G大阪戦(J1 #34)から中8日で迎える天皇杯4回戦。
11月中旬の土曜日、19時キックオフ。等々力での開催。
観戦するには寒くて厳しい気候。
昨年の天皇杯4回戦では等々力の用意ができなかった。
万博記念競技場での開催となり、G大阪(2015 天皇杯 R16)に敗れた。
代表ウィークだが、川崎からは選出なし。
常連組の小林、大島、ソンリョンがそれぞれケガをしている。
先発はG大阪戦から3人変更。
GKソンリョンとエドゥアルドが負傷離脱から戻り、板倉がボランチで先発。
板倉はターンオーバーが敷かれた千葉戦(天皇杯 R32)に続く先発起用。
先発から外れたGK新井と登里はベンチに入り、中村はベンチ外。
ベンチからはGK安藤、中野が外れて、原川が入った。
浦和はJ1リーグ年間1位。
勝ち点2差で年間2位となった川崎との上位対決。
代表にはGK西川周作(1)とDF槙野智章(5)の2人が招集されている。
■1st half
浦和はワンタッチで三角形パスをつないで崩してくる。
8分にMF武藤雄樹(9)、9分にFW興梠慎三(30)のシュートはGKソンリョンがセーブ。
両サイドを広く使って、4本のCKを得るなど川崎を押し込んだ。
MF柏木陽介(10)が中盤で組み立てるがロストも多く、ロングボールが多くなった。
川崎は高い位置でパスをカットするとショートカウンターを仕掛ける。
板倉とネットが並ぶ2ボランチは高さがあって、効いていた。
縦に蹴り込まれてもCBエドゥアルドと谷口が余裕を持って対処する。
攻撃は左サイドからが主体。
車屋と三好、長谷川がパスとドリブルを組み合わせて攻め込む。
ただ、PAに近づくと精度を欠き、密集して守る浦和を破れなかった。
■2nd half
浦和は58分、柏木を代えて、最終ラインから前線に蹴り込んでくる。
前半、川崎にカウンターを多く浴びたため、リスクを軽減してきた。
川崎はいつものようにパスをつないで攻撃を仕掛けていく。
中盤でロストすることもあっても、ひるまなかった。
71分、DF森脇良太(46)からのロングボール。
ソンリョンの守備範囲だったが判断ミスで飛び出せず。
興梠が素晴らしいトラップから抜け出してゴールを決めた。
残り10分となってから、試合は目まぐるしく動く。
85分、大久保のミドルシュートを森脇がPA内でハンド。
意図的ではないと思われるが、近くを通るボールに反射して腕で触ってPK。
大久保がGK大谷幸輝(15)に触られながらも決めて同点。
89分には浦和がカウンターから興梠のクロス。
FW李忠成(20)の至近距離のヘッドはソンリョンが弾くが、登里がオウンゴール。
90+1分には再びの同点ゴール。
登里のクロスが森本の足元に流れて、GK大谷との1対1をループで抜いた。
■extra time
延長になって両チームともさらに間延び。
中盤が省略されて、ゴール前からゴール前にボールが動く。
97分、川崎のCKから浦和が長い距離のカウンター。
右サイドからの李のクロスをMF青木拓矢(16)がダイレクトで決める。
川崎は戻りが遅くなって、森谷がチェックすべき青木をフリーにしてしまった。
その後、川崎はパワープレーで勝負をかける。
浦和は5バックで自陣を固めるが、左のMF関根貴大(24)とDF宇賀神友弥(3)が狙われる。
エドゥアルドと板倉が右サイドに張り出して、空中戦を仕掛ける。
107分、ロングボールをPA内で板倉が落とすが、三好の直前で森脇がクリア。
117分にも同じ形。
三好からのハイボールを板倉が競り勝って折り返す。
エドゥアルドがヘディングで浮き球をゴール右隅に入れ、3度目の同点となった。
■penalty shootout
浦和の2人目、FWズラタン(21)をGKソンリョンがセーブ。
3人目の興梠もポストに当て、4-1で勝利した。
川崎 ○大久保嘉人(13) ○三好康児(26) ○エドゥアルド(23) ○ネット(21)
浦和 ○阿部勇樹(22) ×ズラタン(21) ×興梠慎三(30)
■goal
71興梠慎三(30) 89OwnGoal 97青木拓矢(16)
86PK大久保嘉人(13) 90+1森本貴幸(9) 117エドゥアルド(23)
■summary
J1リーグ年間1位と2位の対戦で、見ていて面白かった。
3度リードされて3度追い付くという展開も劇的だったし、内容も悪くなかった。
川崎はパスをつなぐサッカーを続け、手数を少なくして早くゴールに向かった。
パワープレイを2度成功させ、PK戦で準々決勝ベスト8に進むことができた。
3点ともに先に失点したのは残念。
カウンターで2点、ロングボールで1点。
攻撃時に前後の距離が離れてバランスが崩れていた。
復帰したGKソンリョンは、1失点目と3失点目でプレーの選択をミス。
それでも、PK戦でズラタンを止めたことは素晴らしかった。
浦和は後半から延長にかけ、中盤を省略してきた。
前半、中盤でボールを失いカウンターを受けたため、カップ戦らしい現実的なプレーを選択。
リードを3度奪うたびに守備を固めたが、川崎の攻勢を抑えることができなかった。
GK西川と槙野の不在が大きく響いたともいえる。
次はチャンピオンシップの鹿島戦。
長谷川と三好の2トップも機能し、板倉とネットのボランチは守備力が高い。
小林、大島、中村と主力を欠いても、遜色のないプレーができた。
■judge
ソンリョン(1) 6.5 復帰戦。キックや飛び出しで不安定さはあったが、PKストップで勝利を呼んだ。
田坂祐介(6) 5.5 右サイドから攻め上がって攻撃にからむ。カウンターで戻りながらの守備は課題が残る。
エドゥアルド(23) 6.5 難易度の高いヘディングで同点ゴール。終了間際のシュートは浮いてしまう。
谷口彰悟(5) 6.0 後半、劣勢の時間帯でバタついた。パワープレイ時に後ろに残ってカウンターを防ぐ。
板倉滉(28) 7.0 足を吊ってもひたむきに最後まで走り続けた。ボランチで攻守に活躍。嬉しいサプライズ。
ネット(21) 6.0 76分にイエローをもらい、感情的になってパスミスが増える。冷静にコントロールしたい。
エウシーニョ(18) 5.5 40分、GK大谷との1対1を決められず。右サイドからは攻撃が少なく、見せ場がなかった。
車屋紳太郎(20) 5.5 左サイドでMF駒井善成(18)と対峙。押し込んではいたが、崩し切ることができなかった。
三好康児(26) 6.5 CKを担当。何度もシュートを放ってゴールに迫った。90+5分のミドルは大谷がスーパーセーブ。
大久保嘉人(13) 6.5 下がってボールを受けて周囲をパスで操る。PKをもらって、自ら決めた。
長谷川竜也(16) 6.0 1トップで激しくGKまでボールを追う。44分のヘディングシュートは浮いた。
■sub
53(18)森谷賢太郎(19) 5.0 右ウィングに入る。守備は頑張っていたが、パスを受けられず消えていた。
68(16)登里享平(2) 6.0 オウンゴールは仕方がない。直後に同点アシスト。95分、PA近くでFKを得る。
75(20)森本貴幸(9) 6.5 落ち着いてゴールを決める。ボールが来なくても何度もオフサイドラインで動き直した。
■bench
新井章太(30) 橋本晃司(7) 原川力(15) 狩野健太(25)
■coach
風間八宏 6.5 森本の投入とパワープレーで同点に追い付く。主力の離脱を感じさせなかった。
■referee
上田益也 4.5 不安定なジャッジ。荒れた局面で選手を落ち着かせることができなかった。