンのJ1リーグが終了した。
 2017年、2018年、2020年に続く4度目の戴冠。そして2度目の連覇。
 38試合28勝8分2敗の勝ち点92。2位マリノスに勝ち点13差で優勝。
 昨年樹立したシーズン最少敗戦(3敗)を、4試合多いシーズンにあって2敗と更新。
 総得点81はマリノスに1つ及ばず2位だったが、総失点28、得失点差+53は1位。

次は中7日で天皇杯大分戦(天皇杯 SF)。
 車屋の負傷が心配だが、しっかり勝ち上がりたい。

■goal
74前田大然(38)
67ダミアン(9)

■judge
ソンリョン(1) 7.5 15分、81分と味方に当たり逆に飛ぶシュートを防ぐ。86分にもセーブ。
山根視来(13) 6.0 3分、前田を抜いて前に進む。66分、右クロス。前田のプレスに苦しんだ。
谷口彰悟(5) 6.5 厳しい局面に追い込まれても最後まで足を出す。90+1分、右CKをヘッド。
車屋紳太郎(7) 5.5 6分、クロスを止めて右足を負傷。少しプレーを続けたが、11分に交代。
登里享平(2) 6.0 エウベルにライン際に引き出される。24分、ダミアンへ完璧なスルーパス。
橘田健人(22) 6.5 広大なスペースを走って埋め続ける。ルーズボールへの反応も早かった。
脇坂泰斗(8) 6.0 8分、ドリブルで突き進む。43分に右クロス。58分、中央からシュート。
旗手玲央(47) 5.5 パスが味方に合わなかった。12分、左クロス。41分、54分にボレー。
家長昭博(41) 6.5 1アシスト。プレスの穴を空けた。79分、決定機の左足シュートは外す。
ダミアン(9) 7.0 高い打点のヘッドで先制ゴール。24分、90+3分にも決定的なシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 RSB小池龍太(25)に孤立させられる。43分、ドリブルで仕掛ける。

■sub
11(7)山村和也(28) 6.5 緊急出場。12分、ヘッド。67分、ボール奪取から先制点を生んだ。
HT(23)大島僚太(10) 6.0 54分、ダミアンへラストパス。囲まれても悠然とパスを出した。
80(8)知念慶(20) 6.0 左FW。85分、90分にプレスからボールカット。90+5分、シュート。
87(47)小林悠(11) 5.0 プレー機会は少なかった。90+2分、前田のプレスを受けロスト。
87(22)遠野大弥(19) 5.5 インサイドハーフで出場。90+1分、右CKを谷口に届ける。

■bench
丹野研太(27) 宮城天(24) 

■coach
鬼木達 6.0 マリノスの攻勢を受け止めつつ、選手交代を活かして反撃に転じた。

■referee
家本政明 6.5 接触プレーを流し、過度なファウルは取らず、いつものように素晴らしかった。

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