2015/05/02

150502FC東京2-1川崎(J1 #9)

FC東京2-1川崎(味の素スタジアム, 16:00KO, 42,604人)

柏戦(J1 #8)の完敗から中2日。
厳しい日程の中で、午後4時キックオフ。
気温は高いものの、風は吹いている。
屋根の影がピッチの半分ほどを覆ってくれていて、柏戦よりはプレーしやすい。

味の素スタジアムは42,604人とほぼ満員。
閉鎖されていることが多いアウェイ自由席2階とホームゴール裏2階も開放されている。

川崎は、柏戦に引き続き森谷が欠場。
角田もベンチスタートとなり、柏戦の大敗の結果と思われる。
風間監督はミスをした選手をしばらく起用しないことがある。
船山、井川が今シーズンJ1での初先発となった。

■1st half
前半はうまくボールが回る。
FC東京は前線がプレスに来ても、最終ラインの押し上げがない。
プレスをかいくぐるとスペースが大きく空き、チャンスとなった。

先制は21分。中村のFKから大久保が頭でニアを抜いてゴール。
J1通算ゴール数を140として、三浦知良の記録を超え、カズダンスも披露。

33分には再び中村のFKからアウトサイドの小林がフリーでボレー。
決めたいところだったが、左に外してしまった。

FC東京は引いて守ってカウンター。
可能性が低い攻撃で、まったく迫力がなかった。

■2nd half
FC東京は後半開始からMF東慶悟(38)を投入。
50分にFW前田遼一(20)が投入されるまでは、引き続き川崎ペースだった。
しかし、前田が様相を一変させた。
パスコースを消す素晴らしい守備で、川崎のビルドアップを混乱させる。

FC東京のカウンターが質を伴うようになり、川崎の最終ラインが落ち着かない。
ボールを奪っても、フリーの選手につなぐことができない。
前に大きく蹴ることしかできずにボールを渡し、さらなる攻撃を受ける。

55分すぎから東城主審の判断が偏ってくる。
同じようなコンタクトをしても、川崎のファウルは確実にとる。
多くのFKが与えられて、FC東京に有利な展開となった。

60分、小林に代えて武岡を入れ、守りのバランスを取ろうとする。
しかし、64分、車屋が2枚目のイエローカード。
井川と2人でFW武藤嘉紀(14)を挟んだ状況で、後ろから倒してファウル。
主審の偏りを考えれば、車屋の行為は不用意だった。
1人少なくなり、船山を下げて角田を投入し、谷口を左SBに出した。

71分、PA近くで取られたFK。
SB太田宏介(6)に壁の左側から決められる。
壁の上を狙うと思っていたGK西部が、逆を突かれて動けなかった。
シュートは弱く、判断ミスがなければ弾くことができたと思われる。

さらにFC東京の攻撃が続き、87分。
左サイドでエウシーニョがボールを奪ったところに武藤がチャージ。
ファウルはなかったが、逆にエウシーニョが武藤を倒すとファウル。
太田のFKを、フリーの武藤に決められてしまった。

■summary
東城主審の判定によってゲームが左右された。
どちらもチームも悪くない内容だっただけに、残念。

川崎の前半はパーフェクトだった。
柏戦よりも数段良くなったのは、船山の献身的な動きが寄与している。
それだけに、車屋の退場による船山の交代はもったいなかった。
武岡が右ウィングに入った直後だったので、エウシーニョを下げてもよかったと思われる。

後半は、前田の働きによってバランスを崩された。
運動量も落ちて、カウンターへの対処が遅くなった。
柏戦も同様に動けなくなったので、これからの連戦でも対処が必要。
山本や橋本を先発あるいは途中から起用すれば、改善すると思われる。
数的不利となって、質はいつもほど高くはなかったが、それでも攻撃を仕掛けた川崎は素晴らしかった。

FC東京は、ポポヴィッチ監督時代の攻撃的なスタイルを消した。
マッシモ・フィカデンティ監督は守りを固め、足の速いFWでカウンターを仕掛ける。
1人少ない川崎に対しても、セットプレーが最も可能性のある攻撃だった。
結果を出すために守備的なサッカーを選択している。

SB徳永悠平(2)の守備は特筆できる。
レナトと密度の濃い攻防を繰り広げ、きっちり抑えていた。

■goal
71太田宏介(6) 87武藤嘉紀(14)
21大久保嘉人(13)

■judge
西部洋平(21) 5.5 1失点目の太田のFKを判断ミスしたことは残念。これ以外はよく守った。
エウシーニョ(18) 5.5 右SBで上下動を繰り返した。ドリブルも効いていた。
井川祐輔(4) 5.5 まずまずの出来。パスワークも良かった。CBレギュラーに割って入るか。
谷口彰悟(5) 5.5 車屋退場後は左SBに入り組み立てる。次節、レナトとのコンビが楽しみ。
車屋紳太郎(20) 4.0 イエロー2枚で退場。厳しい判定だが、2つとも不要なファウルだった。
大島僚太(16) 5.5 後半になるとフリーになれなくなった。78分に惜しいミドルを放つ。
中村憲剛(14) 6.0 21分、FKでアシスト。33分にもFKで小林の決定機を作った。
小林悠(11) 5.5 33分、追加点がほしい時間帯の決定機を外してしまった。
レナト(10) 5.5 徳永とマッチアップ。見応えある攻防だったが、抑えられた。
船山貴之(15) 6.0 よく動いてフリーとなる。パスコースを作るプレーが効いていた。
大久保嘉人(13) 6.0 先制点を決める。中盤に下がらずに積極的にミドルを放った。

■sub
60(11)武岡優斗(17) 5.5 右ウイングに入る。85分、谷口の素晴らしいクロスを決められず。
67(15)角田誠(3) 5.0 数的不利の中で投入。最終ラインに落ち着きを与えられなかった。 
89(18)杉本健勇(9) 5.0 少ないプレー時間だったが、よいプレーがなかった。

■bench
新井章太(30) 山本真希(6) 橋本晃司(7) 安柄俊(27)

■coach
風間八宏 5.0 先発の起用は当たったが、交代策ではフィッカデンティ監督に後手を踏んだ。

■referee
東城穣 3.5 厳しいイエローで車屋を退場させ、ファウルを取り続けてFC東京の逆転勝利を演出した。ただ、去年の横浜FM戦(2014 J1 #21)の家本主審より少しマシ。