2022/03/20

220319広島0-2川崎(J1 #5)

広島0-2川崎(エディオンスタジアム広島, 14:00KO, 7,544人)

ウノゼロで勝利した名古屋戦(J1 #4)から中6日。
 代表ウィークによる中断前のアウェイの広島戦。
 なお、川崎からは、山根と谷口が日本代表に選出されている。

広島県のまん延防止等重点措置は、3月6日で解除された。
 入場制限はなく、収容率100%で開催される。
2020年、2021年のエディオンスタジアムは、アウェイ席の用意はなかった。
 川崎戦でアウェイ席が設置されるのは、2019年以来となる。

残念ながら、ほとんどの時間、雨に降られた。
 後半、晴れ間が覗いたときもあったが、また降り始めた。
 屋根はメインスタンド上部にしかないため、厳しい観戦環境となった。


先発は、名古屋戦から1人を変更する。
 累積警告4枚で出場停止となったチャナティップは、先発から外れる。
 代わりに先発するのは小塚で、川崎加入後、J1リーグでは2度目の先発。
  最初の先発は、2021年5月16日の札幌戦(2021 J1 #14)だった。

ベンチにはGK安藤と大島が入り、GK丹野が外れた。
 GK安藤は今シーズン初めてのベンチ入りとなる。


広島は、ミヒャエル・スキッベ新監督が就任した。
 日本代表には、佐々木翔(19)が選ばれている。
2021年の対戦は、2戦2分。
 210418川崎1-1広島(J1 #10)
 210821広島1-1川崎(J1 #25)
川崎がJ1リーグで唯一勝てなかったのが広島だった。

■1st half
広島は伝統のスリーバックで、鋭くプレスを仕掛けた。
 FWジュニオール・サントス(37)と浅野雄也(16)がボールホルダーに寄せる。
 じわじわと近づき、距離を詰めた瞬間に、強くスイッチを入れる。
後方の選手も連動してパスコースを切り、川崎を追い詰めてボールを奪った。

川崎はプレスで時間を奪われて、2CB谷口と山村から先につなげない。
 SB山根と佐々木、アンカーの橘田はマークされる。
 インサイドハーフ小塚と脇坂が降りてきても、パスを受けられない。
最後はロングボールを蹴り込むが、ダミアンはCB荒木隼人(4)に封じられた。
チャンスは少なく、5分、山根の右クロスをダミアンがヒールシュートしたくらい。

広島は正確なパスでビルドアップする。
 川崎に複数人で囲まれても、奪われることなくつなぐ。
 密集エリアを抜け出して、スペースを使って前進した。
ただ、サイドからクロスを入れても、PA内での決定機は少なかった。
 15分、満田誠(39)のシュートがGKソンリョンに当たり、谷口がゴールライン上でクリア。
 38分に浅野、39分にサントスが連続してシュート。

■2nd half
広島は前半ほど走れなくなって、川崎に余裕が生まれる。
67分、知念、宮城天、大島の3人を同時に投入すると、はっきり優勢となる。
 知念が前線で身体を張り、宮城天が左ウィングでパスを呼び込んだ。
 大島は守備の狙いとは逆を突くパスを出し、足を止めた。

73分、大島の左CKにニアサイドの谷口が飛ぶと、背後の野上結貴(2)がオウンゴール。
 谷口はボールに触れていないが、野上はギリギリの対応を強いられ、OGを避けられなかった。

失点後、広島は選手交代を繰り返すが、川崎の攻勢が続く。
 84分、橘田の素晴らしいラストパスから宮城天が決定機。
 88分、知念のラストパスから、小林悠がシュートを放つ。
そして88分、山根の横パスを受けて、知念が力強いシュート。
 GK林卓人(1)が弾いたが、ゴール前に詰めていた山根が押し込んだ。

■summary
広島は川崎の良さを消して、善戦した。
 全体的に連動したプレスを続けたので、体力的には厳しかった。
 後半はペースを落とし、2失点してしまうが、悪い内容ではなかった。

ビルドアップを愚直に続け、ミスも少なかった。
 野津田岳人(7)と塩谷司(3)のボランチが組み立てていく。
 両ウィングの満田と藤井智也(15)を使って、川崎を押し込んだ。

最初の交代は、オウンゴール後の76分だった。
 もっと早くフレッシュな選手を投入しても良かったかもしれない。
 ただ、選手を入れ替えてもほとんど攻撃することができなかった。
 だとすると、遅めの選手交代とした判断も正しかったと思われる。


川崎はボールを受ける動きが少なかった。
 マルシーニョとダミアンもパスを受けられず、孤立していた。
 広島の早いプレスで余裕を失い、縦に蹴らされる場面が多かった。

攻められて辛抱しながら、勝機を粘り強く待つことができた。
 後半、広島が走れなくなったところで、選手交代からギアを上げて2得点。
 必ずしも良い内容ではなかったが、勝つことができた。

代表ウィークを挟んで、次は中13日のホームC大阪戦(J1 #6)。
 この間、しっかり体調を整えて、チーム戦術を深めたい。

■goal
73OwnGoal 88山根視来(13) 

■judge
ソンリョン(1) 6.0 38分に野津田、39分にサントスのシュートをキャッチ。後半は仕事が減る。
山根視来(13) 6.5 5分、右クロス。88分、ゴール。満田にサイドの幅を広く使われて苦しんだ。
山村和也(31) 6.5 68分、サントスを止めてイエロー。ロングパスを織り混ぜたビルドアップ。
谷口彰悟(5) 7.0 15分、ゴールライン上でクリア。クロスを跳ね返しつつ、無失点で終えた。
佐々木旭(15) 5.5 藤井に仕掛けられたが、なんとか守る。つなぎのパスで冒険できなかった。
橘田健人(8) 6.0 押し込まれる中、26分、29分にボールカット。84分、宮城天へラストパス。
脇坂泰斗(14) 5.5 6分、76分にシュート。味方に顔を出せなかった。72分、中盤でロスト。
小塚和季(17) 6.0 5分、14分、49分とマルシーニョへロングパス。6分、13分に縦パスを出す。
家長昭博(41) 6.0 珍しく精度を欠くクロスもあった。自由なポジションで広島の穴を作り出す。
ダミアン(9) 5.5 荒木に抑えられターゲットになれず。プレスも控え目。5分、ヒールシュート。
マルシーニョ(23) 5.5 5分、左サイドを独走。49分、左クロス。スペースを突けず窮屈だった。

■sub
67(17)大島僚太(10) 6.0 73分、家長へスルーパス。74分、左CKからオウンゴールにつないだ。
67(9)知念慶(20) 6.5 激しいプレスで88分、GKから奪う。88分、ミドルで山根のゴールを呼ぶ。
67(23)宮城天(24) 6.0 84分、決定機を迎えたがGK林がセーブ。左サイドでボールを受けた。
78(14)遠野大弥(19) 5.5 88分、中央から右に走ってゴールの起点に。90+4分、PA内でクリア。
83(41)小林悠(11) 5.5 相手と間を空けない守備を続ける。88分、フリーで浮かせるシュート。

■bench
安藤駿介(21) 塚川孝輝(3) 

■coach
鬼木達 6.5 前半、劣勢となっていたが微調整で我慢し、選手交代から勝利を掴んだ。

■referee
岡部拓人 6.5 ストレスの少ない明確なジャッジ。素晴らしかった。

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