J1リーグ7連勝となったG大阪戦(J1 #8)から中3日。
中断していたYBCルヴァンカップ(YLC)が、鹿島戦で再開する。
2月16日の第1節清水戦(YLC GL #1)から5カ月以上、間隔が空いた。
この間、大会のレギュレーションも大きく変わった。
選手交代は1試合3人までから5人までに拡大。交代回数は3回まで(ハーフタイムも可)。
延長となった場合は、選手交代を1人、交代回数を1回追加する。
U-21先発ルール(21歳以下の日本国籍者を1人以上先発させる)は適用しない。
グループリーグ(GL)は4チーム2回戦総当たりから1回戦総当たりに変更。
Bグループの松本山雅(J2)は第2節以降不参加とする。
松本と未対戦の仙台と浦和は、勝ち点3(得失点差0)を得る。
C大阪が松本に4-1で勝った第1節の結果はそのまま有効。
プレーオフステージ(ベスト16)は中止。GLから5チームがベスト8に進出。
ACL組3チームを加えたプライムステージ(8チーム)は、すべて1試合制に変更。
川崎は、鹿島、名古屋、清水とAグループに所属。
第1節清水戦(YLC GL #1)は、5-1と大勝している。
先発は、G大阪戦から7人を変更する。
GK丹野、山村、車屋、守田、下田、ダミアン、三笘の7人が新たに先発。
丹野は川崎加入後の初先発(初出場)、三笘はプロ初先発となった。
引き続き先発するのは、山根、ジェジエウ、脇坂、旗手の4人。
比較的大きなターンオーバーだが、出場機会は多い選手たちなので驚きは少ない。
YLCのグループリーグは3試合制で、初戦に勝ったとはいえ、大事な試合。
ベンチスタートとなるのは、登里、田中碧、大島、家長、小林悠の5人。
GKソンリョンと谷口はベンチ外となる。
鹿島は、J1リーグでは2勝1分5敗の12位。
1-4と大勝した大分戦(J1 #8)から中3日。
大分戦と11人全員が同じ先発となった。
YLCグループリーグ第1節は、名古屋に負けている。
川崎とはJ1リーグ再開初戦で対戦(J1 #2)し、川崎が勝っている。
■1st half
鹿島は2トップが川崎の2CBにプレスを仕掛ける。
後方も連動して厳しくパスコースを封じ、中盤のスペースを与えなかった。
川崎はビルドアップにスムーズさを欠いた。
特に左サイドでは、山村、車屋、三笘の連携が悪く、すぐに囲まれる。
難しいパスを選択することも多く、ボールを失いがち。
それでも中盤で守田や脇坂が鹿島のプレスをかわしていく。
右サイドでは、山根が旗手をスルーパスで走らせてチャンスを作る。
旗手は19分、22分と立て続けに決定機を迎えるが、シュートは決まらない。
25分あたりから、鹿島がボールを握っていく。
両サイドを広く使ってクロスを入れ、さらに縦パスも狙う。
33分、LSB永戸勝也の左クロスをレオ・シルバ(4)がミドル。
39分には遠藤康(25)がロングシュートを放った。
川崎がようやく押し戻せるようになって、43分。
旗手が右サイドからPA中央までドリブルしてシュート。
GK曽ヶ端準(21)が弾いたボールを左サイドで三笘が拾い、PA内に進入して先制ゴール。
旗手が右から、三笘が左からと連続してPAを攻め、鹿島の守備の足を止めた。
■2nd half
川崎はハーフタイムで小林悠と大島を投入する。
中軸のプレスが強まって、鹿島のミスを誘う。
47分、GK曽ヶ端のパスを旗手がカットして、最後は小林がシュート。
DFにブロックされたボールを大島がミドルを決め、追加点が入った。
55分には三笘の左クロスを旗手が押し込み、3点差を付ける。
63分、鹿島は一気に4人を交代して、反撃に転じる。
前半のようなプレスを再び仕掛けて、川崎からボールを奪った。
川崎は落ち着いてボールを回せずに、苦し紛れのパスが増えてくる。
お互いに中盤にスペースが生まれて、チャンスを作り合う。
川崎にも決定機はあったが、ゴールを決めたのは鹿島だった。
87分、90+3分と伊藤翔(15)が2ゴールを決め、1点差まで迫る。
90+5分には永木亮太(6)の右CKを伊藤がヘッドするが、ゴール右に外れた。
■summary
鹿島は精力的にプレスを仕掛けてきた。
しかし先制できないまま足が止まり、川崎に3ゴールを決められてしまう。
63分の4人同時交代からは主導権を掴み直して、追撃した。
伊藤翔が2ゴールを決めて意地は見せたが、追い付くことはできなかった。
YLCは2連敗となり、グループリーグ敗退が決まった。
川崎はターンオーバーしたことにより、ビルドアップにぎこちなさが見られた。
パスコースを作る動きが少なく、次のプレーの判断が遅れ、鹿島に囲まれた。
それでも最初から飛ばした鹿島の運動量が落ちるまで、余裕を持って守った。
逆襲に転じると、あっという間の3ゴールで試合を決めた。
出場機会が少なかったCB山村やLSB車屋を起用しながら、勝利した。
プロ初先発の三笘が先制点を決めると、旗手も待望のプロ初ゴール。
終盤に1点差とされたのは反省材料だが、主力を休ませつつ、良い結果を出した。
YLCは2連勝となり、来週水曜日の第3節は同じく2連勝の名古屋と対決。
ドロー以上でプライムステージ(8チーム)に進出することができる。
名古屋戦の前には、中2日で大分戦(J1 #9)がある。
今日のターンオーバーを上手く活かして、勝利したい。
■goal
87,90+3伊藤翔(15)
43三笘薫(18) 47大島僚太(10) 55旗手玲央(30)
■judge
丹野研太(27) 5.5 川崎での初出場はまずまずだった。2失点ともにギリギリで止められず。
山根視来(13) 5.5 疲労のせいか運動量が少なかった。15分、36分と旗手へスルーパス。
ジェジエウ(4) 6.0 シュートに立ちはだかりブロックする。74分、クロスボールを空振り。
山村和也(34) 5.5 クリアボールをもっと味方につなぎたい。最後は足を攣って最前線へ。
車屋紳太郎(7) 5.5 上がるタイミングが早すぎて、山村が孤立した。89分、FKを小林悠へ。
守田英正(6) 6.0 1ボランチで広いスペースをカバーする。後半はさすがに動きが落ちた。
脇坂泰斗(8) 5.5 7分、ドリブルでプレスを抜け出す。33分、ミドル。47分、右からクロス。
下田北斗(22) 6.0 左サイドに出向いてプレー。18分、中央でドリブル。19分にシュート。
旗手玲央(30) 6.0 19分、22分、43分に決定的なシュート。55分、待望のプロ初ゴール。
ダミアン(9) 6.0 ポストプレーで周囲を活かす。5分、左サイドから中央にドリブルする。
三笘薫(18) 6.5 プロ初先発。1ゴール1アシストで勝利に貢献。ボールロストも目立った。
■sub
HT(22)大島僚太(10) 6.5 ミドルで1ゴールを決める。59分、小林悠へスルーパスを入れる。
HT(9)小林悠(11) 6.0 47分、50分、59分、89分と切れ味鋭いシュート。プレスを先導。
60(8)田中碧(25) 5.5 ボランチの1列前で出場。62分、ボールを奪ってドリブルシュート。
67(18)宮代大聖(20) 5.5 80分、82分、90+3分とシュート。もっと時間を使いたかった。
90+1(30)家長昭博(41) 5.5 プレー機会は少なかったが、カウンターを仕掛けた。
■bench
安藤駿介(24) 登里享平(2)
■coach
鬼木達 6.5 ターンオーバーしながらも鹿島を上回った。選手交代も申し分なかった。
■referee
木村博之 6.5 軽い接触はファウルを取らず、悪質なファウルにはイエローを提示した。
121,100views