2016/09/04

160903川崎3-1秋田(天皇杯 R64)

川崎3-1秋田(等々力, 19:00KO, 5,088人)

今年の天皇杯は、2回戦から出場することとなった。
 J3のブラウブリッツ秋田との対戦。
 代表ウィークで、J1リーグが開催されない週の土曜日の開催。
 久しぶりのカップ戦用ユニフォーム。

フル代表に小林と大島、U19代表に三好、韓国代表にGKソンリョンが招集されて不在。

大敗した柏戦(J1 #27)の先発から、ケガの井川も含めて4人が外れる。
 代わりにGK新井、武岡、大塚、中野の4人が先発する。
 大塚は鳥栖戦(J1 #25)以来、3週間ぶりの出場となる。

サブには新たにGK高木、板倉、森本が入った。
 森本は左膝外側半月板損傷による長期離脱から復帰。
 出場すれば、4月2日の鹿島戦(J1 #5)以来となる。


ブラウブリッツ秋田は、J3リーグで6位。
 天皇杯1回戦はヴァンラーレ八戸に勝利している。
 ベンチ入りは5人のみで、2人の枠を残している。

GK松本拓也(21)は、2011年に川崎に在籍していた。
 川崎での出場はなかったが、GK陣に故障が相次ぐ中、湘南から期限付きで来てくれた。

■1st half
秋田は前線から強くプレスを仕掛けてくる。
 川崎のボランチはもちろん、最終ラインがボールを持っていても詰めてくる。
 それも1人だけでなく、連携しながら全員で追いかけてきた。
 特に武岡がターゲットとなり、次のパスを狙われて奪われた。

秋田の攻撃には迫力はなかったが、28分。
 ネットの縦パスが奪われて、ショートカウンターを浴びる。
 FW呉大陸(9)が潰れたところから、FW前山恭平(7)がミドル。
 ゴールまでかなりの距離があったが、左隅にきれいに決まった。

川崎はボランチからのパスが前につながらない。
 大塚が下りてきてパスを受けるものの、前を向けない。
 中野と森谷はボールロストを繰り返した。
 秋田がハードに走って、コンパクトな陣形を保っていた。

■2nd half
後半開始から、中野を下げてエドゥアルドを投入する。
 最初は4バックだったが、50分ごろにピンチが続き、危ないシュートを打たれる。
 GK新井が中心となって、ゴールは許さなかったが、3バックへ移行。
 武岡、エドゥアルド、谷口を最終ラインに並べる。

秋田は前半のようなプレスを続けることができなくなる。
 コンパクトさは保っていたが、川崎のボールホルダーに余裕が生まれた。

67分、CKからの流れで車屋が左サイドをえぐり、マイナスのクロス。
 エドゥアルドがインサイドで蹴り込んで同点ゴール。

70分、76分と決定機を外した大久保が、77分にゴール。
 車屋が中央に流れて、空いた左サイドに入り込んだ森谷がアシストした。

82分には再び車屋が左クロス。
 田坂が豪快に蹴り込んで、試合を決めた。

■summary
秋田は前半、素晴らしい内容で川崎を圧倒した。
 しかし、90分走り続けることはできず、後半3失点を喫した。
 後半開始直後のチャンスで追加点を奪えれば、勝利できたと思われる。

もしくは、ゴール前を固めて1点を守り切る戦術も選択できた。
 しかし、堂々と川崎に勇敢に立ち向かった。
 賞賛に値する素晴らしいプレーだった。


川崎は代表組を除けば、現時点のフルメンバー。
 前半は、秋田のプレスに苦しみ、後手を踏んだ。
 武岡のパスの精度が低く、森谷と中野はパスをつなげなかった。
 後半、疲れの見えた秋田を突き放して、森本を起用することができた。

天皇杯の3回戦は、J2ジェフユナイテッド千葉との対戦。
 ただ、J1リーグの試合に挟まれた、9月22日の木曜日開催。
 主力を疲弊させて、J1リーグで勝ち点を失うわけにはいかない。
 秋田戦とは異なり、ターンオーバーが必要となる。

■goal
67エドゥアルド(23) 77大久保嘉人(13) 82田坂祐介(6)
28前山恭平(7)

■summary
新井章太(30) 6.0 49分のMF青島拓馬(20)のミドル、51分の前山のループを防いだ。
エウシーニョ(18) 5.5 不安定な守り。63分のミドルはDF浦島貴大(32)にブロックされた。
武岡優斗(17) 5.5 パスを狙われる。67分、車屋へスルー。足首を痛めたが最後までプレー。
谷口彰悟(5) 6.0 ハイボールを危なげなく処理。もっと最終ラインでボールをさばきたい。
車屋紳太郎(20) 7.5 復帰2戦目で2アシスト。左サイドから正確なクロスを多く供給した。
中村憲剛(14) 5.5 19分、中野へのパスで決定機を作る。ミスが多くカウンターを浴びた。
ネット(21) 5.5 縦に向かうパスをカットされていた。51分、PA近くでボールをロスト。
森谷賢太郎(19) 6.0 前半はパスをつなげず。左サイドに移ってから車屋と組んで活躍する。
大塚翔平(27) 5.5 前後に動いてボランチからパスを受けるが、前を向けなかった。
中野嘉大(22) 4.5 プレスがなくてもミスが目立つ。19分のGK1対1はトラップが流れる。
大久保嘉人(13) 6.5 決定的なチャンスを多く迎える。外していたが、77分に決勝ゴール。

■sub
HT(22)エドゥアルド(23) 6.5 最終ラインに安定をもたらした。同点ゴールを決めた。
58(27)田坂祐介(6) 6.5 気が効いたポジショニングで、攻撃を牽引する。1ゴール。
90+1(13)森本貴幸(9) 5.5 時間が短く、プレー機会はほとんどなかった。

■bench
高木駿(29) 板倉滉(28) 長谷川竜也(16) デューク・カルロス(32)

■coach
風間八宏 6.5 左サイドの停滞を選手交代で払拭して逆転勝利。森本を早く入れたかった。

■referee
柿沼亨 5.5 ファウルの判定は抑制的。後半、大久保が倒れるたびにファウルを取った。

■おまけ


試合終了後、秋田のゴール裏。
 「この絆を胸にいつか必ずここに戻ってきます!!」との横断幕。
 天皇杯のカテゴリー違いのゲームの醍醐味といえる。
 しかし、秋田にジャイアント・キリングされそうになったのも事実。

秋田の次の関東での試合開催は、9月19日(月)、味の素スタジアムでのFC東京U23戦。
 GK松本拓也によれば、秋田のゴール裏に川崎のユニフォームで入ってもいいそうです。