完敗に終わった名古屋戦(J1 #22)から中3日。
天皇杯3回戦は、ファジアーノ岡山(J2)と対戦する。
台風10号が近づく中、岡山のホームでの開催となった。
2回戦の明治大学戦(天皇杯 R64)は、1-0で辛勝している。
先発は、名古屋戦から8人変更する。
続けて先発するのは、脇坂、谷口、ジェジエウの3人。
なお、谷口とジェジエウは、次の仙台戦(J1 #23)が出場停止となる。
GKに新井、右SBにマギーニョ、左SBに馬渡和彰が入る。
ボランチは下田と守田、1トップにはダミアンが起用された。
岡山はJ2リーグ9位。
天皇杯2回戦では、ジェフユナイテッド千葉(J2)に勝利した。
川崎U18出身、2年目のデューク・カルロス(34)がベンチ入り。
2011-14シーズンに川崎に在籍した田中裕介(8)は、ターンオーバーのためベンチ外だった。
■1st half
岡山は最終ラインを高く上げ、プレスは控え目ながらコンパクトに守る。
自陣に引きこもることなく、正々堂々と立ち向かってきた。
攻撃はサイドからのクロスが中心。
川崎のSBを釣り出して、空いたスペースを使った。
下口稚葉(31)が6分、10分と右サイドからクロスを入れる。
39分にも中野誠也(7)の右クロスがゴール前を抜けた。
川崎はボランチの下田、守田が配球していく。
岡山の最終ラインの背後のスペースにスルーパスを狙う。
右サイドのマギーニョも積極的に上がっていった。
中央からも齋藤学や脇坂が、細かなパスワークを駆使してゴールを目指した。
ダミアンも組み立てに参加しながら、7分、15分、35分とチャンスを迎えた。
■2nd half
46分、キックオフ直後に岡山が先制点を決める。
右サイドを崩し、下口の速いクロスボールを中野がゴール。
1点を追う川崎は攻勢を強めていく。
50分、脇坂のFKがゴールネットを直接揺らす。
しかし、壁の中で味方のファウルがあって、ノーゴールの判定となった。
54分には齋藤学の右クロスをダミアンが合わせる。
至近距離の強いヘッドだったが、GK金山隼樹(13)が防いだ。
岡山はゆったり時間を使いながら、カウンターを狙う。
しかし、徐々に川崎が圧力を高め、攻撃の時間が長く続く。
64分に知念、86分に阿部、87分と90+2分にダミアンがシュート。
最後はジェジエウも前線に上げて、パワープレイを仕掛ける。
苦しい時間だったが、90+3分、阿部の右クロスを知念が触り、ダミアンが決めた。
■extra time
延長に入ると、川崎のワンサイドゲームとなる。
98分に投入された山村がパスの中心となって、チームを動かしていく。
岡山は耐え凌ぎながら、なかなかボールを保てない。
96分、家長のクロスをダミアンがヘッドするもGK金山がキャッチ。
102分、家長がPA内で決定機を迎えたが、シュートは右に外れた。
延長後半も、引き続き川崎が決定機を量産する。
109分、下田のCKから混戦となり、何度も押し込もうとするが岡山がブロック。
112分、山村のスルーパスがPA内の家長に届き、シュート。
圧倒的に攻め続ける中、116分、車屋の左クロスが下口の手に当たってPKの判定。
118分、GK金山が左に飛んだ逆の右側に、家長が落ち着いてPKを決めた。
■summary
岡山はホームの応援を背に、素晴らしいプレーを見せた。
コンパクトな陣形を保ち、押し込まれるとブロックを形成する。
スムースに守備を切り替えながら、川崎の攻撃を防いだ。
攻撃はサイドを崩してからのクロスが中心。
前半にもいい形を作っていて、後半早々に中野がゴールを決めた。
先制してからは、川崎の攻撃に振り回される。
それでも後半ロスタイムに失点するまでは、プラン通りに試合を進めた。
延長に入ると一方的に攻められたが、全体的には良い内容だった。
川崎は追いかける展開となったが、良い攻撃はできていた。
ダミアンにロングボールを入れながら、両サイドに均等に散らした。
今シーズン、右サイドの攻撃は滞りがちだが、マギーニョが仕掛けることで改善した。
チャンスを量産しながらも追いつけなかったが、終了間際に同点ゴール。
延長は岡山を圧倒して、勝利することができた。
次は中2日で、3戦連続のアウェイとなる仙台戦(J1 #23)。
谷口とジェジエウが出場停止となり、CBに緊急事態が発生。
不動のレギュラー2人を欠き、山村、車屋、守田あたりでCBを組むこととなる。
さらに、天皇杯岡山戦で120分間のプレーを強いられた。
休養した選手主体で仙台戦に臨むが、続けて出場する選手も予想される。
厳しい状況だが、内容はともかく、勝利したい。
■goal
90+3ダミアン(9) 118PK家長昭博(41)
46中野誠也(7)
■judge
新井章太(21) 5.5 攻撃の時間が長く、プレー機会が少なかった。キックが安定していた。
馬渡和彰(17) 5.5 サイドの守備では緩さも見えたが、積極的にクロスを入れていった。
ジェジエウ(4) 6.5 スピードで岡山のカウンターを抑えた。パワープレイにも参加した。
谷口彰悟(5) 6.5 疲れは否めなかったが、粘り強く守った。ダイレクトパスを配給する。
マギーニョ(26) 6.0 高い位置に上がり何度もクロスを入れた。30分、37分にシュート。
下田北斗(22) 6.5 前向きなパスを狙う。守備もよく走った。多くのセットプレーを担当。
守田英正(6) 6.0 少しずつボールを動かして相手を誘うプレーが復活。流動性を生んだ。
家長昭博(41) 6.0 ボールによく絡む。102分、112分と決定機。PKで決勝点を決めた。
脇坂泰斗(28) 5.5 50分、FKを沈めたが、ファウルの判定。もっとボールに触りたい。
齋藤学(19) 5.5 細かなタッチで中央からゴールを目指す。周囲とも良く連携していた。
ダミアン(9) 6.5 多くのチャンスを迎えたが、決められず。そして90+3分、同点ゴール。
■sub
61(28)知念慶(20) 6.0 同点ゴールに絡む。90+4分、左サイドから持ち込んでシュート。
67(19)阿部浩之(8) 6.5 正確なトラップとパスで攻め込む。守備でも走って引き締めた。
81(17)車屋紳太郎(7) 6.0 左SBで精力的にプレーする。116分、左クロスでPKを呼ぶ。
98(26)山村和也(34) 6.5 ボランチでパス交換の中心となる。113分、家長へスルーパス。
■bench
ソンリョン(1) 田中碧(25) 小林悠(11)
■coach
鬼木達 6.5 良い内容でなんとか勝利することができた。交代カードも的確だった。
■referee
高山啓義 5.0 微妙な判定が続いたが、延長に入ると安定した。PK判定は妥当。
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