2014/07/13

140712川崎2-1YSCC横浜(天皇杯 R64)

川崎2-1YSCC横浜(等々力, 19:00KO, 5,490人)

天皇杯2回戦。川崎は2回戦から登場。
昨年のJ1で3位だったため、トーナメントのブロックの端に位置している。

昨年の2回戦は高知大学に苦戦(2-1で勝利)したが、対戦相手のYSCC横浜(神奈川県代表)はJ3チーム。
J3リーグでは現在12チーム中最下位だが、天皇杯1回戦はSRC広島(広島県代表)に3-1で勝利している。

C大阪戦(J1 #9)を中2日で迎える川崎はサブ組主体。
ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦(ACL GL #3)でもターンオーバーをしたが、さらにメンバーを落としている。

■1st half
川崎のチグハグした攻撃に対し、引いて守るYSCCがカウンターを仕掛ける。
5バックで中央を固められ、右の安、左の山越がサイドからクロスを放り込むが、チャンスを作れない。

公式戦デビューとなった可児は、ボランチに入って攻撃の起点となる。
前線との距離が遠く、パスの出しどころが少なかったが、悪くはなかった。
中村や大島とタイプが似ているので、どちらかと組ませても面白いと思う。

■2nd half
後半開始から安に代えて小林を投入。
フラットな5バックの裏を狙う動きで攻撃を活性化させる。
いい時間帯だったが、54分、カウンターでYSCCに左サイドからクロスを上げられる。
小宮山とCBの対応が甘くなって、きれいなゴールを決められてしまった。

川崎らしい展開となるが、59分に大島、79分にワールドカップ帰りの大久保を投入。
パスが回り、惜しいシーンを作り出すが、中央から崩すまでには至らない。
攻めるポイントが見つからないまま、後方でのボール回しの時間が長くなる。

ロスタイム、高い位置まで上がった小宮山が大島のパスを受けてミドルシュート。
コースがないかとも思ったが、見事にキーパーの右を抜いて同点ゴール。
負けていてもおかしくない展開を救った。

■extra time
延長戦に入ると、川崎らしい攻撃が見られるようになる。
小林、大久保を中心に、金久保、森島、大島が絡んでシュートを繰り返す。
117分に大久保がドリブルで守備を引き付けて、PA内の小林から森島へと渡る。
PK戦まで残り3分のところで、ようやくゴールが決まった。
森島はポストプレーでボールを失うことが多かったが、最後に結果を出した。

■summary
YSCCはしっかり走ってチーム戦術を忠実にこなしていた。
ロスタイムまでリードしていたが、時間稼ぎを行わず、好感が持てた。
ジャイアント・キリングに値する素晴らしい内容だったと思う。
小宮山のミドルが決まってしまったが、いいゲームを見せてくれた。

試合終了後、川崎側にも挨拶に来てくれた。大きな拍手に包まれた。
J3で低迷しているが、Jの理念を体現する良いチームだと思う。

川崎は負ける一歩手前までいっていたが、最低限の結果を残した。
もっと良いプレーが見られれば楽しかったが、今後のスケジュールを考えると、サブメンバーを活用したことは意義がある。

■goal
90+1小宮山尊信(8) 117森島康仁(9)
54松田康佑(9)

■judge
杉山力裕(1) 6.0 出番は少なかったがミスなし。失点は仕方がないが、欲をいえば止めたい。
小宮山尊信(8) 6.5 右SBで上がってからのクロスは効果なし。チームを救う同点ゴール。
中澤聡太(7) 6.5 稲本や福森をサポートして最終ラインを安定させる。ロングフィードをもっと出したい。
稲本潤一(20) 5.5 引いてからの守備は安心できるが、カウンターで背走するともろさを見せた。
福森晃斗(22) 5.0 ボールをもらっても淡白に戻すことが多い。プレースキックは良かった。
可児壮隆(26) 6.0 簡単にさばいてボールを散らした。もっと攻撃的なパスを増やしたい。
パウリーニョ(34) 5.0 パスのタイミングが周りと合わない。守備のバランスは良いが、相変わらず不要なファウルが多い。
山越享太郎(25) 5.5 攻撃力は物足りないものがあるが、頑張って走っていた。
金久保順(18) 6.0 FWから下りてボールをさばく。大島が入ると近い関係でパスをつないだ。
安柄俊(27) 5.0 シュートは放った。右サイドでは効果的なプレーを見せられなかった。
森島康仁(9) 6.0 ポストプレーの成功率が上がらない。ボールを失うことが多かったが、決勝ゴール。

■sub
46(27)小林悠(11) 6.0 チームの雰囲気を変えた。ゴールはなかったが、決勝アシスト。
59(26)大島僚太(16) 6.0 ボールが集まって攻撃を指揮した。ミドルを積極的に打ちたい。
79(22)大久保嘉人(13) 6.0 下がってボールを受けて、ドリブルで目先を変えた。

■bench
新井章太(30) 登里享平(23) 谷口彰悟(15) 森谷賢太郎(19)

■coach
風間八宏 6.5 交代策で結果を出した。内容は悪かったが、中2日のC大阪戦を考えると妥当なメンバー構成。

referee
福島孝一郎 6.0 いくつか微妙な判定はあったが、おおむね適切で試合を作った。