磐田戦(J1 #26)から中3日、天皇杯4回戦でヴィッセル神戸と対戦。
ノエビアスタジアムではなく、神戸ユニバーでの開催となった。
少し風があって、9月にしては肌寒い気候。
先発は、磐田戦から2人を変更する。
GKにソンリョン、1トップにダミアンを入れた。
新井、小林がベンチスタートとなる。
神戸はここまでJ1リーグ9位。
天皇杯2回戦で北九州(J3)、3回戦で大宮(J2)に勝っている。
■1st half
お互いにプレスを掛け、コンパクトさを保つ、落ち着いた展開。
川崎は11分に下田、17分に脇坂がミドルシュートを放った。
神戸も右SBの西大伍(22)を中心に、ゆっくり攻める。
29分、川崎のゴール前で長谷川にアクシデント。
頭部を負傷してそのまま交代。小林が入って2トップとなった。
しかし、このシステム変更で神戸が優位に立つ。
川崎の2トップがプレスに出ると、阿部も追随して追いかける。
最終ラインとの距離が遠くなり、神戸の右サイドが大きく空いてしまう。
1ボランチのセルジ・サンペール(6)がフリーとなり、スペースに配球した。
38分、西が車屋を1対1で抜き去って、クロスボールを山口蛍(5)が先制点。
41分に小川慶治朗(13)、43分にも古橋亨梧(16)が決定機を迎える。
さらに45+3分、右サイドを突破した小川がクロスを入れ、古橋が2点目を決めた。
■2nd half
後半スタートから、川崎は中村を投入する。
しかし、神戸のプレスは厳しいままで、パスがつながらない。
小川と田中順也(21)、古橋がボールを強く追いかけた。
川崎はプレスでロングボールを蹴らせても、回収できない。
最終ラインの裏を狙われて、カウンターを仕掛けられた。
54分には小川、55分と59分には田中がゴールに迫った。
そして63分。カウンターで小川が独走。
PA内まで運んで、最後は山村の股を抜くシュート。
GK正面に飛んだボールは弱かったが、ソンリョンがトンネルしてしまった。
3点差となり、神戸がプレスを緩め、待ち受ける。
タイトに絞られていた川崎の中盤に余裕ができ、スムースに展開する。
右の馬渡を使いながら、中央からも縦パスを入れていった。
70分に小林、85分に車屋がゴールを決め、1点差に迫る。
ただ、3点差は大きく、追いつくことができなかった。
■summary
神戸は3バックを大きく広げ、ビルドアップ。
川崎のプレスの密度を薄め、スペースを作ってロングボールを入れた。
さらにセカンドボールを拾い、小川、田中、古橋がスピードで仕掛けていく。
川崎が2トップにして、守備が混乱している間に先制点を決めた。
その後もカウンターから決定機を作り続けた。
後半は押されたが、ルーカス・ポドルスキ(10)を投入。
1点差まで迫られたが、逃げ切った。
集めたクオリティの高い選手たちが川崎を寄せ付けず、完勝した。
川崎は長谷川のアクシデントによる戦術変更に失敗。
2トップではトップ下が不在となり、ルイジ・サンペール(6)が自由にプレー。
プレスが機能しなくなり、背後を鋭く狙われて失点を重ねた。
神戸は前半から強くプレスに来ていただけに、慎重に行くべきだった。
攻撃的な2トップの良さを活かせず、ウィークポイントを自ら晒した。
1失点を喫したあとからでも、1トップに戻すべきだった。
2点は決めることができたが、神戸の決定機の方が多く、結果は妥当。
夏の不調を引きずったまま、今年の天皇杯を終えた。
次はJ1リーグに舞台を変え、神戸との再戦(J1 #27)。
中9日と間隔が空くが、少しでも持ち直したい。
■goal
38山口蛍(5) 45+3古橋亨梧(16) 63小川慶治朗(13)
70小林悠(11) 85車屋紳太郎(7)
■judge
ソンリョン(1) 4.0 63分、小川のシュートをトンネル。良いセーブも少なく、厳しい結果。
馬渡和彰(17) 4.5 好守とも酒井高徳(24)に太刀打ちできなかった。仕掛ける姿勢は見せた。
山村和也(34) 5.0 ハイボールは強かったが、スピードで狙われた。馬渡を良くカバーする。
谷口彰悟(5) 4.5 ビルドアップに迷ってプレスを受ける。58分、相手にボールを渡す。
車屋紳太郎(7) 4.5 38分、西に1対1で完全に抜き去られ、先制点を許した。1ゴール。
下田北斗(22) 4.5 厳しいプレスで余裕がなく、ボールロストを繰り返す。11分、ミドル。
守田英正(6) 5.5 パスコースなく逡巡する。後半はCBの間に落ち、広い範囲をカバー。
阿部浩之(8) 5.5 ワンタッチで打開した。56分、長い距離をドリブルで上がってミドル。
脇坂泰斗(28) 5.0 中央にスペースがなく、ボールタッチが少なかった。後半は盛り返す。
長谷川竜也(16) 5.5 左サイドで西と対峙。攻守のバランスをとる。29分に負傷して交代。
ダミアン(9) 5.0 ダイレクトパスを狙うが、受け手と合わなかった。プレスも連動せず。
■sub
32(16)小林悠(11) 5.0 2トップによる守備の混乱を修正できなかった。1ゴール。
HT(22)中村憲剛(14) 6.0 徐々にボールに触りはじめ、スルーやクロスで攻撃を差配した。
76(9)知念慶(20) 5.0 ポストプレーはあったが、ゴールにつながらず。物足りない。
■bench
新井章太(21) 登里享平(2) 田中碧(25) 家長昭博(41)
■coach
鬼木達 3.5 修正がないまま、2トップで失点を重ねた。敗戦に導いてしまう。
■referee
家本政明 6.5 今日も素晴らしかった。コンタクトを許容する基準が明確。
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