横浜Fマリノス戦(J1 #30)に勝って、J1リーグ優勝に王手をかけた。
中2日のアウェイで、大分トリニータと対戦する。
KOは19時から14時となり、中2日といってもさらに5時間分、短い間隔。
新たに車屋、大島、中村、小林悠が先発する。
脇坂、田中碧、ダミアンがベンチスタート。
ジェジエウは、イエローカード累積4枚のため出場停止。
ベンチには、ジオゴ・マテウスが入った。
YBCルヴァンカップは、GLで敗退し、トーナメントに進めなかった。
川崎からレンタル中のFW知念慶(9)は、契約上出場できない。
新型コロナウイルス感染の影響で柏戦(J1 #27)がスキップされ、中17日の日程。
等々力での対戦は、川崎が勝っている。
200808川崎2-0大分(J1 #9)
■1st half
川崎はパスコースを作る動きが少なく、追い詰められる。
山根や車屋のところで、パスコースがなくなって狙われる。
前にパスを預けることができず、簡単に囲まれてボールを失った。
大島ですら厳しいチャージに苦しみ、中村はプレッシャーを避けて下がってしまう。
大分は、1トップの伊佐耕平(18)が谷口と車屋2人を牽制する。
そして、2シャドーの町田也真人(8)と野村直輝(10)がギャップに入り込んだ。
1ボランチの守田の脇のスペースを上手く使われて、前進を許した。
川崎は、大分の3バックに対するプレスが効かなかった。
特に長谷川が中途半端なポジションで、パスコースを切れなかった。
RCB岩田とRSB小出の間に立っていても、簡単にパスを通された。
すると小出に対して登里が出ざるをえず、空いたサイドのスペースに町田が入り込んだ。
大分が決定機を量産するが、GKソンリョンが立ちはだかる。
6分、8分、24分と決定機を防ぎ、完璧なプレーを見せてくれた。
少し大分の攻勢が落ち着いてきた34分。
町田がシンプルなロングボールを入れると、谷口が目測を見誤る。
野村に抜け出されたところを、背後から谷口が引き倒してPKそしてレッドカード。
36分、野村がPKを決めて、大分が先制される。
10人となると、ますます川崎のパスコースが少なくなった。
車屋とCBに移った守田の間でパスを交換することも難しくなった。
■2nd half
後半スタートから田中碧と三笘を投入する。
さらに60分に入った旗手、68分に入った脇坂の運動量を活かしていく。
パスを出してからスペースに走り込み、大分の守備を引き連れる。
守備ではパスコースを切るだけでなく、ボールホルダーに寄せて奪いに行った。
1人少ない状況でも、前半より良いプレーができていた。
大分は2点目を狙わずに、慎重に逃げ切りを図る。
数的優位にあってカウンターの機会は多かったが、後方のブロックを崩さない。
少ない人数で攻撃したため、チャンスは作れなかった。
川崎は着々とチャンスを作っていく。
69分の登里、80分の田中碧、84分の脇坂、86分の守田とシュートを重ねる。
88分からロスタイムにかけて、何度も攻撃を仕掛けた。
ただ、大分の守備を崩し切れず、ゴールは奪えなかった。
■summary
大分は、片野坂知宏監督が描いたプラン通りのサッカーで勝利した。
日程の有利さを生かして、運動量で川崎を上回る。
プレスをしっかりと掛け、セカンドボールを拾っていく。
戦術的には川崎の4-3-3を、1トップ2シャドーを噛み合わせて攻略した。
5バックでピッチを広く使い、局面での数的優位を作った。
ただ、川崎が10人になってからは、受け身の姿勢が目立った。
結果を出すことができたが、もう少し積極的な試合が見たかった。
家長や山村が欠場したとはいえ、もっと多くの選手を入れ替えるべきだった。
ただ、劣勢でも持ちこたえて、選手交代で勝負するのが今シーズンの勝ちパターン。
GKソンリョンの活躍もあって、悪くはない展開にできていた。
しかし、34分、谷口がPKを与えた上で退場してしまう。
仮に野村が決定機を決めていても、11人であれば逆転のチャンスは大きかった。
自分のミスを挽回したい気持ちは分かるが、背後から手で引き倒した判断は残念だった。
笠原寛貴主審は、2019年8月10日の名古屋戦(2019 J1 #22)でも谷口を退場にしている。
どちらも妥当なジャッジであり、退場に値するプレーだった。
後半は希望を持てるプレーを見せてくれた。
もちろん精度は高くなく、簡単なロストも多かった。
10人でもそれぞれがベストを尽くし、ひたむきにボールを追った。
中でも守田は、CBに移ってからもチームを牽引した。
J1リーグ優勝は持ち越しとなった。
格好良く決められないのもまた、川崎らしい。
(翌日の22日、2位ガンバ大阪も浦和に勝利して、優勝は決まらなかった。)
次は中3日、ホームでのガンバ大阪戦(J1 #29)。
勝てばもちろん、引き分けても優勝が決まる。
J1リーグ上位2チームが準決勝から出場する天皇杯での再戦の可能性も高い。
しっかりとコンディションを整えて、勝利したい。
■goal
36PK野村直輝(10)
■judge
ソンリョン(1) 7.5 素晴らしいセーブを連発。低調なチームを支える。PKはわずかに届かず。
山根視来(13) 5.0 17分、右クロス。ドリブルが捕まりボールを失う。連戦の疲労が目立った。
谷口彰悟(5) 3.5 34分、ハイボールの目測を誤り、PKを与えてレッドカード。試合を壊した。
車屋紳太郎(7) 5.0 左足のビルドアップは単調で、プレスの餌食となった。守りはまずまず。
登里享平(2) 6.0 効果的に動く。45+2分、50分、66分に左クロス、69分、PA内でシュート。
守田英正(6) 6.5 ボランチでもCBでも、チームに欠かせない活躍。86分、ロングシュート。
大島僚太(10) 6.0 厳しいチャージに苦しむ。ボランチに移って配球するが、怖さはなかった。
中村憲剛(14) 5.0 17分、山根にロングボールを入れる。ボールを受ける動きが少なかった。
齋藤学(19) 5.5 精力的なプレスで味方に余裕を与える。53分、PA右での仕掛けは失敗した。
小林悠(11) 5.0 プレスを先導するが、3バックを追い込めなかった。17分と51分にヘッド。
長谷川竜也(16) 4.5 パスコースを切れず、右往左往する。キープもできず、良くなかった。
■sub
HT(14)田中碧(25) 6.0 機敏に動いて活性化する。RSBにも入る。80分、ドリブルシュート。
HT(16)三笘薫(18) 5.5 46分、ドリブルで仕掛ける。中央に配置されたため、活きなかった。
60(11)旗手玲央(30) 5.5 1トップ、RSB、IHと位置を変える。強い当たりでボールを奪取。
76(19)脇坂泰斗(8) 6.0 走り続けて攻撃を牽引。81分、87分にクロス。84分にシュート。
79(13)ダミアン(9) 5.5 1トップ。クロスやCKの目標となった。90+3分、ポストプレー。
■bench
丹野研太(27) ジオゴ(17)
■coach
鬼木達 5.0 先発のチョイスに失敗。10人となって盛り返したが、三笘は左で使うべき。
■referee
笠原寛貴 6.0 ブレが少ない安定したジャッジ。谷口へのレッドカードは的確だった。
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■おまけ
高山薫(23)。川崎U15-U18出身。 |
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高木駿(1)。川崎に2012-16年在籍。 |
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ニータン。フェイスシールド装着 |