川崎3-2鳥栖(等々力, 19:00KO, 14,881人)
見どころが少ない山形戦(YNC GL #5)のドローから中2日。
J1リーグで7位の川崎が、6位の鳥栖をホームに迎える。
山形戦でのターンオーバーのため、先発から武岡、山本、橋本、船山、安が外れる。
そして角田、中村、森谷、大久保、レナトを先発させ、フルメンバーに戻した。
1週間前のG大阪戦(J1 #12)から比べると、船山に代って杉本が先発する。
杉本はG大阪戦、山形戦といいプレーを見せ、先発の座を勝ち取っている。
試合前には、レナトのJ1での100試合出場を祝うセレモニーがあった。
2012シーズンに川崎に加入し、4シーズン目の達成となった。
■1st half
川崎は4バックでスタートする。
谷口が中村とともにボランチに入って、森谷が右のウイング。
鳥栖が強くフォアチェックに来るため、ロングフィードが多くなる。
ただ、杉本が前線でロングボールを競り勝つことが多く、チャンスを作った。
ゆっくりした攻撃だけではなく、前線にボールを早く運んで攻撃できた。
鳥栖は、FW豊田陽平(11)を目指したロングボール主体の攻撃。
球際での争いには、激しいチャージを見せてくる。
8分、FKのこぼれ球を角田がシュートするが、惜しくもポスト。
ペナルティエリア内でボールを動かして作った決定機だった。
19分、車屋がドリブルでDFを抜いてPA内に侵入。
強いクロスをGK赤星拓(1)がはじき、浮いたボールを杉本が直接ボレー。
非常に難しいシュートだったが、コースを突いて先制ゴールが決まった。
29分、車屋が接触で倒れて、ピッチ外に。
今日はとても良かっただけに残念な負傷交代。
武岡が投入され、いつもと逆の左SBに入った。
鳥栖はワンチャンスを活かす。
39分、カウンターから豊田がゴール。
左サイドの角度がないところから、GK新井のニアサイドを抜いた。
新井のポジションが中央に寄ったところを狙った素晴らしいゴールだった。
■2nd half
後半開始から、川崎は谷口を最終ラインに下げて、3バックに。
森谷が1列下がり、中村とボランチを組んだ。
鳥栖は47分にPA内に侵入するなど、攻勢をかける。
しかし、10分ほどでプレスが弱くなってくる。
川崎は決定機を作れるようになり、62分。
谷口が早いタイミングで左からクロスを入れる。
大久保が頭であわせたが、鳥栖のGK赤星拓(1)が素晴らしい反応ではじく。
しかし、ポストに当たったボールが大久保の足元に戻り、そのまま蹴り込む。
最初のヘッドで倒れた大久保が、即座に起き上がってゴール前に詰めて生まれたゴール。
鳥栖のチャンスを凌いだあとの81分。
GK新井のフィードを谷口がトラップミスしてしまう。
ボールを奪われて、左からのMF金民友(10)のクロスを井川がオウンゴール。
ぎりぎりの対応だった井川は仕方がないが、谷口のミスは大きかった。
同点に追い付かれた83分。
大久保が得たFKで、レナトが低い弾道のボールを入れる。
杉本が頭で角度を変えるとスピードはなかったが、GK赤星は動けず、再び勝ち越した。
最後の鳥栖の反撃。
85分のMF鎌田大地(24)のミドルはわずかに外れる。
88分、豊田の決定的なシュートはGK新井が防いだ。
■summary
川崎のパスはダイレクトが多く、早くボールを前線に運べていた。
停滞感が少なく、何本も横パスをつなぐことがなかった。
クロスも積極的に上げていって、決定的な場面を多く作っていた。
鳥栖はカウンターが主体だったが、中盤でつなぐ攻撃もあり、良い内容だった。
最終ラインの守備が、川崎のFWを自由にさせすぎたことが敗因といえる。
67分から出場した鎌田はボールの受け方が良く、前に向かうプレーが印象的。
G大阪JYから東山高校に進んだルーキーで、J1で3試合目の出場。
これから面白い存在になってくると思う。
お互いのチームが出来が良くて、楽しいゲームとなった。
唯一、審判の判定が拙かったのが残念だった。
■goal
19,83杉本健勇(9) 62大久保嘉人(13)
36豊田陽平(11) 81OwnGoal
■judge
新井章太(30) 7.0 2失点に関与。53分のMF藤田直之(14)、88分の豊田と決定機を防いだ。
エウシーニョ(18) 6.0 前半はSBで守備的。後半は攻め込む。90+2分、船山にクロス。
井川祐輔(4) 6.0 パスを的確につなぎ、守備も安定していた。オウンゴールは仕方ない。
角田誠(3) 6.5 8分のシュートは惜しくもポストに当たる。鳥栖の早い攻撃に対応した。
車屋紳太郎(20) 6.5 19分、DFをドリブルで抜き杉本のゴールを呼ぶ。31分、負傷交代。
谷口彰悟(5) 5.0 クロスで大久保のゴールを生む。81分、軽率なプレーで同点ゴールを招く。
中村憲剛(14) 6.0 ダイレクトパスが多く、リズムを速めた。サイドもうまく使っていた。
森谷賢太郎(19) 5.5 ボールに触る回数が少ない。後半、ボランチで動いてフリーとなる。
大久保嘉人(13) 6.5 ミスパスもあったが、62分にゴール。ファウルをもらい時間を作った。
杉本健勇(9) 7.5 1点目は難しいボレー。2点目も良いゴールだった。ポストプレーも多彩。
レナト(10) 6.0 83分、FKでアシスト。59分、PA内でダイブしたが、イエローはなし。
■sub
31(20)武岡優斗(17) 6.5 いつもと逆の左サイドで、タイミング良く何度も攻め上がった。
84(10)船山貴之(15) 5.5 90+2分、エウシーニョのプレゼントによる簡単な決定機を外す。
■bench
安藤駿介(24) 小宮山尊信(8) 山本真希(6) 三好康児(26) 安柄俊(27)
■coach
風間八宏 6.5 後半、3バックに布陣を変更してリズムを取り戻す。1枠、交代枠を余らせる。
■referee
池内明彦 4.0 不可解な判定が続く。ブーイングされて基準が変わる。面白さを削いだ。